JPH0643808U - 磁気ヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、フェライトで形成したコアと磁気テ
ープが摺動する際に発生するフェライトノイズの発生を
防止した高密度記録対応の磁気ヘッドを提供することを
目的とする。 【構成】一対のコア１１，１２を接合して形成した磁気
ヘッド１０において、コア１１，１２を、記録媒体とし
て摺接する磁気テープ１６の進入側コア１１をフェライ
ト基板のコア１１とし、流出側のコア１２を非磁性基板
のコア１２とするとともに、コア１１，１２のギャップ
部１４に高飽和磁束密度の磁性薄膜１５を配設するよう
に磁気ヘッド１０を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えばハイビジョンＶＴＲ装置等の高密度磁気記録再生装置に使用 される磁気ヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、高密度磁気記録再生装置に使用される磁気ヘッドとしては、例えば図２ に示す構成の磁気ヘッドが実施されており、これについて説明する。即ち、図２ において従来の高密度記録対応磁気ヘッド１は、一対の磁性フェライトから形成 されたコア２とコア３が接合材としてのガラス材４によりギャップ部５を形成す るように接合され、この各コア２，３の対向するギャップ形成面にはそれぞれ、 例えばＦｅ−Ａｌ−Ｓｉ等の強磁性合金からなる高飽和磁束密度の強磁性薄膜６ が配設されて、トラック幅及び磁路を形成するよう構成されている。

【０００３】 また、一対のコア２，３を接合した後、巻線コイル７が巻回されて磁気ヘッド １として形成される。

【０００４】 このように構成された磁気ヘッド１によれば、コア２，３のギャップ部５に強 磁性薄膜６が記録トラック幅に対応するように配設され、磁気テープがギャップ 部５の形成面を摺動することにより、該磁気テープに記録された信号データを巻 線コイルによって電気信号に変換し再生、若しくは記録が行われることとなる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような構成からなる従来の磁気ヘッド１においては、一対 のコア２，３がそれぞれ磁性フェライトで形成され、強磁性薄膜６の磁路を補う ようにコア２，３の部分でも磁路を形成している。このため、磁気テープがギャ ップ形成面を摺動する際に、フェライトノイズと呼ばれる磁気テープ摺動ノイズ が発生し、Ｃ／Ｎ比（キャリア対信号比）を劣化させるという課題が生じていた 。

【０００６】 本考案は、上記した課題に鑑みて考案されたもので、磁気テープ摺動ノイズの 発生を抑制し、Ｃ／Ｎ比の向上を図った磁気ヘッドを提供することを目的とする 。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

そこで、上記した課題を解決するための手段として、本考案は、一対のコアを 接合して形成した磁気ヘッドにおいて、このコアを、記録媒体として摺接する磁 気テープの進入側を単結晶等のフェライト基板のコアとし、磁気テープの流出側 を非磁性基板のコアとするとともに、各コアのギャップ形成面に高飽和磁束密度 の磁性薄膜を配設した構成としたものである。

【０００８】

【作用】

上記構成によれば、磁気テープの流出側のコアを非磁性基板にすることにより 、磁気ヘッド全体の磁路の構成が磁性フェライトのみで行われないため、フェラ イトノイズの発生を抑制させ、Ｃ／Ｎ比の向上を図られる。

【０００９】 また、記録再生ヘッドとしての作用は、ギャップ部に形成された強磁性薄膜で 行われるため高密度記録への対応も行えることとなる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明すると、図１は本考案による磁 気ヘッドの実施例を示す斜視図である。

【００１１】 図示するように、本考案に係る磁気ヘッド１０は、磁気テープ１６が摺動して 進入する進入側のコア１１を単結晶等のフェライト基板で形成し、流出側のコア １２をセラミック等の非磁性基板で形成し、この各コア１２，１３の対向するギ ャップ形成面に高飽和磁束密度のＦｅ−Ａｌ−Ｓｉ等の合金磁性膜からなる強磁 性薄膜１５が配設された構成とされている。

【００１２】 ここで、各コア１１，１２は磁気ヘッド１０を形成するに際して、ギャップ部 １４を形成するように、接合材としてのガラス材１３により互いに接合されて、 磁気ヘッドチップとされ、各コア半体部分に巻線コイル１７が巻回されて、磁気 ヘッド１０となっている。

【００１３】 即ち、本考案に係る磁気ヘッド１０にあっては、磁気テープ１６の摺動に際し 、コア１１，１２の一方が非磁性基板であるため、磁気ヘッド１０の全体におけ る磁路が磁性フェライトのみとならず、フェライトノイズの発生が抑制されると ともに、記録再生信号の磁路は高飽和磁束密度の強磁性薄膜１５部分で行われる こととなり、記録再生特性は損なわれないこととなる。

【００１４】

【考案の効果】

従って、上述した構成からなる本考案に係る磁気ヘッドによれば、磁気ヘッド の磁気テープ流出側のコアを非磁性基板とすることにより、フェライトノイズの 発生磁路が断たれて、フェライトノイズの発生が抑制され、Ｃ／Ｎ比の劣化を防 ぐことが出来るとともに、記録再生信号は、強磁性薄膜部の磁路で行われるため 高飽和磁力媒体への記録特性の劣化も防止することができるという効果が得られ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す磁気ヘッドの斜視図で
ある。

【図２】従来例を示す磁気ヘッドの斜視図である。

【符号の説明】

１０ 磁気ヘッド １１，１２ コア １３ ガラス材 １４ ギャップ部 １５ 強磁性薄膜 １６ 磁気テープ １７ 巻線コイル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対のコアを接合して形成した磁気ヘッ
   ドにおいて、 該コアを、記録媒体として摺接する磁気テープの進入側
   をフェライト基板のコアとし、流出側を非磁性基板のコ
   アとするとともに、該コアのギャップ形成面に高飽和磁
   束密度の磁性薄膜を配設したことを特徴とする構成の磁
   気ヘッド。