JPH045386Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この考案は、車両用シートに取り付けられて使
用されるチヤイルドシートに関する。

《従来の技術》 第４図に示すように、チヤイルドシートは、従
来一般に幼児に適合した大きさのチヤイルドシー
ト本体ａの背もたれｂ肩部より一対のウエビング
ｃを引き出して、その先端を補助パツドｄに連結
し、補助パツドｄの下端に設けたタングｅを着座
部ｆ前部に設けたバツクルｇに結合させてＹ字形
に連結し、股間部および両肩部を拘束するように
なつていた。

《考案が解決しようとする問題点》 しかしながら、上記のような構造のチヤイルド
シートでは、衝突時においてその衝撃力によりチ
ヤイルドシートに拘束している幼児の前方移動に
よる負荷を補助パツドｄが集中的に受けるため
に、補助パツドｄと着座部ｆとの取付部ｈである
タングｅおよびバツクルｇに過負荷がかかつて変
形したり破損する。

このため、補助パツド取付部ｈの負荷能力を高
めるために、タングｅ等の板厚や材質を向上させ
たりしたが、重量が増加し、コスト高になつてい
た。

そこで、この考案の目的は、衝撃力に対する補
助パツド取付部の負荷能力を高めることができる
軽量で安価なチヤイルドシートを提供することに
ある。

《問題点を解決するための手段》 この目的を達成するために、この考案のチヤイ
ルドシートは、チヤイルドシート上に幼児を拘束
するウエビングの引き出し端に連結された補助パ
ツドと、前記補助パツドの下端に設けられたタン
グを前記シートの着座部前部に設けられたバツク
ルに着脱可能に嵌合して前記補助パツドを前記着
座部前部に固定するように構成したチヤイルドシ
ートであつて、前記タングと分岐して前記ウエビ
ングの引き出し端を延長して補助ベルトとし、前
記補助ベルトの先端部を前記着座部前部に着脱可
能に固定する補助取付部を前記着座部前部に設け
ている。

《作用》 チヤイルドシートの補助パツドの固定をタンゴ
およびバツクルによる従来の取り付けに加えて補
助ベルトを使用して補強するので、補助パツド取
付部の強固を向上できる。

《実施例》 以下、この考案の一実施例について図面を参照
して説明する。

第１図および第２図に示すように、この考案の
チヤイルドシート１は、合成樹脂製の中空バケツ
トタイプからなり、その表面を肌触りの良好な表
皮１ａで覆われている。背もたれ２には一対のス
リツト３が複数縦に配置され、そのうちの一対の
スリツト３より一対のウエビング４が引き出され
ている。ウエビング４の末端は着座部５中央の取
付凹段部５ａの下面に取り付けられた緊急ロツク
装置付きリトラクター６により、常に巻き取り方
向に付勢されている。着座部５の中央前部には、
補助パツド７が各ウエビング４の引出端に結合さ
れて配置されている。補助パツド７の下端にはタ
ング８が一体に設けられ、このタング８は、着座
部５中央の取付凹段部５ａにブラケツト９ａを介
してアンカーボルト１５によりリトラクター６と
を共締め固定されたバツクル９に嵌合されて取付
部１０を構成し、補助パツド７を着座部５に固定
させる。

また、第３図に示すように、取付部１０の強度
向上のための補助取付部１１は、補助パツド７内
部において一対のウエビング４の一方の引出端を
延長して補助パツド７裏面より突出させた補助ベ
ルト１２を備えている。補助ベルト１２の先端部
には金属製のロツクプレート１３が、その取付孔
１３ａに補助ベルト１２の先端を差し込み、折り
返して縫製することにより取り付けられている。
ロツクプレート１３にはまた、中央に係合孔１３
ｂが形成されており、この係合孔１３ｂは、アン
カーボルト１５の頭部１５ａが貫通する大径部と
アンカーボルト１５の軸部１５ｂが係合可能な小
径部とからなつており、大径部に頭部１５ａを通
した後、軸部１５ｂを小径部に係合させて固定さ
せる。その結果、ロツクプレート１３は取付凹段
部５ａに確実に固定でき、補助パツド７の取付部
１０を補強することができる。この状態におい
て、補助ベルト１２は、タング８をバツクル９に
挿着しても、たるまない程度の長さを備えてい
る。

以上のように構成されているチヤイルドシート
１に幼児を着座させて拘束するには、まず着座部
５に幼児を着座させて、幼児の両肩にウエビング
４をかけるようにウエビング４を引き出し、補助
パツド７を幼児の前方に保持し、ロツクプレート
１３をアンカーボルト１５に係止させる。そして
補助パツド７のタング８をバツクル９に挿着す
る。この操作により、衝突時におけるチヤイルド
シート１乗員の幼児の前方移動による負荷を補助
取付部１１においても受けることができ、補助パ
ツド７の取付部１０であるタング８やバツクル９
にかかる負荷の一部を吸収することができる。

《考案の効果》 以上説明したように、この考案のチヤイルドシ
ートは、衝突時における衝撃力に対する補助パツ
ド取付部の強度を補助取付部によつて高めること
により、チヤイルドシート上の幼児への安全性を
従来より一段と向上させることができ、しかも軽
量で安価なチヤイルドシートを実現することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例によるチヤイルド
シートを示す斜視図、第２図は同チヤイルドシー
トを示す断面図、第３図は同チヤイルドシートの
補助パツド取付部および補助取付部周辺を示す分
解斜視図、第４図はこの考案に係る従来のチヤイ
ルドシートを示す斜視図である。 １……チヤイルドシート、２……背もたれ、４
……ウエビング、５……着座部、７……補助パツ
ド、８……タング、９……バツクル、１０……取
付部、１１……補助取付部、１２……補助ベル
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チヤイルドシート上に幼児を拘束するウエビン
   グの引き出し端に連結された補助パツドと、前記
   補助パツドの下端に設けられたタングを前記シー
   トの着座部前部に設けられたバツクルに着脱可能
   に嵌合して前記補助パツドを前記着座部前部に固
   定するように構成したチヤイルドシートであつ
   て、前記タングと分岐して前記ウエビングの引き
   出し端を延長して補助ベルトとし、前記補助ベル
   トの先端部を前記着座部前部に着脱可能に固定す
   る補助取付部を前記着座部前部に設けたことを特
   徴とするチヤイルドシート。