JPH055029A - オーブン用耐熱食器 - Google Patents

オーブン用耐熱食器

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JPH055029A
JPH055029A JP3150199A JP15019991A JPH055029A JP H055029 A JPH055029 A JP H055029A JP 3150199 A JP3150199 A JP 3150199A JP 15019991 A JP15019991 A JP 15019991A JP H055029 A JPH055029 A JP H055029A
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JP
Japan
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unit
group
formula
mol
tableware
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Withdrawn
Application number
JP3150199A
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English (en)
Inventor
Noboru Yamagishi
岸 暢 山
Kenji Yoshino
野 健 司 吉
Masahiro Wakui
井 正 浩 涌
Hideho Kubo
保 秀 穂 久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPH055029A publication Critical patent/JPH055029A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、機械的特性および耐食品汚染性に優
れるオーブン用耐熱食器。 【構成】 下記式(I)、(II)、(III )、(IV)お
よび(V)で表わされる単位<I>、<II>、<III
>、<IV>および<V>から実質的になり、各単位の含
有割合が特定の範囲である芳香族ポリエステルアミドを
成形して得られるオーブン用耐熱食器。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーブン用耐熱食器に
関し、特に耐熱性、機械的特性および耐食品汚染性に優
れるオーブン用耐熱食器に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、デザインの多様性、軽量化の要求
に応えて、食器のプラスチック化が進んでいる。
【0003】例えば、電子レンジや電気オーブンによる
調理用容器等に用いられているプラスチックとしては、
ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリサルホン、
ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル等が
挙げられる。
【0004】これらのプラスチックに要求される性質
は、調理に使用される熱に耐え得る耐熱性、また使用に
耐え得る機械的強度、さらに耐沸騰水性、耐食品汚染
性、耐洗剤性、衛生性等である。しかしながら、これら
のプラスチックは、使用限界温度が低く、特に電気オー
ブンに使用される調理容器に要求される熱的性質を満足
するものは少なかった。例えば、ポリプロピレンは10
0℃以上では変形するため、電子レンジでは使用可能で
あるが、オーブンでの使用は不可能である。ポリサルホ
ンも同様に160℃以上では変形するため、オーブンで
の使用は不可能である。また、ポリメチルペンテン、C
−PET(結晶化PET)、不飽和ポリエステルは20
0℃以上では変形するため、オーブンでの使用温度が制
限される。
【0005】オーブンでも使用可能なプラスチック製容
器は、特開昭56−43319号に開示されている。当
該プラスチック容器は、オーブンでの使用にも耐えうる
耐熱性を有し、さらに熱的衝撃、耐食品汚染性、耐洗剤
性および衛生性にも優れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このプ
ラスチック容器に用いられている樹脂は、オーブンに対
する耐熱性を有する場合はいずれも異方溶融性を示す樹
脂、すなわち液晶ポリエステルであり、当該樹脂の欠点
である表面剥離性、強度の異方性を有する。このため、
食器の洗浄時の摩擦により表面が剥離してきたり、ま
た、落下時に樹脂の配向方向に簡単にクラックが発生し
てしまう。
【0007】さらにこの樹脂は、対称性の良い芳香族成
分よりなる直線状分子の全芳香族ポリエステルであり、
引っ張り、曲げ強度などの静的強度はすぐれるが、衝撃
強度などの動的強度に劣る。また、溶融温度が高いため
に、成形加工が難かしく、また高温で成形するために樹
脂の分解や着色が起こりやすいという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはプラスチッ
ク容器の特徴であるデザインの多様性を可能にするため
の成形加工性に富み、また衝撃強度に優れ、薄肉軽量化
が可能で、さらにオーブン耐熱性、熱衝撃性、耐食品汚
染性、耐洗剤性、衛生性に優れる樹脂を鋭意探索したと
ころ、脂肪族成分を含む特定の共重合ポリエステルアミ
ドを用いることにより、オーブン用として理想的なプラ
スチック容器を得ることに成功した。
【0009】すなわち本発明は、下記式(I)〜
(V):
【0010】
【化2】
【0011】〔式(I)〜(V)中、R1 、R2 、R3
およびR4 は相互に同じであっても異なっていてもよ
く、p−フェニレン基、2,6−ナフタレン基、4,
4′−ビフェニレン基からなる群から選ばれる少なくと
も1種の2価の基であり、R5 はp−またはm−フェニ
レン基であり、X1 は−NH−、X2 は、−NH−、−
O−または−CO−であり、また式中の置換基中の芳香
族環上の水素原子の一部は低級アルキル基、ハロゲン原
子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基で置換されてい
てもよい〕で表される単位<I>〜<V>を含有し、か
つ単位<I>〜<V>の合計モル数に対して、 単位<I> 3〜30モル% 単位<II> 5〜30モル% 単位<IV> 30〜85モル% 単位<V> 0.1〜10モル% であり、X2 が、−NH−または−O−の場合には、単
位<III >/{単位<II>+単位<V>}のモル比が
0.8〜1.1であり、X2 が−CO−の場合、単位<
III >/単位<II>のモル比が0.8〜1.1である共
重合ポリエステルアミドを成形することにより得られる
オーブン用耐熱食器を提供するものである。
【0012】また、前記共重合ポリエステルアミド10
0重量部に対し無機充填材を250重量部以下含有する
と、好ましい。
【0013】以下、本発明のオーブン用耐熱食器につい
て詳細に説明する。
【0014】本発明のオーブン用耐熱食器の素材である
共重合ポリエステルアミドは、前記式(I)〜(V)で
表される単位<I>〜<V>から実質的になるものであ
る。前記式(I)〜(V)において、R1 、R2 、R3
およびR4 は相互に同じであっても異なっていてもよ
く、p−フェニレン基、2,6−ナフタレン基、4,
4′−ビフェニレン基からなる群から選ばれる少なくと
も1種の2価の基である。また、R5 はp−またはm−
フェニレン基であり、X1 は−NH−、X2 は、−NH
−、−O−または−CO−である。また式中の置換基中
の芳香族環上の水素原子の一部は低級アルキル基、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基で置換さ
れていてもよい。低級アルキル基としては、例えば、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、
t−ブチル基等が挙げられる。また、アルコキシ基とし
ては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキ
シ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。
【0015】共重合ポリエステルアミドを構成する単位
<I>は、前記式(I)で表される構造単位であり、前
記のとおり、式(I)中、R1 はp−フェニレン基、
2,6−ナフタレン基、4,4′−ビフェニレン基から
選ばれた2価の基であり、同一分子中に1種または2種
以上含まれていてもよく、また、R1 の芳香族環上の水
素原子の一部が低級アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ
基、シアノ基またはアルコキシ基で置換されていても良
い。特に、前記式(I)において、R1 がp−フェニレ
ン基または2,6−ナフタレン基であると、好ましい。
また、単位<I>は共重合ポリエステルアミドの1分子
中に1種単独でも2種以上が混在していてもよい。
【0016】この単位<I>は、例えば、前記式(I)
で表される構造単位を繰り返し単位とするポリエステル
を原料として用いることにより、共重合ポリエステルア
ミド中に導入すると、望ましい。このポリエステルとし
て、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−2,6−ナフトエートなどがあげられる。
【0017】共重合ポリエステルアミド中の単位<I>
の含有量は、単位<I>〜<V>の全モル数に対して3
〜30モル%の割合であり、好ましくは5〜20モル%
である。単位<I>の含有量が3モル%未満であると、
生成する共重合ポリエステルアミドの溶融温度が高くな
り、成形加工が困難となり、また30モル%を超えると
溶融温度が低下し、成形加工がしやすくなる利点はある
ものの、耐熱性が低下するという欠点を生ずる。
【0018】共重合ポリエステルアミドを構成する単位
<II>は、前記式(II)で表される構造単位であり、前
記のとおり、式(II)中、R2 はp−フェニレン基、
2,6−ナフタレン基、4,4′−ビフェニレン基から
選ばれた2価の基であり、同一分子中に1種または2種
以上含まれていてもよく、また、R2 の芳香族環上の水
素原子の一部が低級アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ
基、シアノ基またはアルコキシ基で置換されていても良
い。特に、前記式(I)において、R1 がp−フェニレ
ン基、2−メチル−p−フェニレン基、2−クロロ−p
−フェニレン基、2−フェニル−p−フェニレン基、
4,4′−ビフェニレン基、2,6−ナフタレン基であ
ると、好ましい。また、単位<II>は共重合ポリエステ
ルアミドの1分子中に1種単独でも2種以上が混在して
いてもよい。
【0019】この単位<II>は、例えば、前記式(II)
で表される構造単位を有する化合物を原料として用いる
ことにより、共重合ポリエステルアミド中に導入する
と、望ましい。この化合物として、例えば、ハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノン、クロルハイドロキノン、
フェニルハイドロキノン、4,4′−ビフェノール、
2,6−ナフタレンジオールおよびこれらのジアシル化
物などが挙げられる。
【0020】共重合ポリエステルアミド中の単位<II>
の含有量は、単位<I>〜<V>を合わせた全モル数に
対して5〜30モル%であり、好ましくは8〜20モル
%である。単位<II>の含有量が、5モル%より少ない
場合および30モル%を超える場合は、得られる共重合
ポリエステルアミドの機械的強度が低下する。
【0021】また、単位<III >は、前記式(III )で
表される構造単位であり、前記のとおり、式中、R3
p−フェニレン基、2,6−ナフタレン基、4,4′−
ビフェニレン基から選ばれる2価の基であり、R3 の芳
香族環上の水素原子の一部が低級アルキル基、ハロゲン
原子、ニトロ基、シアノ基またはアルコキシ基で置換さ
れていても良い。また、単位<III >は、共重合ポリエ
ステルアミドの1分子中に1種単独でも2種以上が混在
していてもよい。
【0022】この単位<III >は、例えば、前記式(II
I )で表される構造単位を有する化合物を原料として用
いて、共重合ポリエステルアミド中に導入すると、望ま
しい。この化合物として、例えば、テレフタル酸、ジク
ロロテレフタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ
る。
【0023】共重合ポリエステルアミド中の単位<III
>の含有量は、後に説明する単位<V>の種類と存在量
によって影響され、単位<V>のX2 が−NH−または
−O−の場合は、 単位<III >/{単位<II>+単位<V>}=0.8〜
1.1(モル比) であり、X2 が−CO−の場合は、 単位<III >/単位<II>=0.8〜1.1(モル比) である。単位<III >の含有量がこの比率の範囲外で
は、生成重合体の機械的強度の低下、生成ポリマーの着
色、耐熱性の低下等が起こるので好ましくない。
【0024】また、単位<IV>は、前記式(IV)で表さ
れる構造単位であり、前記のとおり、式中、R4 はp−
フェニレン基、2,6−ナフタレン基、4,4′−ビフ
ェニレン基から選ばれる2価の基であり、R4 の芳香族
環上の水素原子の一部が低級アルキル基、ハロゲン原
子、ニトロ基、シアノ基またはアルコキシ基で置換され
ていても良い。また、単位<IV>は、、共重合ポリエス
テルアミドの1分子中に1種単独でも2種以上が混在し
ていてもよい。
【0025】この単位<IV>は、例えば、前記式(IV)
で表される構造単位を有する化合物を原料として用い
て、共重合ポリエステルアミド中に導入すると、望まし
い。この化合物として、例えば、p−ヒドロキシ安息香
酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸、4−ヒド
ロキシ−3−クロロ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナ
フトエ酸、4−ヒドロキシ−4′−カルボキシビフェニ
ルおよびこれらのアシル化物などが挙げられる。
【0026】共重合ポリエステルアミド中の単位<IV>
の含有量は、単位<I>〜<V>の全モル数に対して3
0〜85モル%であり、好ましくは40〜80モル%で
ある。単位<IV>の含有量が30モル%に満たない場
合、および85モル%を越える場合は機械的強度が著し
く低下する。
【0027】単位<V>は、前記式(V)で表される構
造単位であり、前記のとおり、式(V)中、R5 はp−
またはm−フェニレン基であり、X1 は−NH−、X2
は、−NH−、−O−または−CO−である。また、R
5 の芳香環上の水素原子の一部が低級アルキル基、ハロ
ゲン原子などで置換されていてもよい。また、共重合ポ
リエステルアミドにおいて、前記式(V)で表される単
位<V>は同一重合体中に1種単独でも2種以上が混在
していても良い。
【0028】この単位<V>は、例えば、前記式(V)
で表される構造単位を有する化合物を原料として用い
て、共重合ポリエステルアミド中に導入すると、望まし
い。この化合物として、例えば、p−フェニレンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン、p−アミノ安息香酸、m
−アミノ安息香酸、4−アミノフェノール、3−アミノ
フェノール、N,N′−ジアセチル−p−フェニレンジ
アミン、N,N′−ジアセチル−m−フェニレンジアミ
ン、p−アセトアミド安息香酸、m−アセトアミド安息
香酸、p−アセトアミドフェニルアセテート、m−アセ
トアミドフェニルアセテートなどが挙げられる。
【0029】共重合ポリエステル中の単位<V>の含有
量は、単位<I>〜<V>を合わせた全モル数に対して
0.1〜10モル%の割合であり、好ましくは0.3〜
7モル%である。単位<V>の含有量が0.1モル%に
満たない場合は、アミド基導入による機械的強度の向上
が十分ではなく、また10モル%を越えると、溶融温度
及び溶融粘度が高くなり成形性が悪化するうえ、耐熱性
や強度・弾性率が低下する。
【0030】本発明のオーブン用耐熱食器の素材として
用いられる共重合ポリエステルアミドの製造は、単位<
I>〜<V>のそれぞれの単位に対応する芳香族ジオー
ル(及びその誘導体)、芳香族ジカルボン酸(及びその
誘導体)、芳香族ヒドロキシカルボン酸(及びその誘導
体)、メタまたはパラフェニレンジアミン類(及びそれ
らの誘導体);メタまたはパラアミノフェノール類(及
びそれらの誘導体);メタ又はパラアミノ安息香酸類
(及びそれらの誘導体)を、重合させることによって行
うことができる。
【0031】重合方法は特に限定はなく、前記の単位<
I>〜<V>が重合体中に導入される方法ならばすべて
可能である。例えば、単量体化合物のヒドロキシル基、
カルボキシル基、アミノ基を修飾せず、そのまま加熱し
て水を除去しながら重合する直接重合法;ヒドロキシル
基とアミノ基をアシル化した原料を用いて加熱し、対応
する有機酸を除去しながら重合を行う方法;カルボキシ
ル基をフェノール類でエステル化した原料を用いて加熱
し、対応するフェノール類を除去しながら重合を行う方
法;カルボキシル基を酸ハライドに変えて、対応するハ
ロゲン化水素を除去しながら重合を行う方法などが挙げ
られ、これらのいずれの方法でもよい。
【0032】また、重合の形式も特に制限されず、例え
ば、溶融重合法、加熱溶液重合法、低温溶液重合法、界
面重合法のいずれの方法でも重合可能である。
【0033】以下、代表例として、アシドリシス反応に
よって重合を行う溶融重合法を例にとり、共重合ポリエ
ステルアミドを製造する方法について詳しく説明する。
【0034】この反応は必要な諸原料、すなわち、ポリ
エステル、芳香族ジアシルオキシ化合物、芳香族ジカル
ボン酸化合物、芳香族アシルオキシカルボン酸化合物、
および芳香族アシルオキシアシルアミノ化合物(および
/または芳香族ジアシルアミノ化合物、および/または
芳香族アシルアミノカルボン酸化合物)を重合容器に入
れ加熱することにより開始される。
【0035】重合温度は特に制限されないが、一般的に
は180〜400℃の間で行われる。重合温度が180
℃より低い温度であると反応が遅く、また400℃を超
えると得られるポリマーの着色や分解が起こるので好ま
しくない。好ましい重合温度は200〜360℃の範囲
である。
【0036】反応圧力は特に限定されないが、反応初期
は大気圧近辺で行い、重合の進行につれて徐々に減圧に
する方法が好ましい。
【0037】反応は撹拌をしながら行うことが望まし
く、また反応系の雰囲気は窒素やアルゴン等の不活性ガ
スであることが望ましい。
【0038】本発明の共重合ポリエステルアミドを製造
するするための重合反応は、触媒を使わずに行うことも
できるが、重合反応を促進させるために触媒を用いても
よい。触媒は、出発原料である単位<I>のポリエステ
ル中に混入していても良いし、新たに重合段階で加えて
も良い。
【0039】触媒としては、本発明のオーブン用耐熱食
器の用途の点から、有毒な物質は用いない方が好まし
い。この触媒の具体例として、酸化ゲルマニウムのよう
なゲルマニウム化合物、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム
のようなアルカリ金属塩、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、
酢酸第1鉄のような有機酸の金属塩、塩酸、硫酸などの
無機酸などが挙げられる。
【0040】本発明のオーブン用耐熱食器には、前記単
位<I>〜<V>より実質的になる共重合ポリエステル
アミドをそのまま使用することもできるが、表面剥離性
や強度の異方性を改善するために、無機充填材を加える
と、好ましい。
【0041】本発明で使用される無機充填材としては、
食器用途で無害であり、しかも300℃程度の温度に耐
えられるものであればよく、タルク、炭酸カルシウム、
マイカ、珪酸カルシウム、カオリン、シリカ、酸化チタ
ン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、活性白土等の無機粉体、ガラス繊維、炭素繊維、金
属繊維、ウィスカー等の無機繊維が挙げられる。
【0042】本発明で使用される無機充填材は、芳香族
ポリエステルまたは芳香族ポリエステルアミド100重
量部に対して250重量部以下、好ましくは10〜15
0重量部配合することができる。無機充填材を配合する
場合、その配合量が250重量部を超えると、得られる
オーブン用耐熱食器の強度が低下するため、好ましくな
い。
【0043】また、本発明のオーブン用耐熱食器には、
前記無機充填材以外にも、フェノール系、アミン気、硫
黄系、リン系の酸化防止剤、ヒドラジン系、アミド系の
金属不活性化剤、金属石鹸、金属塩液状安定剤、有機す
ず安定剤、アンチモン系安定剤、エポキシ化合物、亜リ
ン酸エステル、フェノール誘導体、多価アルコール等の
安定剤、フタル酸エステル、リン酸エステル、アジピン
酸エステル等の可塑剤、着色防止剤、テトラブロムビス
フェノールA、三酸化アンチモン等の難燃剤等を添加し
てもよい。
【0044】本発明のオーブン用耐熱食器は、前記共重
合ポリエステルアミド、および必要に応じて前記無機充
填材、ならびに前記酸化防止剤等の各種添加剤を配合し
た組成物を成形して得ることができる。
【0045】成形方法は、特に限定されず、例えば、溶
融樹脂を金型内に充填し冷却することにより成形品を得
る射出成形法、押出機を用いて各種形状のノズルから溶
融樹脂を押し出しながら固化冷却させる押出成形法、板
またはシート状の樹脂またはパリソンを加熱しながら型
内に押しつけ冷却固化させる加圧成形法、真空成形法、
ブロー成形法、インジェクションブロー成形法等のこの
種の食器の製造に用いられるいずれの方法も適用でき、
所望の形状に対応した型、ダイ等を使用して行うことが
できる。
【0046】成形温度は、通常、250〜400℃程
度、好ましくは280〜360℃程度である。また、成
形圧力は、通常、100〜1500kg/cm2 程度で
ある。
【0047】本発明のオーブン用耐熱食器の形状は、特
に制限されず、皿状、カップ状、板状など、一般の食器
として使われている形状のいずれの形状とすることがで
きる。
【0048】また、本発明のオーブン用耐熱食器の耐熱
温度は、通常、180〜350℃程度である。
【0049】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例に基い
て、本発明をさらに具体的に説明する。
【0050】(実施例1)トルクメータ・回転計付攪拌
装置、アルゴン導入管および温度計を備えた重合容器
に、ポリエチレンテレフタレート207.4g(1.0
8モル)、4,4′−ジアセトキシビフェニル534.
6g(1.98モル)、テレフタル酸328.7g
(1.98モル)、p−アセトキシ安息香酸2235.
6g(12.42モル)、p−アセトアミド安息香酸9
6.7g(0.54モル)および酢酸ナトリウム0.5
gを仕込んだ。重合容器内を十分にアルゴンで置換した
後、約30分かけて内温を260℃まで昇温させた。昇
温途中で原料が溶融し始めた段階で、攪拌を開始した。
260℃まで昇温後、さらに2℃/minの昇温速度で
昇温し酢酸の留出が少なくなってから、徐々に圧力を減
じ、最終的に390℃、0.5mmHgで20分間反応
させ重合を完了して共重合ポリエステルアミドを得た。
得られた共重合ポリエステルアミドを、射出成形機(山
城精機製作所製SAV−60型)により、径100m
m、肉厚5mmの半球型の食器に成形した。
【0051】(実施例2)ポリエチレン−2,6−ナフ
トエート174.2g(0.72モル)、4,4′−ジ
アセトキシビフェニル534.6g(1.98モル)、
2,6−ジアセトキシナフタレン175.7g(0.7
2モル)、テレフタル酸448.2g(2.7モル)、
p−アセトキシ安息香酸2138.4g(11.88モ
ル)、p−アセトアミドフェニルアセテート34.7g
(0.18モル)および酢酸カリウム0.3gを用い、
実施例1と同様の方法で重合させて、得られた共重合ポ
リエステルアミドを半球型の食器に成形した。
【0052】(実施例3)実施例1で製造した共重合ポ
リエステルアミド100重量部に対しタルク(林化成
(株)製)70重量部を混練充填後、実施例1と同様に
して半球型の食器に成形した。
【0053】(実施例4)実施例2で製造した共重合ポ
リエステルアミド100重量部に対しガラス繊維(富士
ファイバーガラス(株)製)50重量部を混練充填後、
実施例1と同様にして半球型の食器に成形した。
【0054】(比較例1)p−アセトキシ安息香酸19
08g(10.6モル)、4,4′−ジアセトキシビフ
ェニル945g(3.5モル)、テレフタル酸581g
(3.5モル)および酢酸カリウム0.5gを用い、重
合の最終温度を430℃とする以外は、実施例1と同様
の方法で共重合ポリエステルアミドを製造し、得られた
共重合ポリエステルアミドを実施例と同様にして半球型
の食器に成形した。
【0055】(比較例2)ポリプロピレン製食器を比較
例とした。
【0056】(比較例3)ポリサルホン製食器を比較例
とした。
【0057】(比較例4)ポリメチルペンテン製食器を
比較例とした。
【0058】(比較例5)C−PET製食器を比較例と
した。
【0059】(比較例6)不飽和ポリエステル製食器を
比較例とした。
【0060】以上の実施例および比較例で得られた食器
について、以下の実用性評価試験を行った。
【0061】(A)熱的オーブン試験 食器をオーブン内に入れ250℃で加熱した。結果を表
1に示す。
【0062】(B)強度成形性試験(1) 食器の中に水を満杯(約150cm3 )に入れ、コンク
リート上に落下させ、破損に至る落下距離を調べた。結
果を表2に示す。なお、食器成形の際の成形温度、金型
温度も同表中に示す。
【0063】(C)耐食品汚染性試験 各種食品を100℃に保ち、その中に食器を浸漬し、1
週間後に食器の外観変化を調べた。結果を表3に示す。
【0064】(D)強度評価試験(2) 各実施例で用いた共重合ポリエステルアミドを各厚みの
平板に成型し、デュポン衝撃試験(東洋精機製作所製)
を行った。錘は100gのものを用い、破壊に至るエネ
ルギーと厚みの関係を図1に示す。図中の点線は食器J
IS規格(JIS B1501)に定められた衝撃エネ
ルギーを示す。
【0065】(A)熱的オーブン試験
【0066】(B)強度、成形性評価試験
【0067】(C)耐食品汚染性試験
【0068】
【発明の効果】本発明のオーブン用耐熱食器は、オーブ
ン等の高温でも使用可能な耐熱性を有し、かつ耐食品汚
染性に優れるものである。さらに、本発明のオーブン用
耐熱食器に用いられる共重合ポリエステルは、成形性、
衝撃強度に優れているため、食器のデザインの多様化、
薄肉軽量化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例における強度評価試験の結
果を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 5/00 CFD 9267−4F // B29K 77:00 C08L 77:00 (72)発明者 涌 井 正 浩 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 久 保 秀 穂 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社東京本社内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記式(I)〜(V): 【化1】 〔式(I)〜(V)中、R1 、R2 、R3 およびR4
    相互に同じであっても異なっていてもよく、p−フェニ
    レン基、2,6−ナフタレン基、4,4′−ビフェニレ
    ン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の2価の基
    であり、R5 はp−またはm−フェニレン基であり、X
    1 は−NH−、X2 は、−NH−、−O−または−CO
    −であり、また式中の置換基中の芳香族環上の水素原子
    の一部は低級アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シ
    アノ基、アルコキシ基で置換されていてもよい〕で表さ
    れる単位<I>〜<V>を含有し、かつ単位<I>〜<
    V>の合計モル数に対して、 単位<I> 3〜30モル% 単位<II> 5〜30モル% 単位<IV> 30〜85モル% 単位<V> 0.1〜10モル% であり、X2 が、−NH−または−O−の場合には、単
    位<III >/{単位<II>+単位<V>}のモル比が
    0.8〜1.1であり、X2 が−CO−の場合、単位<
    III >/単位<II>のモル比が0.8〜1.1である共
    重合ポリエステルアミドを成形することにより得られる
    オーブン用耐熱食器。 【請求項2】 前記共重合ポリエステルアミド100重
    量部に対し無機充填材を250重量部以下含有する請求
    項1記載のオーブン用耐熱食器。
JP3150199A 1991-06-21 1991-06-21 オーブン用耐熱食器 Withdrawn JPH055029A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003504473A (ja) * 1999-07-12 2003-02-04 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 耐熱性液晶ポリマー製品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003504473A (ja) * 1999-07-12 2003-02-04 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 耐熱性液晶ポリマー製品
JP4795590B2 (ja) * 1999-07-12 2011-10-19 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 耐熱性液晶ポリマー製品

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