JPH0549418A - 精米直後の米の冷却方法 - Google Patents

精米直後の米の冷却方法

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JPH0549418A
JPH0549418A JP3210736A JP21073691A JPH0549418A JP H0549418 A JPH0549418 A JP H0549418A JP 3210736 A JP3210736 A JP 3210736A JP 21073691 A JP21073691 A JP 21073691A JP H0549418 A JPH0549418 A JP H0549418A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 精米によって温度が上昇した精米直後の米を
食味を損なうことなく短時間で効果的に冷却する。 【構成】 精米直後の米をその穀温の高い間に送粒混水
攪拌室20に導いて重量比で0.4〜1.5%の水を加
え、僅かに混合攪拌してその米粒表面に水の皮膜を形成
し、その後直ちに該米を吸込式ネットコンベア32上に
拡げて風を供給することにより米粒表面の水を蒸発さ
せ、その蒸発熱を米から奪うことで米の温度を速やかに
降温させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精米直後の米の冷却方
法に関し、主として精米工場で利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、精米機によって玄米から糠層や
胚芽を取り除く処理(精米ないし精白)を行うと、精米
直後の米は精米前の玄米(籾も含む)に比べて温度が1
0〜20度近く上昇することが知られている。
【0003】然るに、この温度の上昇した米を、そのま
ま後の工程に送って精選、ブレンド、色彩選別、包装等
の処理を行うと、次のような種々の問題が生じる。 精米によって温度の高くなった米からは比較的多く
の水分が蒸発するが、この水分が後工程における一連の
装置群に触れて冷却されることで結露が生じ、その結露
部分に米粉や米粒等が付着して、カビやヌカ玉が発生す
る。場合によっては、そのような結露等が後工程装置類
の動作不良を誘発し、それら装置自体を止めてしまうと
いうトラブルすら生じる。
【0004】 精白後の米の温度が自然に常温まで低
下するには比較的長い時間を要するが(例えば大きなタ
ンクに入れた状態で自然冷却させた場合には3日〜4
日)、その間に食味が大きく低下する。 精白米の温度が高いと、上述の如くその表面から蒸
発する水分の量が必然的に多くなるため、精米後におい
て白米が必要以上に乾燥し、いわゆる過乾燥の状態とな
る結果、食味不良等の品質の低下を招き易い。
【0005】このような精白米の水分ロスや過乾燥に伴
う食味の低下を回避するため、従来から種々の技術が提
案されている。その一つとして、冷湿風又は水分ミスト
を多量に含んだ風を精白米に当てる方法がある(例えば
特公昭60−17499号公報参照)。 また、他の方法として、熱伝導性の良い冷却したローラ
体に米粒を接触させることで精白米から熱を奪って降温
させる方法も提案されている(例えば、特開昭61−2
35662号公報参照)。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
おける上記のような方法は、上述の〜に示したよう
な問題を解決する手段としては何れも実用的とは言えな
い嫌いがある。
【0007】すなわち、上述の冷湿風等を精白米に当て
る方法においては、精米温度と冷湿風の水分量とを適正
にコントロールすることが困難であるため、冷湿風中の
水分量が多すぎたり少なすぎたりしやすい。その場合、
水分量が多いと胴割れが生じ、少ないと精白米が急速に
乾燥して米粒表面が微細な亀裂で覆われてしまい、食味
の低下を来すこととなる。
【0008】また、ローラ体に米粒を接触させる方法の
場合、そのローラ体に結露が生じたり糠が付着したりす
ることから、メンテナンスが煩わしいわりに熱奪性が悪
く、およそ実用的でない。
【0009】尚、これらの方法以外に精白米の水分ロス
や過乾燥を補う目的の白米調質機等は従来から提供され
ているが、それらは精米直後に米の温度を短時間に下げ
ることを意図したものではないため、上記〜のよう
な問題を解消し得るものではなかった。
【0010】本発明は、従来における上記のような実情
に鑑みてなされたもので、いわゆる打ち水の原理を利用
して精米直後の米の温度を食味を損なうことなく簡単且
つ短時間に下げることのできる方法を提供し、もって精
米に伴う穀温上昇が原因となって生じる白米の食味低下
の問題や、精米後の一連の工程で使用する各種装置にお
ける結露発生等の問題を解消することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明に係る精米直後の米の冷却方法は、次のように構成
したことを特徴とする。先ず、精米によって精米前より
も温度が上昇した米に対し、その精米直後の穀温が高い
間に重量比で0.4%〜1.5%の水を加えて、その米
粒表面に水の皮膜を形成する。この場合において、加え
る水の量が重量比で0.4%よりも少ないと、蒸発する
水の量が足りず、その不足分が精白米の内部にもともと
存在する水分の蒸発で補われる結果、過乾燥米を作って
しまうし、また1.5%よりも多いと、米粒の表面に形
成される水の皮膜が必要以上に厚くなりすぎ、米粒群か
ら滴り落ちる。
【0012】また、この時に加える水は、露状の細かい
ものでは米粒との付着率が悪いので、なるべく滴下水の
ような状態にしておくのが好ましく、更には、加水後に
おいて米粒の表面全体に水を皮膜状に展開させるべく、
所要量だけ混合攪拌するのが望ましい。
【0013】次に、このような水皮膜形成後に直ちに風
を供給して米粒表面の水を気化させることにより、その
米粒表面から気化熱を奪って米の温度を常温まで降温さ
せる。この場合の風の供給方法としては、例えばブロア
や回転ファン等を利用した送風方式又空気吸い込み方式
の何れでもよく、特に限定されない。ただし、米粒の表
面全体に効率よく風を接触させるには、請求項2に記載
したように、米粒表面に水皮膜が形成されている未だ常
温より高い精米直後の米を吸込式ネットコンベアに乗せ
て、そのコンベアの下から空気を吸引する方式が好まし
い。その場合、コンベア上の米の温度を短時間で常温ま
で降温させる必要がある。具体的には、1分以内がよ
い。これは、混水後の時間の経過と共に米粒表面層の水
が米粒の内部深くまで浸透し、その状態で強風乾燥させ
ると亀裂が発生して食味の著しい低下を招くこととなる
ため、かかる事態を回避すべく米粒表面層に水が留まっ
ている僅かな間に米を冷却する必要があるからである。
【0014】更に、加水後の米に供給する風の速度は、
1m/秒以上で15m/秒以内であることが好ましい。
これは、1m/秒以下であると、ネットコンベア上に展
開する米粒のバラツキが微妙すぎて操作性に問題が生じ
ると共に、乾燥時間も長くなり、また15m/秒を超え
ると、エネルギー効率や乾燥時間のバラツキによって過
乾燥等の問題が生じやすいからである。
【0015】ここで、精米直後の米に加える水の量を上
記の数値に限定したのは、次のような理由による。今、
当初温度が例えば30°Cであった1kgの米(見掛け
の比熱は、玄米の水分量によって0.45〜0.55c
al/g・degの範囲で変動するが、ここでは0.5
cal/g・degと仮定する)が精米処理によって5
0°Cまで上昇したとする。この時、米の熱量の増加分
は、次のようになる。
【0016】 1000×〔(50−30)×0.5〕=10000(cal) この増加分の熱量を水の気化熱として奪うために必要な
水量は、常温常圧下の水の気化熱が539cal/gで
あるから、 10000÷539=18.4(g) となる。従って、この場合、理論的には1kgの米に対
して重量比で1.84%の水を加えて、その全てを気化
させると精米直後の米の温度(50°C)が当初の温度
(30°C)まで下がることとなる。
【0017】しかしながら、通常は、米に対する加水量
が重量比で約1%を超えると、加えられた水が混合攪拌
後の米粒郡から雫となって落ちやすくなるため、好まし
くない。また、仮に米粒表面に理想的な分厚い水皮膜が
作られたとしても、通風下ではその大半が米粒表面を擦
過する空気流とともに飛び散るだけで効率良く気化する
までには至らない。従って、加水量が重量比で1%、最
大でも1.5%を超えた場合は、米粒から気化熱として
必要量の熱を奪うことは困難であり、しかも、後述する
実施例で用いる装置の如く排気ダクトや排気ブロアを有
する装置を使用しようとすると、例えば排気ダクト内や
排気ブロア内部にカビや排液等の処理に困る生成物がで
きて始末に悪い。
【0018】このような観点から、本願発明者は実用的
には1%内外の加水量が良いと判断し、更に後述の実施
例の結果から具体的に0.4%〜1.5%に限定したも
のである。尚、実用的な精米機においては、冬の期間は
別として通年的に精米時における穀温上昇が20°Cを
超える場合は稀であるから、上記の仮定から導かれた結
論は実際上も妥当なものである。
【0019】
【作用】上記の構成によれば、精米によって上昇した米
の温度は、精米直後に加えられた水が風の供給を受けて
気化する際に米粒表面から気化熱を奪うことによって常
温まで降温される。すなわち、打ち水と同じ理由によっ
て精米直後の米の温度が下げられる。
【0020】そして、この場合に加えられた水は、その
量が重量比で0.4%〜1.5%に設定され且つ米粒表
面に皮膜状に展開されているから、通風により強制的に
効率良く気化されて短時間のうちに米粒から必要十分な
熱を奪う。従って、精米直後に加えられた水が米粒の表
面層から内部に浸透することがないから、米粒内部への
水の浸透による変質が回避されることになる。
【0021】これにより、精米直後の米の温度が簡単且
つ短時間に下げられることとなり、ひいては精米時の温
度上昇が原因となって生じる白米の食味低下の問題や、
精米後の一連の工程で使用する各種装置における結露発
生等の問題も解消されることとなる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 〔実施例1〕先ず、この実施例で使用する冷却システム
について説明する。図1は、当該システムの全体構成を
示すもので、同図に示すように、本システム1は、精米
直後の米が投入されるレベルホッパ10と、モータ21
によって回転駆動されるスクリューコンベア22が備え
られた送粒混水攪拌室20と、上部に駆動モータ31に
よって回転されるネットコンベア32が備えられたター
ンテーブルホッパ30と、中央処理装置(CPU)が内
蔵されたコントローラ40とを有する。
【0023】このうちレベルホッパ10は、上部に米の
投入口11が、下部に排出口12がそれぞれ設けられて
いると共に、該排出口12に米の流量を調整する分岐板
13、13が立て方向に配設されている。
【0024】また、このレベルホッパ10には、米の流
量が所定の上限値を超えた時にこれを検出する上限流量
レベル検出センサ14と、同じく米の流量が所定の下限
値以下となった時にこれを検出する下限流量レベル検出
センサ15と、当該ホッパ内の米の量が許容値を超えた
時に警告を発し得るように上部所定位置に配置された最
上限レベル検出センサ16と、当該ホッパ内の米の量が
所定値以下となった時にこれを検出する最下限レベル検
出センサ17と、米の流量が予め設定された最適値にあ
る時にこれを検出する最適レベル検出センサ18とが備
えられている。そして、これらセンサ14〜18からの
信号がコントローラ40に入力され、それらの入力信号
に基づいてコントローラ40が、後述する送粒混水攪拌
室20への加水量やネットコンベア32の回転速度更に
は排気ブロア35の吸い込み量等を制御するようになっ
ている。
【0025】また、送粒混水攪拌室20には、別途備え
られたタンク23から給水通路24を介して所定量の水
を供給する加水ポンプ25が接続されている。そして、
該攪拌室20内でその所定量の水と米粒とがスクリュー
コンベア22によって攪拌されつつターンテーブルホッ
パ30へと送出されるようになっている。
【0026】一方、ターンテーブルホッパ30には、そ
の上部に、送粒混水攪拌室20から送られてくる加水後
の米を受けてネットコンベア32上に展開する展開スク
リューブラシ33と、その展開された米がネットコンベ
ア32と共に所定量だけ回転した後にそれらの米を排出
口30aから当該ホッパ30の外に取り出す取り出しス
クリュー34とが設けられていると共に、下方の下流開
口端に、当該ホッパ側の気体を外部に吸い出す排気ブロ
ア35が接続されている。そして、ネットコンベア32
上の米が所定量だけ回転される間に排気ブロア35の吸
引作用によって米粒表面から余分な水分を蒸発させて、
下流側の排気ダクト35aを介して外部に排出させるよ
うに構成されている。
【0027】このようなシステム1を使用して本発明方
法は次のように実施される。先ず、精米処理によって当
初よりも温度が上昇した精白米をレベルホッパ10の投
入口11から該ホッパ10内に投入する。
【0028】レベルホッパ10内に投入された米は、そ
の精米に伴う温度上昇量が別途備えられた温度センサ
(図示せず)により検出されると共に、その流量が各レ
ベルセンサ14〜18によって検出された上で、下部の
排出口12から送粒混水攪拌室20へと供給される。
【0029】また、上記温度センサ等の検出結果はコン
トローラ40にそれぞれ入力され、それらの入力信号に
基づいて、つまりレベルホッパ10内の米の温度や下部
排出口12から排出される米の流量(精米量)等に基づ
いて、コントローラ40は、送粒混水攪拌室20に供給
される米に対して重量比で所定量(この実施例では1
%)の水が加えられるように加水量を決定し、これに基
づいてポンプ25を制御することでタンク23から送粒
混水攪拌室20内にその決定された所定量の水を供給さ
せる。
【0030】一方、送粒混水攪拌室20においては、上
記のようにして供給された所定量の米と水とを混合攪拌
することで、それらの米の表面に水の皮膜を形成すると
共に、その皮膜形成後の米をターンテーブルホッパ30
におけるネットコンベア32上に供給する。
【0031】ネットコンベア32上に供給された米は展
開スクリュー33により展開された後、モータ31によ
って該コンベアと共に所定量(図例では180度)だけ
回転移動され、然る後、取り出しスクリュー34により
排出口30を介してターンテーブルホッパ30の外に取
り出される。そして、このようにしてネットコンベア3
2と共に米を回転させている間に、排気ブロア35によ
ってターンテーブルホッパ30内の空気を排気ダクト3
5a側に所定時間及び所定風量で排出させ続けることに
より、米の温度が常温に下がるまで米粒表面に皮膜状に
存在する上記の水分を排気ブロア35の吸引に伴う気流
に乗せて気化・蒸発させる。
【0032】このような構成によれば、精米処理によっ
て温度の上昇した米は、レベルホッパ10を介して送粒
混水攪拌室20に送られ、この攪拌室20において重量
比で1%の水と混合攪拌されることにより、その米粒表
面に水の皮膜が形成され、その状態でターンテーブルホ
ッパ30に送られてネットコンベア32上に展開され
る。そして、ターンテーブルホッパ30の排出口30a
から排出されるまでの所定時間の間、排気ブロア35の
吸引作用によって生じる空気流(風)が米粒表面を擦過
することにより、その米粒表面に皮膜状に存在する水分
が速やかに気化される。
【0033】その場合、上記のように送粒混水攪拌室2
0における加水量が米に対する重量比で1%に設定され
ているので、排気ブロア35の吸引による風によって米
粒表面から水分が効率良く蒸発する。その際、蒸発熱と
して米粒から必要十分な熱が短時間のうちに奪われる結
果、ネットコンベア32上の米が常温まで速やかに冷却
されることになる。そして、このように短時間に速やか
に米の温度が下げられることにより、精米直後に加えら
れた水が米粒の表面層から内部に浸透することが防止さ
れるから、米粒内部への水の浸透による変質も回避され
ることになる。
【0034】これにより、精米直後の米の温度が簡単且
つ短時間に下げられることとなり、ひいては精米時の温
度上昇が原因となって生じる白米の食味低下の問題や、
精米後の一連の工程で使用する各種装置における結露発
生等の問題も解消されることとなる。
【0035】尚、精米機から排出される米の流量や排出
後の穀温は時間とともに変化するから、それらの流量変
化や穀温変化に応じて加水量や通風時間を自動的にコン
トロールする必要がある。このような制御は一般的には
困難とされているが、本実施例の場合、別途備えられた
温度センサによって変化後の米の温度は容易に検出でき
る。また、流量変化に関しても、上限流量レベル検出セ
ンサ14、下限流量レベル検出センサ15及び最適レベ
ル検出センサ18の3つのセンサが備えられ、しかも送
粒混水攪拌室20に通じるレベルホッパ10の排出口1
2が立て方向の分岐板13、13で3つに区分けされて
いるから、例えばそれらの排出口12側の開口度を適宜
調節することによって、容易に米の流量変化を検出する
ことが可能である。
【0036】〔実施例2〕上記実施例1におけるレベル
ホッパ10の代わりに通常のホッパを備えたものを使用
し、実施例1と同様にして精米直後の高温の米に重量比
で約1%の水を加えた後に米を冷却した。冷却後、米粒
の水分は0.3%減少していたが亀裂はルーペでも発見
出来なかった。穀温は28°Cであった。
【0037】〔実施例3〜7〕実施例2における諸数値
を所定量だけ変化させて同種類の実験を数多く行い、表
1に示す結果を得た。
【0038】
【表1】
【0039】〔実施例8〜12〕表1から冷却時間は1
分前後、加水量は1%前後がそれぞれ適当であると判断
し、それらの近辺について更に詳しく調べるため比較例
と同様の実験を数値のみを変えて行ってみた。その結果
を表2に示す。
【0040】
【表2】 この表2に示したように、精米直後の米に重量比
で1%の水を加えて混合し、これに風速4m/秒の風を
1分間当てて冷却した場合、外観、食味、水分ロス、穀
温降下等のすべての点で良好な結果が得られることが確
認された。
【0041】〔比較例1〕通常の精米機で過精白(白度
41.5°)の状態に精米された米(精米直後の穀温が
50°C)を、室温が30°Cで相対湿度が60%の実
験室内においてプラスチックトレーに一層状に展開し、
その状態で1時間放冷した。その後、米の状態を観察し
たところ、米粒を構成する澱粉複粒体ごとに細い線が網
目状に走っているのが認められた。また、水分は精白直
後のものよりも0.9%だけ少なくなっていた。
【0042】〔比較例2〕比較例1で使用した精白米と
同様の米をネットの上に乗せ、比較例1と同じ実験室に
おいて米粒上の風速が0.9m/秒になるようにネット
下よりブロアを作動させて5分間強制冷却を行った。そ
の結果、米粒表面のいわゆる複粒体壁に肉眼ではっきり
確認できる程度の亀裂が入っていた。また、水分は精米
直後のものに比べて1.1%少なく、更に穀温は室温の
30°Cよりも僅かに下まわっていた。
【0043】〔比較例3〕比較例2の状態で、加湿器を
使ってブロアー内に高濃度の水分ミストを加えた。そし
て、相対湿度を150%(換算値)にして比較例2の場
合と同様のサンプルを取って調べたところ、米粒の水分
が精米直後よりも1.0%少なくなっていた点を除く
と、比較例2の場合と大差なかった。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明の冷却方法によれ
ば、米粒表面に亀裂を発生させる等の問題を生じること
なく精米直後の米の温度を速やかに下げることができ
る。これにより、精米時の温度上昇が原因となって生じ
る白米の食味低下の問題や、精米後の一連の工程で使用
する各種装置における結露発生等の問題も解消し得るこ
ととなる。また、冷却後に何らの処理を行うことなくそ
のまま包装できることとなる。
【0045】特に、本発明によると、短時間で米の温度
を常温まで降温させることができるので、精米量の多少
に拘わらず適用できる。従って、大精米量の精米機にお
ける精米直後の米の冷却手段としても用いることができ
るし、また小型で小容積の精米機における精米直後の米
の冷却手段としても用いることができる。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で使用したシステムの全体構
成を示すシステム図である。
【符号の説明】
32・・・吸込式ネットコンベア。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精米によって穀温が上昇した米に対し、
    その精米直後の穀温が高い間に重量比で0.4%〜1.
    5%の水を加えて、その米粒表面に水の皮膜を形成し、
    その後直ちに風を供給して米粒表面の水を気化させるこ
    とにより、その米粒表面から気化熱を奪って米の温度を
    常温まで降温させることを特徴とする精米直後の米の冷
    却方法。
  2. 【請求項2】 米粒表面に水の皮膜が形成されている未
    だ常温より高い精米直後の米を吸込式ネットコンベアの
    上に乗せ、そのコンベアの下から空気を吸引することで
    コンベア上の米に風を供給して該米の温度を下げると共
    に、その米の温度を常温まで降温させる時間が1分以内
    であることを特徴とする請求項1に記載の精米直後の米
    の冷却方法。
  3. 【請求項3】 米に供給される風の速度が1m/秒以上
    で15m/秒以内であることを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の精米直後の米の冷却方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002035619A (ja) * 2000-07-21 2002-02-05 Iseki & Co Ltd 精米施設
CN111790487A (zh) * 2020-08-14 2020-10-20 张伟健 一种大米制备碾米加工摊散冷却工艺

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