JPH0547192B2 - - Google Patents

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JPH0547192B2
JPH0547192B2 JP58231220A JP23122083A JPH0547192B2 JP H0547192 B2 JPH0547192 B2 JP H0547192B2 JP 58231220 A JP58231220 A JP 58231220A JP 23122083 A JP23122083 A JP 23122083A JP H0547192 B2 JPH0547192 B2 JP H0547192B2
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JP
Japan
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tube
cells
matrix
reactor
cell
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JP58231220A
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JPS59118080A (ja
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Fuiidaa Josefu
Ruizu Junia Chaaruzu
Robaato Torubaato Uiriamu
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Monsanto Co
Original Assignee
Monsanto Co
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Publication date
Application filed by Monsanto Co filed Critical Monsanto Co
Publication of JPS59118080A publication Critical patent/JPS59118080A/ja
Publication of JPH0547192B2 publication Critical patent/JPH0547192B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M29/00Means for introduction, extraction or recirculation of materials, e.g. pumps
    • C12M29/16Hollow fibers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M23/00Constructional details, e.g. recesses, hinges
    • C12M23/02Form or structure of the vessel
    • C12M23/06Tubular
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M25/00Means for supporting, enclosing or fixing the microorganisms, e.g. immunocoatings
    • C12M25/14Scaffolds; Matrices
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M29/00Means for introduction, extraction or recirculation of materials, e.g. pumps
    • C12M29/04Filters; Permeable or porous membranes or plates, e.g. dialysis

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • General Health & Medical Sciences (AREA)
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  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Clinical Laboratory Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は細胞培養の方法および装置に関するも
のであり、特に、静的細胞培養維持システムに関
する。
種々の蛋白質、ペプチド、ホルモン、発育因子
およびその他の生物学上活性な物質を生産するた
めに動物細胞の試験管内培養が広く研究されてい
る。
有意義な生物医学的興味を有する重要な生物分
子を分泌せしめるために非常に多くの動物細胞が
細胞培養に利用されてきた。例えば、下垂体細胞
を試験管内で培養して成長ホルモンを生産した;
腎臓細胞を培養してプラスミノーゲン活性化因子
を生産した;また、培養された肝臓細胞中でA型
肝炎抗原を生産した。その他の細胞を特別に培養
して種々のウイルスワクチンや抗体を生産した。
このように、種々の動物細胞の試験管内倍養によ
つてインターフエロン、インシユリン、アンジオ
ジエニツク(angiogenic)因子、フイブロネクチ
ンおよびその他の多数の生物分子が生産されてい
る。
興味ある生物分子を試験管内細胞培養で生産す
るためには、非常に多様な手法および装置が従来
使用されている。或る比較的簡単なシステムにお
いては、テイツシユ(tissue)フラスコやローラ
ーびん内で適切な栄養素倍地の存在下で細胞が増
殖されて集合する。もつと複雑なシステムは表面
支持体として及び栄養素培地を細胞に供給する手
段として毛細中空繊維膜を使用している。後者の
システムでは、米国特許第3821087号、第4220725
号、および第4184922号に記載されているように
長い束状構造に配列された中空繊維の内腔を通し
て栄養素培地を吸い上げることができる;また
は、米国特許第3997396号に開示されているよう
に好気状態を維持するため中空繊維膜を通して酸
素を供給することができる。
中空繊維膜細胞培養技術をさらに改善したもの
は米国特許第4087327号および 第4201845号から明らかなように繊維ベツドを
横切つて比較的短い流路で栄養素培地を供給する
フラツトベツド配置である。フラツトベツド配置
は中空繊維膜の長いカートリツジ即ち束状構造配
置によつて生ずる望ましくない栄養勾配を減少さ
せる。
その他の細胞培養システムは例えば米国特許第
4059485号、第4166768号、第4178209号および第
4184916号に記載されているように特に大規模操
作用の撹拌液体懸濁培養で細胞を増殖させるもの
である。表面支持体を必要とする細胞の場合に
は、支持体手段としてミクロキヤリヤが懸濁培地
中に使用されている。このようなミクロキヤリヤ
は例えば米国特許第3717551号、第4036693号、第
4189534号、第4203801号、第4237033号、第
4237218号、第4266032号、第4289854号、第
4293654号、および第4335215号に例示されてい
る。
さらに、ミクロキヤリヤ培養における動物細胞
の産生に関する従来の培養条件についての背景情
報はクラークとヒルテンシユタインの最近の論文
Ann.N.Y.Acad.Sci.369、33〜45(1981)が参考に
なる。
上記の試験管内細胞培養システムの大部分は、
数の多い細胞の増殖を刺激する手段または極めて
少ない数の非増殖性細胞の分化作用の検討を強調
するものであつた。いくつかの分泌生物分子は高
増殖中に産生されることもあるが、このような輸
出生物分子は抑制された分化された状態で効率良
く産生される。さらに、いくつかの生体内分泌細
胞は非常に低い増殖速度を有している。従つて、
極めて多数の細胞を低増殖状態でしかも連続産生
物分泌状態に維持できる試験管内細胞培養システ
ムは大きな価値を有する。
発明の概要 本発明によれば、 (a) 細胞培養反応器の室内に配置されそして流体
栄養素培地の通過のための〓間を有する半硬質
マトリツクスの中に動物細胞を懸濁し、 (b) 該細胞のために新鮮な栄養素培地を反応器の
外部流入口から、実質的に該マトリツクスの広
がり全体にわたつて該室内に配置されている少
なくとも1個の第一多孔管の内腔中へ送りそし
て該多孔管の壁を通して該栄養素培地を該マト
リツクス中へ潅流することによつて供給し、 (c) 該マトリツクスから使用済栄養素培地と細胞
産生物を、実質的に該マトリツクスの広がり全
体にわたつて該室内に配置されている少なくと
も1個の第二多孔管の壁を通して潅流しそして
該使用済栄養素培地と細胞産生物を該反応器の
外部流出口を通して送り出すことによつて回収
し、 但し、該第二多孔管は該第一多孔管の孔径よ
り大きい孔径を有している、 そして (d) 該細胞のために酸素添加気体媒質を、実質的
に該マトリツクスの広がり全体にわたつて該室
内に配置されている少なくとも1個の選択透過
性チユーブ状膜(その内腔の両端に該反応器外
から外への該気体の入口および出口用の開口を
有している)の壁を通して該マトリツクス中へ
潅流することによつて供給すること を特徴とするシステムによつて、動物細胞は実質
的に増殖を抑制された状態で細胞産生物の連続分
泌を伴つて試験管内に維持される。
この細胞維持システムに使用される装置は、ハ
ウジング;流体培地の通過のための〓間を有する
半硬質マトリツクス中の細胞を収容するための該
ハウジング内の室;該ハウジングの壁に設けられ
た外部培地流入口および流出口手段、但し該流入
口手段は実質的に該室の広がり全体にわたつて配
置されている少なくとも1個の比較的低多孔度管
と流体連絡しており、そして該流出口手段は実質
的に該室の広がり全体にわたつて配置されている
少なくとも1個の比較的高多孔度管と流体連絡し
ている;該ハウジングの壁に設けられた外部気体
流入口および流出口手段、但し該手段は実質的に
該室の広がり全体にわたつて配置されている選択
透過膜と気体連絡している;からなり、該比較的
低多孔度管および高多孔度管は外部培地流入口お
よび流出口手段に遠い末端部で閉鎖されているこ
とを特徴とする。
発明の詳細 この明細書は本発明を形成するものと考えられ
る要件を特に指摘して明瞭に記載した特許請求の
範囲をもつて締めくくつているが、図面を参考に
した下記の好ましい態様の記載から本発明はより
よく理解されるであろう。
まず、第1図および第2図に示されている態様
を特に参照しながら説明する。符号10は哺乳動
物およびその他の動物の細胞の静的維持に使用で
きる細胞培養反応器を総括的に示している。反応
器の外殻は好ましくは透明ガラスまたは無毒硬質
プラスチツク材料からつくられるが、生物適合性
のある金属例えばステンレス鋼からつくることも
可能である。この反応器は側壁11と両端12お
よび13の開口部を有する概して円筒の外殻を有
することが示されている。円筒側壁はワイヤ(図
示されてない)または反応器支持もしくは閉鎖保
持を目的とするその他手段を収容するためにフレ
ア端部14および15を有していてもよい。この
円筒容器の端部は弾性栓16および17で閉鎖さ
れていることが示されている。栓16は液体培地
および気体の流入口および流出口として作用する
硬質の供給管および排出管を一端で反応器内へ配
設せしめるために4個の穴を有している。矢印は
反応器稼動時のこれ等流入口および流出口からの
好ましいフロー方向を表わす。反応器の他端13
は永久的に閉じられていてもよいが第1図では装
置の停止時間中に反応室18へ適宜到達できるよ
うに栓付き開口になつている。端13が永久的に
閉じられている場合には、最初に反応室へマトリ
ツクスおよび細胞を充填するための代用開口(端
12以外のところの)を設けることが好ましい。
反応器の稼働中には、端13は当然閉鎖される。
反応器10はその内部室18内に、細胞の保持
および液体栄養素培地の通過のための〓間を有す
る半硬質マトリツクスが収容されるような構造に
なつている。栄養素培地を細胞に供給するために
基部に近い方の端部で開口しそして外部流入口2
1と液体連絡している第一多孔管19は、実質的
にマトリツクス帯域の全長にわたつて該帯域の中
心に配置されている。多孔管19は遠い方の端部
20で閉鎖されているがこの閉鎖は管19の側壁
と同じ多孔度を有していてもよい。管19の孔径
は栄養素培地が多孔壁からマトリツクス中へ潅流
し得るようなものでなければならない。多孔性磁
製管、多孔性セルロース、ポルテトラフルオロエ
チレン、またはポリスルポン中空毛細膜管、また
は約0.2μ〜約5μの比較的小さな孔径を有するよう
なその他多孔管は、培地分布の均一性を向上せし
めるために管壁を介して圧力降下を達成できるの
で好ましい。約0.01μ程の小さな孔径も使用でき
るが、かかる孔径より大きな粒状物が供給栄養素
培地中に存在する場合に詰まり易いので好ましく
ない。
多孔管19を包囲する同心の第二多孔管22は
実質的にマトリツクス帯域の全長にわたつて配置
されている。管22は遠い方の端部で閉じていて
もよいが、先に述べたように装置の停止時間中に
反応器端部13からマトリツクス帯域に適宜到達
できるように開いている方が好ましい。管22の
外径は反応器外殻の内径よりもやや小さいので要
用済の培地と細胞産生物を外部流出口24へ送る
ための環状溝23が形成される。管22の孔径は
管19の孔径より大きくすべきであり、そして好
ましくは反応器からの使用済培地と生物分子細胞
産生物の除去を促進するために大きな表面積を有
する。多孔磁製管または約10μ〜約150μの比較的
大きな孔径を有するようなその他多孔管が好まし
い。このより大きな孔径および表面積はこの排出
管による圧力降下を小さくする。マトリツクスの
半硬質構造および栄養素培地の比較的低流量維持
は高多孔度管22を通しての細胞の移行を防止す
る傾向がある。
第一および第二多孔管の相対位置を逆にして第
二多孔管22が低多孔度管でありそして第一多孔
管19が高多孔度管であるようにしてもよいと云
うことは明らかであろう。かかる配置の場合、口
24は液体培地流入口となり、そして口21は液
体培地流出口となる。
維持反応器10は一般に水平位置で操作し、そ
して流出液出口24が反応器の上面近くに位置す
ることが好ましい。第1図では、反応器の長さが
直径に比して長く延びているので本発明の明瞭な
図解のため、図面シートが縦に綴じられている場
合には、反応器は一般に垂直方向を示されてい
る。
酸素添加された気体媒質を細胞に供給するた
め、選択透過性チユーブ状膜25が実質的にマト
リツクス帯域の全長にわたつて配置されている。
膜25は気体透過性であり、そして実質的に液体
不透過性でなければならない:このような性質は
シリコーンゴムチユーブ、例えばダウ−コーニン
グSilastic 医療級チユーブによつて達成できる。
内径約1mmおよび外径約2mmのシリコーンゴムチ
ユーブが好ましく使用される。第1図および第2
図に示されている態様においては、一本の長いチ
ユーブ状膜25が多孔管19にまきつけられてい
る。チユーブ状膜25はその両端で硬質管26お
よび27に結合していることが示されており、該
硬質管はそれぞれに栓16を貫通する気体流入口
および流出口を構成する。
反応器内で多孔管19および22、および管状
膜25を望ましい間隔で支持するために、反応器
縁部12の近くで栓16の内側にシリコーンゴム
隔壁28が配置されている。隔壁28は栓16の
4個の穴に一致する4個の穴を設けられている。
隔壁の外周に設けられたノツチ29は環状溝23
からの流出液が外部流出口24を介して回収され
ることを促進する。隔壁の周辺のフランジ部分は
環状溝の中心側端部30と多孔管22を受けるよ
うにつくられている。さらに、隔壁は外部流出液
と内部マトリツクス帯域の間に液体シール関係を
生ぜしめる。
さらに、多孔管19の支持は、栓16の外部流
入口21から挿入されて管19内に長さ方向に配
置されたステンレス鋼管31によつても行われ
る。反応器内部へ延びる管31の長さは、流入栄
養素培地が管31の遠方端部のまわりに流れて同
心多孔管19の内周全体に達し得るように、管1
9よりも短くすべきである。管19のスペーシン
グは管31に管19を近端部32でシールするこ
とによつて維持できる。管22の遠方端部と弾性
栓17の間に弾性O−リングシール33を配置す
ることによつて、内部室18、環状溝23および
栓17の間に液体シール関係が付与される。この
ような液体シール関係をさらに促進するためにフ
レア端部15および栓17のまわりにワイヤ(図
示されてない)またはその他のかかる保持手段を
装備してもよい。
半硬質マトリツクスは動物細胞を反応器内部の
比較的静的または固定位置に維持するために反応
室内へ充填することが可能であり且つマトリツク
ス中での液体栄養素培地の通過を許す間〓を生ず
るような微細な無毒性固体材料であればよい。ガ
ラスまたはシリカビーズ、重合体ゲルろ過ビーズ
例えばSephadex 架橋ゲキストランおよびBio
−Gel ポリアクリルアミドビーズ、および細胞
培養ミクロキヤリヤビーズ例えばDEAE−
Sephadex、Cytodex 負荷デキストラン、およ
びBioCarr−ier アクリルアミドビーズは市販
の適するマトリツクス材料の例である。先に、本
発明の背景の項で引用した米国特許は本発明での
使用に適する周知のその他のミクロキヤリヤを記
載している。好ましいミクロキヤリヤは直径約
30μ〜約400μの直径を有する概して球形の重合体
粒子である。
第1図および第2図に示されている態様によつ
て表わされる本発明の方法においては、栄養素培
地は外部流入口21から多孔管19内腔中へ供給
される。栄養素培地は所望の新鮮培地貯蔵槽(図
示されていない)から適宜汲み上げることができ
る。新鮮な培地は比較的低多孔管19の多孔壁を
通して、ミクロキヤリヤまたはその他の微細なマ
トリツクス形成材料の間に点在した所望の動物細
胞を含有する半硬質マトリツクス中へ潅流する。
このような手段によつて、全ての栄養素培地は多
孔管22および流出口24を通つて反応室の外へ
出る前に細胞と接触する。これは従来のフロー・
スルー中空繊維膜装置と区別される:従来装置に
おいては、栄養素培地の一部分だけが膜壁を通し
て拡散して細胞に達するが、残りは連続中空繊維
内腔を通つて装置の他端の流出口へ流れてしま
う。
細胞とミクロキヤリヤは最初に栓17をとつて
端部13から反応器の内部室18中へ装填するこ
とができる。本発明の細胞培養維持反応器内へ導
入する前に、別の細胞増殖システムにおける懸濁
培養またはミクロキヤリヤ接着懸濁培養のような
従来手段によつて細胞を増殖する。個々の細胞ま
たはミクロキヤリヤに接着した細胞を濃縮し、マ
トリツクス材料と混合し、それから本発明の静的
維持反応器内へ導入する。
細胞の酸素添加または空気添加は選択透過性膜
25を通して酸素、空気またはその他の酸素添加
気体媒質を循環させることによつて達成される。
それから、比較的高多孔度管22の多孔壁を通し
て潅流し、環状溝23中を移送し、そして外部流
出口24から回収することによつて使用済培地と
細胞生物分子産生物は反応器の外に出る。使用済
培地は適宜に流出液溜め(図示されていない)に
回収され、細胞産生物は吸着、抽出、イオン交換
クロマトグラフイー、免疫親和性クロマトグラフ
イー、ゲルろ過および電気泳動のような従来手段
によつて使用済培地から単離・精製される。
第3図〜第5図は別の態様の静的細胞培養維持
反応器を示す。第1図および第2図の態様とは区
別されるように、この第3図〜第5図の反応器は
複数の第一多孔管と複数の第二多孔管を有する。
従つて、この態様は概して先の態様よりも大規模
操作に適する。
第3図〜第5図における符号35は、側壁3
6、端壁37および着脱可能な円盤状端板38を
具備した概して円筒の外殻を有する静的細胞培養
維持反応器を総括的に示す。この反応器35はそ
の内部室39の内に、細胞の保持および流体栄養
素培地の通過のための〓間を有する半硬質マトリ
ツクスを収容する。細胞に新鮮な栄養素培地を供
給するため、12本の比較的低多孔度質40が設け
られている。使用済培地と細胞産生物を除去する
ため、9本の比較的高多孔度管41が設けられて
いる。これ等管は遠い(端板38に遠い)方の端
部が閉じている。これ等は実質的に互いに平行関
係をもつてマトリツクス帯域中に配置されてお
り、好ましくは使用済培地用管は各新鮮培地用管
から横に約2cm以内の間隔の処に配置されてい
る。マトリツクス容積の大部分が新鮮培地用管か
ら横に約2cmの距離内にあるように十分多数の新
鮮培地用管を設けることが好ましい。径約100〜
1000μの中空繊維膜のような中空毛細膜を多孔管
として使用する場合には新鮮培地用管と使用済培
地用管の横間隔がもつと小さい(2cm未満)方が
好ましい。多孔管は実質的にマトリツクスの長さ
(または、室長さより大きい室直径を有する反応
器の場合には巾)全体に広がつて配置されていな
ければならない。
細胞の酸素添加または空気添加を行うため、長
い選択透過膜チユーブ42が多孔性の新鮮培地管
と使用済培地管のまわりに入りくんでまきつけら
れている。この管の流入口と流出口はそれぞれ4
3と44で図示されている。平明にするため、図
には数回のまきつけが示されているにすぎない。
実際には、反応器の長さ1フイート当り200直線
フイートのシリコーンゴムチユーブを使用してい
る。酸素または空気は約0〜約20b/in2ゲー
ジ(0〜約1.5K/cm2)の圧力下でシリコーンゴ
ムチユーブ内を流れ、そしてチユーブの壁を通し
て周囲のマトリツクス帯域中へ拡散する。好まし
くは、マトリツクス帯域中には酸素供給管からの
間隔が約2cmより大きい地点は存在せず、より好
ましくは約1cm未満である。
反応容器35の内部への細胞およびマトリツク
ス材料の導入は容器の底部近くに位置したマトリ
ツクス入口45から行うことができる。容器の頂
上部近くにマトリツクスオーバーフロー口46が
設けられている。また、この口は、最初に入口4
5から導入した材料の沈降後に追加のマトリツク
ス材料を導入するために使用することも可能であ
る。
反応容器の着脱可能な端板38は、反応容器を
そのつば端部48でとり囲むスプリツトリングブ
ラケツト、および周辺から等距離のところに位置
するブラケツトの穴50と端板周辺の穴51を貫
通する一揃い締結具(例えば、図示されているよ
うなナツトとボルト集合物)によつて適宜反応容
器へ取り着けられる。例示の態様における金属ブ
ラケツトのシール圧によつてガラス反応器壁が破
壊されないようにブラケツトと反応容器の間に環
状繊維クツシヨン52を配置することが図示され
ている。反応器のつば端部48のリツプと端板3
8のくぼみの間に配置された弾性O−リングシー
ル53は締結具を閉めた時に端板と反応器内部の
間に液体シール関係を付与する。気泡を除去する
ために側壁36に任意の口54を設けてもよい。
第5図は一対の多孔管40および41の細部を
拡大して示したものである。矢印は反応器稼働時
のこれ等管およびマトリツクス帯域を通る栄養素
培地の液体フローの好ましい方向を示す。この拡
大図において、多孔管40および41はそれぞれ
硬質管55および56によつて支持されているこ
とが示されている。硬質管はステンレス鋼または
その他の硬質材料からつくることができる。これ
等硬質管は端板38の開口から挿入されて多孔管
中に長さ方向に配置される。硬質管の遠方端部の
まわりに新鮮培地および使用済培地がフローでき
るようにするため、反応器内部へ延びた管55お
よび56の長さは管40および41よりも短い。
高多孔度管41と硬質管56の整合はシリコーン
ゴムスペーサー57によつて容易になる。このス
ペーサーは培地の通過を可能にするため切込みが
入つている。多孔管を硬質管55および56にシ
ールするためにシリコーンゴムシール58および
59が使用されている。また、管40および41
の末端にそれぞれシリコーンゴムシール60およ
び61を配備してそれ等管を閉鎖している。代り
に、これ等封鎖は管40および41と同じ多孔度
を有していてもよい。硬質管55および56を封
鎖するため、および反応器を便利な組立体にする
ため、それぞれSwagelok ユニオン62および
63が端板38に接合されていることが図示され
ている。
第3図〜第5図の反応容器の操作を説明するた
め、まず細胞を別の容器または細胞培養システム
例えば米国特許第4289854号および第4335215号に
示されている細胞培養容器およびシステムで増殖
させる。細胞はミクロキヤリヤに付着させてもよ
い(例えば、FS−4またはAG1523細胞のような
ヒト二倍体線維芽細胞)、またはミクロキヤリヤ
を使用しなくともよい(例えば、SK−HEP−1
ヒト肝臓細胞またはハイブリドーマ細胞)。それ
から、これ等細胞を高濃度(例えば、パツク細胞
10〜200ml/)でマトリツクス材料(例えば
Sephadex G−10、G−25またはG−50ビーズ)
と混合する。それから、細胞−マトリツクスのス
ラリを入口45から反応容器35中へ汲み入れて
反応器の内部室39を完全に充填する。過剰の流
体を低多孔度潅流管40から注ぎ、そして捨てて
もよい。反応器内部を満たすに十分な細胞−マト
リツクスのスラリーが得られなかつた場合には、
追加のマトリツクススラリを上部入口46から反
応容器内へ注入してもよい。マトリツクスの充填
および沈降後に、再び追加マトリツクスを入口4
6から注入して反応器を完全に充填する。
維持反応器の正常稼働を開示する前に、好まし
くは入口45を細胞−マトリツクス供給源から断
絶しそして高多孔度管41から低多孔度管40へ
の新鮮培地の逆流を起して高多孔度管のすぐ近く
から非付着細胞を除去する。維持反応容器の稼動
中に、新鮮培地貯蔵槽(図示されていない)から
直接またはマニホルドを介して新鮮培地を低多孔
度管40中へ汲み入れる。この新鮮培地フローに
よつて生ずる低多孔度管前後の圧力降下は反応器
全体の潅流の均一性を推進する、流出産生物は細
胞−マトリツクスから高多孔度管41中へそして
産生物/流出液貯蔵槽(図示されていない)へと
流れる。反応器稼働中の培地の汲入れは反応器内
に維持されている具体的細胞の生存に必要な栄養
素を供給するに十分な且つ細胞産生物を除去する
に十分な流量で連続的に又は間欠的に行われる。
細胞は使用済培地から連続して産生物を収穫す
ることによつて長時間このシステム中に維持でき
る。長さ15.24cm、直径15.24cmの円筒反応容器に
おいては、従来の懸濁培養の細胞100〜400を維
持できる。長さ81.28cm、直径15.24cmの円筒反応
容器においては、従来の懸濁培養の細胞500〜
2000を維持できる。
反応容器の水平配列は潅流パラメーターを変動
させずに長さを長くすることを可能にするが、他
のシステム配置も利用できる。例えばシリンダー
は非常に大きな直径と比較的短い長さ(または
巾)であつてもよいが垂直に立てて使用する。培
地潅流の不均一性を防止するように潅流管の静水
圧効果を最小にすることが好ましい。
本発明の装置はさらに補助的特徴例えば、PHお
よび溶解酸素検出電極、サンプリング口、直列エ
アフイルター等の細胞培養システム的特徴を備え
ていてもよい。
次に詳細な実施例によつて上記静的細胞培養維
持システムの使用をさらに説明するが、本発明が
特定の実施例に制限されるものではないことは理
解できるであろう。
実施例 1 第1図および第2図に示されているようなミク
ロ−静的維持反応器(M−SMR)を組み立てた。
この反応器はおおよそ長さ165.1mmで外径25.4mm
のPyrex 円筒外殻からなり、その内に単一の高
多孔度管と低多孔度管を有していた。高多孔度管
はおおよそ長さ127mmで外径17.5mm、肉厚3.18mm
であつた。この管は公称孔径20μを有していた
(カイナー多孔プラスチツク管;入手先:ポルテ
ツクス・テクノロジーズ社ガラスロツク部門メジ
カルサービス、フエアバーン、GA30213)。この
高多孔度管の内に、外径0.555cmで肉厚0.0794cm
の低多孔度管を収容させた。この微孔質の磁器製
管は公称0.8μの孔を有しており、セラス社フロト
ロニクス部門(ハンチングバレー、PA19006)か
らカタログ番号105779−04をもつて購入した。こ
の内側の多孔管に医療級のシリコーンゴムチユー
ブ(内径1mm、外径2mm)約60.96cmを巻きつけ
た。このゴムチユーブはパツター・プロダクツ社
(ビーバートン、MI48612)からカタログ番号518
−145をもつて購入した。内側多孔管と外側多孔
管の間のこの反応器の稼働容積は約10mlであつ
た。
この実験に使用した細胞はモンサント社のR.
KimesとJ.Olanderによつて開発された1−
152F9で表わされるアンコラージーインデイペン
デント ハイブリドーマ細胞系であつた。このマ
ウス−マウス ハイブリドーマはヒト肝癌細胞系
(SK−HEP−1)に関係した抗原に対してIgG単
クローン抗体を産生する。例示のSK−HEP−1
細胞系に関する背景情報は米国特許第4209587が
参考になる。このハイブリドーマ培養株を従来の
スピナー500ml中で細胞数106/mlに増殖し、そし
て200rpmの低速遠心分離によつてマトリツクス
材料中に回収した。このマトリツクス材料は
Sephadex G−50クロマトグラフイービーズ
からなり、燐酸塩緩衝食塩水(PBS)中でオー
トクレーブ滅菌し、そしてこの実施例で潅流用に
使用する栄養素培地によつて洗浄したものであつ
た。6%ウシ胎児血清を付加したDulbecco改良
MEM培地4.5g/(グルコール)を抗生物質無
しで使用した。上澄を吸引した後の遠心ボトルの
円錐部には細胞とクロマトグラフイービーズのペ
レツトが残つた。それから、細胞とビーズの稠密
スラリをピペツトでM−SMR装置へ移し、ビー
ズを含有しない流出液を除去した。この細胞含有
流出液はビーズスラリをさらに洗浄するために使
用したものである。高多孔度管の孔径はハイブリ
ドーマ細胞の平均サイズよりも大きいので、これ
等細胞の一部が接種手続中に高多孔度管の壁から
流出液中に移行した。しかしながら、反応器を密
封して栄養素培地の潅流を開始してからは、ハイ
ブリドーマ細胞は比較的殆んど失われなかつた。
細胞接種物の正確な値の測定は遠心分離中の及び
高多孔度管からのロス故に不可能であるが、反応
器の稼働容積10ml中には2×108〜5×108細胞数
が保有されているものと推定される。これ等細胞
の生活力は色素排除テストによつて約80%である
と推定された。培地を約2mls/hrの速度で反応
器中を潅流させ、そして気体混合物を1〜2ml
s/minの速度でシリコーンゴム中に流した。こ
の気体混合物は二酸化炭素、酸素および空気から
なり、その流入気体の平均濃度は二酸化炭素37±
12mmHgおよび酸素310±46mmHgであつた。これ
等濃度はIL血液−ガス分析機(インスツルメン
テーシヨン・ラボラトリーズ製)で測定した。こ
の反応器を2週間運転する間に、1〜3日毎にPH
および溶解された気体濃度を測定し、さらに抗体
レベルを測定した。運転中の平均PH値は7.13±
0.11であり、溶解CO2は58.7±14mmHgであり、そ
して酸素レベルは116±13mmHgであつた。これ等
結果は培養パラメーターが全生長期間を通して望
ましい操作範囲に維持されたことは示している
(望ましいPHは約6.9〜7.3;望ましい酸素は約20
mmHg〜160mmHg;そして、望ましいCO2は約35
mmHg〜100mmHg)。
さらに、反応器から取り出されたサンプルを2
種のELISA検定法(酵素結合免疫吸着剤検定法)
によつて単クローン抗体の存在についてテストし
た。第一の検定法はマウス免疫グロブリンの存在
を検出するものであり、次のように行う:非標識
ヤギ抗マウス免疫グロブリンをミクロタイタープ
レートに一晩4℃で結合させた。このプレートを
洗浄してからウシ血清アルブミンの1%の溶液中
に遮断して非特異結合を減少させた。さらに洗浄
してから、サンプルを添加して2時間室温で保温
した。洗浄後、標識ヤギ抗マウス免疫グロブリン
(アルカリ性ホスフアターゼで標識)を添加して
さらに2時間保温した。後者の材料を洗い落とし
てから、p−ニトロフエニルホスフエートを基質
として添加しそして30分間室温で保温した。着色
反応物の光学濃度をミクロタイター光学リーダー
で410nmで読み取る。第二の検定法はこのハイ
ブリドーマの調製のためにマウスが免疫性を与え
られたヒト肝癌抗原の特異な認識を含む。この場
合、肝癌抗原をミクロタイタープレートに一晩4
℃で結合させてから後の工程は全て上記と同じに
行う。どちらの検定法によつても、反応器からの
流出培地中にはかなりの量の単クローン性抗体が
検出された。この量はハイブリドーマ細胞の従来
の培養からコンデイシヨニングされた培地中に見
い出される量と同等またはそれ以上であることを
示していた。これ等結果は、M−SMRシステム
における高濃度に維持された細胞による特殊な単
クローン抗体の長期持続産生を表わしている。運
転の最後に、約2×108の活性細胞が回収された。
実施例 2 第3図から第5図に示されているような約2
の稼働容積を有する大規模静的持続反応器
(SMR)を用いてアンコラージ−デイペンデント
細胞系を約2ケ月間維持した。この反応器外殻は
長さ15.24cm、直径15.24cmの円筒Pyrexガラスパ
イプエンドキヤツプ(コーニング#72−6300)か
ら構成された。高多孔度管と低多孔度管は実施例
1で用いたものと同じ材料および直径を有してお
り、その低多孔度管12本と高多孔度管9本のアレ
イから構成された。これ等多孔管に実施例1で用
いたものと同じようなシリコーンゴムチユーブ
33.528m〜36.576mをランダムに巻きつけた。操
作中に約10m/sのガス/分の流量を確保するた
めにこのシリコーンゴムチユーブを介する約0.15
Kg/cm2の圧力降下を用いた。
この実施例に使用したAG1523ヒト包皮線維芽
細胞系はインスチチユート・フオー・メジカル・
リサーチ(カムデン、NJ州)からパツセージ3
で得た。これ等細胞を米国特許第4273871号に記
載されている手順に従つてTフラスコおよびロー
ラーびん内で成長させた。もつと多くの数の細胞
が米国特許第4335215号記載の4ミクロキヤリ
ヤ反応システム中で産生された。細胞濃度が7.0
±0.6×106細胞数/mlになつた後で、ミクロキヤ
リヤ(ポリアクリルアミドBio−Carriers ;入
手先:ビオラド・ラボラトリーズ、リツチモン
ド、CA州)に接着したままの細胞を追加のBio
−Carriersと混合して全体の沈降体積を約1800ml
にした。この濃厚スラリをポンプで静的維持反応
器の底部へ汲み入れながら、反応器の上部から空
気を抜いた。反応器を完全に満たすために
Sephadex G−50クロマトグラフイービーズから
なる追加のマトリツクス材料を使用した。充填操
作中に、過剰の液体を低多孔度管から培地供給マ
ニホルド中へ流し、そして廃棄容器へ排出させ
た。約2.8×1010個の細胞を含有するマトリツク
ス材料で反応室内全体を固形充填した後、上部に
圧力オーバーフロー容器を取り付け、そして
Sephadex G−50マトリツクススラリーで一部充
填した。この容器を0.4Kg/cm2の逆止め弁で密閉
して反応器の過圧化を防止した。それから、培地
フローを反応器内中で高多孔度管から低多孔度管
へと、そしてINGOLD PH電極含有外部マニホ
ールドから外の流出液収容器内へと確立した。最
初に、約4の新鮮培地を2時間かけて汲み上げ
てマトリツクスと細胞の全体に新鮮培地を含浸さ
せた。6%ウシ胎児血清を付加したグルコース1
当り4.5gのDulbecco改質MEM培地を抗生物
質無しで使用した。62日間の運転期間中、液体培
地の流量1.5〜3mls/minを用いた。2日毎の
サンプリングで測定した平均液体流量は2.18±
0.38mls/minであつた。気体中の酸素および二
酸化炭素の濃度を反応器への流入前と、35.528〜
36.576mのシリコーンゴム管通過後に測定した。
SMR運転期間中、反応器を介した圧力降下を約
0.15Kg/cm2にしながら気体流量を約10ml/minに
維持した、気体サンプルをIL血液−ガス分析機
で読み取つたところ、運転期間中連続して酸素の
消耗とCO2増加を示した。気体流量10ml/minお
よび培地流量約2ml/minから測定した反応系の
酸素消費は平均して酸素2.1±0.8×10-5モル/分
であつた。二酸化炭素に対する同様の計算は、反
応系を介してPHの変動を伴う重炭酸塩緩衝液から
のCO2発生故に、不可能であつた。しかしなが
ら、CO2濃度は流入気体における約45mmHgから
反応器通過後の60〜70mmHgまでの範囲にあつた。
流入気体のレベルはおおよそ40〜45mmHgの二酸
化炭素および250〜300mmHgの酸素であつた。最
初の血清含有培地18を反応器中に約6.5日間か
けて潅流させてから、0.5mg/mlウシ血清アルブ
ミン、0.5μg/mlインシユリンおよび0.5μg/ml
ヒトのトランスフエリン、および5n/mlリノ
レイン酸を付加した無血清培地を使用した。この
無血清培地を24日間潅流し;最後の32日間には、
6%ウシ胎児血清付加培地を使用した。2ケ月間
を通して、酸素消耗およびCO2発生、並びにPHレ
ベルは実質的に一定に保たれた。
2ケ月の運転中に、サンプルを取り出してアン
ジオジエネシス因子およびプラスミノーゲン活性
化因子を検定した。アンジオジエネシス因子の検
定はJ.V.Olander、J.C.Marasa、R.C.Kimes、G.
M.JohnstonおよびJ.Federの論文「培養されたヒ
ト腫瘍細胞由来の発育因子によるウシ内皮細胞の
数タイプの刺激を測定する検定法(An Assay
Measuring the Stimulation of Several Types
of Bovine Endothelial Cells by Growth
Factors Derived from Cultured Human
Tumor Cells)」、In Vitro 18、99〜107(1982)
に記載されているように内皮細胞成長の刺激によ
つて行つた。運転中ずつと、かなりのレベルの内
皮細胞成長刺激活性度が観察され、血清付加培地
の再導入後に最高値を生じた。維持期間中に対照
培地(細胞にさらされなかつた新鮮な増殖培地)
に比較して内皮細胞数が2倍〜5倍に増加した。
プラスミノーゲン活性化因子(PA)の活性度
はArstrup〔Arch.Biochem.Biophys.40、364〜
351(1952)〕のフイブリン・プレート法、および
その変形方法(例えば米国特許第3778352号に記
載されている)によつて測定できる。この一般的
方法において、サンプル中のプラスミノーゲン活
性化因子はゲル中の既知量のクロケツト化フイブ
リノーゲンのフイブリン溶解によつて生ずるゲル
プレートまたは皿の透明な放射拡散域の直径を測
定することによつて求められる。このような透明
化域検定法を用いて上記実験のサンプル中のプラ
スミノーゲン活性化因子を次のように検出した:
シープラークアガロースをフイブリノーゲン、ト
ロンビンおよびプラスミノーゲンと混合し、それ
から大きなペトリ皿に注いで一晩ゲル化させた。
トロンビンとフイブリノーゲンの間の反応によつ
てアガロースゲル中にフイブリンマトリツクスが
生じた。このゲルに、静的維持反応器運転によつ
てコンデイシヨニングされた培地のサンプル5μ
で、並びに種々の既知濃度のウロキナーゼ標準
溶液で、斑点をつけた。このゲルを一晩37℃で保
温した。サンプル中のプラスミノーゲン活性化因
子が存在すると、それはゲル中に含有されたプラ
スミノーゲンからのプラスミンの産生を触媒す
る。そしてプラスミンはフイブリンマトリツクス
を溶解してサンプル斑点のまわりに円形の透明域
を形成する。保温後、ゲルを70%エタノール、10
%酢酸、20%水の溶液中で0.1%アミノブラツク
によつて室温で2時間染色し、それから同一溶剤
中で1日間脱色した。サンプル斑点のまわりの透
明円形ゾーンの直径と既知濃度のウロキナーゼの
まわりの同様のゾーンを比較した。24日間の血清
無し潅流の間はプラスミノーゲン活性化因子のか
なりのレベルの活性度が観察されたが、ウシ胎児
血清が存在する期間に検出されたレベルは概して
低かつた。ウシ胎児血清はPA活性度に対する抑
制剤を含有しているので、その分だけ低い応答を
示す原因となる。
プラスミノーゲン活性化因子の活性度はさら
に、Feder等によつてBiochem.Biophys.Res.
Commun.83(3)、1164〜1170(1978)に記載されて
いるような改良フイブリン皿検定法において125I
−フイブリンの放出を測定することによつて確認
した。
成長のウシ胎児血清含有部分と反応器運転の無
血清部分の両方からコンデイシヨニングされた培
地をAmicon中空繊維システムで濃縮して分子量
10000以上の材料を保留せしめた。これ等濃縮物
はさらに種々のその他の活性度を検定できる。こ
うして、これ等濃縮物はDvorak等によつてJ.
Immunol.122(1)、166〜173(1979)に記載された
方法に従つて血管透過性因子に対して正の活性度
を有することが判明した。
本発明の方法および装置によつて全てのタイプ
の動物細胞、例えば、哺乳動物、両生類およびニ
ワトリの細胞の維持できると云うことが解るはず
である。上記実施例で示した細胞の他に、その他
の細胞が使用できる:例えば、ハイブリドーマ、
正常および腫瘍細胞の一次培養株、形質転換およ
び非形質転換動物細胞系、例えばヒト肺線維芽
(WI−38)細胞、Rhサル腎(MK−2)細胞、
頚部癌(HeLa)細胞、ハムスター乳児腎
(BHK−21)細胞、シミアンウイルス40形質転換
3T3マウス胚線維芽(SV3T3)細胞、ニワトリ
胚線維芽細胞等である。また、本発明の装置およ
び方法は従来の細胞栄養素培地例えばEagle基礎
培地、Dulbecco改良MEM(最小必須培地)、培地
199、RPMI1640培地等と一緒に使用できる。
本願の開示を読んだ後では、当業者であれば本
発明の思想および範囲から逸脱せずに本発明の別
の態様および実施例が明らかになるであろう。そ
してそのような別の態様および実施例が本発明の
請求の範囲に包含されると云うことは理解される
であろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の静的細胞培養反応器の一態様
の正面図を部分断面図として表わしたものであ
る。第2図は第1図の2−2線に沿つて切断した
断面図である。第3図は本発明の静的細胞培養反
応器の別の態様の正面図を部分断面図として表わ
したものである。第4図は第3図に示されている
態様の側面図である。第5図は第3図の培養反応
器の一部分である一対の流入および排出多孔管の
細部を示す拡大正面図を部分断面図として表わし
たものである。 反応器……10,35、反応室……18,3
9、第一低多孔度管……19,40、第二高多孔
度管……22,41、支持管……31,55,5
6、選択透過膜チユーブ……25,42。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) 細胞培養反応器の室内に配置されそして
    流体栄養素培地の通過のための〓間を有する半
    硬質マトリツクスの中に動物細胞を懸濁し、 (b) 該細胞のために新鮮な栄養素培地を反応器の
    外部流入口から、実質的に該マトリツクスの広
    がり全体にわたつて該室内に配置されている少
    なくとも1個の第一多孔管の内腔中へ送りそし
    て該多孔管の壁を通して該栄養素培地を該マト
    リツクス中へ潅流することによつて供給し、 (c) 該マトリツクスから使用済栄養素培地と細胞
    産生物を、実質的に該マトリツクスの広がり全
    体にわたつて該室内に配置されている少なくと
    も1個の第二多孔管の壁を通して潅流しそして
    該使用済栄養素培地と細胞産生物を該反応器の
    外部流出口を通して送り出すことによつて回収
    し、 但し、該第二多孔管は該第一多孔管の孔径よ
    り大きい孔径を有している、 および (d) 該細胞のために酸素添加気体媒質を、実質的
    に該マトリツクスの広がり全体にわたつて該室
    内に配置されている少なくとも1個の選択透過
    性チユーブ状膜(その内腔の両端に該反応器外
    から外への該気体の入口および出口用の開口を
    有している)の壁を通して該マトリツクス中へ
    潅流することによつて供給すること を特徴とする、細胞産生物の連続分泌を伴う実質
    的に増殖を抑制された状態に試験管内の動物細胞
    を維持する方法。 2 該第二多孔管が該第一多孔管と同心である、
    特許請求の範囲第1項の方法。 3 複数の第一多孔管と複数の第二多孔管が実質
    的に平行関係をもつて該マトリツクス中に配置さ
    れている、特許請求の範囲第1項の方法。 4 第一多孔管の孔径が0.2μ〜5μであり、そして
    第二多孔管の孔径が10μ〜150μである、特許請求
    の範囲第1項の方法。 5 第一多孔管の孔径が0.2μ〜5μであり、そして
    第二多孔管の孔径が10μ〜150μである、特許請求
    の範囲第3項の方法。 6 半硬質マトリツクスが粒径30μ〜400μを有す
    る概して球形の重合体ミクロキヤリヤの充填容積
    からなる、特許請求の範囲第1項の方法。 7 動物細胞が哺乳動物のハイブリドーマ細胞で
    あり、そして細胞産生物が該細胞によつて産生さ
    れた単クローン性抗体である、特許請求の範囲第
    1項の方法。 8 動物細胞が哺乳動物の線維芽細胞であり、そ
    して細胞産生物がアンジオジエニツクまたはプラ
    スミノーゲン活性化因子活性を有する、特許請求
    の範囲第1項の方法。 9 ハウジング;流体培地の通過のための〓間を
    有する半硬質マトリツクス中の細胞を収容するた
    めの該ハウジング内の室;該ハウジングの壁に設
    けられた外部培地流入口および流出口手段、但し
    該流入口手段は実質的に該室の広がり全体にわた
    つて配置されている少なくとも1個の比較的低多
    孔度管と流体連絡しており、そして該流出口手段
    は実質的に該室の広がり全体にわたつて配置され
    ている少なくとも1個の比較的高多孔度管と流体
    連絡している;該ハウジングの壁に設けられた外
    部気体流入口および流出口手段、但し該手段は実
    質的に該室の広がり全体にわたつて配置されてい
    る選択透過膜と気体連絡している;からなり、該
    比較的低多孔度管および高多孔度管は外部培地流
    入口および流出口手段に遠い末端部で閉鎖されて
    いることを特徴とする、細胞産生物の連続分泌を
    伴う実質的に増殖を抑制された状態に試験管内の
    動物細胞を維持する装置。 10 該比較的高多孔度管が該比較的低多孔度管
    と同心である、特許請求の範囲第9項の装置。 11 複数の比較的高多孔度管と複数の比較的低
    多孔度管が実質的に平行関係をもつて該マトリツ
    クス中に配置されている、特許請求の範囲第9項
    の装置。 12 比較的高多孔度管の孔径が10μ〜150μであ
    り、そして比較的低多孔度管の孔径が0.2μ〜5μで
    ある、特許請求の範囲第9項の装置。 13 比較的高多孔度管の孔径が10μ〜150μであ
    り、そして比較的低多孔度管の孔径が0.2μ〜5μで
    あり、特許請求の範囲第11項の装置。
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