JPH0568230B2 - - Google Patents

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JPH0568230B2
JPH0568230B2 JP62245038A JP24503887A JPH0568230B2 JP H0568230 B2 JPH0568230 B2 JP H0568230B2 JP 62245038 A JP62245038 A JP 62245038A JP 24503887 A JP24503887 A JP 24503887A JP H0568230 B2 JPH0568230 B2 JP H0568230B2
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、動物細胞の培養方法、さらに詳しく
は動物細胞を立体網状多孔質構造を有する担体中
に保持した状態で培養する方法に関する。 〔従来の技術および発明が解決しようとする問題
点〕 ヒト、動物など多細胞系からなる生体内におい
て細胞は種々の生理活性物質を産生し、またこれ
を受取ることにより個体としての恒常性を維持し
ているが、近年、このような生体内で細胞相互間
に働く生理活性物質を取り出し再び生体内に戻す
こと、すなわちこれらの生理活性物質が生体由来
の医薬品としての利用価値が高いことが明らかに
されてきた。従来このような生体由来の生理活性
物質を取得するためには、とくにヒトのばあい、
血液、尿から抽出するなどの方法をとらざるをえ
ず、これらの物質の大量に入手するには大きな制
約があつた。そこで、増殖可能なヒトまたは動物
の細胞を大量に培養し、これらの細胞に目的とす
る物質、たとえばインターフエロン、インターロ
イキン、組織プラスミノーゲン活性化因子、ウイ
ルスワクチン、モノクローナル抗体など産生させ
ることによりこれらの有用物質を大量に生産する
いわゆる細胞大量培養技術の確立が求められてい
る。 動物細胞(以下、細胞という)はその生育様式
から大きく2つに分類される。すなわち血液系の
細胞のように培養液中において浮遊した状態で生
存しうる細胞(以下、浮遊性細胞という)と線維
芽細胞や上皮細胞のように器壁に付着していなく
ては生存できない細胞(以下、付着性細胞とい
う)である。 従来より、浮遊性細胞については、微生物醗酵
技術を応用して工業的規模での回分または半回分
培養が行われている。しかしこれらの培養におい
ては、細胞密度は比較的低い密度で飽和に達し、
したがつて培養液中の目的有用物質の濃度も低
い。 このような浮遊性細胞を大量かつ高密度で培養
するために、培養系に新しい培養液を供給しつ
つ、細胞が自ら産生した乳酸やアンモニウムイオ
ンのような細胞の生育を阻害する物質を含んだ古
い培養液を細胞と分離して培養系外に排出する培
養方法、いわゆる潅流培養法が提案されている
(たとえば、ダブリユー・トルベルトおよびジエ
ー・フエーダー(W.Tolbert and J.Feder)、ア
ニユアル・レポーツ・オン・フアーメンテーシヨ
ン・プロセスイズ(Annual Reports on
Fermentation Processes)、6巻、35頁(1983)
参照)。この方法を用いて細胞を培養するばあい、
培養系内に浮遊している細胞と前記古い培養液と
を分離する方法が重要な問題となつてくる。この
浮遊生細胞と古い培養液の分離手段として、重力
沈降を利用する方法やフイルターを用いて濾過す
る方法(たとえば、特開昭60−9482号および特開
昭60−156378号各公報参照)などが提案されてい
るが、スケールアツプやフイルターの目詰りなど
解決すべき問題が多く残されている。 一方、この浮遊性細胞と古い培養液の分離方法
として、固定化法の利用が考えられる。一般に細
胞の固定化は、細胞と培養液の分離が容易に行え
るため潅流培養法が可能となり高い生産性が維持
できる他、(1)物理的外力に弱いと言われている細
胞を保護できる、(2)スケールアツプが容易になる
といつた利点ももつている。しかしながら、細胞
はその生育を維持するための環境条件が厳格であ
るため、生きたまま増殖可能な状態で固定化する
方法は、酵素の微生物の固定化に比較すると大幅
に制限される。今までに、細胞の固定化方法とし
ては、アガロースやアルギン酸カルシウムのゲル
に包括固定化する方法(特開昭62−163688号公報
参照)やマイクロカプセル内に固定化する方法
(特開昭61−88893号公報参照)などが報告されて
いるが、これらの方法は(1)固定化担体が培地中の
ある種の成分に対して不安定である、(2)固定化担
体の物理的強度が弱い、(3)固定化法が何段階にも
及ぶという点で複雑であるなどの問題を有してお
り、工業化を図るうえで極めて不都合であつた。 また、付着性細胞については、その生育に細胞
が付着すべき器壁を要するためいかに単位容積あ
たりの培養表面積(培養表面積/容積)を上げる
かが問題であり、従来フラスコやローラーボトル
を多数用いるなどの非能率的な培養が行われてき
たが、1969年バン・ウエーゼル(Van Wezel)
らによつてマイクロキヤリアーが開発され、その
後実用化されることによつて、浮遊性細胞と同様
の取り扱いが可能となつた。しかし、マイクロキ
ヤリアーは一般に高価であり、またマイクロキヤ
リアー上の細胞は常に物理的外力にさらされてい
るゆえ、大量に細胞を培養する際には不都合であ
る。また、中空繊維の外表面上に細胞を付着させ
生育させるホローフアイバー培養法も開発されて
いるが(たとえば、ケー・クー・エム・ジエー・
クオ、ジエー・デレンテ、ビー・エス・ウイルデ
ルおよびジエー・フエーダー(K.Ku、M.J.Kuo、
J.Delente、B.S.Wildi、and J.Feder)、バイオテ
クノロジー・アンド・バイオエンジニアリング
(Biotechnology and Bioengineering)23巻、79
頁(1981)参照)、酸素や栄養分の濃度分布が生
じたりフアイバーの目詰りの点で、スケールアツ
プにはまだまだ問題が多い。 そこで、物理的強度が強くかつ化学的にも安定
である担体を用い、簡単な手段による固定化法を
利用して細胞が長期にわたつて安定に生育、増殖
できる新たな培養法が望まれていた。 本発明者らは、かかる実情に鑑み濾過材などの
用途として市販されている立体網状多孔質構造を
有する担体を細胞の固定化支持体として使用する
ことに着目して鋭意研究を続けた結果、細胞を平
均孔径の比較的小さい該担体の共存下で培養する
方法や濾過の要領で細胞が懸濁している培養液を
該担体に通す方法などによつて、該担体の細孔内
に入り込んだ細胞は特別な固定化の操作の必要も
なく該担体内に保持された状態で生育し、高密度
まで増殖しうるということを見出し、本発明を完
成するに至つた。 〔問題点を解決するための手段〕 すなわち本発明は、細胞を培養槽内で培養する
に際し、該細胞を立体網状多孔質構造を有する担
体中に保持した状態で倍増槽内に存在させ、該細
胞を該担体中で生育、増殖せしめて培養すること
を特徴とする細胞の培養方法に関する。 〔実施例〕 本発明の方法においては、細胞は立体網状多孔
質構造を有する担体(以下、担体という)中に保
持された状態で生育し培養され、特別な固定化
剤、固定化の操作は必要としない。すなわち、細
胞が上記担体の細孔内に入り込みさえすれば、通
常の培養方法のもとで、該細胞は該担体中に保持
されたままで生育、増殖しその結果該担体中で高
密度状態に到達する。 細胞を担体の細孔内に固定化する、すなわち入
り込ませる方法としては、細胞を担体の共存下で
培養する方法、濾過の要領で細胞が懸濁している
培養液を担体に通す方法などがあげられる。細胞
を担体の共存下で培養することにより細胞を担体
の細孔内に固定化する方法としては、たとえば細
胞を懸濁した培養液中に担体を入れ振盪培養する
方法、培養槽内で細胞を懸濁した培養液中に担体
を入れて撹拌あるいは流動する方法、あるいは培
養槽内で担体を固定し、細胞を懸濁した培養液を
撹拌、流動する方法があげられる。上に述べたよ
うに本発明の固定化法は培養槽内で容易に行うこ
とができるので、固定化の操作は従来の方法と比
べて非常に簡単であり、かつ雑菌汚染の可能性も
少なくなる。また、本発明の方法は前記のゲル包
括固定化法やマイクロカプセル内固定化法に比べ
て、拡散抵抗が小さいため固定化担体内における
培養液中の栄養分や酸素などの物質移動速度が速
いという利点ももつている。 かくして培養槽内において細胞は上記担体中に
保持されているので、培養槽からの培養液の分離
抜き出しがスムーズにかつ簡単に行うことができ
る。したがつて、培養槽から細胞の生育を阻害す
る物質を含んだ古い培養液を抜き出したのち、酸
素を溶解した新しい培養液を該培養槽に供給する
ことにより、上記担体中にて培養液からの栄養分
や酸素などの供給と細胞が産生する物質の排出が
培養槽内でゲル包括固定化法やマイクロカプセル
内固定化法に比べて容易にかつ効率的に行われ、
結果的に細胞を大規模にかつ高密度状態で培養す
ることが可能となる。 上記培養槽から古い培養液を抜き出し新しい培
養液を供給する方法は、連続的に行つてもよい
し、間歇的に行つてもよい。とくに、本発明の方
法を用いて回分培養を行つたのち、古い培養液の
みを抜き出し、新しい培養液を加えて再度回分培
養を繰り返す培養法、すわゆるリピーテイド・バ
ツチ(Repeated Batch)培養法は目的有用物質
が高濃度でえられ、しかも高い生産性が維持でき
るので極めて好都合である。もちろん、本発明の
方法は工業的規模のみならず実験室規模で、たと
えば培養フラスコやシヤーレを用いた炭酸ガス培
養器内での静置培養や振盪培養でも使用すること
ができる。 本発明の方法において、培養される細胞として
は、本発明の方法の培養条件下にて増殖可能なも
のであればよく、天然の細胞のみならず遺伝子組
換えや細胞融合などの操作により人為的に変性さ
れた細胞であつてもよい。また、正常細胞でもガ
ン細胞でもよい。本発明の方法に用いる固定化方
法においては、一般に付着性細胞が上記担体の細
孔表面上でしか増殖、生育できず細胞密度が比較
的低いのに対し、浮遊性の細胞は担体の細孔内に
おいて三次元的に増殖できるため、その細胞密度
は非常に高くなり、とくに効果的である。また、
本発明の方法は、潅流培養が容易に達成できるた
めインターフエロン、インターロイキン、組織プ
ラスミノーゲン活性化因子、ウイルスワクチン、
モノクローナル抗体などの有用物質を産生する細
胞の培養に際して、目的有用物質を高濃度でうる
目的のためにとくに適している。 本発明の方法において使用される培養液として
は、通常、細胞の培養に使用されうる一般的な培
地であればよく、血清を加えたものでもよいし、
血清を用いない、いわゆる無血清培地でもよい。 本発明の方法において使用する担体としては、
培養すべき細胞に対して毒性を示さず、該細胞が
該担体中に保持されて外部に流出せず、培養液の
流入および流出がスムーズに行われ、かつ該担体
内において細胞の生育が容易であるものが望まし
い。また上記担体は水および培養液中では変質せ
ず、高圧蒸気滅菌に耐えうるような性質を有し、
弱酸、アルカリおよび多くの有機溶媒に対して耐
薬品性を示す物理的強度が強く、化学的に安定な
ものが好ましい。かかる担体を使用すると、培養
終了後担体を回収し加熱処理および弱酸またはア
ルカリ処理することにより細胞を溶解し離脱さ
せ、洗浄後担体を再使用することが可能となり好
都合である。また、上記担体の有する立体網状多
孔質構造とは、その担体を構成する繊維状物質が
立体的にかつランダムな方向に網目状構造を形成
した結果その担体内に複雑に入り組んだ細孔が生
じたものであるが、この細孔は連通、すなわち隣
の細孔とつながつて連続しており、その孔径が均
一で、細孔の配列に方向性がなく、かつ気孔率が
高いものがよい。さらに、上記担体の有する立体
網状多孔質構造は、培養する細胞の大きさによつ
て用いる担体の細孔径も異なるが、細胞を固定化
する際の効率、細胞の保持能、および担体内にお
ける細胞の増殖から考慮して、平均孔径が約1〜
1000μm、好ましくは5〜200μmの範囲内の孔径
を有するものが望ましい。 このような担体としては、たとえば濾過材など
の用途として市販されている立体網状連続多孔質
構造を有するポリビニルホルマール樹脂、高分子
材料を発泡させたもの、ステンレススチール製の
焼結金属担体、または多孔性のガラスやセラミツ
クスなどがあげられる。高分子発泡材料として
は、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポ
リオレフイン系重合体;ブタジエンまたはイソプ
レンなどのジエン系重合体;ポリウレタン;ポリ
塩化ビニル、アクリルアミド、ポリスチレンまた
はポリビニルアルコールなどのビニル系重合体;
ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート
またはナイロンなどの縮合系重合体;シリコンま
たはフツ素樹脂などの材料が適用できる。そのな
かでも、細胞の保持能の大小や担体の劣化度ある
いはコスト面から考慮すると、ポリビニルホルマ
ール樹脂のうちホルマール化度80〜86%のもので
浮遊性細胞に対しては平均孔系が約5〜200μm
の範囲内の孔系を有するもの、付着性細胞に対し
ては平均孔系が約20〜200μmの範囲内の孔系を
有するものがとくに好都合である。また、上記担
体を細胞の付着を促進する物質、たとえば、コラ
ーゲン、ポリリジン、フイブロネクチン、ヒスト
ン、ゼラチンなどの物質で処理して使用すること
も可能である。 上記担体の形状、大きさとしては、使用する培
養槽に応じて種々のものを使用することができる
が、たとえば平板状、円柱状、中空円柱状、球
状、ブロツク状であつてもよい。担体が平板状で
あるばあい、培養槽の壁上や培養槽内部に適宜配
置して使用できる。担体が円柱状であるばあい、
管型の培養槽やタンク型の培養槽が使用できる
し、担体が中空円柱状であるばあい、いわゆる、
ラジアルフロー形式の培養槽も使用できる。ま
た、担体が球状やブロツク状であるばあい、おお
むね球状のものであれば直径1〜100mm、ブロツ
ク状のものであれば一辺が1〜100mmの大きさの
ものを使用し、培養槽としては撹拌槽型の培養槽
や流動層型の培養槽が使用できるし、そのままカ
ラムに詰めて使用してもよい。 培養槽への酸素供給手段としては、培養槽へ酸
素を含有するガスを直接吹き込んでもよいし、酸
素を含有する流体から膜などを介して間接的に供
給してもよいし、また酸素の溶解度が高い液状酸
素キヤリヤーを利用してもよい。また培養槽から
抜き出した培養液に酸素を溶解したのち、再び培
養槽に送り返すことも可能である。このばあいに
は、培養槽から抜き出した培養液から同時に目的
有用物質を回収し、また生育阻害物質を除去した
のちに培養槽に送り返してもよい。 つぎに実施例にもとづいて本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はもとよりこれらに限定さ
れるものではない。 実施例 1 (1) 使用細胞 細胞として、浮遊性の株細胞であるマウスミ
エローマMPC−11(大日本製薬(株)より購入、
American Type Culture Collection(ATCC)
由来)を使用した。 (2) 使用培地 基本合成培地として、蒸留水1中に
RPMI1640倍地(日水製薬(株)製)、ダルベツコ
変法イーグル倍地(日水製薬(株)製)およびハム
F12倍地(日水製薬(株)製)を2:1:1の割合
で混合したものに、NaHCO3、HEPES、スト
レプトマイシン、ペニシリンを加え、さらに牛
胎児血清を10%添加したものを使用した。その
倍地組成を第1表に示す。
【表】
【表】 (3) 細胞の植え付け 立体網状多孔質構造を有する担体として、2
種類のポリビニルホルマール樹脂シート(カネ
ボウ化成(株)製、カネボウスポンジシート、品名
ベルイーター、品番A−3160(平均孔径:30μ
m)およびA−3210(平均孔径:60μm))を使
用し、それぞれ12×30×2mmに切断した。これ
らを蒸留水で充分に洗浄したのち、高圧蒸気滅
菌可能なRPMI1640倍地中で、120℃で20分間
高圧蒸気滅菌とした。つぎに担体をそれぞれロ
ート上にとり、培養中のMPC−11懸濁倍地
(細胞密度:6×105cells/ml)を担体上に10ml
滴下した。濾液中の細胞密度をBurker Turk
の血球計数盤を用いて測定すると、滴下した倍
地の細胞密度よりも大幅に減少していた。この
ことより、細胞が担体の細孔内に捕捉されてい
ることが確認された。 (4) 培養 前記細胞を捕捉した担体をそれぞれ2個ずつ
培養フラスコに移し、新鮮倍地を10mlずつ加
え、炭酸ガス培養器内で静置培養を行つた。倍
地は24時間おきに全量を新しい倍地と交換し
た。細胞の増殖を確認するために、数日おき
に、交換した倍地中のグルコース濃度をグルコ
ースアナライザー(Glucose Analyzer2、ベツ
クマン(Beckman)社製)を用いて測定し一
日当りのグルコース消費量を算出した。その結
果を第2表に示す。第2表より、グルコース消
費量は培養期間が長くなるにしたがつて増加し
ており、細胞が増殖して高密度に達しているこ
とがわかる。しかし、担体から倍地中への細胞
の漏出は顕微鏡下の観察ではほとんど見られな
かつた。
【表】 実施例 2 (1) 培養装置 実験に使用した培養装置を第1図に示す。培
養槽1は、内径30mm、直胴部の高さ60mmのガラ
ス製の流動層型培養槽であり、該培養槽の上部
には開閉可能なサンプリング口5を有し、新鮮
倍地が流入されるためのライン10、ライン1
1およびポンプP−2 7を介して、新鮮倍地
貯槽3と連結している。また、培養槽1はライ
ン12、ライン13、ライン11およびポンプ
P−1 6を介して倍養液を貯えた気泡塔2と
連結し、該気泡塔には下部に5%CO2を含有す
る空気を吹き込むためのライン15が装着さ
れ、ライン16およびポンプP−4 9を介し
て、またライン14、ライン17およびポンプ
P−3 8を介して回収倍地貯槽4と連結して
いる。 (2) 細胞の植え付け 使用細胞、培養用倍地は実施例1と同じもの
を用いた。なおマウスミエローマMPC−11細
胞は免疫グロブリン(IgG)を産生する。立体
網状多孔質構造を有する担体として、ポリビニ
ルホルマール樹脂シート(カネボウ化成(株)製、
カネボウスポンジシート、品名ベルイーター、
品番A−3210(平均孔径:60μm))を使用し、
3×3×3mmのブロツク状に切断した。このブ
ロツク状担体を蒸留水で充分に洗浄したのち、
培養槽1に約300個サンプリング口5より入れ、
高圧蒸気滅菌可能なRPMI1640倍地とともに、
培養装置全体を120℃で20分間高圧蒸気滅菌し
た。 そののち、ポンプP−4 9を駆動させ、ポ
ンプP−4 9、ライン11およびライン16
経由でRPMI1640倍地を回収倍地貯槽4に回収
することにより、培養系外へ除去し、あらたに
新鮮倍地貯槽3に培養用新鮮倍地を入れ、ポン
プP−2 7を駆動させライン10、ポンプP
−2 7およびライン11経由で培養槽1およ
び気泡塔2の培養系に該倍地を流入し、ついで
培養槽1のサンプリング口5より、該培養系内
での細胞密度が約1×105cells/mlとなるよう
に細胞懸濁倍地を入れた。培養系内の倍地の仕
込量は計約50mlであつた。つぎに、培養槽1お
よび気泡塔2を37℃にセツトした空気恒温槽中
に設置し、ポンプP−1 6を駆動させ培養槽
1内のブロツク状担体がゆるやかに流動するよ
うに流量を15ml/minに設定した。また気泡塔
2の底部にライン15を通して5%CO2を含有
する空気を吹き込み、気泡塔2中の培養液に酸
素を溶解した。気泡塔2で酸素を吸収した培養
液をライン13、ポンプP−1 6およびライ
ン11を経由して再び培養槽1に送り返した。
すなわち培養液を、愛用槽1、ライン12、気
泡塔2、ライン13、ポンプP−1 6および
ライン11を経由して循環せしめた。この状態
で、3日間細胞を懸濁した培地中で担体を流動
せしめた。このまま下記の方法にしたがつて培
地の交換を行つてもよいが、ここでは担体中に
保持された細胞のすぐれた生育、増殖を確認す
るために担体中に保持された細胞のみをうるこ
とを目的としているので、培養系内に懸濁残存
している細胞を含む培地をポンプP−4 9お
よびライン16経由で培養系外に排出し、回収
培地貯槽4に回収し、再使用に帰した。 (3) 培養 あらたに新鮮培地貯槽3より、ライン10、
ポンプP−2 7およびライン11経由で培養
槽1および気泡塔2の培養系に新鮮培養用培地
を流入し、潅流培養を開始した。すなわち、2
時間おきにポンプP−2 7およびポンプP−
3 8を駆動させ、ライン10、ポンプP−2
7およびライン11経由で新鮮培地の5mlを
培養槽1内に流入し、等量の既在の培地を気泡
等2からライン14、ポンプP−3 8および
ライン17経由で回収培地貯槽4に回収する操
作を行い、培地の交換を行つた。また常時培地
の循環および5%CO2を含有する空気の通気は
上記の方法にしたがつて行つた。細胞の増殖を
確認するために、数日おきに、マウスミエロー
マMPC−11より産生された一日あたりのIgG
生産量を測定した。その結果を第3表に示す。
なお第3表においてIgG生産量は、回収培地貯
槽4から回収した回収培地中のIgG濃度をエン
ザイム・リンクト・イムノ・ソルベント・アツ
セイ(Enzyme Linked Immuno Solvent
Assay(ELISA))法によつて測定することによ
り一日当りの生産量を算出した。第3表より
IgG生産量は培養期間が長くなるにしたがつて
増加してゆき、培養13日目以降は高生産能を保
つたまま安定した培養を継続できることがわか
る。しかし、顕微鏡下における観察では担体か
ら培地中への細胞の漏出はほとんど問題になら
なかつた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、物理的強度が強く化学的にも
安定でかつ容易に入手できる立体網状多孔質構造
を有する担体を用いることにより、簡単な手段に
よる固定化法を利用して、細胞を該担体中に保持
せしめた状態で効果的に生育、増殖せしめること
ができる。したがつて、本発明の担体を用いる方
法によれば容易に細胞の高密度培養が達成できる
ので、有用物質を産生する細胞を大量に培養して
目的有用物質の生産を工業的規模で実施すること
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例2で使用した、本発明の培養
方法を実施するための培養装置の一例を示す概略
図である。 (図面の主要符号)、1:流動層型培養槽、
2:気泡塔、3:新鮮培地貯槽、4:回収培地貯
槽、5:サンプリング口。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 動物細胞を培養槽内で培養するに際し、該動
    物細胞を懸濁した培養液を、立体網状多孔質構造
    を有する担体と共存させるかまたは濾過の要領で
    該担体に通すことにより担体の細孔内に保持さ
    せ、この前記動物細胞を保持した前記担体を多数
    培養槽内に存在させ、前記動物細胞を前記担体中
    にて生育、増殖せしめて培養することを特徴とす
    る動物細胞の培養方法。
JP62245038A 1987-09-28 1987-09-28 Method for cultivating animal cell Granted JPS6486870A (en)

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JP62245038A JPS6486870A (en) 1987-09-28 1987-09-28 Method for cultivating animal cell

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JPH0785715B2 (ja) * 1990-02-14 1995-09-20 三洋化成工業株式会社 細胞培養用基材および細胞培養方法
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JPS59154984A (ja) * 1983-02-04 1984-09-04 チヤ−ルズ リバ− ユ− ケイ リミテツド 固定細胞複合体を使用した細胞培養装置および培養方法
JPS62236480A (ja) * 1986-04-04 1987-10-16 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 接着性動物細胞の培養方法とその装置

Patent Citations (2)

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