JPH0542648Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、例えば液化ガス燃料を用いる田植機
等の作業機等の燃料ボンベ固定用バンドに関す
る。

〈前提構造〉 本考案の作業機等の燃料ボンベ固定用バンド
は、例えば第１図〜第３図または第５図・第６図
に示すように、次の前提構造を有するものを対象
とする。

すなわち、燃料ボンベ固定用のバンド５は、ボ
ンベ接当用板部材９の一端部に一端係止部材２１
を、その他端部に他端係止部材２２をそれぞれ設
けて成り、 作業機１等の燃料ボンベ搭載台２の一側に設け
られたバンド支持枠３に上記バンド５の一端係止
部材２１が連結され、該燃料ボンベ搭載台２の他
側に設けられたバンド係着枠４に上記バンド５の
他端係止部材２２が係脱可能に連結され、 上記ボンベ接当用板部材９は、上記燃料ボンベ
搭載台２に搭載される燃料ボンベ６の燃料取出弁
１０及び燃料取出弁１０を固定するボス部１１よ
りも広幅に形成し、 このボンベ接当用板部材９の中央部には、燃料
ボンベ６の燃料取出弁１０と燃料取出弁１０を固
定するボス部１１とを挿通する開口部１２を形成
し て構成したものである。

〈従来技術〉 上述の前提構造において、従来技術では、第５
図及び第６図に示すように、次のように具体化し
た構造のものがある。〔実願昭57−99564号（実開
昭59−5727号）のマイクロフイルム〕 すなわち、前記ボンベ接当用板部材９は、板金
部材また耐油性ゴムから成る。

前記一端係止部材２１は、環状部品から成り、
トグルジヨイント３１を介してボンベ接当用板部
材９の左端部に連結される。前記他端係止部材２
２は、環状部品ら成り、ボンベ接当用板部材９の
右端部に連結手段３２を介して、連結される。

〈考案が解決しようとする課題〉 上述の従来技術では、次の問題がある。

◎ ボンベ接当用板部材９が板金部材製の場合 (イ) 燃料ボンベ転落の危険 ボンベ接当用板部材９は、板金部材製であるた
め、燃料ボンベ６との接当面間ですべりが生じや
すい。

このため、燃料ボンベ６は、田植機等の作業機
の走行振動やエンジン振動を受けて振動させられ
ようとしたときに、ボンベ接当用板部材９に対し
てすべつて、振動してしまうことがある。

この場合、燃料ボンベ６の振動による衝撃力
で、一端係止部材２１や他端係止部材２２の係止
が外れたり、バンド支持枠３・一端係止部材２
１・トグルジヨイント３１・連結部３２・他側係
止部材２２・バンド係着枠４などの弱い部分がち
ぎれたりして、燃料ボンベ６が転落する危険があ
る。

(ロ) 振動騒音の発生 上記のように燃料ボンベ６が振動してしまう
と、その振動騒音や金属接触振動音（びびり音）
が発生する。

(ハ) 耐久性に劣る 燃料ボンベ６及びボンベ接当用板部材９は、強
い相対振動による摺擦により摩耗するうえ、この
摩耗部から錆が発生するため、早期に損傷され易
く、耐久性に劣る。

(ニ) 構造が複雑 ボンベ接当用板部材９以外には、一端係止部材
２１・トグルジヨイント３１・及び他端係止部材
２２の、合計３個の付属部品が要る。

そのうち、一端係止部材２１をトグルジヨイン
ト３１に連結する構造、トグルジヨイント３１を
ボンベ接当用板部材９に連結する構造、及び他端
係止部材２１を連結手段３２を介してボンベ接当
用板部材９に連結する構造の、合計３つの連結構
造が要る。

このように、ボンベ接当用板部材９に対して、
３個もの付属部品と、３つもの付属部品の連結構
造が必要なため、構造が複雑である。このため、
製造コストが高くつくうえ、破損する箇所が多
い。

◎ ボンベ接当用板部材９がゴム製の場合 この場合、上記問題「(ニ)構造が複雑」が残るう
え、次の問題もある。

(ホ) 燃料ボンベ転落の危険 ボンベ接当用板部材９は、ゴム製であるため、
金属製のものと比べて、柔らかく傷つき易いう
え、弱くて傷口が広がりやすく、さらにゴムの弾
性引張り力により傷口の応力集中が激しくなるの
で、ちぎれ易い。

これにより、燃料ボンベ６が転落する危険があ
る。

(ヘ) 耐久性に劣る ボンベ接当用板部材９は、ゴム製であるため、
金属製のものと比べて、引張り強度の経年劣化が
早く進み、耐久性に劣る。

本考案の課題は、(イ)燃料ボンベ転落の危険を防
ぐ事、(ロ)振動騒音の発生を防止する事、(ハ)耐久性
を高める事、及び(ニ)構造を簡素化する事、にあ
る。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は、前述の前提構造において、上記課題
を解決するために、例えば第１図及び第２図に示
すように、次の特徴構造を追加したことを特徴と
する。

すなわち、上記ボンベ接当用板部材９は合成樹
脂製にし、 金属製ワイヤで横に長いループ状のバンド芯材
８を形成し、この金属ワイヤ製横長ループ状バン
ド芯材８の前側ワイヤ部分２３及び後側ワイヤ部
分２４の各下周面部分は、上記ボンベ接当用板部
材９の前記開口部１２より前側の前側板部分２
５、及びそれより後側の後側板部分２６の各上面
にそれぞれ埋入させて設け、 上記金属ワイヤ製横長ループ状バンド芯材８の
左右に位置する一側ワイヤ部分及び他側ワイヤ部
分で、前記バンド５の一端係止部材２１及び他端
係止部材２２をそれぞれ形成し て構成したものである。

〈作用〉 本考案は、次のように作用する。

第４図に示すように、燃料ボンベ搭載台２上に
燃料ボンベ６を置く。ボンベ接当用板部材９の開
口部１２を燃料取出弁１０・ボス部１１に通し
て、ボンベ接当用板部材９を燃料ボンベ６の上面
に載せる。

一端係止部材２１をバンド支持枠３に結合し、
他端係止部材２２をバンド係着枠４に係着する。
この係着力により、バンド芯材８を介して、ボン
ベ接当用板部材９を燃料ボンベ６の上面に押し当
てて、燃料ボンベ６を燃料ボンベ搭載台２上に固
定する。

このとき、バンド芯材８の前側ワイヤ部分２３
及び後側ワイヤ部分２４は、自由に撓んでボンベ
接当用板部材９の前側板部分２５及び後側板部分
２６を、その全長に亘り燃料ボンベ６の上面に均
等な力で押し当てる。

しかも、前側板部分２５及び後側板部分２６
は、合成樹脂製であるから、燃料ボンベ６の上面
によくなじんで、広い面に亘り全面的に接当し、
この接当による摩擦力が極めて大きく、燃料ボン
ベ６を強力に固定する。

このため、燃料ボンベ６は、田植機等の作業機
の走行振動やエンジン振動を受けて振動させられ
ようとしたときでも、合成樹脂製のボンベ接当用
板部材９の大きな摩擦力で強力に固定され続ける
ので、強く振動することが無い。

これにより、燃料ボンベ固定用バンド５の各部
は、燃料ボンベ６の振動による衝撃力で係止が外
れたりちぎれたりることが無くなり、燃料ボンベ
６の転落の危険を長期に亘りよく防止する。

〈考案の効果〉 本考案は、上記のように構成され、作用するこ
とから、次の効果を奏する。

(イ) 燃料ボンベ転落の危険防止 燃料ボンベ搭載台２上に燃料ボンベ６を燃料ボ
ンベ固定用バンド５で固定した状態においては、
バンド芯材８の前側ワイヤ部分２３及び後側ワイ
ヤ部分２４は、自由に撓んでボンベ接当用板部材
９の前側板部分２５及び後側板部分２６を、その
全長に亘り燃料ボンベ６の上面に均等な力で押し
当てる。

しかも、前側板部分２５及び後側板部分２６
は、合成樹脂製であるから、燃料ボンベ６の上面
によくなじんで、広い面に亘り全面的に接当し、
この接当による摩擦力が極めて大きく、燃料ボン
ベ６を強力に固定する。

このため、燃料ボンベ６は、田植機等の作業機
の走行振動やエンジン振動を受けて振動させられ
ようとしたときでも、合成樹脂製のボンベ接当用
部材９の大きな摩擦力で強力に固定され続けるの
で、強く振動することが無い。

これにより、燃料ボンベ固定用バンド５の各部
は、燃料ボンベ６の振動による衝撃力で係止が外
れたりちぎれたりすることが無くなり、燃料ボン
ベ６の転落の危険を長期に亘りよく防止すること
ができる。

また、バンド芯材８は、金属ワイヤ製であるか
ら、強靱でちぎれ難いため、この面からも燃料ボ
ンベ６の転落を、よく防止することができる。

(ロ) 振動騒音の発生防止 上記のように、燃料ボンベ６が強く振動するこ
とが無いので、その振動騒音や金属接触振動音
（びびり音）の発生を、よく防止することができ
る。

(ハ) 耐久性に優れる 燃料ボンベ６及びボンベ接当用板部材９は、強
く相対振動しないので、摺擦摩耗することが無い
うえ、摩耗部からの錆の発生も生じないから、長
期に亘り破損され難く、耐久性に優れる。

また、バンド芯材８は、金属ワイヤ製であるか
ら、強靱であり、引張り強度の経年劣化が進み難
い。しかも、ボンベ接当用板部材９は、合成樹脂
製であるが、圧縮力しか作用せず、圧縮強度の経
年劣化が進みにくい。これにより、この面からも
燃料ボンベ固定用バンド５は耐久性に優れる。

(ニ) 構造が簡単 バンド芯材８は、一端係止部材２１と、他端係
止部材２２と、これらをボンベ接当用板部材９に
連結する各連結部材との、合計４つの部材の働き
を兼ねる。このため、ボンベ接当用板部材９以外
には、バンド芯材８のみの、一本の付属部品で済
む。

そのうえ、ボンベ接当用板部材９に対して、バ
ンド芯材８を連結するだけで済み、一端係止部材
２１及び他端係止部材２２をそれぞれ個別に連結
しなくて済む。

このように、ボンベ接当用板部材９に対して、
一本の付属部品と、この一本の付属部品の連結の
みで済むので、燃料ボンベ固定用バンド５の構造
は、大幅に簡素化され、製造コストを大幅に低減
できるうえ、破損する箇所が少なくなる。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例を図面に基づき説明す
る。第１図は本考案の一実施例に係る田植機の燃
料ボンベ固定用バンドの平面図であり、第２図は
第１図の−線断面図であり、第３図は燃料ボ
ンベ固定装置を有する田植機の概略側面図であ
り、第４図はその田植機の燃料ボンベ固定装置の
縦断面図である。

この田植機の燃料ボンベ固定用のバンド５の一
端の一端係止部材２１は、第４図に示すように、
図示しない取付金具を介して、田植機１の燃料ボ
ンベ搭載台２の一側に設けられたバンド支持枠３
に連結され、その他端の他端係止部材２２は該燃
料ボンベ搭載台２の他側に設けられたバンド係着
枠４に設けた尾錠７に係脱される。

第１図及び第２図に示すように、上記バンド５
は、合成樹脂製のボンベ接当用板部材９とスチー
ルワイヤを横に長い矩形ループ状に形成したバン
ド芯材８とから成る。

上記ボンベ接当用板部材９は、燃料ボンベ６の
燃料取出弁１０及び燃料取出弁１０を固定するボ
ス部１１よりも広幅に形成され、その中央部に
は、燃料ボンベ６の燃料取出弁１０と燃料取出弁
１０を固定するボス部１１とを挿通する開口部１
２が形成されている。

上記スチールワイヤ製の横長矩形ループ状バン
ド芯材８の前側ワイヤ部分２３及び後側ワイヤ部
分２４の各下周面部分は、上記ボンベ接当用板部
材９の前記開口部１２より前側の前側板部分２
５、及びそれより後側の後側板部分２６の各上面
にそれぞれ埋入させて設ける。前側ワイヤ部分２
３及び後側ワイヤ部分２４の各上周面は、前側板
部分２５及び後側板部分２６の各上面上に露出す
る。

上記スチールワイヤ製の横長矩形ループ状バン
ド芯材８の左右に位置する左側ワイヤ部分及び右
側ワイヤ部分で、前記バンド５の一端係止部材２
１及び他端係止部材２２をそれぞれ形成したもの
である。

なお，燃料ボンベ搭載台２には、燃料ボンベ６
の下側に設けられるスカート部１７内嵌するボン
ベ固定用ガイド１８が設けられる。

上記の構成において、燃料ボンベ搭載台２に搭
載された燃料タンク６の上側からバンド５を掛
け、その他端係止部材２２に尾錠７を係合するこ
とにより、燃料ボンベ６が燃料ボンベ搭載台２に
固定される。

この固定状態では、燃料ボンベ６の下部はボン
ベ固定用ガイド１８によつて水平方向に移動しな
いように支持され、燃料ボンベ６の上部の表面に
は、燃料ボンベ６のボス部１１の両側でバンド５
が接触して、燃料ボンベ搭載台２から燃料ボンベ
６が浮き上がるのを防止することになる。

バンド５と燃料ボンベ６とが接触する部分のボ
ンベ接当用板部材９は、合成樹脂製であるから、
スチールワイヤ製のバンド芯材８が燃料ボンベ６
と直接接触することはなく、金属どうしの接触に
よるバンド芯材８や燃料ボンベ６の摩耗や接触振
動音（びびり音）の発生、バンド芯材８や燃料ボ
ンベ６の摩耗部からの錆の発生等を防止できる。

また、バンド芯材８がスチールワイヤ製である
から、ボンベ接当用板部材９が燃料ボンベ６の表
面によく馴染み、燃料ボンベ６の両側を均等な力
で確実に固定することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る田植機の燃料
ボンベ固定用バンドの平面図、第２図は第１図
−線断面図、第３図は燃料ボンベ固定装置を有
する田植機の概略側面図、第４図は田植機の燃料
ボンベ固定装置の縦断面図である。第５図は従来
技術に係るエンジンの燃料タンク固定用バンドの
平面図、第６図は第５図のバンドの使用状態の正
面図である。 １……作業機（田植機）、２……燃料ボンベ搭
載台、３……バンド支持枠、４……バンド係着
枠、５……燃料ボンベ固定用バンド、６……燃料
ボンベ、８……バンド芯材、９……ボンベ接当用
板部材、１０……燃料取出弁、１１……ボス部、
１２……開口部、２１……一端係止部材、２２…
…他端係止部材、２３……前側ワイヤ部分、２４
……後側ワイヤ部分、２５……前側板部分、２６
……後側板部分。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 燃料ボンベ固定用のバンド５は、ボンベ接当用
   板部材９の一端部に一端係止部材２１を、その他
   端部に他端係止部材２２をそれぞれ設けて成り、 作業機１等の燃料ボンベ搭載台２の一側に設け
   られたバンド支持枠３に上記バンド５の一端係止
   部材２１が連結され、該燃料ボンベ搭載台２の他
   側に設けられたバンド係着枠４に上記バンド５の
   他端係止部材２２が係脱可能に連結され、 上記ボンベ接当用板部材９は、上記燃料ボンベ
   搭載台２に搭載される燃料ボンベ６の燃料取出弁
   １０及び燃料取出弁１０を固定するボス部１１よ
   りも広幅に形成し、 このボンベ接当用板部材９の中央部には、燃料
   ボンベ６の燃料取出弁１０と燃料取出弁１０を固
   定するボス部１１とを挿通する開口部１２を形成
   して構成した作業機等の燃料ボンベ固定用バンド
   において、 上記ボンベ接当用板部材９は合成樹脂製にし、 金属製ワイヤで横に長いループ状のバンド芯材
   ８を形成し、この金属ワイヤ製横長ループ状バン
   ド芯材８の前側ワイヤ部分２３及び後側ワイヤ部
   分２４の各下周面部分は、上記ボンベ接当用板部
   材９の前記開口部１２より前側の前側板部分２
   ５、及びそれより後側の後側板部分２６の各上面
   にそれぞれ埋入させて設け、 上記金属ワイヤ製横長ループ状バンド芯材８の
   左右に位置する一側ワイヤ部分及び他側ワイヤ部
   分で、前記バンド５の一端係止部材２１及び他端
   係止部材２２をそれぞれ形成し て構成したことを特徴とする作業機等の燃料ボン
   ベ固定用バンド。