JPH0544731B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0544731B2
JPH0544731B2 JP3486484A JP3486484A JPH0544731B2 JP H0544731 B2 JPH0544731 B2 JP H0544731B2 JP 3486484 A JP3486484 A JP 3486484A JP 3486484 A JP3486484 A JP 3486484A JP H0544731 B2 JPH0544731 B2 JP H0544731B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
binder
tape
resin
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3486484A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60179927A (ja
Inventor
Tatsuya Hori
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP3486484A priority Critical patent/JPS60179927A/ja
Publication of JPS60179927A publication Critical patent/JPS60179927A/ja
Publication of JPH0544731B2 publication Critical patent/JPH0544731B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(1) 産業上の利用分野 本発明は磁気テープ、磁気シート、磁気デイス
ク等の磁気記録媒体に関する。更に詳しくは磁気
記録媒体に用いるバインダーの改善に関する。 (2) 従来技術 一般に磁気記録媒体(以後テープと代記する)
は磁性粉とバインダーを主材として含有する磁性
塗料を支持体に塗布し、乾燥して作成される。 該テープに於いて磁気記録の機作を担う磁性粉
の重要性は言を俟たないが、磁性粉をその機作遂
行に好都合に保持し、且つその他のテープ機能補
完助材を合目的に維持するバインダーもテープの
死命を制するほどの重要性を有し各種の電磁気
的、物理的或いは化学的特性が要求される。 例えば支持体に対する接着性、磁性粉及び研磨
材、カーボンブラツク等の非磁性粉に対する濡れ
即ち界面張力に基く充填性及び保護膠質としての
分散性、テープ機能全般に係わるバインダー自体
の表面摩擦係数(滑り性)、粘着性、耐摩耗性、
剛性、弾性、可撓性(柔軟性)、耐屈折疲労性、
溶解性、バインダー素材間の相溶性、耐溶剤性、
耐熱性、耐候性、或いは含有させられる各種低分
子添加剤に対する耐離漿性等々相互に矛盾する特
性があるにも拘らず夫々を助長し、且つ相殺しな
いことが要求される。 近時、磁気記録材料の発展に伴ない、ビデオ
用、電算機用、オーデイオ用等の磁気テープにお
いては、高度なテープ性能が要求されるようにな
つている。テープの相対速度の大きいビデオ用磁
気テープ等では、磁性粉末を結合して磁性層を形
成するためのバインダーは、特に耐摩耗性のある
ものが使用されている。例えばポリウレタンは、
他の物質に対する接着力が強く、反復して加わる
応力または屈曲に耐えて機械的に強靭であり、か
つ耐摩耗性、耐候性が良好であるとされている。
従つて、ポリウレタンを磁性層のバインダーとし
て用いることが考えられるが、ポリウレタンは摩
擦係数が高く、表面の滑性が悪いことからテープ
走行中に摩擦力が増大し、走行不良が生ずること
が知られている。これを防止するために、ポリウ
レタンに他の樹脂の配合、低分子の滑性付与剤の
添加等が試みられている。しかし、ポリウレタン
と他の樹脂との相溶性はそれ程良くなく、また低
分子化合物の添加によつてブルーミングが生じ易
くなり、磁気ヘツドの汚れや目詰りが生じて電磁
変換特性が不良となる。また、ポリウレタンをバ
インダーとする磁性層の膜強度も不足しているの
で、磁性層からの粉落ちが増え、ドロツプアウト
が増加する原因となる。 例えば、磁性層に使用し得るバインダーとし
て、特開昭58−60430号に記載のカーボネイトポ
リエステルポリウレタンが考えられる。しかし、
このバインダーではカーボネイト成分によつて溶
媒への溶解性が良く、またカーボネイト成分及び
エステル成分の含有によつて耐熱性(ガラス転移
温度Tg)の向上は期待できるものの、逆にエス
テル成分は高温高湿下で経時変化(加水分解)を
生じ易く、耐湿性を劣化させ、スムーズなテープ
走行を阻害してしまう。また特開昭56−137522号
に示されたポリエステルポリウレタンをバインダ
ーとする場合には、エステル成分によつて耐熱性
は良くなるが、上記と同様に耐湿性が悪くなり、
しかもカーボネイト成分がないために溶媒溶解性
が低下してウレタン濃度をあまり高くできず、膜
強度を低下させることになる。このために、潤滑
剤を併用する場合、バインダー全体の潤滑性を制
御して膜強度を保持する上で潤滑剤の使用量を多
くせざるを得ないが、低分子の潤滑剤が多くなる
ことからブルーミングが生じてしまうので不適当
である。 更にポリエステル樹脂にスルホン酸金属塩基を
導入することによつて、特開昭56−74824号、同
56−74827号等には表面平滑性(グロス)及び支
持体に対する接着性の向上、特開昭56−13519号、
同56−74826号、同56−74828号、同56−74829号
等には分散性、界面張力に係わる充填性の改善に
ついての開示があり。該スルホン酸金属塩基導入
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ニトロセ
ルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂等の組合
せによるバインダー組成の提案が数多くなされて
いる。 しかしながら、これらの組成のバインダー素材
間の相溶性、分散性、或いは充填性が充分である
とは言い難く、このため磁性塗料の安定性に問題
があり、また仕上りテープのグロス、表面粗さ、
角型比が劣り、電磁変換性能も充分とは言えな
い。 このように、耐久性、耐熱性、耐湿性、機械的
強度等の諸特性をすべて充分に有するバインダー
組成は、これまでのところ全く提案されておらず
従つて磁性層の耐久性不良、走行不良、経時変化
等の致命的な欠陥を回避できないのが実情であ
る。 (3) 発明の目的 本発明の第1の目的は、良好な接着性を有する
ポリエステル樹脂との相溶性のよい且つ分散性の
よい磁性層バインダー組成を提供することであ
る。また、第2の目的は相溶性及び分散性のよい
バインダーを用いた特性の優れたテープを提供す
ることである。 (4) 発明の構成 前記本発明の目的は磁性粉末及びバインダー樹
脂を含む磁性層を有する磁気記録媒体に於いて、
該バインダー樹脂として少くとも−SO3M基(M
は水素または1価のアルカリ金属原子)を側鎖に
有するポリエステル樹脂とポリカーボネイト−ポ
リウレタン樹脂とを含有することを特徴とする磁
気記録媒体によつて達成される。 前記本発明に係わる−SO3M基を側鎖に有する
ポリエステル樹脂(以後スルホン変性ポリエステ
ルと称す)は、ポリエステル樹脂にスルホイソフ
タル酸、或いはスルホテレフタル酸またはそのナ
トリウム、或いはカリウム等の金属塩を共重合し
てえられる。例えば反応容器に酸成分(例えばジ
メチルテレフタレート)、グリコール成分(例え
ばエチレングリコール)、−SO3M基を有するジカ
ルボン酸成分(例えば5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸)及びその他の必要成分と共に夫々所定
量加えてエステル反応を行ない、次いでセバシン
酸、アジピン酸等を加えて反応させた後、減圧下
で重縮合させることによつて製造される。 このスルホン変性ポリエステルは磁性粉に対す
る濡れ特性がよく、従つて分散性がよく磁性粉を
高密度に充填することができ磁性粉の分散及び充
填量を大ならしめることができる。 本発明に係わるポリカーボネイト−ポリウレタ
ン樹脂(以後ポリカーボネイト−ウレタンと略称
する)は下記一般式〔〕で示される。 一般式〔〕 式中、RおよびR′は脂肪族もしくは芳香族の
炭化水素基を表わし、lは50以下の数値であり、
ガラス転移温度Tg、粘着性の点から1〜30であ
ることが好ましい。mは5〜500の数値であり、
膜形成性及び溶媒溶解性の面から10〜300である
ことが望ましい。また、lとmはポリ−カーボネ
イト−ウレタンの平均分子量が50000〜200000と
なるように選定される。 前記ポリ−カーボネイト−ウレタンは、ウレタ
ン樹脂特有の耐摩耗性が発揮されることに加えて
カーボネイト成分の存在により耐熱性(Tg)が
向上し、かつ溶媒への溶解性が良好となつてウレ
タン濃度を高くして膜強度を大きくできる。しか
も従来のバインダーとは根本的に異なつて分子中
にエステル結合を含んでいないので、高温多湿条
件下での長時間使用によつても層にキズが付いた
り膜剥れが生じることはなく、スムーズな走行性
を保持できる。このことは、上記ポリ−カーボネ
イト−ウレタンが耐湿性に優れていると共に低粘
着性を示し、充分な走行安定性が得られることに
依るものである。 また、上記ポリ−カーボネイト−ウレタンは、
膜強度や磁性粉等の分散性を高めるために併用す
る他のポリマー(例えば塩化ビニル−酢酸ビニル
樹脂、ニトロセルロース)との相溶性が良いの
で、膜物性が変動し難く、得られた媒体の走行性
が良くなる。また、イソシアネイト(後述)の添
加量の調整、ポリカーボネイトポリオール(後
述)以外のポリオールの添加によつて、テープの
カールを矯正して再生画面に乱れ(スキユー)を
防ぎ、或いはスチル特性を良くすることができ
る。 更に前記スルホン変性ポリエステルとポリ−カ
ーボネイト−ウレタンとは相溶し、且つ夫々の利
点を相殺することなる優良なバインダー組成を与
える。 また、スルホン変性ポリエステルとポリ−カー
ボネイト−ウレタンの混合比は重量比で5/95〜
95/5、好ましくは10/90〜80/20であり、スル
ホン変性ポリエステルとポリ−カーボネイト−ウ
レタンの合計量と他のバインダーとの混合比は重
量比で3/7〜9/1が好ましい。 次に本発明のテープについて具体的且つ詳細に
説明する。 本発明に係わるスルホン変性ポリエステルは一
般に前記した合成法で容易に得られるが、詳細な
合成例は特開昭56−74824号等に開示されており
参照できる。 なお、市販品としては東洋紡製のバイロン530、
バイロンGX−WおよびET1095等が挙げられる。 本発明に係わるポリ−カーボネイト−ウレタン
は次式に基いて、ポリカーボネイトポリオール
〔H(―OROCOO)l――ROH〕と多価イソシアネイ
ト(OCNR′NCO)とのウレタン化反応によつて
合成される。 H(―OROCOO)l――ROH+OCNR′NCO→ H〔―(OROCOO)l――ROCONHR′NHCO〕n――ORO
COO−ROH ここで使用可能なポリカーボネイトポリオール
は、ポリオールをカーボネイト結合で連鎖せしめ
てなるものであつて、例えば従来公知の多価アル
コールとホスゲン、クロルギ酸エステル、ジアル
キルカーボネイトまたはジアリルカーボネイト等
との縮合によつて得られる。 上記多価アルコールとしては、1,10−デカン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール
等が挙げられる。この多価アルコール、例えばジ
オールの炭素原子数は重要であり、4〜12に設定
することが望ましい。これは炭素原子数が4より
小および12より大の範囲では、いずれも粉落ち
(100回走行後)が生じ易くなるからである。これ
に対応してポリカーボネイトポリオールの分子量
は100回走行後の粉落ち(60℃、1週間保存後)
試験の結果から約700〜3000とするのがよい。 上記に例示した多価アルコール以外に、エチレ
ングリコール、ビスフエノールA、ソルビトー
ル、メチルジエタノールアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、ジフエニルメタンジアミン、メチレン
ビス(2−クロルアニリン)等の化合物および/
またはこれらの化合物に、エチレンオキサイド、
テトラヒドロフラン、スチレンオキサイドなどを
1種または2種以上付加して得られるポリエーテ
ルポリオールが挙げられる。 次に、上記ポリカーボネイトポリオール等の活
性水素含有ポリカーボネイトは単独で使用できる
が、上記ウレタン化に際して他の多価アルコール
を併用してもよく、他の公知の鎖延長剤を併用し
てもよいが、ポリカーボネイトポリオールの割合
は80%以上に保持する方が耐摩耗性を充分にする
上で望ましい。 次に、上記の多価イソシアネイトとしては、芳
香族イソシアネイトが望ましく、これには、例え
ばトリレンジイソシアネイト、2,4−トリレン
ジイソシアネイトの二量体、4,4′−ジフエニル
メタンジイソシアネイト、キシリレンジイソシア
ネイト、メタキシリレンジイソシアネイト、ナフ
チレン−1,5−ジイソシアネイト、o−トリレ
ンジイソシアネイトおよびこれらのイソシアネイ
トと、活性水素化合物との付加体などがあり、そ
の平均分子量としては、100〜3000の範囲のもの
が好適である。 上記した芳香族系多価イソシアネイトは、硬質
成分(ハードセグメント)として作用するために
ポリ−カーボネイト−ウレタンの剛性を充分に出
せる点で望ましい。ポリ−カーボネイト−ウレタ
ンの粘着性は平均分子量を5〜20万の範囲に設定
すると低く抑えることができるが、この場合、上
記ポリウレタンのイソシアネイト成分として芳香
族系を使用すると更にスチル耐久性および分散
性、表面性を向上させることができる。これに対
し、脂肪族系のイソシアネイトを使用するとスチ
ル耐久性が低くなる。上記した芳香族イソシアネ
イトのうち、ナフチレン−1,5−ジイソシアネ
イト、ジフエニルメタンジイソシアネイトが特に
望ましい。 上記したイソシアネイトの使用量は、ポリイソ
シアネイト中に含有するNCO基(イソシアネイ
ト基)が、活性水素含有化合物(ポリカーボネイ
トポリオール)の含有する活性水素の総量に対
し、0.8〜1.2当量比、さらに好ましくは0.85〜1.1
当量比となるようにするのが望ましい。 本発明に係わるポリウレタンを製造するには、
まず窒素雰囲気中で、例えば高分子ポリオールと
有機イソシアネイトとを、必要に応じ触媒およ
び/または溶媒の存在下に、60℃〜100℃で数時
間加熱反応しプレポリマーを作る。同温度でさら
に数時間加熱反応させ本発明にかかるポリウレタ
ン樹脂を得る。必要に応じ反応停止剤を加え加熱
反応させることもできる。また反応の各段階で粘
度を低下するため溶媒を適宜追加する。得られた
本発明にかかるポリウレタン樹脂溶液は固形分15
〜60%、粘度200〜70000cps/25℃となる。 なお、本発明では磁性層のバインダーとして、
前記スルホン変性ポリエステルおよびポリ−カー
ボネイト−ウレタンの他に、繊維素系樹脂および
塩化ビニル系共重合体も含有せしめれば、磁性層
中の磁性粉の分散性が向上して、その機械的強度
が増大する。 使用可能な繊維素系樹脂には、メチルセルロー
ス等のセルロースエーテル、ニトロセルロース等
のセルロース無機酸エステル、アセチルセルロー
ス等のセルロース有機酸エステル等が使用でき
る。 これら繊維素系樹脂の中ではニトロセルロース
が好ましい。 前記塩化ビニル系共重合体として、好ましくは
塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体が挙げられ
る。塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体の中で
も、部分加水分解された共重合体が好ましい。 上記の塩化ビニル系共重合体と繊維素系樹脂は
任意の配合比で使用されてよいが、重量比にして
塩化ビニル系樹脂:繊維素系樹脂を90/10〜5/
95とするのが望ましく、80/20〜10/90が更に望
ましい。 この範囲を外れて、繊維素系樹脂が多くなると
(上記重量比が5/95未満)、カレンダー加工性が
不良になり易くなつて表面性が悪くなり、ドロツ
プアウトを起し易くなる。また、塩化ビニル系共
重合体が多くなると(上記重量比が90/10を越え
ると)、分散不良を生じ易く、例えば角型比が悪
くなり易い。 また、バインダー組成全体については、上述の
スルホン変性ポリエステルとポリ−カーボネイト
−ウレタンとの合計量と、その他の樹脂(繊維素
系樹脂と塩化ビニル系共重合体との合計量)との
割合は、重量比で90/10〜30/70であるのが望ま
しく、85/15〜60/40が更に望ましいことが確認
されている。この範囲を外れて、スルホン変性ポ
リエステルとポリ−カーボネイト−ウレタンの合
計量が多いと分散不良が生じ易くなつてスチル特
性が悪くなり易く、またその他の樹脂が多くなる
と表面性不良となり易く、スチル特性も悪くな
り、特に70重量%を越えると塗膜物性が総合的に
みてあまり好ましくなくなる。 この磁性層のバインダーとして、前記した本発
明にかかるバインダーの他、このバインダーと熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線
照射硬化型樹脂との混合物が使用されてもよい。
熱可塑性樹脂としては、軟化温度が150℃以下、
平均分子量が10000〜200000、重合度が約200〜
2000程度のもので、例えばアクリル酸エステル−
アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エステ
ル−スチレン共重合体、ポリ弗化ビニル、ポリア
ミド樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、各種
の合成ゴム系の熱可塑性樹脂およびこれらの混合
物等が使用される。 熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、塗布
液の状態では200000以下の分子量であり、塗布乾
燥後には縮合、付加等の反応により分子量は無限
大のものとなる。また、これらの樹脂のなかで樹
脂が熱分解するまでの間に軟化または溶融しない
ものが好ましい。具体的には、例えばフエノール
樹脂、尿素樹脂、アルキツド樹脂、シリコン樹
脂、アクリル系反応樹脂、ポリアミン樹脂及びこ
れらの混合物等である。 電子線照射硬化型樹脂としては、不飽和プレポ
リマー、例えばウレタンアクリルタイプ、ポリエ
ステルアクリルタイプ、ポリエーテルアクリルタ
イプ等または多官能モノマーとして、エーテルア
クリルタイプ、ウレタンアクリルタイプ等が挙げ
られる。 本発明に係わる磁性層に使用される磁性粉末、
特に強磁性粉末としては、γ−Fe2O3、Co含有γ
−Fe2O3、Fe3O4、Co含有Fe3O4等の酸化鉄磁性
粉;Fe、Ni、Co、Fe−Ni−Co合金、Fe−Mn−
Zn合金、Fe−Ni−Zn合金、Fe−Co−Ni−Cr合
金、Fe−Co−Ni−P合金、Co−Ni合金等Fe、
Ni、Co等を主成分とするメタル磁性粉等各種の
強磁性粉が挙げられる。 本発明にかかる強磁性粉末とバインダーとの混
合割合は、該強磁性粉末100重量部に対してバイ
ンダー5〜400重量部、好ましくは10〜200重量部
の範囲で使用される。バインダーが多すぎるとテ
ープとしたときの記録密度が低下し、少なすぎる
と磁性層の強度が劣り、耐久性の減少、粉落ち等
の好ましくない事態が生じる。 さらに本発明のテープの耐久性を向上させるた
めに磁性層に上述したイソシアネイトの他、架橋
剤としてトリフエニルメタントリイソシアネイ
ト、トリス−(p−イソシアネイトフエニル)チ
オホスフアイト、ポリメチレンポリフエニルイソ
シアネイトを含有させてよい。 上記磁性層塗料を形成するのに使用される塗料
には必要に応じて分散剤、潤滑剤、研磨材、帯電
防止剤等の添加剤を含有させてもよい。 使用される分散剤としては、レシチン、リン酸
エステル、アミン化合物、アルキルサルフエー
ト、脂肪酸アミド、高級アルコール、ポリエチレ
ンオキサイド、スルホコハク酸、スルホコハク酸
エステル、公知の界面活性剤等及びこれらの塩が
あり、また陰性基(例えば−COOH、−PO3H)
を有する重合体分散剤の塩を使用することも出来
る。これら分散剤は1種類のみで用いても、ある
いは2種類以上を併用してもよい。これらの分散
剤はバインダー100重量部に対し1〜20重量部の
範囲で添加される。これらの分散剤は、あらかじ
め磁性粉を前処理するために用いてもよい。ま
た、潤滑剤としては、シリコーンオイル、グラフ
アイト、カーボンブラツクグラフトポリマー、二
硫化モリブデン、二硫化タングステン、ラウリル
酸、ミリスチン酸、炭素原子数12〜16の一塩基性
脂肪酸と該脂肪酸の炭素原子数と合計して炭素原
子数が21〜23個の一価のアルコールから成る脂肪
酸エステル(いわゆるロウ)等も使用できる。こ
れらの潤滑剤はバインダー100重量部に対して0.2
〜20重量部の範囲で添加される。使用してもよい
研磨材としては、一般に使用される材料で溶融ア
ルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、コランダム、
人造コランダム、ダイヤモンド、人造ダイヤモン
ド、ザクロ石、エメリー(主成分:コランダムと
磁鉄鉱)等が使用される。これらの研磨材は平均
粒子径0.05〜5μの大きさのものが使用され、特に
好ましくは、0.1〜2μである。これらの研磨材は
バインダー100重量部に対して1〜20重量部の範
囲で添加される。使用してもよい帯電防止剤とし
ては、カーボンブラツクをはじめ、グラフアイ
ト、酸化スズ−酸化アンチモン系化合物、酸化チ
タン−酸化スズ−酸化アンチモン系化合物などの
導電性粉末;サポニンなどの天然界面活性剤;ア
ルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシド
ール系などのノニオン界面活性剤;高級アルキル
アミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリジン、
その他の複素環類、ホスホニウムまたはスルホニ
ウム類などのカチオン界面活性剤;カルボン酸、
スルホン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステ
ル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤;アミ
ノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコール
の硫酸または燐酸エステル類等の両性活性剤なと
が挙げられる。 一般に、テープの使用中に静電気が蓄積された
場合に磁気ヘツドとの間で放電が生じてノイズを
発生し易く、またゴミ等が吸着されてドロツプア
ウトの原因となることがある。また、ビデオ用に
あつては、磁性層を有するテープ部分とリーダー
テープ部分とでの光透過率の差を検出することに
より、テープの走行を調整する方式が知られてい
る。こうしたことから、一般に磁性層の表面電気
抵抗を109Ωcm以下とし、かつ磁性層のあるテー
プ部分の光透過率を0.05%以下とすることが必要
とされている。このために、通常は磁性層中にカ
ーボンブラツク粒子が添加される。 使用するカーボンブラツクとしては、導電性を
付与するストラクチヤーインデツクス値の高いカ
ーボンブラツクをはじめ、磁性層に遮光性を付与
するストラクチヤーインデツクス値の比較的低い
カーボンブラツクが添加されるのが望ましい。 磁性塗料の溶媒または磁性塗料塗布の際に使用
する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類;メタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール等のアルコール類;酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチ
レングリコールモノアセテート等のエステル類:
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メチレ
ンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭
素、クロロホルム、ジクロルベンゼン等のハロゲ
ン化炭化水素等のものが使用できる。 また、本発明に係わる支持体1の素材として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
−2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポ
リプロピレン等のポリオレフイン類、セルロース
トリアセテート、セルロースダイアセテート等の
セルロース誘導体、ポリカーボネイトなどのプラ
スチツク、Al、Znなどの金属、ガラス、窒化珪
素、炭化珪素、磁器、陶器等のセラミツクなどが
使用される。これら支持体の厚みはフイルム、シ
ート状の場合は約3〜100μm程度、好ましくは
5〜50μmであり、デイスク、カード状の場合
は、30μm〜10mm程度であり、ドラム状の場合は
円筒状とし、使用するレコーダーに応じて、その
型は決められる。 また、本発明に於いては磁性層と支持体との間
に下引き層を設けたものであつてよく或いは下引
き層を設けなくてもよい。 また、本発明のテープにはバツクコート層
(BC層)を設けてもよい。該BC層に含有せしめ
られる非磁性粉としては、カーボンブラツク、酸
化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ク
ロム、炭化珪素、炭化カルシウム、酸化亜鉛、α
−Fe2O3、タルク、カオリン、硫酸カルシウム、
窒化ホウ素、フツ化亜鉛、二酸化モリブデン、炭
酸カルシウム等からなるもの、好ましくはカーボ
ンブラツクまたは酸化チタンからなるものが挙げ
られる。これらの非磁性粉をBC層に含有せしめ
れば、BC層の表面を適度に荒らして(マツト化
して)表面性を改良でき、またカーボンブラツク
の場合にはBC層に導電性を付与して帯電防止効
果が得られる。カーボンブラツクと他の非磁性粉
とを併用すると表面性改良(走行性の安定化)と
導電性向上の双方の効果が得られ、有利である。
但しBC層の表面粗さは、表面凹凸の表面粗さ曲
線の中心線の平均粗さ又は高さ(Ra)を0.01〜
0.1μm、望ましくは0.025μm以下とし、また最大
粗さ(Rmax)を0.20〜0.80μmとするのがよい。
Raについては、クロマS/Nを良好にする上で
Ra≦0.025μmとするのが望ましい。Raまたは
Rmaxの値が小さすぎると走行安定性、テープ巻
回時の巻き姿が不充分となり、また大きすぎると
BC層から磁性層へ転写(テープ巻回時)が生じ
て表面が更に荒れてしまう。 なお、BC層中の充填剤(非磁性粉を含む)の
粒径は、上記表面粗さを得るために0.5μm以下、
好ましくは0.2μm以下とするとよい。また、BC
層の塗布・乾燥後の膜厚は0.1〜3.0μm、好まし
くは1μm以下、更には0.6μm以下がよい。非磁性
粉のBC層中への添加量は一般に100〜400mg/m2
好ましくは200〜300mg/m2とする。 また、BC層のバインダーとして、磁性層と同
様のバインダーを用いればジツタの減少等の面で
有利である。 本発明に於いて、前記支持体上へ前記磁性塗料
或いはBC層液を塗布し磁性層、或いはBC層を形
成するための塗布方法としては、エアードクタコ
ート、ブレードコート、エアーナイフコート、ス
クイズコート、含浸コート、リバースロールコー
ト、トランスフアーロールコート、グラビアコー
ト、キスコート、キヤストコート、スプレイコー
ト等が利用でき、その他の方法も可能である。こ
のような方法により支持体上に塗布された磁性層
は必要により層中の強磁性粉末を配向させる処理
を施したのち、形成した磁性層を乾燥する。また
必要に応じ表面平滑化加工を施し、所望の形状に
裁断し本発明のテープが製造される。 (5) 実施例 次に本発明を具体的な実施例によつて説明す
る。 実施例 1 まず次記処方の磁性塗料を調製した。 (重量部) Co含有γ−Fe2O3 100 スルホン変性ポリエステル(バイロン530、東洋
紡製) 10 ポリ−カーボネイト−ウレタン(MAG305、大
日本インキ製) 7 ニトロセルロース(セルライン、ダイセル製)7 Al2O3 3 カーボンブラツク 5 パルミチン酸 0.5 ステアリン酸 0.5 シクロヘキサノン 50 メチルエチルケトン 50 トルエン 50 この組成物をボールミルで充分に撹拌混合し、
更に多官能イソシアネイト(日本ポリウレタン社
製コロネートL)を3部添加した後、平均孔径
1μmのフイルターで過した。得られた磁性塗
料を厚さ14μmのポリエチレンテレフタレートベ
ースの表面に乾燥厚さ4μmとなるように塗布し
た。 しかる後、スーパーカレンダロールで磁性層を
表面加工処理し、所定厚さの磁性層を有する幅広
の磁性フイルムを得た。このフイルムを1/2イン
チ幅に切断し、ビデオ用の磁気テープの試料1を
作成した。 実施例 2 実施例 1の磁性塗料処方に於いてニトロセル
ロースを塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体
VAGH(U.C.C.社製)に代えた他は全く同様にし
て試料2を得た。 比較例 実施例1に於いてポリ−カーボネイト−ウレタ
ンをポリウレタンのニウポラン2304(日本ポリウ
レタン社製)に代えた他は全く同様にして試料3
(比較)を得た。 前記得られた試料1、2および3について相溶
性、グロス、平滑性および角型化、ルミS/N、
クロマS/Nを測定し第1表にその結果を掲げ
た。
【表】 ただし、これらの諸特性は次の基準で表示し
た。 (1) 相溶性 溶媒中に各バインダーを加え、撹拌した後放
置し、液の状態を観察した。 (2) グロス グロスメーター(村上色彩研究所製のGL−
26D)を使用して測定した。標準試料(黒色タ
イル)面における60度反射の光沢度を100%と
し、試料テープ面におけるそれを相対値(%)
で表わした。この値が高いほど光沢度がよく、
磁性粉末粒子が均一に分散されていることを示
す。 (3) 平滑性 触針式表面粗さ計および顕微鏡を用いて表面
の平滑性を測定した。 (4) 角型化 残留磁化Br、飽和磁化Bmを測定し、Br/
Bmをもつて表わした。 (5) ルミおよびクロマS/N 比較例テープの値を基準(0)とし、それに
対する相対値(dB)で表示した。 第1表に明らかなように本発明のバインダーシ
ステムは、従来のバインダーシステムに比べて、
バインダー同志の相溶性がよく、且つ分散性も向
上し、その結果表面性がよく電磁変換性能の良好
な磁気テープが得られた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 磁性粉末及びバインダー樹脂を含む磁性層を
    有する磁気記録媒体に於いて、該バインダー樹脂
    として少くとも−SO3M基(Mは水素または1価
    のアルカリ金属原子)を側鎖に有するポリエステ
    ル樹脂とポリカーボネイト−ポリウレタン樹脂と
    を含有することを特徴とする磁気記録媒体。
JP3486484A 1984-02-24 1984-02-24 磁気記録媒体 Granted JPS60179927A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3486484A JPS60179927A (ja) 1984-02-24 1984-02-24 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3486484A JPS60179927A (ja) 1984-02-24 1984-02-24 磁気記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60179927A JPS60179927A (ja) 1985-09-13
JPH0544731B2 true JPH0544731B2 (ja) 1993-07-07

Family

ID=12426029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3486484A Granted JPS60179927A (ja) 1984-02-24 1984-02-24 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS60179927A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5849822A (en) * 1995-08-17 1998-12-15 Teijin Limited Thermoplastic resin composition superior in transparency and antistatic property

Also Published As

Publication number Publication date
JPS60179927A (ja) 1985-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH03698B2 (ja)
JPS6224854B2 (ja)
JPH0544731B2 (ja)
JPS61269224A (ja) 磁気記録媒体
JPS61104325A (ja) 磁気記録媒体
JPS6043219A (ja) 磁気記録媒体
JPS6069818A (ja) 磁気記録媒体
JP2520350B2 (ja) 磁気記録媒体
JPS60182014A (ja) 磁気記録媒体
JPH0565927B2 (ja)
JPS6050723A (ja) 磁気記録媒体
JPS6050724A (ja) 磁気記録媒体
JPH0630152B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH0476177B2 (ja)
JP2001338412A (ja) 磁気記録媒体と磁気記録媒体の製造方法
JPS61180924A (ja) 磁気記録媒体
JPS60229232A (ja) 磁気記録媒体
JPS6013326A (ja) 磁気記録媒体
JPS6157033A (ja) 磁気記録媒体
JPS60234219A (ja) 磁気記録媒体
JPS6157032A (ja) 磁気記録媒体
JPS6098523A (ja) 磁気記録媒体
JPS6276024A (ja) 磁気記録媒体
JPH02227823A (ja) 磁気記録媒体
JPS61280023A (ja) 磁気記録媒体