JPH055030A - オーブン用耐熱食器 - Google Patents

オーブン用耐熱食器

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Publication number
JPH055030A
JPH055030A JP3150200A JP15020091A JPH055030A JP H055030 A JPH055030 A JP H055030A JP 3150200 A JP3150200 A JP 3150200A JP 15020091 A JP15020091 A JP 15020091A JP H055030 A JPH055030 A JP H055030A
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JP
Japan
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group
acid
general formula
represented
tableware
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Withdrawn
Application number
JP3150200A
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English (en)
Inventor
Noboru Yamagishi
岸 暢 山
Kenji Yoshino
野 健 司 吉
Masahiro Wakui
井 正 浩 涌
Hideho Kubo
保 秀 穂 久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPH055030A publication Critical patent/JPH055030A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、機械的特性および耐食品汚染性に優
れるオーブン用耐熱食器。 【構成】 水酸基および/またはアシロキシ基を有する
フェノール樹脂に、ジカルボン酸、ジオール、オキシカ
ルボン酸、ジアミン、アミノカルボン酸およびヒドロキ
シルアミンからなる群から選ばれる少なくとも2種以上
を組み合せてなる原料混合物を重合させるか、またはオ
キシカルボン酸のみからなる原料を重合してなるポリエ
ステルアミドがグラフトされたポリエステル変性物およ
び/またはポリエステルアミド変性物を成形してなるオ
ーブン用耐熱食器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、機械的特性お
よび耐食品汚染性に優れたオーブン用耐熱食器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近、デザインの多様性、軽量化の要求
に応えて、食器のプラスチック化が進んでいる。
【0003】例えば、電子レンジや電気オーブンによる
調理用容器等に用いられているプラスチックとしては、
ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリサルホン、
ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル等が
挙げられる。
【0004】これらのプラスチックに要求される性質
は、調理に使用される熱に耐え得る耐熱性、また使用に
耐え得る機械的強度、さらに耐沸騰水性、耐食品汚染
性、耐洗剤性、衛生性等である。しかしながら、これら
のプラスチックは、使用限界温度が低く、特に電気オー
ブンに使用される調理容器に要求される熱的性質を満足
するものは少なかった。例えば、ポリプロピレンは10
0℃以上では変形するため、電子レンジでは使用可能で
あるが、オーブンでの使用は不可能である。ポリサルホ
ンも同様に160℃以上では変形するため、オーブンで
の使用は不可能である。また、ポリメチルペンテン、C
−PET(結晶化PET)、不飽和ポリエステルは20
0℃以上では変形するため、オーブンでの使用温度が制
限される。
【0005】オーブンでも使用可能なプラスチック製容
器は、特開昭56−43319号に開示されている。当
該プラスチック容器は、オーブンでの使用にも耐えうる
耐熱性を有し、さらに熱的衝撃、耐食品汚染性、耐洗剤
性、衛生性にも優れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このプ
ラスチック容器に用いられている樹脂は、オーブンに対
する耐熱性を有する場合はいずれも異方溶融性を示す樹
脂、すなわち液晶ポリエステルであり、当該樹脂の欠点
である表面剥離性、強度の異方性を有する。このため、
食器の洗浄時の摩擦により表面が剥離してきたり、ま
た、落下時に樹脂の配向方向に簡単にクラックが発生し
てしまう。
【0007】さらにこの樹脂は、対称性の良い芳香族成
分よりなる直線状分子の全芳香族ポリエステルであり、
引っ張り、曲げ強度などの静的強度はすぐれるが、衝撃
強度などの動的強度に劣る。また、溶融温度が高いため
に、成形加工が難かしく、また高温で成形するために樹
脂の分解や着色が起こりやすいという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはプラスチッ
ク容器の特徴であるデザインの多様性を可能にするため
に成形加工性に富み、また衝撃強度に優れ、薄肉軽量化
が可能で、さらにオーブン耐熱性、耐衝撃性、耐食品汚
染性、耐洗剤性、衛生性に優れる樹脂を鋭意探索したと
ころ、フェノール樹脂に芳香族ポリエステルおよび/ま
たは芳香族ポリエステルアミドをグラフトした樹脂を用
いることにより、オーブン用として理想的なプラスチッ
ク容器を得ることに成功した。
【0009】すなわち本発明は、水酸基および/または
アシロキシ基を有するフェノール樹脂に、下記一般式
(A)で表わされるジカルボン酸、下記一般式(B)で
表わされるジオール、下記一般式(C)で表されるオキ
シカルボン酸、下記一般式(D)で表されるジアミン、
下記一般式(E)で表されるアミノカルボン酸および下
記一般式(F)で表されるヒドロキシルアミンからなる
群から選ばれる少なくとも2種以上を組み合せてなる単
量体混合物、または下記一般式(C)で表されるオキシ
カルボン酸のみからなる単量体をグラフト重合させるに
際し、出発原料中の水酸基とアミノ基を、炭素数2〜5
のカルボン酸の酸無水物によりアシル化した後、グラフ
ト重合させてなるポリエステル変性物および/またはポ
リエステルアミド変性物を成形してなるオーブン用耐熱
食器を提供するものである。
【0010】
【化2】
【0011】〔式(A)〜(F)中、R1 、R2
3 、R4 、R7 およびR9 は同一でも異なってもよ
く、2価の芳香族炭化水素基、下記式(a): R11−(X)n −R12 (a) (式中、R11およびR12は芳香族炭化水素基であり、X
は酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、カルボニル基、
アルキレン基、エステル基を示し、nは0または1であ
る)で表される基、キシリレン基または2価の脂肪族炭
化水素基を示し、ただし、R1 、R2 、R3 、R4 、R
7 、R9 、R11、R12およびキシリレン基の芳香環の水
素原子は置換基で置換されていてもよく、また、R5
6 、R8 およびR10は同一でも異なってもよく、水素
原子、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を示
す〕
【0012】前記ポリエステル変性物および/またはポ
リエステルアミド変性物100重量部に対して、さらに
無機充填材を250重量部以下含有してもよい。
【0013】以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】本発明において使用される水酸基および/
またはアシロキシ基を有するフェノール樹脂は、フェノ
ール類とアルデヒド類との縮合生成物である。このフェ
ノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾー
ル、m−クレゾール、p−クレゾール、ビスフェノール
A、レゾルシン、キシレノール等が挙げられ、これらは
1種単独または2種以上が含まれていてもよい。また、
アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、フ
ルフラール等が挙げられる。
【0015】本発明に用いられる水酸基を有するフェノ
ール樹脂は、未架橋のものでも架橋されたものでもよ
く、また液体でも固体でもよく、固体の場合、その形状
は特に限定されるものではない。例えば、フェノール樹
脂の成形品を粉砕したものでもよく、また塩酸−ホルム
アルデヒド浴にフェノール類を接触させることにより球
状粒子としたものでもよい。
【0016】アシロキシ基を有するフェノール樹脂は、
上記フェノール樹脂を酸無水物、カルボン酸類または酸
クロライドと反応させることにより得られるものであ
る。アシル化の終了は、赤外分光法により、OH伸縮振
動に由来する吸収の消失によって判断される。一例をあ
げると、フェノール樹脂と無水酢酸および触媒として少
量の硫酸を加え、リフラックスさせることにより簡単に
アシル化されたフェノール樹脂が得られる。
【0017】本発明において用いられるポリエステル変
性物またはポリエステルアミド変性物を製造する際に使
用されるフェノール樹脂の量は、ポリエステル変性物お
よび/またはポリエステルアミド変性物100重量部に
対して0.001〜100重量部、好ましくは、0.0
1〜50重量部である。添加量が0.001重量部未満
の場合、ポリエステル変性物および/またはポリエステ
ルアミド変性物の機械的性質の改良が不十分であり、1
00重量部を越えた場合、成形性が著しく低下するため
好ましくない。
【0018】本発明において原料として使用されるジカ
ルボン酸、ジオール、オキシカルボン酸、ジアミン、ア
ミノカルボン酸およびヒドロキシルアミンを、それぞれ
表す前記一般式(A)〜(F)において、R1 、R2
3 、R4 、R7 およびR9 は同一でも異なってもよ
く、2価の芳香族炭化水素基、下記式(a): R11−(X)n −R12 (a) で表される基、キシリレン基または2価の脂肪族炭化水
素基を示す。2価の芳香族炭化水素基としては、例え
ば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、2,6−ナ
フチレン基、1,5−ナフチレン基、2,7−ナフチレ
ン基等が挙げられ、2価の脂肪族炭化水素基としては、
例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、n−
ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレ
ン基、ヘプチレン基、オクチレン基、シクロヘキセン
基、1,4−シクロヘキサンジメチレン基等が挙げられ
る。また、式(a)において、R11およびR12は芳香族
炭化水素基であり、Xは酸素原子、硫黄原子、スルホニ
ル基、カルボニル基、アルキレン基、エステル基を示
し、nは0または1である。R11またはR12の芳香族炭
化水素基としては、例えば、p−フェニレン基、m−フ
ェニレン基等が挙げられ、アルキレン基としては、例え
ば、メチレン基、エチレン基、エチリデン基、イソプロ
ピリデン基等が挙げられ、エステル基としては、例え
ば、下記式:
【0019】
【化3】
【0020】で表される基等が挙げられる。
【0021】また、R1 、R2 、R3 、R4 、R7 、R
9 、R11、R12およびキシリレン基の芳香環の水素原子
は置換基で置換されていてもよく、置換基としては、例
えば、メチル基、エチル基、t−ブチル基、フェニル
基、あるいはフッ素、塩素等のハロゲン原子などが挙げ
られる。
【0022】さらに、R5 、R6 、R8 およびR10は同
一でも異なってもよく、水素原子、脂肪族炭化水素基ま
たは芳香族炭化水素基を示す。脂肪族炭化水素基として
は、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられ、芳香族
炭化水素基としては、例えば、フェニル基等が挙げられ
る。
【0023】一般式(A)で表されるジカルボン酸とし
ては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリ
ン−2,6−ジカルボン酸、ナフタリン−1,5−ジカ
ルボン酸、ジフェニル−4,4′−ジカルボン酸、メチ
ルテレフタル酸、メチルイソフタル酸、ジフェニルエー
テル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルチオエーテ
ル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−
4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルケトン−4,4′
−ジカルボン酸、2,2−ジフェニルプロパン−4,
4′−ジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸、1,
4−キシリレンジカルボン酸、1,3−キシリレンジカ
ルボン酸のようなアルキレン系ジカルボン酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸のような鎖状脂肪族ジカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、1,3−
シクロヘキシルジカルボン酸、1,2−シクロヘキシル
ジカルボン酸、1,3−シクロペンチルジカルボン酸、
1,2−シクロペンチルジカルボン酸等の環状脂肪族ジ
カルボン酸が挙げられるが、必ずしもこれらに限定され
るものではない。またこれらは1種単独でも2種以上を
組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン
酸が、好ましい。
【0024】一般式(B)で表されるジオールとして
は、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルハイ
ドロキノン、クロロハイドロキノン、アセチルハイドロ
キノン、アセトキシハイドロキノン、ニトロハイドロキ
ノン、ジメチルアミノハイドロキノン、4,4′−ジヒ
ドロキシビフェニル、1,4−ジヒドロキシナフタリ
ン、1,5−ジヒドロキシナフタリン、1,6−ジヒド
ロキシナフタリン、2,6−ジヒドロキシナフタリン、
2,7−ジヒドロキシナフタリン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジクロロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジブロモフェニル)メタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,
4′−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
メチルフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジクロロフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルフイド、ビス(4−ヒドロキシ−3−ク
ロロフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジク
ロロフェニル)エーテル、エチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,6−ヘキサメチレンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、キシリデン−1,4−ジオール、
1,3−シクロヘキサンジオール等が挙げられるが、必
ずしもこれらに限定されるものではない。またこれらは
1種単独でも2種以上を組み合わせても用いることがで
きる。これらの中でも、4,4′−ジヒドロキシビフェ
ニル、2,6−ジヒドロキシナフタリン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、エチレングリコ
ールが、好ましい。
【0025】一般式(C)で表されるオキシカルボン酸
としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒド
ロキシ安息香酸、シュリンガー酸、バニリン酸、4−ヒ
ドロキシ−4′−カルボキシジフェニルエーテル、4−
ヒドロキシ−4′−カルボキシビフエニル、2,6−ジ
クロロ−p−ヒドロキシ安息香酸、2−クロロ−p−ヒ
ドロキシ安息香酸、2,6−ジフルオロ−p−ヒドロキ
シ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−ヒ
ドロキシ−3−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−4−ナフ
トエ酸、4−ヒドロキシルシクロヘキサンカルボン酸、
3−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、β−ヒドロ
キシエタノール、ω−ヒドロキシカプロン酸などが挙げ
られるが、これらは1種単独でも2種以上を組み合わせ
ても用いることができる。これらの中でも、p−ヒドロ
キシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキ
シ−6−ナフトエ酸が好ましい。
【0026】一般式(D)で表されるジアミンとして
は、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレン
ジアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフイド、4,
4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミ
ノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニル
エーテル、4,4′−ジアミノジフエニルケトン、1,
5−ジアミノナフタリン、3,3′−ジメチルベンジジ
ン、2,6−ジアミノナフタリン、m−キシリレンジア
ミン、p−キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミ
ン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、1,4−ジ
アミノシクロヘキサン等が挙げられ、これらは1種単独
でも2種以上を組み合わせても用いることができる。こ
れらの中でも、p−フェニレンジアミン、m−フェニレ
ンジアミンが好ましい。
【0027】一般式(E)で表されるアミノカルボン酸
としては、例えば、グリシン、グリシルグリシン、アラ
ニン、フェニルアラニン、α−アミノ酪酸、バリン、ロ
イシン、イソロイシン、α−アミノエナント酸、α−ア
ミノカフロリル酸、α−アミノウンデカン酸、α−アミ
ノステアリン酸、α−アミノセロチン酸、α−アミノメ
リシン酸、β−アラニン、β−アミノ酪酸、γ−アミノ
吉草酸、ω−アミノエナント酸、4−アミノシクロヘキ
サンカルボン酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息
香酸、p−(4−アミノフエニル)安息香酸、p−(4
−アミノベンジル)安息香酸などが挙げられ、これらは
1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。こ
れらの中でも、p−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香
酸が好ましい。
【0028】一般式(F)で表されるヒドロキシルアミ
ンとしては、例えば、4−アミノフェノール、N−メチ
ル−4−アミノフェノール、4−アミノ−4′−ヒドロ
キシジフェニル、3−アミノフェノール、N−フェニル
−3−アミノフェノール、3−メチル−4−ヒドロキシ
−4′−アミノジフェニル、3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシ−4′−アミノジフェニル、3−メチル−4−
ヒドロキシ−3′−メチル−4′−アミノジフェニル、
3−メチル−4−ヒドロキシ−4′−アミノジフェニル
エーテル、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−4′−
アミノジフェニルエーテル、3−メチル−4−ヒドロキ
シ−3′−メチル−4′−アミノジフェニルエーテル、
4−ヒドロキシ−4′−アミノジフェニルエーテル、3
−メチル−4−ヒドロキシ−4′−アミノジフェニルサ
ルファイド、3−メチル−4−ヒドロキシ−4′−アミ
ノジフェニルメタン、3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シ−4′−アミノジフェニルメタン、2,2−(3−メ
チル−4−ヒドロキシ−4′−アミノ−ジフェニル)プ
ロパン、2、2−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
−4′−アミノジフェニル)プロパン、2,2−(3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3′−メチル−4′−
アミノジフェニル)プロパン、2,2−(3−イソプロ
ピル−4−ヒドロキシ−4′−アミノジフェニル)プロ
パン、2,2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シ−4′−アミノジフェニル)プロパン、2,2−(3
−クロル−4−ヒドロキシ−4′−アミノジフェニル)
プロパン、2,2−(3−メチル−4−ヒドロキシ−
4′−アミノジフェニル)ブタン、3,3−(3−メチ
ル−4−ヒドロキシ−4′−アミノジフェニル)ペンタ
ン、1,1−(3−メチル−4−ヒドロキシ−4′−ア
ミノジフェニル)シクロヘキサン、2,2−(4−ヒド
ロキシ−4′−アミノジフェニル)プロパンなどの芳香
族ヒドロキシアミン(アミノフェノール)、エタノ−ル
アミン、3−アミノ−n−プロパノ−ル、N−メチルエ
タノ−ルアミン、3−アミノイソブタノ−ル、8−アミ
ノ−n−オクタノ−ルのような脂肪族のヒドロキシアミ
ンおよび1,4−キシリレンアミノアルコ−ル、1,3
−キシリレンアミノアルコ−ル等が挙げられるが、これ
らは1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。これらの中でも、芳香族ヒドロキシアミン(アミノ
フェノール)が好ましい。
【0029】本発明に用いるポリエステル変性物または
ポリエステルアミド変性物の製造は、溶融重合法を用い
て行うことができる。 本発明においてはフェノール樹
脂の存在下でまず一般式(A)〜(F)で表される該化
合物の2成分以上を組み合わせた単量体混合物、あるい
は一般式(C)で表わされるオキシカルボン酸のみから
なる単量体と、酸無水物とを、好ましくは300℃以
下、特に好ましくは120〜150℃で反応させ、水酸
基またはアミノ基のアシル化を所定時間行う。エステル
化反応は水酸基またはアミノ基が反応し終わるまで行
う。
【0030】また、フェノール樹脂を含めた原料の水酸
基とアシル基のアシル化で使用する酸無水物としては炭
素数2〜5の酸無水物、例えば無水酢酸、無水プロピオ
ン酸、無水モノクロル酢酸、無水ジクロル酢酸、無水ト
リクロル酢酸、無水モノブロム酢酸、無水ジブロム酢
酸、無水トリブロム酢酸、無水モノフルオロ酢酸、無水
ジフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水酪酸、無
水イソ酪酸、無水吉草酸、無水ピバリン酸などが挙げら
れるが、中でも無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリ
クロル酢酸が好ましい。
【0031】本発明に用いる変性物の製造において、酸
無水物の使用量は、原料の水酸基とアミノ基の当量の和
もしくはこれよりも過剰であれば特に制限する必要はな
いが、あまりに過剰な場合には経済的に不利となる。ま
た、短時間でアシル化を完全に達成させるために必要な
量だけ加えればよいことから、水酸基とアミノ基の和に
対して1.05〜2.00倍当量使用するのが好まし
い。
【0032】好ましいアシル化反応時間は1〜3時間の
範囲内である。
【0033】本発明においては、アシル化をアシル化反
応速度の増大に必要な量のアシル化触媒の共存下で実施
することができる。
【0034】用いられる触媒は、本発明のオーブン用耐
熱食器が食器として用いられるため、有毒な物質は用い
ない方が好ましい。この触媒の具体例として、酸化ゲル
マニウムのようなゲルマニウム化合物、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウムのようなアルカリ金属塩、酢酸カルシ
ウム、酢酸亜鉛、酢酸第1鉄のような有機酸の金属塩、
塩酸、硫酸などの無機酸などが挙げられる。
【0035】本発明のオーブン用食器には、前記単位
[A]〜[F]からなるポリエステル変性物および/ま
たはポリエステルアミド変性物をそのまま使用すること
もできるが、無機充填材を加えてもよい。
【0036】本発明で使用される無機充填材としては、
食器用途で無害であり、しかも300℃以上の温度に耐
えられるものであればよく、例えば、タルク、炭酸カル
シウム、マイカ、珪酸カルシウム、カオリン、シリカ、
酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化マ
グネシウム、活性白土等の無機粉体、ガラス繊維、炭素
繊維、金属繊維、ウィスカー等の無機繊維が挙げられ
る。
【0037】本発明において、無機充填材を充填する場
合、その使用量は、ポリエステル変性物および/または
ポリエステルアミド変性物に対し無機充填材250重量
部以下であり、好ましくはポリエステル変性物および/
またはポリエステルアミド変性物100重量部に対し、
無機充填材10〜150重量部である。無機充填材の含
有量が250重量部を超えると、得られる成形品の強度
が著しく低下するため好ましくない。
【0038】また、本発明の食器には、前記無機充填材
以外にも、フェノール系、アミン系、硫黄系、リン系の
酸化防止剤、ヒドラジン系、アミド系の金属不活性化
剤、金属石鹸、金属塩液状安定剤、有機すず安定剤、ア
ンチモン系安定剤、エポキシ化合物、亜リン酸エステ
ル、フェノール誘導体、多価アルコール等の安定剤、フ
タル酸エステル、リン酸エステル、アジピン酸エステル
等の可塑剤、着色防止剤、テトラブロムビスフェノール
A、三酸化アンチモン等の難燃剤、二硫化モリブデン、
シリコンオイル、フッ素樹脂、グラファイトのような潤
滑剤等を添加してもよい。
【0039】本発明のオーブン用耐熱食器は、前記ポリ
エステル変性物および/またはポリエステルアミド変性
物、および必要に応じて前記無機充填材、ならびに前記
酸化防止剤等の各種添加剤を配合した組成物を成形して
得ることができる。
【0040】成形方法は、特に限定されず、例えば、溶
融樹脂を金型内に充填し冷却することにより成形品を得
る射出成形法、押出機を用いて各種形状のノズルから溶
融樹脂を押し出しながら固化冷却させる押出成形法、板
またはシート状の樹脂を加熱しながら型内に押しつけて
冷却固化させる加圧成形法または真空成形法、ブロー成
形法、インジェクションブロー成形法等のこの種の食器
の製造に用いられるいずれの方法も適用でき、所望の形
状に対応した型、ダイ等を使用して行うことができる。
【0041】成形温度は、通常、250〜400℃程
度、好ましくは300〜370℃程度である。また、成
形圧力は、通常、100〜1500kg/cm2 程度で
ある。
【0042】本発明のオーブン用耐熱食器の形状は、特
に制限されず、皿状、カップ状、板状など、一般に食器
として使われている形状のいずれの形状とすることがで
きる。
【0043】また、本発明のオーブン用耐熱食器の耐熱
温度は、通常、200〜400℃程度である。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例に基づい
て、本発明をさらに具体的に説明する。
【0045】(実施例1)トルクメータ・回転計付攪拌
装置、アルゴン導入管および温度計を備えた重合容器
に、ポリエチレンテレフタレート215g(1.12モ
ル)、4,4′−ジアセトキシビフェニル475g
(1.76モル)、テレフタル酸292g(1.76モ
ル)、p−アセトキシ安息香酸2045g(11.36
モル)、粒子状フェノール樹脂(鐘紡(株)製、ベルパ
ール800)20g、無水酢酸50gおよび酢酸カリウ
ム0.5gを仕込んだ。重合容器内を十分にアルゴンで
置換した後、約30分をかけて内温を250℃まで昇温
させた。昇温途中で原料が溶融し始めた段階で、攪拌を
開始した。このとき、酢酸が230℃付近から留出し始
めた。250℃まで昇温後、さらに2℃/minの昇温
速度で昇温し酢酸の留出が少なくなってから、徐々に圧
力を減じ、最終的に350℃、0.5mmHgで20分
間反応させ重合を完了してフェノール樹脂グラフトポリ
エステル樹脂を得た。
【0046】得られた芳香族ポリエステル組成物を射出
成形機(山城精機製作所製SAV−60型)により径1
00mm、肉厚5mmの半球型の食器に成形した。
【0047】(実施例2)ポリエチレンテレフタレート
215g(1.12モル)、4,4′−ジアセトキシビ
フェニル475g(1.76モル)、テレフタル酸29
2g(1.76モル)、p−アセトキシ安息香酸201
6g(11.2モル)、p−アセトアミド安息香酸29
g(0.16モル)、粉末粒子状フェノール樹脂(鐘紡
(株)製、ベルパールR−800)20g、無水酢酸5
0gおよび酢酸カリウム0.5gを用い、実施例1と同
様の方法で重合させて、得られたポリエステルアミド変
性物を半球型の食器に成形した。
【0048】(実施例3)実施例1で使用したものと同
じ重合容器に、p−ヒドロキシ安息香酸1689.2g
(12.24モル)、テレフタル酸328.7g(1.
98モル)、イソフタル酸29.9g(0.18モ
ル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸155.6g
(0.72モル)、4,4′−ビフェノール535.7
g(2.88モル)、無水酢酸2020g(19.8モ
ル)、酢酸カリウム0.5gおよびフェノール樹脂(鐘
紡(株)製、ベルパールR−800)40gを仕込ん
だ。重合容器内を十分にアルゴンで置換した後、加熱を
開始し、還流下で1時間フェノール性水酸基のアセチル
化を行った。次に、酢酸を留出させながら、350℃ま
で昇温速度2℃/分で昇温した。350℃に達した後、
温度を保持しながら除々に圧力を減じ、所定の攪拌トル
クに達するまで重合を行い、フェノール樹脂グラフトポ
リエステル樹脂を得た。
【0049】得られたフェノール樹脂グラフトポリエス
テル樹脂を、実施例1と同様にして射出成形機で食器に
成形した。
【0050】(実施例4)実施例1で製造したポリエス
テルアミド変性物100重量部に対しタルク(林化成
(株)製)70重量部を混練充填後、実施例1と同様に
して半球型の食器に成形した。
【0051】(実施例5)実施例2で製造したポリエス
テルアミド変性物100重量部に対しガラス繊維(富士
ファイバーガラス(株)製)50重量部を混練充填後、
実施例1と同様にして半球型の食器に成形した。
【0052】(実施例6)実施例3で製造したポリエス
テル変性物100重量部に対して、チタン酸カリウムウ
ィスカー(川鉄鉱業(株)製)30重量部を、混練充填
して組成物を調製した。得られた組成物を実施例1と同
様にして食器に成形した。
【0053】(比較例1)p−アセトキシ安息香酸19
08g(10.6モル)、4,4′−ジアセトキシビフ
ェニル945g(3.5モル)、テレフタル酸581g
(3.5モル)および酢酸カリウム0.5gを用い、重
合の最終温度を430℃とする以外は、実施例1と同様
の方法でポリエステルアミド変性物を製造し、得られた
ポリエステルアミド変性物を実施例1と同様にして半球
型の食器に成形した。
【0054】(比較例2)ポリプロピレン製食器を比較
例とした。
【0055】(比較例3)ポリサルホン製食器を比較例
とした。
【0056】(比較例4)ポリメチルペンテン製食器を
比較例とした。
【0057】(比較例5)C−PET製食器を比較例と
した。
【0058】(比較例6)不飽和ポリエステル製食器を
比較例とした。
【0059】以上の実施例および比較例で得られた食器
について、以下の実用性評価試験を行った。
【0060】(A)熱的オーブン試験 食器をオーブン内に入れ250℃で加熱した。結果を表
1に示す。
【0061】(B)強度成形性試験(1) 食器の中に水を満杯(約150cm3 )に入れ、コンク
リート上に落下させ、破損に至る落下距離を調べた。結
果を表2に示す。なお、食器成形の際の成形温度、金型
温度も同表中に示す。
【0062】(C)耐食品汚染性試験 各種食品を100℃に保ちその中に各食器を浸漬し、1
週間後に食器の外観変化を調べた。結果を表3に示す。
【0063】(D)強度評価試験(2) 各実施例で用いた樹脂を各厚みの平板に成型し、デュポ
ン衝撃試験機(東洋精機製作所製)を用いて衝撃試験に
供した。錘は100gのものを用い、破壊に至るエネル
ギーと厚みの関係を図1に示した。図1中の点線は食器
JIS規格(JIS B1501)に定められた衝撃エ
ネルギーを示す。
【0064】(A)熱的オーブン試験
【0065】(B)強度、成形性評価試験
【0066】(C)耐食品汚染性試験
【0067】
【発明の効果】本発明のオーブン用耐熱食器は、オーブ
ン等の高温でも使用可能な耐熱性を有し、かつ耐食品汚
染性に優れるものである。さらに、本発明のオーブン用
耐熱食器に用いられるポリエステル変性物および/また
はポリエステルアミド変性物は、成形性、衝撃強度に優
れているため、食器のデザインの多様化、薄肉軽量化が
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例における強度評価試験の結
果を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 69/44 NSR 9286−4J C08J 5/00 CFD 9267−4F // B29K 77:00 C08L 77:00 (72)発明者 涌 井 正 浩 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 久 保 秀 穂 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社東京本社内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 水酸基および/またはアシロキシ基を有
    するフェノール樹脂に、下記一般式(A)で表わされる
    ジカルボン酸、下記一般式(B)で表わされるジオー
    ル、下記一般式(C)で表されるオキシカルボン酸、下
    記一般式(D)で表されるジアミン、下記一般式(E)
    で表されるアミノカルボン酸および下記一般式(F)で
    表されるヒドロキシルアミンからなる群から選ばれる少
    なくとも2種以上を組み合せてなる単量体混合物、また
    は下記一般式(C)で表されるオキシカルボン酸のみか
    らなる単量体をグラフト重合させるに際し、出発原料中
    の水酸基とアミノ基を、炭素数2〜5のカルボン酸の酸
    無水物によりアシル化した後、グラフト重合させてなる
    ポリエステル変性物および/またはポリエステルアミド
    変性物を成形してなるオーブン用耐熱食器。 【化1】 〔式(A)〜(F)中、R1 、R2 、R3 、R4 、R7
    およびR9 は同一でも異なってもよく、2価の芳香族炭
    化水素基、下記式(a): R11−(X)n −R12 (a) (式中、R11およびR12は芳香族炭化水素基であり、X
    は酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、カルボニル基、
    アルキレン基、エステル基を示し、nは0または1であ
    る)で表される基、キシリレン基または2価の脂肪族炭
    化水素基を示し、ただし、R1 、R2 、R3 、R4 、R
    7 、R9 、R11、R12およびキシリレン基の芳香環の水
    素原子は置換基で置換されていてもよく、また、R5
    6 、R8 およびR10は同一でも異なってもよく、水素
    原子、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を示
    す〕 【請求項2】 前記ポリエステル変性物および/または
    ポリエステルアミド変性物100重量部に対して、さら
    に無機充填材を250重量部以下含有する請求項1記載
    のオーブン用耐熱食器。
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