JPH0547032Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は片持式リヤフオークを備える自動二輪
車に好適するブレーキキヤリパ取付構造に関する
ものである。

（従来の技術） 自動二輪車でリヤフオークを一本のメンバで構
成した片持式リヤフオークでは、リヤフオーク後
端部の車軸支持部に横架支持した車軸の両端側支
持部両側に延出し、一方の延出端にチエン、スプ
ロケツト等の駆動機構を、他方の延出端に車輪を
各取付支持する。

かかる片持式リヤフオークで制動装置としてデ
イスクブレーキ式のものを採用した場合にはブレ
ーキキヤリパは固定側に取付支持することから車
輪側のブレーキデイスクは車輪とリヤフオーク間
に、そしてブレーキキヤリパもこの間に配設せざ
るを得ない。

（考案が解決しようとする問題点） 以上の如く構成した場合、ブレーキキヤリパが
ブレーキデイスクに臨む如く車輪とリヤフオーク
間に配設されるため、メンテナンスによりキヤリ
パを外そうとする場合、車輪が邪魔となつてキヤ
リパを取り外すことができない。従つて取り外し
作業は車輪の取り外し、デイスクの取り外しを伴
うこととなり、面倒、煩雑で、メンテナンス上極
めて不利である。

本考案は以上の問題点を解決するべくなされた
もので、その目的とする処は、ブレーキキヤリパ
を独立して簡単に取り外し、再組付し得る如く
し、メンテナンス性を向上させた自動二輪車のブ
レーキキヤリパ取付構造を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 以上の問題点を解決するための手段は、後端に
車軸支持部を備えるリヤフオークの車軸支持部で
後車輪の車軸を支持し、後車輪の内側とリヤフオ
ークとの間にデイスクブレーキ式ブレーキ装置を
配設した自動二輪車において、後車輪の内側にブ
レーキデイスクを配設し、ブレーキキヤリパを、
後車輪とリヤフオーク間に、ブレーキキヤリパブ
ラケツトにより取付支持して配設し、上記ブレー
キキヤリパブラケツトを、上記車軸支持部に前後
に分割して取付、支持するとともに、上記ブレー
キキヤリパブラケツトの前半部は車軸支持部から
前方に延出され、該前半部の延出部には前後方向
への溝を形成し、上記ブレーキキヤリパブラケツ
ト前半部の溝にリヤフオークの側面に突設した規
制駒を係合した自動二輪車のブレーキキヤリパ取
付構造である。

（上記手段による作用） 上記手段によれば、ブラケツトを締結部材を外
すことにより前後に分割可能となり、キヤリパを
含むブラケツト前半部を車軸の径方向へ抜き出す
ことによりキヤリパを取り外すことができる。

（実施例） 次に本考案の好適一実施例を添付図面を参照し
つつ詳述する。

第１図は自動二輪車１の説明的外観側面図、で
フレーム２前部のヘツドチユーブ３に前輪４を支
持するフロントフオーク５をハンドル６により操
向自在に支持し、フレーム２の前部下部にはエン
ジン７を、上位に燃料タンク８を各搭載し、タン
ク８の後方にはシート９を搭載し、又フレーム２
の中間下部から後方にリヤフオーク１０を揺動自
在に延出し、これの後端で後輪１１を支持し、図
中１２はリヤフオーク１０前部とフレーム間に介
設されたリヤクツシヨン、１３は前部を覆うフエ
アリング１４は排気管である。

第２図はリヤフオーク後端部の車軸廻りを示
し、リヤフオーク１０は片持式で中空でボツクス
状断面をなし、これの後端部に左右方向に孔のあ
る円筒状支持部１５を一体に形成する。

かかる支持部１５の内径部１５ａに円形で左右
に長さのあるアクスルホルダ１６を回動自在に嵌
合し、ホルダ１６は支持部１５の後端部のボス部
１５ｂ，１５ｂ……にボルト１７，１７を上から
螺合し、螺締することにより挟圧され、支持部１
５に締着固定されることとなる。

アクスルホルダ１６には後輪１１の車軸１８を
偏心させて横貫支持せしめ、車軸１９は軸受１
９，２０で回転自在であり、車軸１８の一端側の
延出部１８ａにはハブデイスク２１を介して外側
に車輪１１のデイスク部１１ａを結着支持せし
め、内側にブレーキデイスク３０を結着支持せし
める車軸１８の他端延出部１８ｂ上の軸方向外方
にはスプライン嵌合等で被動部材２２を、又これ
の手前上には駆動部材２３を軸受２４を介して配
設し、両部材２２，２３はフランジ部２２ａ及び
凹部２３ａに内装したダンパラバー２５で係合
し、駆動部材２３にはスプロケツ２６が連結さ
れ、以上でチエン駆動機構２７を構成し、スプロ
ケツト２６はチエン２８を介してエンジン７のミ
ツシヨンケース出力軸に設けた駆動スプロケツト
２９と連結し、エンジン出力はチエン２８、スプ
ロケツト２６、駆動部材２３、被動部材２２、車
軸１８に伝えられ、後輪１１を駆動する。

以上において、アクルスホルダ１６の車輪１１
側の端部を外方に延出１６ａと、延出部１６ａ外
周にリング状の凹部１６ｂを形成する。３１はブ
レーキキヤリパブラケツトと、ブラケツト３１は
第３図に示す如く半円状の後半部３１１とこれと
対応する半円状の基部３１２を備える前半部３１
３とからなり、後半部３１１と基部３１２とを合
せて既述のアクスルホルダ１６の延出部１６ａの
凹部１６ｂを囲繞嵌合するリング状の取付部を構
成し、夫々の突き合せ部には半径方向外方に突出
するボス部３１１ａ，３１１ｂ，３１２ａ，３１
２ｂを対向する如く備え、ボス部３１１ａ，３１
２ａ側、即ち、後方からボルト３２，３２を３１
２ａ，３１２ｂ側に螺合させて前半部３１３、後
半部３１１とをアクスルホルダ１６の延出部１６
ａ廻りに締着し、一体化し、軸方向は凹部１６ｂ
両側の肩部１６ｃ，１６ｄで規制される。

ブラケツト３１の前半部３１３には前方に延び
るステイ部３１４を形成し、これの先部はデイス
ク３０の外径部を挟む如く凹状とし、ステイ部３
１４上に前後にボス部３１４ａ，３１４ｂを突設
し、これにブレーキキヤリパ３３下部の前後のボ
ス部３３ａ，３３ｂをボルト等で結着３３ｃ，３
３ｃする。

ステイ部３１４のリヤフオーク１０と対向する
内側面には前後方向、即ちステイ部３１４の長さ
方向への溝３１５が形成され、溝３１５は前端が
開放されている。かか溝３１５にリヤフオーク１
０後部の対向する側面に突設した規制駒３４を係
合し、これによりステイ部３１４、即ちブラケツ
ト３１、従つてキヤリパ３３は制動時の回転を拘
束される。

以上において、ボルト３２，３３を外すことに
よりブラケツト３１は前後３１３，３１１に分割
され、キヤリパ３３を備えるブラケツト前半部３
１３は前方に取り外すことができ、キヤリパのメ
ンテナンスを車輪、ブレーキデイスクを取り外す
ことなく行える。

（考案の効果） 以上で明らかな如く本考案によれば、片持式リ
ヤフオークにおいて、車輪とリヤフオーク間にブ
レーキキヤリパを配設した場合、ブラケツトを前
後分割可能なるようにボルト外すだけ、キヤリパ
は前方に抜け出し、取り外すことができ、従つて
車輪、デイスクを取り外すことなくキヤリパを取
り外すことができ、メンテナンス上極めて有利で
ある他、実施例の如くアクスルホルダにブラケツ
トを取り付けることによりチエンアジヤストをア
クスルホルダの偏心回動で行う場合、キヤリパも
車輪と一体に移動し得る等の利点がある。

特に本考案は、ブレーキキヤリパブラケツトの
前半部に溝を設け、これをリヤフオーク側面の規
制駒に前後摺動可能に係合したので、リヤフオー
クに回転規制されつつ取り付けされているにも拘
わず、ブレーキキヤリパブラケツトの取付、取外
し時に、リフオーク側に対して係合部を分解する
ことなく、取付、取外しが行え、上記メンテナン
ス性を更に向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は自動二輪車の側面図、第２図は車軸廻りの横断
平面図、第３図はキヤリパ取付構造を示す側面図
である。 尚図面中１は自動二輪車、１０はリヤフオー
ク、１１は車輪、１５は車軸支持部、３０はブレ
ーキデイスク、３１はブレーキキヤリパブラケツ
ト、３１１は後半部、３１２は前半部、３１５は
溝、３４は規制駒である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 後端に車軸支持部を備えるリヤフオークの車軸
   支持部で後車輪の車軸を支持し、後車輪の内側と
   リヤフオークとの間にデイスクブレーキ式ブレー
   キ装置を配設した自動二輪車において、 後車輪の内側にブレーキデイスクを配設し、 ブレーキキヤリパを、後車輪とリヤフオーク間
   に、ブレーキキヤリパブラケツトにより取付支持
   して配設し、 上記ブレーキキヤリパブラケツトを、上記車軸
   支持部に前後に分割して取付、支持するととも
   に、 上記ブレーキキヤリパブラケツトの前半部は車
   軸支持部から前方に延出され、該前半部の延出部
   には前後方向への溝を形成し、 上記ブレーキキヤリパブラケツト前半部の溝に
   リヤフオークの側面に突設した規制駒を係合し
   た、 ことを特徴とする自動二輪車のブレーキキヤリパ
   取付構造。