JPH0551110U - バックル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バックル本体と差込体との差込形式によるバ
ックルにおいて、両者の係合用の係止部をバックルの中
心に近い個所に設け、各種の作動に耐え安定した係合を
保つ。 【構成】 バックル本体１は扁平な筒状匣４から形成さ
れ、筒状匣４の外側に開口部６を設け、かつ筒状匣４内
面の中心線に近い両側に係止部９を設ける。差込体２は
基板１４の一端に一対の差込脚部１５を設け、差込脚部
１５の先端に前記係止部９と係合する係止部１６を設
け、かつ外方へ張出し前記開口部６から表出できる離脱
操作用の操作部１８を設ける。そして係合時にバックル
本体と差込体との間に発生する回動および捻回の運動量
を小さくし、安定した係合状態を保持する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、雌雄部材すなわちバックル本体と差込体との差込形式によるバッ クルであって、一般には被服、鞄、ヘルメット、あるいはスポーツ用具などに用 いられるベルト用のバックルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の雌雄部材、たとえばバックル本体と差込体との差込形式によるバックル にあっては、扁平な筒状匣から形成されたバックル本体の両外側面に開口部を設 け、このバックル本体に差込まれる差込体は、基板の両外側部に可撓アームを突 設し、この可撓アームの外側面に係止指圧部を突設し、この両係止指圧部と前記 両開口部とを係合させるバックル（実公昭６２−４４６４９号公報参照）が知ら れている。

【０００３】 また、扁平な筒状匣から形成されたバックル本体の両外側面に開口部を設け、 このバックル本体に差込まれる差込体は、両外側部に外向の係止爪を先端に設け た一対の脚部を突設し、この脚部の係止爪と、バックル本体の開口部とを係合さ せたバックル、すなわちヘルメット用の尾錠（実公昭５６−５３６９０号公報参 照）が知られている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前項で述べた公知のバックルまたは尾錠は、それぞれ扁平の筒状匣のバックル 本体の両外側面に開口部を設け、またバックル本体に差込まれる差込体には、両 外側部に前記開口部と係合する係止指圧部を備えた可撓アーム、または外向の係 止爪を先端に形成した脚部をそれぞれ並設し、開口部と係止指圧部、または係止 爪とを係合させる形式のものであるから、両者の係合位置はバックルまたは尾錠 の両外側部にあり、万一この何れか一方の係合が外れると、他の係合位置が支点 となってバックル本体と差込体との間に回動動作、または捻回動作が発生し、そ の運動量も支点となる係合位置が止具の中心線から離れているため、非常に大き くなり、その結果正常に係合している他の係止部分の係合までも外してしまい、 強いては止具の損傷の一因ともなった。

【０００５】 この考案は、上述の問題点を解消するため考案されたもので、バックル本体と 差込体との係合位置をなるべく止具の中心線に近い個所に配設し、たとえ一方の 係合が外れたとしても、公知の止具のように係合位置が止具の両側部分にあるも のと異なり、バックル本体と差込体との間の回動量また捻回量も少なくてすみ、 他の係止部の係合にもそれ程影響を与えず、係合も外れない故障の少ないバック ルを提供することが目的である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するため、この考案のバックル本体と差込体との差込形式に よるバックルは、バックル本体が扁平な筒状匣から形成され、両外側面に開口部 を設け、かつ匣内面で中心線に近い両側に係止部を設け、一方、差込体は基板の 一端に一対の差込脚部を弾発的に突設し、この脚部先端に前記係止部と係合する 係止部を設け、かつ脚部の外側面に張出し前記開口部から表出できる操作部を設 けたバックルを主な構成としている。

【０００７】 そして、バックル本体の扁平な筒状匣の上下内面に係止部を突設し、差込体の 差込脚部の先端上下面に前記係止部と係合する係止部を突設し、両係止部の係合 面は差込線に対してハ字状に傾斜するように形成したバックルである。

【０００８】 また、バックル本体の両側面に設けた開口部の差込口側の口縁に第二係止部を 設け、差込体の差込脚部の外側面に設けた操作部の基板側に第二係止部を設け、 この両係止部が係合できるように形成したバックルである。

【０００９】

【作用】

この考案のバックルは、上述のような構成であり、バックル本体と差込体との 差込形式によるバックルであって、バックル本体に対し差込体を差込口から差込 むと、差込体に弾設した差込脚部が筒状匣の側壁に圧され、脚部先端部分が中央 に押動されながら挿入し、かつ一定範囲挿入されると次は筒状匣の内面に突設し た係止部に差込脚部に突設した係止部とが側面接触しながら摺動し、側面接触が 終わると差込脚部は外方へ拡開され、それと同時に筒状匣に設けた係止部と脚部 に設けた係止部とが係合面で係合し、さらに筒状匣の開口部に設けた第二係止部 と脚部の操作部に設けた第二係止部とが係合する。また筒状匣の中央に設けた連 結部の先端は、差込体に設けた突片の挿入部に挿入され、全ての差込操作は完了 する。

【００１０】 次にバックルの解放操作は、まず操作部を挟圧し、それに伴い前記係止部の係 合、また第二係止部の係合とが全て解除され、そして差込体を筒状匣から引抜く ための操作を行えば、それと同時に筒状匣の係止部と、差込脚部の係止部との摺 接、および筒状匣の側壁と、差込脚部の操作部との摺接によって、差込体を容易 に筒状匣から離脱させることができバックルの解放操作は完了する。

【００１１】

【実施例】

以下、この考案に関するバックルの実施例について、図面を参照しながら具体 的に説明する。

【００１２】 この考案のバックルの実施例は、図１から図４に示すとおり、合成樹脂などか ら成形された雌雄部材、すなわちバックル本体１と差込体２との差込形式による 係脱自在なバックルであって、バックル本体１は基端部にベルト取付部３が付設 され、全体が扁平な筒状匣４から形成されている。そして筒状匣４の一端には差 込体２を差込むための差込口５が形成され、両側の外側面には凹状の開口部６、 ６が差込口５と連通状態で設けられ、筒状匣４の上壁板７、下壁板８の内面には 中心線に近い両側部分に係止部９、１０が突設され、この係止部９、１０の係合 面は差込方向に対して若干ハ字状に傾斜している。また前記開口部６、６の差込 口５側の口縁に第二係止部１１、１１が形成され、さらに筒状匣４の中央すなわ ち中心線に沿って上壁板７と下壁板８とを連結する連結部１２が形成され、筒状 匣４の変形を防いでいる。

【００１３】 一方、差込体２は基端部にベルト取付部１３が付設され、基板１４の一端に一 対の弾発性を備えた差込脚部１５、１５が突設され、差込脚部１５、１５の先端 上下面に係止部１６、１６、１７、１７が突設され、係止部１６、１６、１７、 １７の係合面は、差込方向に対し多少ハ字状を呈するように形成され、、前記筒 状匣４に設けられた係止部９、９、１０、１０とそれぞれ係合するように形成さ れている。また差込脚部１５、１５の両側外側面には側方に張出すように操作部 １８、１８が設けられ、この操作部１８、１８の基板１４側に第二係止部１９、 １９が凹設され、差込体２をバックル本体１に差込んだとき、操作部１８、１８ は、筒状匣４に設けた開口部６、６から表出するように形成され、かつ操作部１ ８、１８に設けた第二係止部１９、１９と、開口部６、６に設けられた第二係止 部１１、１１とが係合するように形成され、また基板１４の中央部分には、前記 連結部１２の先端を挿入するための挿入部２０が凹設された突片２１が突設され ている。なお図中２２はベルトである。

【００１４】

【考案の効果】

この考案のバックルは、以上説明したとおりの構成であり、この構成によって 下記の効果を奏する。

【００１５】 バックル本体は、扁平な筒状匣から形成され、筒状匣の両外側面に開口部を設 け、かつ筒状匣内面の中心線に近い両側に係止部を設け、かつ差込体には基板の 一端に一対の差込脚部を弾設し、脚部先端に前記係止部と係合する係止部が設け られ、そして外側面に張出し、前記開口部から表出できるように操作部を設けた 構成であるから、筒状匣の内面に設けた係止部と、差込体の先端に設けた係止部 とが、係合する位置がバックルの中心線に近い両側であり、係合位置間隔が狭い ので、たとえ一方の係合が外れたときでも、従来品のように止具の両外側面に係 合個所があるものと異なって、バックル本体と差込体との間に発生する回動運動 量、また捻回運動量はきわめて小さいので、他の係止部の係合を解除させること は困難であり、係止状態を保持させることができ、長期の使用に耐えられる効果 がある。

【００１６】 また、筒状匣の上下内面に係止部を突設し、差込体の差込脚部の先端上下面に 前記係止部と係合する係止部を突設し、両係止部の係合面は差込線に対しハ字状 に傾斜するように形成した構成であるから、係合は差込体の上下面で行われ、し かも両係止部の係合面は差込線に対しハ字状に傾斜しているため、係合時は常に 差込脚部を両外側に拡開する作用が働くので、安定した係合が達成できる効果が ある。

【００１７】 さらに、バックル本体の外側面に設けた開口部の差込口側における口縁に第二 係止部を設け、差込体の差込脚部の外側面に設けた操作部の基板側に第二係止部 を設け、この両係止部が係合可能なように形成した構成であるから、バックル本 体と差込体との係止個所が多く配設されているので、多少の離脱力が加わったと しても、両者の係合を解除させることができず、安定した係合を持続させる効果 がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】差込形式のバックル（バックル本体、差込体）
の斜視図である。

【図２】係合時におけるバックルの平面図である。

【図３】図２におけるＡ−Ａ線の断面図である。

【図４】図３におけるＢ−Ｂ線の断面図である。

【符号の説明】

１ バックル本体 ２ 差込体 ３、13 ベルト取付部 ４ 筒状匣 ５ 差込口 ６ 開口部 ９、10 係止部 11、19 第二係止部 14 基板 15 差込脚部 16、17 係止部 18 操作部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バックル本体と差込体との基端部にベル
   ト取付部を付設した差込形式によるバックルにおいて、
   バックル本体は扁平な筒状匣から形成され、筒状匣の両
   外側面に開口部を設け、かつ筒状匣内面の中心線に近い
   両側に係止部を設け、差込体は基板の一端に一対の差込
   脚部を弾設し、脚部先端に前記係止部と係合する係止部
   を設け、かつ外側面に張出し前記開口部から表出できる
   操作部を設けたことを特徴とするバックル。
2. 【請求項２】 バックル本体の扁平な筒状匣の上下内面
   に係止部を突設し、差込体の差込脚部の先端上下面に前
   記係止部と係合する係止部を突設し、両係止部の係合面
   は差込線に対しハ字状に傾斜するように形成した請求項
   １記載のバックル。
3. 【請求項３】 バックル本体の外側面に設けた開口部の
   差込口側の口縁に第二係止部を設け、差込体の差込脚部
   の外側面に設けた操作部の基板側に第二係止部を設け、
   この両係止部が係合可能に形成した請求項１または２記
   載のバックル。