JPH0543302U - 磁気ヘツド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案はビデオテープレコーダ等の回転ヘッド
における磁気ヘッドに関し、磁気ヘッドの磁気テープ摺
接面におけるテープ摺接特性を安定化させるとともに記
録再生特性の向上を図った磁気ヘッドを実現することを
目的とする。 【構成】一対のコア半体１１、１２を接合して構成され
た磁気ヘッド１０において、ギャップ部１５のトラック
溝１４に接合用のガラス１７を溶融充填せず、単なる溝
構造とするとともに、コア半体１１、１２の接合は、コ
ア１２の巻線溝１６内に溶融充填した接合ガラス１７に
よって接合し、ギャップ部１５の近傍すなわち磁気ヘッ
ド１０のテープ摺接面にはガラス部材が露出しない構成
としたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ビデオテープレコーダやデジタルオーディオテープレコーダ等の回 転ドラムに組み込まれる磁気ヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ビデオテープレゴーダ等の回転ドラムに組み込まれた磁気ヘッドとして は、図３及び図４で示す磁気ヘッドが実施されており、これについて説明する。

【０００３】 図３は従来の磁気ヘッドの正面図で、図４はその平面図を示し、図示するよう に、磁気ヘッド１は、磁性フェライト等で形成した、一対のコア半体２、３を接 合してギャップ部４を設けることにより形成されている。

【０００４】 ここでギャップ部４は、図４で示されるようにその両側（図中上下部分）にト ラック部５を形成するトラック溝６が設けられ、このトラック溝６には、一対の コア半体２、３を接合するとともにギャップ部４が設けられたトラック部５の周 縁を保護する為の接合ガラス７が充填されている。

【０００５】 尚、トラック溝６は、コア半体２、３を接合する前に各コアがブロック状態の ときにクシ加工により切削形成され、接合ガラス７がその溝内に溶融充填されて いるものである。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この上記した従来の磁気ヘッド１にあっては、磁気ヘッド１の トラック溝６に接合ガラス７が充填されている。このため、磁気ヘッド１の磁気 テープ摺接面となるギャップ部４及びその近傍が磁気テープと接触する際に、ギ ャップ部４の周辺に形成したトラック溝６の接合ガラス７も同時に接触して摺接 する。

【０００７】 このことは、磁気ヘッド１のテープ摺接面が磁気ヘッド１を形成するコア半体 ２、３がフェライトであり、トラック溝６がガラスであることより、それぞれ摩 擦係数の異なる面で形成されるため、磁気テープのテープ接触状態が安定しない という課題が生じていた。

【０００８】 また、トラック溝６に接合ガラス７が溶融充填されることより、ギャップ部４ の近傍が熱による影響を受けて歪を生じ、磁気特性が劣化して記録再生特性が低 下するという課題も生じていた。

【０００９】 本考案は上記した課題に鑑みて考案されたもので、磁気ヘッドにおけるテープ 接触の向上と記録再生特性の向上を図った磁気ヘッドを提供することを目的とす る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

そこで、本考案は上記した課題を解決するための手段として、一対のコア半体 を接合してなる磁気ヘッドにおいて、該磁気ヘッドのトラック溝は接合ガラスが 充填されていない溝構造とする構成としたものである。

【００１１】

【作用】

そして、上記した構成とすることより磁気ヘッドはそのギャップ部における磁 気テープの摺接に際し、磁気テープは磁気ヘッドを構成するコア半体のフェライ ト部分とのみ摺接することとなる。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明すると、図１は本考案に係る磁 気ヘッドの正面図であり、図２はその平面図を示す。

【００１３】 図示するように、磁気ヘッド１０は、例えば磁性フェライト等で形成した一対 のコア半体１１、１２にそれぞれ磁気ヘッド１０のトラック部１３を形成するト ラック溝１４を設けて接合し、ギャップ部１５を設けた構成となっている。

【００１４】 そして、この磁気ヘッド１０は、磁気テープ摺接面となるギャップ部１５の近 傍に（図中上下部分）にトラック溝１４が配設されているが、このトラック溝１ ４内には従来のように接合ガラスが溶融充填されておらず、単なる溝構造とされ てトラック部１３が形成されており、一対のコア半体１１、１２の接合は一対の コア半体１１、１２のうち、巻線溝１６を設けたコア半体１２の巻線溝１６内に 溶融充填された接合ガラス１７によって接合されている。

【００１５】

【考案の効果】

従って、上記した構成からなる本考案に係る磁気ヘッドによれば、磁気ヘッド はそのギャップ部におけるトラック溝に接合ガラス等が何も充填されない単なる トラック溝構造とされているため、磁気ヘッドにおける磁気テープとの摺接状態 が、磁気ヘッドのギャップ部を含めた磁気テープ摺接面において、フェライトの みとの摩擦摺接となり、テープ摺接状態が一定となり、磁気テープの走行性を安 定させることができる。また、ギャップ部近傍が溶融ガラスによる高熱による影 響を受けないため熱歪の発生が防止され、磁気ヘッドにおける記録再生特性の向 上を図ることができるという効果が得られるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す磁気ヘッドの正面図で
ある。

【図２】本考案に係る磁気ヘッドの平面図である。

【図３】従来例を示す磁気ヘッドの正面図である。

【図４】従来例を示す磁気ヘッドの平面図である。

【符号の説明】

１０ 磁気ヘッド １１、１２ コア半体 １３ トラック部 １４ トラック溝 １５ ギャップ部 １６ 巻線溝 １７ 接合ガラス

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対のコア半体を接合してなる磁気ヘッ
   ドにおいて、該磁気ヘッドのトラック溝は接合ガラスが
   充填されていない溝構造としたことを特徴とする磁気ヘ
   ッド。