JPH0543663A - 熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物の製造方法 - Google Patents
熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物の製造方法Info
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- JPH0543663A JPH0543663A JP22529091A JP22529091A JPH0543663A JP H0543663 A JPH0543663 A JP H0543663A JP 22529091 A JP22529091 A JP 22529091A JP 22529091 A JP22529091 A JP 22529091A JP H0543663 A JPH0543663 A JP H0543663A
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Abstract
加反応中または水素添加反応後に反応液を吸着剤で処理
して、熱可塑性飽和ノルボルネン系重合体を得る。 【効果】 重合触媒に由来する遷移金属原子の含量が1
ppm以下の熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物
を得ることができる。この重合体水素添加物は透明性に
優れ、金属膜等との密着性がよい。
Description
系重合体水素添加物の製造方法に関し、さらに詳しく
は、熱可塑性ノルボルネン系重合体を溶剤と水素添加触
媒の存在下に水素添加して熱可塑性ノルボルネン系重合
体水素添加物を製造するに際し、水素添加反応中または
水素添加反応後に吸着剤で処理することを特徴とする該
熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物の製造方法に
関する。
い材料が要求されており、特にレンズの材料としては、
厚さ3mmの射出成形品としたときに波長400〜70
0nmの全範囲において光線透過率が90%以上となる
ものが好ましいとされている。すなわち、可視光線の一
部において光線透過率が劣るとレンズが着色し、また、
強い光源の近くで用いる場合にその波長の光エネルギー
が吸収され、熱に変換され高温になるため、ある程度耐
熱性の高い材料であっても融解する危険性が生じる。
ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリカーボネ
ート(PC)が知られている。この内、PMMAは透明
性に優れており、厚さ3mmの射出成形品での光線透過
率については波長430nmで90%、700nmで9
1%に達しているが、耐熱性、耐湿性の点で問題があっ
た。また、PCは耐熱性、耐湿性はPMMAよりも優れ
ているが、波長430nmでの光線透過率が高々86%
程度であり、さらに複屈折が大きいという問題があっ
た。
添加物は耐熱性、耐湿性、低複屈折性に優れた光学材料
として注目されている。しかし、従来法で製造した熱可
塑性ノルボルネン系重合体水素添加物で厚さ3mmの成
形品を射出成形すると波長700nmの光線透過率は9
0%以上になるものの、430nmでの光線透過率は9
0%未満のものしか得られていなかった。さらに、熱可
塑性飽和ノルボルネン系重合体水素添加物製の基板に金
属膜を蒸着した情報媒体光学素子を作製しても、高温高
湿状態などでフクレが発生するなど、金属膜と基板の接
着性が必ずしも充分でない場合があり、その改善が望ま
れていた。
である遷移金属原子を低濃度にすることにより熱可塑性
ノルボルネン系重合体水素添加物の透明性や金属膜との
接着性が改善されることを見いだした。しかし、従来か
ら用いられていた重合体を貧溶媒で洗浄する方法、非溶
媒で重合触媒を析出させる方法や、水酸基を有する化合
物の存在下で重合反応液を活性アルミナ、ゼオライトな
どの吸着剤で処理する方法(特開平3−66725号)
で重合触媒を除去しても、処理後の重合体中の重合触媒
残渣である遷移金属原子の濃度は2ppm程度以上であ
り、熱可塑性ノルボルネン系重合体の水素添加物におい
ても、各遷移金属原子の濃度が2ppm程度未満のもの
は得られていなかった。
性ノルボルネン系重合体水素添加物の透明性、金属膜と
の接着性の問題を鋭意研究の結果、熱可塑性ノルボルネ
ン系重合体水素添加物中に微量残存する重合触媒由来の
遷移金属原子が透明性及び金属膜との接着性に悪影響を
及ぼしていること、熱可塑性ノルボルネン系重合体を溶
剤と水素添加触媒の存在下に水素添加して熱可塑性ノル
ボルネン系重合体水素添加物を製造するに際し、熱可塑
性ノルボルネン系重合体の水素添加反応中、または水素
添加反応後に反応液を吸着剤で処理することにより、反
応液中から該遷移金属が容易に除去でき、透明性、金属
膜との接着性のよい熱可塑性ノルボルネン系重合体水素
添加物を得ることができることを見いだした。
ば、重合触媒由来の遷移金属原子の含量の少ない熱可塑
性ノルボルネン系重合体水素添加物の製造方法が提供さ
れる。
の熱可塑性ノルボルネン系重合体は、モノマーを重合す
る際の重合触媒を不純物として含有するものである。ポ
リマーの具体例としては、ノルボルネン系モノマーの開
環重合体、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、ノ
ルボルネン系モノマーとオレフィンの付加型重合体など
が挙げられる。
ノルボルネン、およびそのアルキルおよび/またはアル
キリデン置換体、例えば、5−メチル−2−ノルボルネ
ン、5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2
−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−
エチリデン−2−ノルボルネン等、これらのハロゲン等
の極性基置換体;ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒ
ドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナ
フタレン、そのアルキルおよび/またはアルキリデン置
換体、およびハロゲン等の極性基置換体、例えば、6−
メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナルタレン、6−
エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−
エチリデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−
1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン等;シクロペンタジエンとテトラヒドロインデ
ン等との付加物;シクロペンタジエンの3〜4量体、例
えば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,
5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾ
インデン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−
3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10
a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタ
アントラセン;等が挙げられる。
環重合は、通常、本質的に遷移金属化合物と周期律表第
I〜IV族金属の有機金属化合物とから成る触媒を用い
て行われる。遷移金属化合物としては、チタン、モリブ
デン、タングステン等の遷移金属の、ハロゲン化物、オ
キシハライド、酸化物等が挙げられ、具体的には、Ti
Cl4、TiBr4、WBr4、WCl6、WOF4、Mo
Br2、MoCl5、MoOF4などが挙げられる。ま
た、第I〜IV族金属の有機金属化合物としては、有機
アルミニウム化合物、有機スズ化合物などが挙げられ、
具体的には、トリメチルアルミニウム、トリフェニルア
ルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド、テト
ラブチルスズ、ジエチルスズジイオジド、n−ブチルリ
チウム、ジエチル亜鉛、トリメチルホウ素などが挙げら
れる。
る、またはノルボルネン系モノマーとオレフィンを付加
型重合させる場合も、公知の遷移金属触媒を用いて、公
知の方法で開環重合すればよい。通常は、マグネシウム
化合物に担持されたチタン化合物またはバナジウム化合
物、およびアルキルアルミニウム化合物とから形成され
る触媒を用いる。マグネシウム化合物に担持されたチタ
ン化合物またはバナジウム化合物としては、少なくとも
マグネシウム、チタンおよびハロゲンを含有する複合体
であり、その製造方法は例えば特開昭48−16986
号、特開昭51−20297号、特開昭52−8748
9号、特開昭53−2580号などに開示されている。
バナジウム化合物としては、VCl4、VOBr2、VO
(OCH3)2Cl、VO(OC3H7)3、VO(OC4H
9)Cl2などやこれらの混合物などが例示される。アル
キルアルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミ
ニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルア
ルミニウムジハライドなどやこれらの混合物などが例示
される。
後、重合を停止する。重合を停止するには、重合触媒を
不活化し、その後、重合触媒を除去する。重合触媒を不
活化するには、例えば、水、アルコールなどの触媒不活
化剤を重合反応液に加えればよい。これにより重合触媒
は析出するが、還流すれば析出した重合触媒が硬く大き
な塊となるので、除去がしやすくなる。重合触媒を除去
するには、例えば、不活化し析出した重合触媒を遠心に
よって除去する、濾過によって除去する、あるいは反応
を停止させた重合反応液を大量の貧溶媒で洗浄すればよ
い。または、水酸基を有する化合物の存在下で重合反応
液を活性アルミナ、ゼオライトなどの吸着剤で処理して
もよい。これらの方法による除去では、通常、重合触媒
に由来する遷移金属原子が重合体に対して2〜10pp
m程度残留する。
重合体はその分子中のオレフィン系不飽和基、すなわち
主鎖の二重結合および不飽和環の二重結合を飽和させる
ことにより、熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物
とすることができる。
に際して一般にしようされているものであれば使用可能
であり、例えば、ウィルキンソン錯体、酢酸コバルト/
トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナー
ト/トリイソブチルアルミニウムや、ケイソウ土、マグ
ネシア、アルミナ、合成ゼオライトなどに、ニッケル、
パラジウム、白金等触媒金属を担持させた不均一触媒が
挙げられる。中でも、マグネシア、活性アルミナ、合成
ゼオライトを担体とした細孔容積0.5cm3/g以
上、好ましくは0.7cm3/g以上、また好ましくは
比表面積250m2/g以上の不均一触媒が好ましい。
じて1〜150気圧の水素圧力下、0〜280℃、好ま
しくは20〜230℃で行われる。例えば、活性アルミ
ナにニッケルを担持させた触媒の場合、200〜250
℃が好ましく、220〜230℃がさらに好ましい。水
素添加率は、水素圧、反応温度、反応時間、触媒濃度な
どを変えることによって任意に調整することができる。
合体の水素添加反応は、通常、不活性有機溶媒中で実施
する。有機溶媒としては、炭化水素系溶媒が好ましく、
その中でも生成するノルボルネン系重合体の溶解性に優
れた環状炭化水素系溶媒が特に好ましい。具体例として
は、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、n−ペン
タン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、
デカリン等の脂環族炭化水素、メチレンジクロリド、ジ
クロルエタン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられ、こ
れらの2種以上を混合して使用することもできる。溶媒
を使用する場合は、ノルボルネン系重合体1重量部に対
する溶媒の使用量は、1〜20重量部、好ましくは1〜
10重量部である。
の除去は遠心、濾過などの常法に従って行えばよい。遠
心方法や濾過方法は用いた触媒が除去できる条件であれ
ば、特に限定されない。化による除去は簡便かつ効率的
であるので好ましい。濾過する場合、加圧濾過しても吸
引濾過してもよく、また、効率の点から、ケイソウ土、
パーライトなどの濾過助剤を用いることが好ましい。後
述のように、重合触媒に由来する遷移金属原子に対する
吸着剤を濾過助剤として用いてもよい。
として、粒径0.2μm以上のもの、即ち、粒径が0.
2μm未満のものを実質的に含まないものを用いると、
濾過による不均一系触媒の除去が容易であるので好まし
い。粒径が小さすぎると濾過の際にリークしやすく、ま
た遠心しても除去が困難になり、熱可塑性ノルボルネン
系重合体水素添加物中の重合触媒や水素添加触媒の残渣
である遷移金属原子量が多くなる。また、リークしない
ように孔径の小さなフィルターを用いて濾過すると目詰
まりを起こしやすく、作業効率が悪い。
反応液を吸着剤で処理する。重合反応液を水素添加前に
吸着剤で処理しても、重合触媒由来の遷移金属原子は除
去できるが、重合触媒由来の遷移金属原子が存在しても
水素添加反応には影響がほとんどないので、連続して水
素添加反応を行うことが好ましく、通常、水素添加反応
中、または水素添加反応後に反応液を吸着剤で処理し
て、重合触媒由来の遷移金属原子を除去する。
反応の始めから反応液に吸着剤を添加して反応を行い水
素添加反応触媒と吸着剤を同時に除去する、(2)水素
添加反応の始めから反応液に吸着剤を添加して反応を行
い吸着剤を除去後に水素添加反応触媒を除去する、
(3)水素添加反応の途中から反応液に吸着剤を添加し
て反応を行い水素添加反応触媒と吸着剤を同時に除去す
る、(4)水素添加反応の途中から反応液に吸着剤を添
加して反応を行い吸着剤を除去後に水素添加反応触媒を
除去するなどの方法があり、水素添加反応後の吸着処理
とは、(5)水素添加反応終了後反応液に吸着剤を添加
して攪拌し水素添加反応触媒と吸着剤を同時に除去す
る、(6)水素添加反応終了後反応液に吸着剤を添加し
て攪拌し吸着剤を除去後に水素添加反応触媒を除去す
る、(7)水素添加反応終了後反応液を吸着剤カラムに
通した後水素添加反応触媒を除去する、(8)水素添加
反応終了後水素添加反応触媒の除去の方法として反応液
を吸着剤カラムに通す、(9)水素添加触媒除去後に反
応液を吸着剤カラムに通す、(10)水素添加触媒除去
後に反応液に吸着剤を添加し充分に攪拌し吸着剤を除去
する、などの方法がある。これらを組み合わせて行って
もよい。(8)の方法の変法として、例えば、吸着剤を
濾過助剤として用いて水素添加触媒を除去してもよい。
る重合触媒由来の遷移金属原子の除去効率の観点から、
(1)、(2)、(3)、(4)の水素添加反応中に吸
着剤処理をする方法が好ましい。さらに、処理時間の長
さ、操作の安全性から、(1)、(2)の方法が好まし
く、中でも(1)は水素添加触媒と吸着剤を同時に除去
するので作業効率がよい。
触媒残渣を十分に吸着できるものであれば、特に限定さ
れないが、合成ゼオライト、天然ゼオライト、活性アル
ミナ、活性白土などのSiO2、Al2O3、またはこれ
らの結晶性、非晶性の混合組成物が好ましい。また、比
表面積が50m2/g以上、好ましくは100m2/g以
上、より好ましくは200m2/g以上、細孔容積が
0.5cm3/g以上、好ましくは0.6cm3/g以
上、より好ましくは0.7cm3/g以上のものであ
る。比表面積や細孔容積が小さいと吸着能力が劣る。大
きさは0.2μm以上、好ましく10μm〜3cm、よ
り好ましくは100μm〜1cmのものである。小さす
ぎると除去が困難であり、大きすぎるとカラムの充填率
が悪かったり、水素添加物溶液中の遷移金属触媒残渣と
の接触確率が小さいため、充分に吸着しない。
吸着剤充填カラムに溶液を通す方法、(II)吸着剤を
添加し攪拌し濾過等により吸着剤を除去する方法、(I
II)水素添加反応時に吸着剤を添加する方法などがあ
る。前述のように、(III)の水素添加反応時に吸着
剤を添加する方法が最も好ましい。
(m2/g)、滞留時間をt(sec)とした時にρS
t(秒/m)が109以上になるように処理すればよ
い。通常、Sは100〜1000m2/g程度で、ρは
4〜8×105g/m3程度であるので滞留時間を30秒
以上にすればよい。
ると吸着能が落ちるので、処理時間の延長等が必要とな
り、さらには飽和に達し吸着しなくなるので、吸着処理
後の重合触媒残渣である各遷移金属原子の濃度が高くな
り始めた時点で、新しいものに再充填するなどの必要が
ある。
る方法 前記(5)、(6)、(10)に相当する。
をm(g)、攪拌時間をt(秒)、処理する溶液量をV
(g)、水素添加物溶液濃度をcとした時にSmt/V
c(秒/m)が103以上、好ましくは104以上、より
好ましくは105以上であり、Sm/Vcが1以上、好
ましくは5以上、より好ましくは10以上であり、t
(秒)が100以上、好ましくは200以上、より好ま
しくは300以上になるように処理すればよい。攪拌の
効率によっては、攪拌時間は長くする必要があり、実際
には攪拌の効率は制御が困難であるので、作業全体の効
率が許す限りにおいて、長く攪拌することが好ましい。
であるので、水素添加物溶液濃度が10%の場合、例え
ば、溶液1kgに対して吸着剤を10g以上添加し、1
00秒以上充分に攪拌すればよい。
する方法 前記(1)、(2)、(3)、(4)に相当する、本発
明の最も好ましい態様である。
ただし、特に水素添加反応の始めから吸着剤を添加する
(1)、(2)の場合は、(III)における攪拌時間
が水素添加反応時間になり、長時間となるので、通常、
Sm/Vcのみを問題とすればよい。
物)本発明の熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物
は従来の熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物と同
様に、耐熱性、耐熱劣化性、耐光劣化性、耐湿性、耐薬
品性等に優れているのみでなく、重合触媒に由来する遷
移金属原子の含量が小さい。そのため、本発明の熱可塑
性ノルボルネン系重合体水素添加物は従来のものに比較
して透明性に優れ、また、例えば、後述の金属反射膜や
金属記録膜などを有する情報記録媒体光学素子において
は高温高湿状態でもフクレが発生しにくなど、金属膜等
との密着性が良い。
系重合体水素添加物には必要に応じて周知の添加剤、例
えば、酸化防止剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、
可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、耐熱安定剤、水添石油樹
脂、染料、顔料、無機および有機の充填剤などを配合
し、樹脂組成物として使用することができる。
ン系重合体水素添加物は常法に従って光学素子基板に成
形可能である。その成形法は、特に限定されず、通常の
プラスチック成形法、例えば、射出成形法、押出成形
法、圧縮成形法等の成形法が適用できる。
を形成することにより、情報記録媒体光学素子が得られ
る。情報記録膜層としては通常金属膜が金属反射膜また
は金属記録膜として用いられ、情報記録媒体素子光学素
子、例えば光学式記録媒体ディスクや光学式記録媒体カ
ードが製造される。金属反射膜の形成は反射率の高い金
属、例えば、ニッケル、アルミニウム、金などを蒸着さ
せることによって行われ、また金属記録膜の場合には、
光磁気記録膜として一般的なTb−Fe−Co系合金等
を蒸着させることによって行われる。光学素子基板への
金属膜の蒸着方法も、特に限定されず、通常の蒸着方
法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法等が適用で
きる。
0−141518号、特開昭60−225722号、特
開昭61−144316号などにより、プラスチックレ
ンズを成形することもできる。
ンを公知の方法で接着して光学素子、例えばフレネルレ
ンズなどを製造することができる。
本発明をさらに具体的に説明する。
チリデン−2−テトラシクロドデセン27gに対し、1
−ヘキセン、トルエンをそれぞれ3mmol、120m
lの割合で加えた。
mol、四塩化チタン0.60mmol、およびトリエ
チルアミン3.0mmolの割合で加え、25℃で攪拌
下4時間、開環重合反応させた。蒸留水を140gの割
合で加えて、1時間攪拌することにより水洗し、その
後、アセトン・イソプロピルアルコール等量混合溶剤で
開環重合体を沈澱させ、濾過後、乾燥して開環重合体を
得た。
Tgは146℃であった。
キサン90重量部に溶解し、原子吸光分析法により、遷
移金属触媒残渣であるチタン原子の濃度を測定したとこ
ろ、開環重合体水素添加物に対して37ppmであっ
た。
を100mlの割合で加えて溶解し、パラジウムカーボ
ン1gの割合で加え、ステンレス製アンプル中に入れ、
混合後、アンプル中の空気を水素で置換して水素圧を5
0kg/cm2Gとし、10℃で攪拌しつつ30分保持
した。その後、120℃に昇温して18時間保持して水
素添加した。蒸留水を100gの割合で加えて、1時間
攪拌することにより水洗し、その後、アセトン・イソプ
ロピルアルコール等量混合溶剤で開環重合体を沈澱さ
せ、濾過後、乾燥して開環重合体水素添加物を得た。
99.7%、Tgは140℃であった。
をシクロヘキサン90重量部に溶解し、原子吸光分析法
により、遷移金属触媒残渣であるチタン原子およびパラ
ジウム原子の濃度を測定したところ、開環重合体水素添
加物に対して、それぞれ、9ppm、4ppmであっ
た。
00mlの割合で加えて溶解し、パラジウムカーボン1
g、活性アルミナ(比表面積320m2/g、細孔容積
0.8cm3/g、平均粒径15μm、水澤化学製、ネ
オビードD粉末)0.3gの割合で加え、ステンレス製
アンプル中に入れ、混合後、アンプル中の空気を水素で
置換して水素圧を50kg/cm2Gとし、10℃で攪
拌しつつ30分保持した。その後、120℃に昇温して
18時間保持して水素添加した。濾過してパラジウムカ
ーボンと活性アルミナを除去し、アセトン・イソプロピ
ルアルコール等量混合溶剤で開環重合体を沈澱させ、濾
過後、乾燥して開環重合体水素添加物を得た。
99.7%、Tgは140℃であった。
をシクロヘキサン90重量部に溶解し、原子吸光分析法
により、遷移金属触媒残渣であるチタン原子およびパラ
ジウム原子の濃度を測定したところ、開環重合体水素添
加物に対して、どちらも検出限界の1ppm以下であっ
た。
径約3mmの活性アルミナ(水澤化学製、ネオビードD
ペレット)を半径3cm、高さ100cmのカラムに充
填したカラムに(充填率5.0×105g/m3)、滞留
時間100秒になるように、参考例2で得た水素添加物
10重量部をシクロヘキサン90重量部に溶解した溶液
を通した。この溶液を用いて、原子吸光分析法により、
遷移金属触媒残渣であるチタン原子およびパラジウム原
子の濃度を測定したところ、開環重合体水素添加物に対
して、どちらも検出限界の1ppm以下であった。
径1.8mmの合成ゼオライト(水澤化学製、ミズカシ
ーブス−13X)を半径3cm、高さ100cmのカラ
ムに充填したカラムに(充填率8.8×105g/
m3)、滞留時間100秒になるように、参考例2で得
た水素添加物10重量部をシクロヘキサン90重量部に
溶解した溶液を通した。この溶液を用いて、原子吸光分
析法により、遷移金属触媒残渣であるチタン原子および
パラジウム原子の濃度を測定したところ、開環重合体水
素添加物に対して、どちらも検出限界以下の1ppm以
下であった。
90重量部に溶解した溶液300gを半径10cmの1
lビーカーに入れ、実施例1で用いた活性アルミナ6g
を添加し、長さ3cmのテフロン製円筒形スターラーチ
ップを入れ、60分間、マグネチック・スターラーで1
00rpmで回転させた。
の溶液を用いて、原子吸光分析法により、遷移金属触媒
残渣であるチタン原子およびパラジウム原子の濃度を測
定したところ、開環重合体水素添加物に対して、どちら
も検出限界の1ppm以下であった。
て、金型温度110℃、射出温度300℃で、実施例1
〜4で得た重合体水素添加物を、それぞれ厚さ1.2m
m、130mm径の光ディスク基板に成形した。これら
の基板に金属アルミニウムを真空蒸着し、70℃、湿度
90%で24時間高温高湿試験をしたが、金属アルミニ
ウム膜と基板の接着にはフクレなどの異常が認められな
かった。
得た重合体水素添加物を用いる以外は実施例5と同様に
光ディスク基板を成形し、金属アルミニウムを蒸着し、
高温高湿試験を行ったが、金属アルミニウム膜と基板の
間にフクレが認められ、接着性に問題があった。
て、金型145℃、射出温度290℃で実施例1〜4で
得た重合体水素添加物を、それぞれ厚さ3mmのプロジ
ェクションTV用レンズを成形し、射出後6分で90℃
まで冷却した。分光光度計を用いて光線透過率を測定し
たところ、400〜700nmの全領域において90%
以上、最低でもそれぞれ、90.6%、90.5%、9
0.2%、90.4%であった。特に実施例1で得た重
合体水素添加物は400〜700nmの全範囲において
最も光線透過率に優れていた。
2で得た重合体水素添加物を用いる以外は実施例6と同
様にレンズを成形したところ、400〜450nmの領
域で光線透過率は90%以下、最高でも89.0%であ
った。
熱性、耐湿性等は従来の熱可塑性ノルボルネン系樹脂と
変わらないが、透明性が向上し、厚さ3mmの射出成形
品において430nmの光線透過率が90%以上である
ため、透明性が要求される光学素子の材料に適してい
る。また、重合触媒に由来する遷移金属原子の含量が1
ppm以下であり、光学素子の金属膜等との密着性が良
い。
Claims (1)
- 【請求項1】 熱可塑性ノルボルネン系重合体を溶剤と
水素添加触媒の存在下に水素添加して熱可塑性ノルボル
ネン系重合体水素添加物を製造するに際し、水素添加反
応中または水素添加反応後に反応液を吸着剤で処理する
ことを特徴とする熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添
加物の製造方法。
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