JP3151862B2 - 熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物、その製造方法、それを成形した光学素子基板、光学素子、及びレンズ - Google Patents

熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物、その製造方法、それを成形した光学素子基板、光学素子、及びレンズ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性ノルボルネン
系重合体水素添加物、その製造方法、それを成形した光
学素子基板、光学素子、及びレンズに関する。さらに詳
しくは、重合触媒に由来する遷移金属原子の含量が1p
pm以下の熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物、
その製造方法、それを成形した光学素子基板、光学素
子、及びレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光学材料としては光線透過率の高
い材料が要求されており、特にレンズの材料としては、
厚さ3mmの射出成形品としたときの波長400〜70
0nmの全範囲において光線透過率が90%以上となる
ものが好ましいとされている。すなわち、可視光線の一
部において光線透過率が劣るとレンズが着色し、また、
強い光源の近くで用いる場合にその波長の光エネルギー
が吸収され、熱に変換され高温になるため、ある程度耐
熱性の高い材料であっても融解する危険性が生じる。
【0003】従来から光学材料としてポリメチルメタク
リレート(PMMA)やポリカーボネート(PC)が知
られている。この内、PMMAは透明性に優れており、
厚さ3mmの射出成形品での光線透過率については波長
430nmで90%、700nmで91%に達している
が、耐熱性、耐湿性の点で問題があった。また、PCは
耐熱性、耐湿性はPMMAよりも優れているが、波長4
30nmでの光線透過率が高々86%程度であり、さら
に複屈折が大きいという問題があった。
【0004】近時、熱可塑性ノルボルネン系重合体水素
添加物は耐熱性、耐湿性、低複屈折性に優れた光学材料
として注目されている。しかし、従来法で製造した熱可
塑性ノルボルネン系重合体水素添加物で厚さ3mmの成
形品を射出成形すると、波長700nmの光線透過率が
90%以上になるものの、430nmでの光線透過率は
90%未満のものしか得られていなかった。さらに、そ
の水素添加物を成形した基板に金属膜を蒸着した情報媒
体媒体光学素子を作製しても、高温高湿状態などでフク
レが発生するなど、金属膜との接着性が必ずしも充分で
ない場合があり、その改善が望まれていた。
【0005】後述のように、本発明者らは重合触媒残渣
である遷移金属原子を低濃度にすることにより熱可塑性
ノルボルネン系重合体水素添加物の透明性や金属膜との
接着性が改善されることを見いだした。従来用いられて
いた重合体を貧溶媒で洗浄する方法や、水酸基を有する
化合物の存在下で重合反応液を活性アルミナ、ゼオライ
トなどの吸着剤で処理する方法(特開平3−66725
号)で重合触媒残渣を除去しても、処理後の重合体中の
重合触媒残渣である遷移金属原子の濃度は2ppm程度
以上であり、重合触媒に由来する遷移金属原子の濃度が
1ppm以下の熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加
物は知られていなかった。
【0006】熱可塑性ノルボルネン系重合体の水素添加
反応に不均一系触媒を用いることは特開平1−3111
20号、特開平3−66725号などに記載され。担体
としてカーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどが例
示されている。しかし、従来使用されている担体は吸着
性能を付与するには、細孔容積や比表面積が不足する程
度のものが多く、細孔容積や比表面積の大きな担体に触
媒金属を担持させた不均一系触媒を使用した例は知られ
ていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、熱可塑
性ノルボルネン系重合体水素添加物の透明性、金属膜と
の接着性の問題を鋭意研究の結果、重合体水素添加物溶
液中に微量残存する重合触媒に由来する遷移金属原子が
透明性及び金属膜との接着性に悪影響を及ぼしているこ
と、その遷移金属原子は重合体の水素添加反応において
吸着剤に触媒金属を担持させた細孔容積0.5cm3
g以上の不均一系触媒を用いることにより容易に除去で
き、重合触媒に由来する遷移金属原子の含量が1ppm
以下の熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物を得る
ことができることを見いだし、本発明を完成させるに到
った。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、重合触媒に由来する遷移金属原子の含量が1ppm
以下の熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物、その
製造方法、該水素添加物を成形した光学素子基板、光学
素子、及びレンズが提供される。
【0009】(熱可塑性ノルボルネン系重合体)本発明
で熱可塑性ノルボルネン系重合体は、モノマーを重合す
る際の重合触媒を不純物として含有するものである。ポ
リマーの具体例としては、ノルボルネン系モノマーの開
環重合体、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、ノ
ルボルネン系モノマーとオレフィンの付加型重合体など
が挙げられる。
【0010】ノルボルネン系モノマーとして、例えば、
ノルボルネン、およびそのアルキルおよび/またはアル
キリデン置換体、例えば、5−メチル−2−ノルボルネ
ン、5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2
−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−
エチリデン−2−ノルボルネン等、これらのハロゲン等
の極性基置換体;ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒ
ドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナ
フタレン、そのアルキルおよび/またはアルキリデン置
換体、およびハロゲン等の極性基置換体、例えば、6−
メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナルタレン、6−
エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−
エチリデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−
1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン等;シクロペンタジエンの3〜4量体、例え
ば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,
8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾイン
デン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3
a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10
a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタ
アントラセン;等が挙げられる。
【0011】(重合方法)ノルボルネン系モノマーの開
環重合は、通常、本質的に遷移金属化合物と周期律表第
I〜IV族金属の有機金属化合物とから成る触媒を用い
て行われる。遷移金属化合物としては、チタン、モリブ
デン、タングステン等の遷移金属の、ハロゲン化物、オ
キシハライド、酸化物等が挙げられ、具体的には、Ti
Cl4、TiBr4、WBr4、WCl6、WOF4、Mo
Br2、MoCl5、MoOF4などが挙げられる。ま
た、第I〜IV族金属の有機金属化合物としては、有機
アルミニウム化合物、有機スズ化合物などが挙げられ、
具体的には、トリメチルアルミニウム、トリフェニルア
ルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド、テト
ラブチルスズ、ジエチルスズジイオジド、n−ブチルリ
チウム、ジアチル亜鉛、トリメチルホウ素などが挙げら
れる。
【0012】ノルボルネン系モノマーを付加型重合させ
る、またはノルボルネン系モノマーとオレフィンを付加
型重合させる場合も、公知の遷移金属触媒を用いて、公
知の方法で開環重合すればよい。通常は、マグネシウム
化合物に担持されたチタン化合物またはバナジウム化合
物、およびアルキルアルミニウム化合物とから形成され
る触媒を用いる。マグネシウム化合物に担持されたチタ
ン化合物またはバナジウム化合物としては、少なくとも
マグネシウム、チタンおよびハロゲンを含有する複合体
であり、その製造方法は例えば特開昭48−16986
号、特開昭51−20297号、特開昭52−8748
9号、特開昭53−2580号などに開示されている。
バナジウム化合物としては、VCl4、VOBr2、VO
(OCH32Cl、VO(OC373、VO(OC4
9)Cl2などやこれらの混合物などが例示される。アル
キルアルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミ
ニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルア
ルミニウムジハライドなどやこれらの混合物などが例示
される。
【0013】目的に応じた分子量まで重合が進行した
後、重合を停止する。重合を停止するには、重合触媒を
不活化し、その後、重合触媒を除去する。重合触媒を不
活化するには、例えば、水、アルコールなどの触媒不活
化剤を重合反応液に加えればよい。これにより重合触媒
は析出するが、還流すれば析出した重合触媒が硬く大き
な塊となるので、除去がしやすくなる。重合触媒を除去
するには、例えば、不活化し析出した重合触媒を遠心に
よって除去する、濾過によって除去する、あるいは反応
を停止させた重合反応液を大量の貧溶媒で洗浄すればよ
い。または、水酸基を有する化合物の存在下で重合反応
液を活性アルミナ、ゼオライトなどの吸着剤で処理して
もよい。これらの方法による除去では、通常、重合触媒
に由来する遷移金属原子が2〜10ppm程度残留す
る。
【0014】(水素添加反応)熱可塑性ノルボルネン系
重合体はその分子中のオレフィン系不飽和基、すなわち
主鎖の二重結合および不飽和環の二重結合を飽和させる
ことにより、熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物
とすることができる。
【0015】水素添加触媒はオレフィン化合物の水素添
加に使用できる不均一系触媒の内、吸着剤に触媒金属を
担持させた細孔容積0.5cm3/g以上のものであれ
ば、特に限定されない。本発明にいう吸着剤は、重合触
媒残渣やゲル化した樹脂等に対する吸着能を有するもの
である。例えば、本発明に用いる不均一系触媒として
は、細孔容積0.5cm3/g以上、好ましくは0.7
cm3/g以上、また好ましくは比表面積250m2/g
以上のマグネシア、活性アルミナ、合成ゼオライト等に
触媒金属を担持させたものが挙げられる。活性アルミ
ナ、合成ゼオライト等が重合触媒残渣やゲル化した樹脂
等の吸着能に優れているため好ましく、中でも活性アル
ミナが不純物の吸着による触媒活性の低下が小さく高活
性を維持するので特に好ましい。触媒金属としては、ニ
ッケル、パラジウム、白金等が挙げられる。
【0016】不均一系触媒は、公知の方法で、例えば
公昭50−15474号、特公昭49−32187号、
特公昭49−11312号、特公昭51−48479号
などに従い、乾燥や焼成の条件によって、担体の吸着能
を制御して製造されたものを使用すればい。例えば、
ニッケルを活性アルミナに担持した不均一系触媒の場
合、濃度10〜20%の硫酸ニッケルまたは硝酸ニッケ
ル水溶液に水酸化アルミニウム粉末を10〜20%の濃
度で懸濁し、水酸化ナトリウムで加水分解することによ
り、水酸化アルミニウムの表面に水酸化ニッケルを担持
させる。この粉末を濾過により回収し、押し出しにより
固め、350〜450℃で焼成し、水素と100〜20
0℃で接触させて表面を還元し、さらに酸素の存在下で
80〜120℃に熱することにより金属表面を酸化し、
酸化物膜を形成することにより、活性アルミナに担持し
たニッケル触媒が得られる。なお、ニッケルの表面が酸
化ニッケルで覆われているが、水素添加反応の系中では
還元により、酸化ニッケルがニッケルとなり、触媒とし
て機能する。
【0017】不均一系触媒は、押し出しの条件、焼成の
温度や圧力等により、活性アルミナの微細な構造が変化
するので、細孔容積0.5cm/g以上、好ましくは
0.7cm/g以上、また好ましくは比表面積250
cm/g以上になるように条件を選択して製造された
ものを使用する。また、高温で水素添加する場合は、酸
化物膜が厚いほど耐熱性を持つので、酸化の温度、時
間、酸素濃度などを調節して、好ましい条件を選択して
製造されたものを使用する。こうして製造された焼成物
を粉砕して得られた不均一系触媒を使用する。
【0018】本発明における熱可塑性ノルボルネン系重
合体の水素添加反応は、通常、不活性有機溶媒中で実施
する。有機溶媒としては、炭化水素系溶媒が好ましく、
その中でも生成するノルボルネン系重合体の溶解性に優
れた環状炭化水素系溶媒が特に好ましい。具体例として
は、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、n−ペン
タン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、
デカリン等の脂環族炭化水素、メチレンジクロリド、ジ
クロルエタン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられ、こ
れらの2種以上を混合して使用することもできる。溶媒
を使用する場合は、ノルボルネン系重合体1重量部に対
する溶媒の使用量は、1〜20重量部、好ましくは1〜
10重量部である。
【0019】水素添加反応は、不均一系触媒の種類に応
じて1〜150気圧の水素圧力下、0〜280℃、好ま
しくは20〜230℃で行われる。合成ゼオライトや活
性アルミナを用いた場合は、反応効率の観点から、温度
は高い方が反応が進み、特にニッケルを活性アルミナに
担持したものを用いた場合は、200〜250℃が好ま
しく、220〜230℃がさらに好ましい。水素添加率
は、水素圧、反応温度、反応時間、触媒濃度などを変え
ることによって任意に調整することができる。
【0020】(触媒の除去)不均一系触媒の除去は遠
心、濾過などの常法に従って行えばよい。遠心方法や濾
過方法は用いた不均一系触媒が除去できる条件であれ
ば、特に限定されない。化による除去は簡便かつ効率的
であるので好ましい。濾過する場合、加圧濾過しても吸
引濾過してもよく、また、効率の点から、ケイソウ土、
パーライトなどの濾過助剤を用いることが好ましい。
【0021】さらに、水素添加触媒である不均一系触媒
として、粒径0.2μm以上のもの、即ち、粒径が0.
2μm未満のものを実質的に含まないものを用いると、
濾過による不均一系触媒の除去が容易であるので好まし
い。粒径が小さすぎると濾過の際にリークしやすく、ま
た遠心しても除去が困難になり、熱可塑性ノルボルネン
系重合体水素添加物中の重合触媒や水素添加触媒の残渣
である遷移金属原子量が多くなる。また、リークしない
ように孔径の小さなフィルターを用いて濾過すると目詰
まりを起こしやすく、作業効率が悪い。
【0022】(熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加
物)本発明の熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物
は従来の熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物と同
様に、耐熱性、耐熱劣化性、耐光劣化性、耐湿性、耐薬
品性等に優れているのみでなく、遷移金属原子の含量が
小さく、重合触媒に由来する遷移金属原子の含量は1p
pm以下である。遷移金属原子の含量が小さいことによ
り、本発明の熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物
は従来のものに比較して透明性に優れ、また、例えば、
後述の金属反射膜や金属記録膜などを有する情報記録媒
体光学素子においては高温高湿状態でもフクレが発生し
にくなど、金属膜等との密着性が良い。
【0023】(添加剤)本発明の熱可塑性ノルボルネン
系重合体水素添加物には必要に応じて周知の添加剤、例
えば、酸化防止剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、
可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、耐熱安定剤、水添石油樹
脂、染料、顔料、無機および有機の充填剤などを配合
し、樹脂組成物として使用することができる。
【0024】(成形加工)本発明の熱可塑性ノルボルネ
ン系重合体水素添加物は常法に従って光学素子基板に成
形可能である。その成形法は、特に限定されず、通常の
プラスチック成形法、例えば、射出成形法、押出成形
法、圧縮成形法等の成形法が適用できる。
【0025】成形して得た光学素子基板に情報記録膜層
を形成することにより、情報記録媒体光学素子が得られ
る。情報記録膜層としては通常金属膜が金属反射膜また
は金属記録膜として用いられ、情報記録媒体素子光学素
子、例えば光学式記録媒体ディスクや光学式記録媒体カ
ードが製造される。金属反射膜の形成は反射率の高い金
属、例えば、ニッケル、アルミニウム、金などを蒸着さ
せることによって行われ、また金属記録膜の場合には、
光磁気記録膜として一般的なTb−Fe−Co系合金等を蒸着
させることによって行われる。光学素子基板への金属膜
の蒸着方法も、特に限定されず、通常の蒸着方法、例え
ば、真空蒸着法、スパッタリング法等が適用できる。
【0026】また、公知の射出成形法、例えば特開昭6
0−141518号、特開昭60−225722号、特
開昭61−144316号などにより、プラスチックレ
ンズを成形することもできる。
【0027】そのほか、光学素子基板に光学素子パター
ンを公知の方法で接着して光学素子、例えばフレネルレ
ンズなどを製造することができる。
【0028】
【実施例】以下に参考例、実施例、及び比較例を挙げて
本発明をさらに具体的に説明する。
【0029】参考例1 6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン6
0重量部をシクロヘキサン200重量部に溶解し、分子
量調節剤として1−ヘキセンを1部添加した。この溶液
に重合触媒としてトリエチルアルミニウムの15%シク
ロヘキサン溶液10重量部、トリエチルアミン5重量
部、及び四塩化チタンの20%シクロヘキサン溶液10
重量部を添加して、30℃で開環重合を開始した。
【0030】重合開始30分後の単量体から重合体への
転化率85%の時点で六塩化タングステンの5%シクロ
ヘキサン溶液を添加し、さらに30分間攪拌した結果、
単量体から重合体への転化率は100%になった。
【0031】この重合体のシクロヘキサン溶液に対して
イソプロピルアルコール0.9重量部とイオン交換水7
重量部を順次添加して、80℃で1時間還流した。この
結果、重合触媒は加水分解して重合体溶液と不均一成分
となり、800メッシュのケイソウ土(ラジオライト#
800、昭和化学製)を濾過層として加圧濾過して除去
し、無色透明な溶液を得た。その一部縦置円筒型濃縮器
(日立コントロ、日立製作所製)にて揮発成分を除去し
て重合体を得た。
【0032】この開環重合体10重量部をシクロヘキサ
ン90重量部に溶解し、原子吸光分析法により、遷移金
属触媒残渣であるチタン原子の濃度を測定したところ、
開環重合体水素添加物に対して5ppmであった。
【0033】実施例1 活性アルミナを担体として不均一系触媒1g当りニッケ
ル0.35g、酸化ニッケル0.2gを担持した細孔容
積0.8cm3/g、比表面積300m2/gの不均一系
触媒を150メッシュでふるい分けし、大きいものを選
択して、最小粒径0.2μm以上の触媒を得た。参考例
1で得た重合体の20%シクロヘキサン溶液を耐圧反応
容器に入れ、上記触媒を重合体に対して2重量%添加
し、水素圧力45kg/cm2、温度230℃で3時間
水素添加反応を行った後、800メッシュのケイソウ土
(ラジオライト#800)と300メッシュのケイソウ
土(ラジオライト#300、昭和化学製)を積層して反
応液を濾過し、0.5μmのカートリッジフィルターで
濾過、さらに0.2μmのカートリッジフィルターで濾
過して、触媒を除去した。次いで、縦置円筒型濃縮器に
て揮発成分を除去し、熱可塑性ノルボルネン系重合体水
素添加物を得た。この熱可塑性ノルボルネン系重合体水
素添加物はH1−NMRによって水素添加率がほぼ10
0%であることが確認された。
【0034】この開環重合体水素添加物10重量部をシ
クロヘキサン90重量部に溶解し、原子吸光分析法によ
り、チタン原子、ニッケル原子の濃度を測定したとこ
ろ、開環重合体水素添加物に対して共に、検出限界であ
る1ppm以下であった。
【0035】実施例2 モレキュラーシーブスを担体として不均一系触媒1g当
りニッケル0.35g、酸化ニッケル0.2gを担持し
た細孔容積0.8cm3/g、比表面積300m2/gの
不均一系触媒を150メッシュでふるい分けし、大きい
ものを選択して、最小粒径0.2μm以上の触媒を得
た。参考例1で得た重合体の20%シクロヘキサン溶液
をオートクレーブに入れ、上記触媒を重合体に対して2
重量%添加し、水素圧力45kg/cm2、温度230
℃で3時間水素添加反応を行った後、800メッシュの
ケイソウ土(ラジオライト#800)と300メッシュ
のケイソウ土(ラジオライト#300)を積層して反応
液を濾過し、0.5μmのカートリッジフィルターで濾
過、さらに0.2μmのカートリッジフィルターで濾過
して、触媒を除去した。次いで、縦置円筒型濃縮器にて
揮発成分を除去し、熱可塑性ノルボルネン系重合体水素
添加物を得た。この熱可塑性ノルボルネン系重合体水素
添加物はH1−NMRによって水素添加率がほぼ100
%であることが確認された。
【0036】この開環重合体水素添加物10重量部をシ
クロヘキサン90重量部に溶解し、原子吸光分析法によ
り、チタン原子、ニッケル原子の濃度を測定したとこ
ろ、開環重合体水素添加物に対して共に、検出限界であ
る1ppm以下であった。
【0037】比較例1 ケイソウ土を担体としてニッケルを担持させたニッケル
触媒(N−113、日揮化学製、1g当りニッケル0.
35g、酸化ニッケル0.2gを担持、細孔容積0.2
〜0.3cm3/g、比表面積100m2/g)を150
メッシュでふるい分けし、大きいものを選択して、最小
粒径が0.2μm以上の触媒を得た。参考例1で得た重
合体の20%シクロヘキサン溶液を耐圧反応容器に入
れ、上記ニッケル触媒を重合体に対して5重量%添加>
し、触媒活性化のためイソプロピルアルコールを溶液に
対し2重量%添加して、水素圧力45kg/cm2、温
度190℃で3時間水素添加反応を行った後、一部を採
取し、さらに2時間水素添加反応を行った。800メッ
シュのケイソウ土(ラジオライト#800)と300メ
ッシュのケイソウ土(ラジオライト#300)を積層し
て、3時間水素添加及び5時間水素添加の反応液を濾過
し、0.5μmのカートリッジフィルターで濾過、さら
に0.2μmのカートリッジフィルターで濾過して、触
媒を除去し、縦置円筒型濃縮器にて揮発成分を除去し、
熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物を得た。H1
−NMRによって、3時間水素添加、5時間水素添加の
熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物の水素添加率
がそれぞれ、約85%、ほぼ100%であることが確認
された。
【0038】この水素添加率ほぼ100%の開環重合体
水素添加物10重量部をシクロヘキサン90重量部に溶
解し、原子吸光分析法を行ったところ、開環重合体水素
添加物に対して遷移金属触媒残渣であるチタン原子の濃
度は2ppm、ニッケル原子の濃度は400ppmであ
った。
【0039】実施例3 射出成形機(住友重機製、DISK5−3M型)を用い
て、金型温度110℃、射出温度300℃で、実施例1
で得た重合体水素添加物を、厚さ1.2mm、130m
m径の光ディスク基板に成形した。この基板に金属アル
ミニウムを真空蒸着し、70℃、湿度90%で24時間
高温高湿試験をしたが、金属アルミニウム膜と基板の接
着にはフクレなどの異常が認められなかった。
【0040】比較例2 実施例1で得た重合体水素添加物の代わりに比較例1で
得た重合体水素添加物を用いる以外は実施例3と同様に
光ディスク基板を成形し、金属アルミニウムを蒸着し、
高温高湿試験を行ったが、金属アルミニウム膜と基板の
間にフクレが認められ、接着性に問題があった。
【0041】実施例4 射出成形機(住友重機製、DISK5−3M型)を用い
て、金型145℃、射出温度290℃で実施例1で得た
重合体水素添加物をで厚さ3mmのプロジェクションT
V用レンズを成形し、射出後6分で90℃まで冷却し
た。分光光度計を用いて光線透過率を測定したところ、
400nm〜700nmの全領域において90%以上、
最低でも90.4%であった。
【0042】比較例3 実施例1で得た重合体水素添加物の代わりに比較例1で
得た重合体水素添加物を用いる以外は実施例4と同様に
レンズを成形したところ、400nm〜450nmの領
域で光線透過率は88%以下、最高でも87.9%であ
った。
【0043】
【発明の効果】本発明の熱可塑性ノルボルネン系重合体
水素添加物は耐熱性、耐湿性等は従来の熱可塑性ノルボ
ルネン系樹脂と変わらないが、重合触媒に由来する遷移
金属原子の含量が1ppm以下であるため、透明性が向
上し、厚さ3mmの成形品において430nmの光線透過率
が90%以上であり、また、成形品において金属膜等と
の密着性が良い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 夏梅 伊男 神奈川県川崎市川崎区夜光1−2−1 日本ゼオン株式会社 研究開発センター 内 審査官 森川 聡 (56)参考文献 特開 平3−66725(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合触媒に由来する遷移金属原子の含量
    1ppm以下の熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加
    物。
  2. 【請求項2】 重合触媒残渣を含有する熱可塑性ノルボ
    ルネン系重合体を吸着剤に触媒金属を担持させた細孔容
    積0.5cm3/g以上の不均一系触媒を用いて水素添
    加し、水素添加触媒を除去し、熱可塑性ノルボルネン系
    重合体水素添加物を回収することからなる熱可塑性ノル
    ボルネン系重合体水素添加物の製造方法。
  3. 【請求項3】 吸着剤が活性アルミナまたは合成ゼオラ
    イトである請求項2記載の熱可塑性ノルボルネン系重合
    体水素添加物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の熱可塑性ノルボルネン系
    重合体水素添加物を成形して成る光学素子基板。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の光学素子基板に情報記録
    膜を積層して成る情報記録媒体光学素子。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の光学素子基板に光学素子
    パターンを積層して成る光学素子。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の熱可塑性ノルボルネン系
    重合体水素添加物を成形して成るレンズ。
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