JPH0719285Y2 - バックル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、一方のベルト端部に装着されたプラグと、
他方のベルト端部に装着されたソケットとからなり、プ
ラグとソケットとの係脱によりベルト同士を連結するよ
うにしたバックルに関するものである。

従来の技術 この種のバックルとしては、実公昭51-1934号公報に開
示のものが知られている。このバックルは、方形枠状の
ベルト装着部に係合段部を有する矢尻形の係合子が突設
されているプラグと、中空筒状の２つ割りにされたソケ
ット本体と該ソケット本体の両側に一部が突出し係合爪
を有する一対のフックと該フックの係合爪を向い合うよ
う内方向に付勢するばねとから構成されているソケット
からなっている。

このバックルはプラグの係合子をソケットの開口部であ
る挿入口より挿入することにより係合子の係合段部とソ
ケットのフックの係合爪とが係合することによってプラ
グとソケットとは係合され、これを解除するには一対の
フックの露出部分をばねの付勢力に抗して押圧すること
により前記係合段部と係合爪との係合が外れ、プラグと
ソケットとの係合が解かれるようになっている。

考案が解決しようとする課題 しかし、この従来のバックルは、特にソケット側はソケ
ット本体、フック、ばねからなり、部品点数が多く、そ
れだけ高価なものとなる他、組立作業も大変であるとい
う課題を有している。

本考案は上記課題に着目してなされたものであって、部
品点数を少なくすることにより、安価で、かつ組立て簡
単なバックルを提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段 上記目的は、係合手段（16）を有する係合子（14）を一
体に有するプラグ（１）と、前記係合手段（16）と係合
するよう回動可能に枢支された一対のフック（22）を有
するソケット（12）とから成り、前記係合子（14）の先
端側に弾性部材（18）を一体的に形成し、前記フック
（22）の一方の側部上部にプラグ（11）の係合手段（1
6）と係脱する係止爪（37）を形成し、下部には係止爪
（37）側の側部に突出する押圧突部（38）を形成し、更
に、前記両フック（22）の他側部に押部（39）を形成し
て、前記プラグ（11）の係合手段（16）と前記両フック
（22）の係止爪（37）との係合時に上記弾性部材（18）
がフック（22）の押圧突部（38）を外方向に付勢するよ
う構成したバックルとすることにより達成される。

作用 プラグ（11）のソケット（12）への装着はプラグ（11）
の係合子（14）をソケット（12）に挿入することによ
り、係合手段（16）とフック（22,22）とが係合し、こ
の係合は弾性手段（18）によりフック（22,22）の係合
部側が内方向に付勢されることによって外れることがな
くプラグ（11）とソケット（12）とは係合装着される。

プラグ（11）とソケット（12）とを外すには、フック
（22,22）を手指により押すことにより押圧突部（38,3
8）で弾性手段（18）を弾性変形させフック（22,22）は
回動することにより前記係合手段（16）との係合が外
れ、プラグ（11）はソケット（12）より飛び出すように
して外れる。

実施例 以下、本考案を図面に示す一実施例に基づいて具体的に
説明する。

第１図及び第２図は本考案に係るバックル（10）を示し
ており、該バックル（10）は、プラグ（11）と該プラグ
（11）と係脱するソケット（12）とからなり、プラグ
（11）は第２図で示されるよにソケット（12）に対して
わずかに傾斜するようになっており、オートバイ用のヘ
ルメット装着用のベルト等に使用した場合、上顎のライ
ンにフィットするようになっている。

前記プラグ（11）は合成樹脂材によりなり、第３図ない
し第６図に示されているように方形枠状のベルト装着部
（13）と、該ベルト装着部（13）より一体に下方に延長
する矢尻状の係合子（14）とからなっている。（15）は
係合子（14）を補強するリブである。

前記係合子（14）の中央下方よりには係合手段（16）が
設けられている。この係合手段（16）は、図示の例では
係合子（14）の横幅より左右に突出し上方に傾斜し段部
を形成する係合部（17,17）を有している。係合手段（1
6）の下部である係合子（14）の先端部には弾性手段（1
8）が一体的に設けられている。この弾性手段（18）は
第５図に示されるように、第１弾性片（19a）と第２弾
性片（19b）の一対からなり、係合子（14）の中心より
左右に分かれ、一方の第１弾性片（19a）は係合手段（1
6）の厚みの表面側約半分の厚みを有し、他方の第２弾
性片（19b）は係合手段（16）の厚みの裏面側約半分の
厚みを有し、第１弾性片（19a）と第２弾性片（19b）は
段違いの状態となっている。そして両弾性片（19a,19
b）を左右より押圧すると第６図（Ｂ）に示すように第
１弾性片（19b）と第２弾性片（19b）とは交差するよう
弾性変形するようになっている。この弾性変形を容易に
するため係合手段（16）と弾性手段（18）間に透孔（2
0）が形成されている。この透孔（20）は図示の例では
円形と長孔との組合せたものが示されているが、これに
限定されることはなく、例えば楕円形状の透孔であって
もよい。また第１弾性片（19a）と第２弾性片（19b）と
を合わせた厚みは係合手段（16）の厚みよりわずかに薄
くなるよう形成されている。

第７図及び第８図はソケット（12）を示しており、該ソ
ケット（12）は、中空筒状のソケット本体（21）と、該
ソケット本体（21）内において回動自在に枢支され前記
プラグ（11）の係合手段（16）と係脱する一対のフック
（22,22）とから構成されている。

前記ソケット本体（21）は、第８図及び第９図に示され
るように同形同大の２つ割りにされたソケット単体（2
3,23）を相対向させ組合せることによって中空状に作ら
れ、第８図で示されるように左右にフック（22,22）の
一部が露出するよう切欠き孔（24,24）が形成される。
このソケット本体（21）の下部にはベルトを挿通し装着
するベルト挿通孔（25）及びベルト装着枠（26）からな
るベルト装着部（27）を有している。上部にはプラグ
（11）を挿入する挿入口（28）を有している。

前記ソケット単体（21）は第９図に示されているよう
に、板状の基板（29）の上部隅部（30,30）及びベルト
装着部（27）が肉厚となっており、各上部隅部（30,3
0）とベルト装着部（27）とで切欠（31,31）が形成され
るようになっている。この上部隅部（30,30）の一方の
隅部（30）には第10図に詳細に示されているように、外
方に突出するよう係合突起（32）を一体的に有し、他方
の隅部（30）には該係合突起（32）と係合する係止部
（33）が形成されている。またベルト装着部（27）の両
側には係合突起（32）との対角線上に同一の係合突起
（32）を有すると共に、係止部（33）との対角線上に同
一の係止部（33）が形成されている。従って、２つのソ
ケット単体（21,21）を相対面させ押圧することにより
各係合突起（32,32）と各係止部（33,33）とが第10図に
示されるように係合し、第８図に示すようなソケット本
体（21）をワンタッチで組立てることができる。このよ
うに同一のソケット単体（21,21）を作ればよいので製
造コストが安価となる。（34,34）は基板（29）に形成
された孔であって、左右に離隔し前記一対のフック（2
2,22）を枢支する孔である。

前記各フック（22）は第11図及び第12図に示されるよう
に、板体（35）からなり、該板体（35）の表裏両面に突
出する軸（36,36）を有し、該軸（36,36）がソケット本
体（21）の孔（34,34）に嵌挿されることによりソケッ
ト本体（21）に対してフック（22,22）は回動自在に取
付けられる。板体（35）の一方の側部上部には前記プラ
グ（11）の係合子（14）の係合手段（16）と係脱する係
合爪（37）が形成されている。また下部には係合爪（3
7）側の側部に段状に突出する押圧突部（38）を有して
いる。この押圧突部（38）によりプラグ（11）の第１弾
性片（19a）又は第２弾性片（19b）を押圧することによ
り第１弾性片（19a）及び第２弾性片（19b）を弾性変形
させる。（39）は手指によりフック（22）を押圧し易い
ようにするための肉厚からなる押部である。

以上のようにソケット（12）は構成されており、その組
立ては一方のソケット単体（21）の孔（34,34）に各フ
ック（22）の軸（36,36）を嵌め、他方のソケット単体
（21）を相対面させ四隅を押圧することにより係合突起
（32,32）と係止部（33,33）とが係合し第７図に示され
るようにソケット（12）が簡単に組立てられる。

第13図ないし第15図は、プラグ（11）のベルイ装着部
（13）に取付けられるベルト装着杆（40）を示してい
る。このベルト装着杆（40）は合成樹脂材より作られて
おり環状をしている。表板（41）の中央上部には左右の
切欠部（42,42）間に溝（43）を形成することにより弾
性部（44）が形成されている。この弾性部（44）の内側
には第15図に示されるように内方向に突出する突出スト
ッパー（45）を有している。

このベルト装着杆（40）のプラグ（11）への組立ては、
ベルト装着杆（40）の弾性部（44）と反対側の開口（4
6）よりプラグ（11）のベルト装着部（13）の頭部側に
挿入する。すると弾性部（44）は外方向に弾性変形しベ
ルト装着部（13）にワンタッチで装着できる。装着され
たベルト装着杆（40）はプラグ（11）のベルト装着部
（13）に対してスライド可能となるがベルト装着部（1
3）の上部枠と突出ストッパー（45）とが衝突し、ベル
ト装着部（13）から離脱することがない。

本考案に係るバックル（10）は以上のような構成をして
おり、プラグ（11）とソケット（12）を連結するには、
ソケット（12）の挿入口（28）からプラグ（11）の係合
子（14）を挿入していくと弾性手段（18）の上下に食い
違っている一対の弾性片（19a,19b）の先端部が一対の
フック（22,22）の押圧突部（38,38）間に位置すると共
に、第１図に示されるように係合子（14）の係合部（1
7,17）とフック（22,22）の係合爪（37,37）とが係合
し、弾性片（19a,19b）によりフック（22,22）の押圧突
部（38,38）が外方向に付勢されフック（22,22）の係合
爪（37,37）側が互いに内方向に付勢されることによ
り、プラグ（11）とソケット（12）とは確実に係合され
る。

前記係合を外すには第16図に示すようにソケット（12）
の各フック（22,22）を内側に手指により押圧すること
により、フック（22,22）は軸（36,36）を中心にして回
動し、押圧突起（38,38）でプラグ（11）の弾性手段（1
8）の各弾性片（19a,19b）を押圧し、第１弾性片（19
a）と第２弾性片（19b）は交差するよう弾性変形され
る。従って、プラグ（11）の係合手段（16）の係合部
（17,17）と各フック（22,22）の係合爪（37,37）との
係合が外れ、かつ弾性手段（18）はフック（22,22）の
押圧突部（38,38）により上方に付勢されプラグ（11）
はソケット（12）より飛び出すようにして両者の係合は
外れる。従って、この両者の係合を外す場合にも片手で
ワンタッチで行なうことが出来、操作性が大変よい。

考案の効果 以上、説明したように、本考案のバックルは、プラグの
係合子の先端側に弾性部材を一体的に形成し、ソケット
に回動可能に枢支した一対のフックの一方の側部上部に
プラグの係合手段と係脱する係止爪を形成し、下部には
係止爪側の側部に突出する押圧突部を形成し、更に、両
フックの他側部に押部を形成したので、前記両フックの
回動操作がより円滑に行えると共に、これら両フックの
操作時に係合状態の感触を手指で敏感に察知することが
できる。その上、プラグの係合手段と両フックの係止爪
との係合時に弾性部材がフックの押圧突部を外方向に付
勢するので、プラグとソケットは上方の係合手段及び下
方の弾性部材で固定されてガタツキなく係合される上、
ガタツキによって不意に係合が外れるようなこともな
い。更に、ソケットのフックに両側から不意に力が作用
したとしても、フックは弾性部材により外方向に付勢さ
れているので係合手段から外れることがなく、したがっ
て、プラグとソケットを強固に係合させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係るバックルの正面図、 第２図は、第１図の右側面図、 第３図は、プラグの正面図、 第４図は、第３図におけるIV-IV線断面図、 第５図は、プラグの弾性手段の一部拡大斜視図、 第６図（Ａ）及び（Ｂ）は、第３図のVI-VI線の断面
で、作用を示す図、 第７図は、ソケットの正面図、 第８図は、ソケット本体の側面図、 第９図は、ソケット単体の正面図、 第10図は、第７図におけるX-X線拡大断面図、 第11図は、フックの斜視図 第12図は、フックの側面図、 第13図は、ベルト装着杆の正面図、 第14図は、第13図の平面図、 第15図は、第13図におけるXV-XV線断面図、 第16図は、一方のソケット単体を外したバックルの作用
図である。 （10）：バックル、（11）：プラグ、（12）：ソケッ
ト、（14）：係合子、（16）：係合手段、（18）：弾性
手段、（22）：フック、（38）：押圧突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】係合手段（16）を有する係合子（14）を一
   体に有するプラグ（11）と、前記係合手段（16）と係合
   するよう回動可能に枢支された一対のフック（22）を有
   するソケット（12）とから成り、前記係合子（14）の先
   端側に弾性部材（18）を一体的に形成し、前記フック
   （22）の一方の側部上部にプラグ（11）の係合手段（1
   6）と係脱する係止爪（37）を形成し、下部には係止爪
   （37）側の側部に突出する押圧突部（38）を形成し、更
   に、前記両フック（22）の他側部に押部（39）を形成し
   て、前記プラグ（11）の係合手段（16）と前記両フック
   （22）の係止爪（37）との係合時に上記弾性部材（18）
   がフック（22）の押圧突部（38）を外方向に付勢するよ
   う構成したことを特徴とするバックル。