JPH054426Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この考案は、車両用シートに取り付けられるチ
ヤイルドシートに関する。

《従来の技術》 車両用チヤイルドシートは、一般にシート本体
の背部前面に引き出された拘束用ウエビングを有
し、ウエビングの引出し端に連結された補助パツ
ドをシート本体の座部に固定して幼児の動きを規
制保持し、幼児の安全性を確保できるようになつ
ている。第４図はこのようなチヤイルドシートの
一例を示すものである。図において、シート本体
ａの背部ｂに一対のスリツトｃが上下方向に複数
設けられており、このスリツトｃからリトラクタ
ー（不図示）によつて捲き上げ自在に設けられた
ウエビングｄが前面に引き出されている。ウエビ
ングｄの先端は、補助パツドｅに固定され、補助
パツドｅの下端部にはタングｆが設けられて、こ
のタングｆをシート本体ａの座部ｇに設けられた
バツクルｈに固定することにより幼児をシート本
体ａに拘束するようになつている。そして、ウエ
ビングｄによつて幼児を確実に拘束できるよう
に、背部ｂに設けられたスリツトｃの上下位置を
変えることにより幼児の肩とほぼ同じ高さ位置か
らウエビングｄを引き出してその幼児の体格に合
わせている。

このようなチヤイルドシートは、走行時の振動
等によつても動かされることがないようにシート
ベルトによつて車両用シートに固定され、幼児の
安全性を図つている。

《考案が解決しようとする問題点》 しかしながら、このような構造のチヤイルドシ
ートでは、幼児をシート本体ａに着座させてから
ウエビングｄを通し、補助パツドｅを座部ｇに固
定させなければならないために、補助パツドｅは
幼児の乗降時に邪魔であり、かつ乗員の手で保持
しながら幼児の拘束作業を行なわなければなら
ず、煩わしく、面倒であつた。また、幼児をシー
ト本体ａに拘束させる際には、このように手間が
かかるので介添えが必要になることさえあつた。

そこで、この考案の目的は、シート本体からの
幼児の乗降が容易に行なうことができる車両用チ
ヤイルドシートを提供することにある。

《問題点を解決するための手段》 この目的を達成するために、この考案の車両用
チヤイルドシートは、シート本体の背部から前面
に引き出されたウエビング先端に補助パツドを結
合し、該補助パツド下端部に設けたタングを前記
シート本体の座部に設けたバツクルに幼児を拘束
すべく挿着すると共に、前記シート本体の前面を
向いて前記補助パツドのタングを係止する挿着孔
を有する係止部を前記シート本体の背部最上部に
設けたことを特徴とする。

《作用》 幼児のシート本体からの乗降は、補助パツドを
シート本体の背部最上部の係止部に係止させるこ
とにより、補助パツドが邪魔にならずに容易に行
なうことができる。

《実施例》 以下、この考案の一実施例について図面を参照
して説明する。

第１図に示すように、この考案のチヤイルドシ
ート１は、座部２と背部３とが一体に形成された
合成樹脂製の中空バケツトタイプのシート本体４
と、背部３の前面に引き出された一対のウエビン
グ５と、このウエビング５の先端に結合された補
助パツド６とを備えており、背部３の上部には補
助パツド６を係止する係止部７が取り付けられて
いる。

背部３には、一対のスリツト８が縦に複数設け
られ、そのうちの一対のスリツト８からは一対の
ウエビング５が前面に引き出されている。ウエビ
ング５の基端は、座部２裏面に設けられた緊急ロ
ツク装置付きリトラクター（不図示）に常時捲き
取り方向に付勢されている。また、補助パツド６
下端には、タング９が一体的に固着されており、
座部２前部の凹段部２ａ内にブラケツト１０を介
して取り付けられたバツクル１１に挿着されるよ
うになつている。

前記係止部７は、座部２前部に取り付けられた
補助パツド６固定用のバツクル１１と同様な形状
および機能のバツクル１２により構成され、背部
３上端部のほぼ中央部にその挿着孔１２ａが前面
を向くように、ブラケツト１３を介して取り付け
られる。第２図に示すように、ブラケツト１３
は、一端をバツクル１２に一体的に取り付けら
れ、断面Ｌ字状に前方に折曲されており、一方、
他端部に穿設された挿通孔に取付ボルト１４を挿
通させて、背部３上端部の裏面に埋設されたナツ
ト１５に螺着させることにより固定される。

このように形成されたチヤイルドシート１は、
第３図に示すように、補助パツド６のタング９を
座部２のバツクル１１から解除させ、ウエビング
５を背部３内に引き込みながら補助パツド６を引
つ繰り返すように背部３上部のバツクル１２に挿
着させることにより、補助パツド６をシート本体
４に固定させて、幼児の乗降時に補助パツド６を
手で保持しないでも着座させたり、降ろしたりす
ることができる。また、幼児を、シート本体４に
着座させた後に補助パツド６を背部３上部のバツ
クル１２から解除させ、ウエビング５を幼児の肩
にかけるように引き出しながら座部２のバツクル
１１に挿着させることにより、チヤイルドシート
１に拘束することができる。

なお、バツクル１２は、背部３上部にブラケツ
ト１３を介して取り付けられるが、挿着孔１２ａ
を前面に向けるようにシート本体４に直接取り付
けてシート本体４と一体化させてもよい。

また、上記実施例では、係止部７をバツクル１
２により形成し、このバツクル１２に補助パツド
６のタング９を挿着していたが、タング９が係止
することができれば他のものでもよい。例えば、
フツクを背部３上部に突設させて、タング９中央
部の係合孔を係止させてもよい。

また、係止部７の設置場所は、図示の位置に限
定されず、乗降時に補助パツド６が邪魔にならな
ければ、背部３の最下位のスリツト８よりも上方
のいずれの位置、例えば側部であつてもよい。

《考案の効果》 以上、説明したように、この考案の車両用チヤ
イルドシートは、シート本体の背部から前面に引
き出されたウエビング先端に補助パツドを結合
し、該補助パツド下端部に設けたタングを前記シ
ート本体の座部に設けたバツクルに幼児を拘束す
べく挿着すると共に、前記シート本体の前面を向
いて前記補助パツドのタングを係止する挿着孔を
有する係止部を前記シート本体の背部最上部に設
けて構成している結果、幼児をシート本体に拘束
する場合、従来と同様、幼児をシート本体の座部
に着座させてウエビングを幼児に通し、補助パツ
ド下端部のタングを座部に設けたバツクルに挿着
するのであるが、幼児を座部に着座させる前に、
補助パツドのタングがシート本体の背部最上部に
設けた係止部の挿着孔に係止された状態に保持さ
れている結果、補助パツドが幼児の乗降時に邪魔
とならず、かつ乗員の手で保持しながら幼児の拘
束作業を行う必要がなくなり、幼児を拘束する際
の介添え等も必要としなり、幼児のシート本体か
らの乗降を容易に行うことができる。

また、この考案は、補助パツドのタングを係止
する挿着孔を有する係止部を、シート本体の背部
最上部に設け、かつ前記挿着孔がシート本体の前
面に向く構成としたため、補助パツドのシート本
体上部への移動によつて、補助パツド等がチヤイ
ルドシートの側部等に突出してチヤイルドシート
全体形状を変えることほどんどなく、車両用シー
トやアームレスト或いはドア等と緩衝せずに補助
パツドを保持可能とする。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による車両用チヤ
イルドシートを示す斜視図、第２図は同チヤイル
ドシートの係止部を示す断面図、第３図は同チヤ
イルドシートの幼児乗降時の状態を示す斜視図、
第４図は従来の車両用チヤイルドシートを示す斜
視図である。 １……車両用チヤイルドシート、２……座部、
３……背部、４……シート本体、５……ウエビン
グ、６……補助パツド、７……係止部、９……タ
ング、１１……バツクル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シート本体の背部から前面に引き出されたウエ
   ビング先端に補助パツドを結合し、該補助パツド
   下端部に設けたタングを前記シート本体の座部に
   設けたバツクルに幼児を拘束すべく挿着すると共
   に、前記シート本体の前面を向いて前記補助パツ
   ドのタングを係止する挿着孔を有する係止部を前
   記シート本体の背部最上部に設けたことを特徴と
   する車両用チヤイルドシート。