JPH0357125Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ズボン、スカート等のウエストの重
合部分を係脱自在に係止する自動取付に適した合
成樹脂製衣服用フツクに関するものである。

（従来の技術） 従来公知の鉤フツクは、雌雄体を衣服に堅牢に
取付けるために、雌雄体の基板部に背向させた起
爪を設けて、該起爪を衣服へ挿通し、裏座板に折
曲して取付けるものが一般的である。

しかし、このような構成の鉤フツクは、金属製
のものであつて、合成樹脂製のものに比べて生地
の損傷だけでなく、取扱い時においても往々にし
て手指に切傷を付与するものであり、また、部品
点数が多いことから在庫管理等において問題があ
り、量産に適し、取扱いの安全な合成樹脂製衣服
フツクが要求されていた。

このような要求を満たすべく、合成樹脂製であ
つて、一対の同一形状の組合せ片割れ部材に複数
のかしめ止め脚を突設したものと、それぞれを固
定するためのアンカープレートとからなり、前記
片割れ部材には、舌状凸縁とその裏面に背面壁で
囲まれた凹部が形成されていて、それぞれの舌状
凸縁が凹部に係合されるようにした合成樹脂製衣
服用フツクが開発され、特開昭51−438により開
示されている。

（考案が解決しようとする問題点） 前記公知の合成樹脂製衣服用フツクは、金属製
の鉤フツクの欠点が解消でき、部品点数が少なく
なる点において優れるものであるが、相互の係合
構造が、舌状凸縁とその裏面に背面壁で囲まれた
凹部が形成されていて、それぞれの舌状凸縁が凹
部に係合されるものであるから、係合部に加わる
腹圧等によるねじれ力により外れやすく、係合状
態が不安定となる欠点があり、実用性に欠けるも
のであつた。

また、突出した複数のかしめ脚の存在により、
自動取付機への方向性を持たせた自動搬送が困難
であつて、作業者の手先作業によらなければなら
ないので取付作業能率が低下する点にも解決すべ
き課題があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案の合成樹脂製衣服用フツクは、前記課題
を解決すべく以下の様な構成とした。

相互に係合される二個の係合部材と、該係合部
材を生地に固定する取付部材とからなる合成樹脂
製衣服用フツクにおいて、一つの係合部材を、矩
形の基板１の中央に段周部２を有する取付孔３を
設け、該取付孔３の両側に対向した突出壁４を有
する嵌合溝５を形成した雌部材８とし、他の一つ
の係合部材を、前記の雌部材８の嵌合溝５，５に
挿入して係合される嵌込座９を形成した突出部１
０の中央に、段周部１１を有する取付孔１２を設
け、嵌込座９の一端に前記雌部材８の基板１と略
等しい幅の当部１３を連設した雄部材１４とし、
座板１６の中央に先端が尖つた脚部１７を有する
取付部材１５で、前記雌雄部材８，１４の各取付
孔３，１２にかしめ止めして生地に固定する構成
としたのである。

（実施例） 本考案は、第１図乃至第１０図に示すごとく、
雌部材８、雄部材１４、二個の取付部材１５とか
らなる。

雌部材８は第１図乃至第４図に示すごとく、矩
形の基板１の中央に段周部２を有する取付孔３を
設け、該取付孔３の両側に対向して突出壁４を有
する嵌合溝５を形成し、基板１の左右を少許下方
に向け後記雄部材１４の挿入を容易にするための
ガイド用傾斜面を形成した挿入口６を設け、基板
１の裏面に膨出部７を形成する。

雄部材１４は、第５図乃至第８図に示すごと
く、前記の雌部材８の嵌合溝５，５の幅Ｈと略等
しい幅を有する嵌込座９の中央に、前記突出壁
４，４の内幅ｈに等しい幅を有する突出部１０を
突設し、その突出部１０の中央に段週部１１を有
する取付孔１２を設け、嵌込座９の一端に前記基
板１と略等しい幅の当部１３を連設した雄部１４
からなり、前記雌雄部８，１４を取付ける取付部
材１５は、座板１６の中央に先端が尖つた脚部１
７からなり、各何れもが合成樹脂の一体成形品か
らなる構成である。

次に、本考案に係る衣服用フツクの使用方法に
ついて説明するに、ズボンの上重合部１８の端部
付近の外側から取付部材１５の脚部１７の先端を
生地を介して雄部材１４の取付孔１２に挿通し、
当部１３が外側に来る様にかしめ止めして、ズボ
ンの上重合部１８の内側に取付ける。

同様にして、ズボンの下重合部１９の端部付近
の内側から取付部材１５の脚部１７の先端を生地
を介して雌雄部材８の取付孔３に挿通し、挿入口
６が左右に来る様にかしめ止めして、ズボンの下
重合部１９の外側に取付ける。

そして、雄部材１４の嵌込座９を雌部材８の嵌
合溝５の挿入口６から挿入させると雄部材１４の
当部１３が雌部材８の突出壁４の端部と接当して
雌部材８と雄部材３が嵌合係止される。

次に、嵌合係止した雌部材８と雄部材３を解放
するには、第１２図の状態から、矢印の方向に、
雄部材１４を移動させると、雄部材１４の嵌込座
９が雌部材８の嵌合溝５内を摺動して挿入口６か
ら脱出して解放される。

尚、実施例においては雌部材８の膨出部７は平
坦面であつたが、第１３図に図示するごとく、膨
出部７に取付生地と雌部材８との回転を防止する
ために、複数個の突起２０を形成してもよい。又
図示を省略するも、雄部材１４の嵌込座９の裏面
に複数個の突起２０を形成してもよい。

又、第１４図に図示するごとく、雌部材８の突
出壁４，４の内側に凹部２１を形成し、雄部材１
４の突出部１０に、前記の凹部２１と嵌合する凸
部２２を形成して、嵌合係止をより強固なものと
することができる。

（考案の作用効果） 本考案に係る衣服用フツクは、一つの係合部材
を、矩形の基板１の中央に段週部２を有する取付
孔３を設け、該取付孔３の両側に対向して突出壁
４を有する嵌合溝５を形成した雌部材８とし、他
の一つの係合部材を、前記の雌部材８の嵌合溝
５，５に挿入して係合される嵌込座９を形成した
突出部１０の中央に、段周部１１を有する取付孔
１２を設け、嵌込座９の一端に前記雌部材８の基
板１と略等しい幅の当部１３を連設した雄部材１
４として、雌部材８の嵌合溝５，５に嵌込座９を
係合するようにしたから、係合部に加わる腹圧等
によるねじれ力により外れることがなく、確実な
係合状態を確立するようになり、使用時に不用意
に外れることがなく、実用性に優れたものとする
ことができる。

また、雌雄部材８，１４に周段部２，１１を有
する取付孔３，１２を形成し、脚部１７を有する
取付部材１５でかしめ止めするため、雌雄部８，
１３にかしめ止め用の脚部が不要となるから、こ
られの自動取付機への方向規制をした自動搬送が
可能となり、従来のような手作業によることな
く、雌雄部８，１３の搬送、取付を自動化するこ
とが出来、取付作業能率が非常に良好となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は雌部材の平面図、第２図は雌部材の左
側図、第３図は雌部材の底面図、第４図は第１図
のＡ−Ａ線における断面図、第５図は雄部材の平
面図、第６図は雄部材の左側面図、第７図は雄部
材の底面図、第８図は第５図のＢ−Ｂ線における
断面図、第９図は取付部材の正面図、第１０は第
９図Ｃ−Ｃ線における取付部材の断面図、第１１
図は衣服用フツクの取付状態を示す説明図、第１
２図は嵌合状態を示す説明図、第１３図は他の実
施例を示す雌部材の底面図、第１４は他の実施例
を示す衣服フツクの係止状態を示す平面図であ
る。 １……基板、２……周段部、３……取付孔、４
……突出壁、５……嵌合溝、６……挿入口、７…
…膨出部、８……雌部材、９……嵌込座、１０…
…突出部、１１……周段部、１２……取付孔、１
３……当部、１４……雄部材、１５……取付部
材、１６……座板、１７……脚部、１８……上重
合部、１９……下重合部、２０……突起、２１…
…凹部、２２……凸部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 相互に係合される二個の係合部材と、該係合
   部材を生地に固定する取付部材とからなる合成
   樹脂製衣服用フツクにおいて、一つの係合部材
   を、矩形の基板１の中央に段周部２を有する取
   付孔３を設け、該取付孔３の両側に対向して突
   出壁４を有する嵌合溝５を形成した雌部材８と
   し、他の一つの係合部材を、前記の雌部材８の
   嵌合溝５，５に挿入して係合される嵌込座９を
   形成した突出部１０の中央に、段周部１１を有
   する取付孔１２を設け、嵌込座９の一端に前記
   雌部材８の基板１と略等しい幅の当部１３を連
   設した雄部材１４とし、座板１６の中央に先端
   が尖つた脚部１７を有する取付部材１５で、前
   記雌雄部材８，１４の各取付孔３，１２にかし
   め止めして生地に固定するようにしたことを特
   徴とする合成樹脂製衣服用フツク。 ２ 基板１の挿入口６にガイド用傾斜面を形成し
   た実用新案登録請求の範囲第１項記載の合成樹
   脂製衣服用フツク。 ３ 雌部材８の突出壁４，４の内側に凹部２１を
   形成し、雄部材１４の突出部１０に、前記の凹
   部２１と嵌合する凸部２２を形成した実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の合成樹脂製衣服用
   フツク。