JPH0548351B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は建物架構の主柱を補助する支柱を主
柱間に所定の間隔で設置する、柱の設置方法に関
するものである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

梁と基礎梁間に配置される柱を施工する場合、
通常柱脚は基礎梁にベースプレート及びアンカー
ボルトを用いて取り付けられるが、この従来の施
工法では施工性の面から以下の問題点がある。

すなわち柱を梁の架設後に建込むことが難しい
ことに加え、その位置決めに精度が要求され、ま
た柱の建込み前に柱脚部の配筋をすることができ
ないため効率的に施工を行うことが難しい。

この発明はこうした従来の柱の施工方法に伴う
問題点を解消し、施工の合理化を図る目的からな
されたもので、柱を梁等から吊り下げた状態で施
工することによりこれを解決しようとするもので
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明では柱（支柱）を鉛直に吊り下げた状態
でその下端を基礎梁部分に位置させ、これを基礎
梁に埋設して柱を設置することにより施工の単純
化、効率化を図る。

柱は建物架構の主柱を補助する支柱であり、主
柱間に所定の間隔で設置される。

支柱は梁、土台、もしくはクレーン等から吊り
下げられ、基礎梁へのコンクリート打設までその
状態が保持される。そして支柱は主柱間に架設さ
れる梁に吊り下げられた状態で取り付けられ、柱
脚部は支柱下端が単にコンクリート中に埋設され
て固定される構造となるため支柱下端は必ずしも
主柱のような基礎梁内へ深く埋め込まれる必要は
なく、そのため支柱下端には基礎梁内へ埋設され
る埋込み部材が鉛直に取り付けられる。

この埋込み部材を基礎上の所定の位置に位置さ
せた後、基礎上の基礎梁部分にコンクリートを打
設し、埋込み部材を基礎梁に埋設して支柱が設置
される。

〔実施例〕

以下本発明を一実施例を示す図面に基づいて説
明する。

この発明は第１図に示すように建物の主架構を
構成する主柱Ａ，Ａ間に配置され、これらを補助
する支柱１を梁２と基礎梁３との間に設置する方
法である。

支柱１は主に鉄骨、もしくはプレキヤストコン
クリート製であり、その下端に鉛直に埋込み部材
４が取り付けられる。そして第１図−，のよ
うに支柱は埋込み部材４が基礎５上で位置決めさ
れて所定の位置に配置される。基礎５は基礎梁３
のフーチング、もしくは基礎スラブである。

埋込み部材４は第２図、第３図に示すように基
礎５に固定された位置決め部材６に側面が係止さ
れることによつて位置決めされる。位置決め部材
６には図示するようなアングルピース等が用いら
れ、アンカーボルト７で基礎５に固定される。

第２図は支柱１を基礎梁３にピン接合とした場
合である。この場合柱脚は軸方向力、せん断力を
基礎梁３に伝達するが、支柱１下端と基礎梁３天
端との間に若干のクリアランスが生じても上記の
力を十分伝達できるだけの断面が埋込み部材４に
与えられる。

第３図は支柱１を基礎梁３に固定とした場合で
ある。この場合支柱１の下端にベースプレートを
接合してこれにねじの切られた埋込み部材４を取
り付け、ベースプレート下面のナツトによりその
位置決めをし、コンクリート打設後に基礎梁３天
端上のナツトを締め付けて支柱１を固定してい
る。

第４図は支柱１を半固定とした場合の、そして
第５図は固定とした場合の他の実施例をそれぞれ
示したものである。

第４図の実施例は支柱１下端に複数の埋込み部
材４を取り付けたもので、第５図の実施例は支柱
１下端を埋込み部材４とともに基礎梁３中に埋込
んだものである。そのうちでは支柱１の側面に
配筋用の穴を設け、では埋込み部材４を支柱１
側面に直接溶接している。

第６図は支柱１の吊り込み方法を示したもので
ある。

は支柱１上端を梁２に固定して吊り下げた場
合であり、は上層階の梁もしくは基礎梁３上の
土台で支柱１を仮止めした場合、，はクレー
ン等により支柱１を吊り込んで支持する場合であ
る。

最後に施工手順を簡単に説明する。

まず支柱１を所定の位置に吊り込み、基礎５上
に建込んで位置決め部材６により位置決めを行
う。

次に基礎梁３の配筋をし、コンクリートを打設
して支柱１の設置作業は終了する。

この配筋作業は埋込み部材４が特に妨げとはな
らないため支柱１の建込み前に行つておくことも
可能である。

なお以上の実施例において支柱１下に埋込み部
材４を取り付けた場合を示しているが、埋込み部
材４を取り付けずに支柱１全体を長くし、これで
直接位置決めを行つても勿論差し支えない。

〔発明の効果〕

この発明は以上の通りであり、支柱を基礎梁へ
のコンクリート打設前に梁下端に建込むものであ
るため以下に示す効果がもたらされる。

支柱の建込み、特に横移動による建込みが容易
になり、またその下端の位置決めを正確に行うこ
とができる。

基礎梁、柱脚部の配筋は支柱建込みの前後を問
わない。

支柱には梁からの吊りによる引張力を期待でき
るため柱脚部は埋込み部材のような小断面のもの
でよく、また埋込み部材の自立のための大きい剛
性を必要としない。そしてこの支柱下端部の小断
面化の結果基礎梁の配筋作業が容易になる。

柱脚部にはベースプレート、アンカーボルト等
を必ずしも必要としないためこれが基礎梁天端か
ら突出することのない柱脚部を形成することがで
き、また柱脚部の構造が非常に単純化されるた
め、施工の合理化を図ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図−は本発明の概要を示した正面図であ
り、はその拡大図、はその側面図である。第
２図乃至第５図は柱脚部の実施例を示した正面図
であり、第６図は支柱吊り込みの様子を示した正
面図である。 Ａ……主柱、１……支柱、２……梁、３……基
礎梁、４……埋込み部材、５……基礎、６……位
置決め部材、７……アンカーボルト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 建物架構を構成する主柱を補助する支柱を所
   定の位置に吊り込み、鉛直に吊り下げた状態で支
   柱下端を基礎梁部分に位置させた後、基礎梁部分
   にコンクリートを打設し、支柱下端を基礎梁に埋
   設して支柱を設置する柱の設置方法。