JP3023382U - タイヤチェーンの内側部材連結装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案はタイヤチェーンの内側部材連結装置
に関する。 【構成】 タイヤチェーンの内側部材連結装置は、略Ｃ
字形の弾性を有する内側バンド又は内側チェーン等の内
側部材２、この内側部材に並設される外側チェーン３、
及び内側部材と外側チェーン間に設けられるクロスチェ
ーン１、並びに前記外側チェーンに設けた緊張チェー
ン、緊張手段等の緊張具でなるタイヤチェーンであっ
て、少なくとも前記内側部材の一方側２１に設けた雄形
係止具４を前記クロスチェーンに連結一体化するととも
に、前記内側部材の他方側２２に雌形係止具５を設ける
構成としたことを特徴とする。 【効果】 雄形係止具の平坦面もサイドウォールに自動
的に添接できる。ウォールに傷を付けない。高速又は長
時間等走行の損傷がない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はタイヤチェーンの内側部材連結装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、タイヤチェーンの内側部材連結装置としては、内側バンド又は内側チェ ーン等の内側部材に設けられる雄・雌形係止金具（雄・雌係止具）が知られてい る。そして、内側部材を連繋して環状とする場合（いわゆるタイヤにタイヤチェ ーンを捲装する場合）は、その雄・雌係止金具を係止する構造となっている。

【０００３】 そして、前記構成と同様な先行技術として、次のような文献が挙げられる。（ １）実開平２−１２０２０４号に記載のタイヤチェーンは、ばね鋼材の両端に雄 ・雌係止金具をそれぞれ設ける構成であり、ばね鋼材と雄・雌係止金具とは固定 されておらず、しかもクロスチェーンは前記雄・雌係止金具とは連繋されてない 構造となっている。（２）実開平１−１５７００３号に記載のタイヤチェーンは 、内側サイドチェーンの両端に雄・雌係止金具をそれぞれ設ける構成であり、雄 ・雌係止金具は内側サイドチェーンと一体化され、この内側サイドチェーンの動 きに追従する構造である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記各文献の考案は、内側部材の確実かつ容易な装着を意図して、雄・雌係止 金具に改良を施している。しかし、クロスチェーンと雄又は雌係止金具との一体 化に対する構成を採用しないことから、次のような課題が考えられる。即ち、タ イヤに装着した場合、殊に雄係止金具のフックが必ずタイヤのサイドウォールの 外方に向って装着される保証がない。したがって、フックがサイドウォール側に 向いた場合は、このフックがサイドウォールに衝止して、サイドウォールに傷を 付ける虞があり、問題がある。この問題は、とくに高速又は長時間等走行の場合 は、前記損傷が大きくなり問題である。またこれが起因して事故発生ともなれば 由々しき問題である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記に鑑み、本考案は、雄形係止具のフックが必ずサイドウォールの外方に向 って装着されること、又は高速又は長時間等の走行時においてもタイヤに損傷を 与えず装着できること、等を目的として、次のような構成を採用する。

【０００６】 即ち、本考案のタイヤチェーンの内側部材連結装置は、 略Ｃ字形の弾性を有する内側バンド又は内側チェーン等の内側部材と、この内 側部材に並設される外側チェーンと、前記内側部材と外側チェーン間に設けられ るクロスチェーンと、前記外側チェーンに設けた緊張チェーン、緊張手段等の緊 張具と、でなるタイヤチェーンであって、 前記内側部材の一方側に設けた雄形係止具を前記クロスチェーンに一体化する とともに、前記内側部材の他方側に雌形係止具を設ける構成となっている。

【０００７】 尚、前記の効果を一層確実にするために、下記の構成を採用する。

【０００８】 略Ｃ字形の弾性を有する内側バンド又は内側チェーン等の内側部材と、この内 側部材に並設される外側チェーンと、前記内側部材と外側チェーン間に設けられ るクロスチェーンと、前記外側チェーンに設けた緊張チェーン、緊張手段等の緊 張具と、でなるタイヤチェーンであって、 前記内側部材の一方側及び他方側に設けた雄形係止具及び雌形係止具を、前記 クロスチェーンに一体化する構成となっている。

【０００９】

【作用】

次に本考案の使用の一例を説明すると、内側部材の略Ｃ字形のばね鋼材を弾性 的に拡開してタイヤの外側からタイヤ上にかぶせ、内側部材がタイヤの内側に位 置したとき放すと、内側部材はばね鋼材の弾性復元力により原形に復帰するが、 この際クロスチェーンと雄形係止具が一体であることから、雄形係止具の平坦面 がタイヤのサイドウォールに自動的に添接される構成となっている。

【００１０】 次いで、内側部材をタイヤの外側から押し縮め、雄形係止具の係止部を雌形係 止具の被係止部に掛け止める。この雌形係止具の被係止部はフリーであるが、前 記の如く雄形係止具の平坦面がサイドウォールに添接されていることから、雌形 係止具の平坦面もサイドウォールに自動的に添接される構成となっている。尚、 また雌形係止具をクロスチェーンに一体化する構成でも前述とほぼ同様な取扱い となる。また雌形係止具は雄形係止具に設けた手段を利用して、この雌形係止具 及び／又は雄形係止具との連係時に自動的にサイドウォールに各平坦面が向く構 成、等とすることもできる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を説明する。

【００１２】 １はタイヤＨのトレッドＨ１に捲装されるクロスチェーンである。

【００１３】 ２はクロスチェーン１が連繋されるとともに、タイヤＨのサイドウォールＨ２ に添接される内側バンド又は内側チェーン等の内側部材、この内側部材２は外側 チェーン（外側ワイヤー）３と対となっている。またこの内側部材２はこの例で は、ばね鋼材２ａと被覆材２ｂとで構成されている。

【００１４】 ４は内側部材２の一方端２１に設けられる係止部４ａ（フック、その他止具） と平坦面４ｂとを有する雄形係止具、この雄形係止具４はクロスチェーン１に一 体化されている。図例ではばね鋼材２ａに設けた連結部４１を介して少し斜設（ 限定されていない。）されている。前記平坦面４ｂはタイヤＨのサイドウォール Ｈ２に添接される。

【００１５】 ５は内側部材２の他方端２２に設けられる被係止部５ａ（孔、その他止具）と 平坦面５ｂとを有する雌形係止具、この雌形係止具５は図示の如く、変形長方形 状がよい（限定されない。）。尚、この雌形係止具５はクロスチェーン１にフリ ー状態となっているが、この例に限定されず、雌形係止具５と連結具（後述する ）を一体にし、かつこの連結具とクロスチェーン１を一体化する構成でもよい。 尚、平坦面５ｂはタイヤＨのサイドウォールＨ２に添接される。図中５１はクロ スチェーン１と内側部材２とを連繋する連結具である。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は、以上で説明した如く、少なくとも内側部材の一方側に設けた雄形係 止具をクロスチェーンに一体化する構成であるので、少なくとも雄形係止具の平 坦面をサイドウォールに自動的に添接できる効果と、この効果によりサイドウォ ールに傷をつける虞がないこと、及び高速又は長時間等の走行時においても、サ イドウォールに与える損傷は極めて少ないこと、並びに事故発生の要因とならな いこと、更には摩擦音の発生もなく有益であること、等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の拡大斜視図である。

【図２】本考案のタイヤへの装着状態を説明する側面図
である。

【図３】外側チェーンとクロスチェーンとの関係を説明
する側面図である。

【符号の説明】

１ クロスチェーン ２ 内側部材 ２ａ ばね鋼材 ２ｂ 被覆材 ２１ 一方端 ２２ 他方端 ３ 外側チェーン ４ 雄形係止具 ４ａ 係止部 ４ｂ 平坦面 ４１ 連結部 ５ 雌形係止具 ５ａ 被係止部 ５ｂ 平坦面 ５１ 連結具 Ｈ タイヤ Ｈ１ トレッド Ｈ２ サイドウォール

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 略Ｃ字形の弾性を有する内側バンド又は
   内側チェーン等の内側部材と、この内側部材に並設され
   る外側チェーンと、前記内側部材と外側チェーン間に設
   けられるクロスチェーンと、前記外側チェーンに設けた
   緊張チェーン、緊張手段等の緊張具と、でなるタイヤチ
   ェーンであって、 前記内側部材の一方側に設けた雄形係止具を前記クロス
   チェーンに一体化するとともに、前記内側部材の他方側
   に雌形係止具を設ける構成としたタイヤチェーンの内側
   部材連結装置。
2. 【請求項２】 略Ｃ字形の弾性を有する内側バンド又は
   内側チェーン等の内側部材と、この内側部材に並設され
   る外側チェーンと、前記内側部材と外側チェーン間に設
   けられるクロスチェーンと、前記外側チェーンに設けた
   緊張チェーン、緊張手段等の緊張具と、でなるタイヤチ
   ェーンであって、 前記内側部材の一方側及び他方側に設けた雄形係止具及
   び雌形係止具を、前記クロスチェーンに一体化する構成
   としたタイヤチェーンの内側部材連結装置。