JPH0642726U - バンドクランプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤハーネスを巻込むことなく横ずれを良
好に防止できるバンドクランプを提供する。 【構成】 ワイヤハーネス８を支持する支持部１５を備
えたクランプ本体１１と、ワイヤハーネス８の外周に巻
付けられ支持部１５に対してワイヤハーネス８を結束固
定する可撓性のバンド部１２とを備えたバンドクランプ
１０において、支持部１５から突出しバンド部１２の巻
付け力によってバンド部１２の巻付け内周側に撓む可撓
性支持片１６をクランプ本体１１に設け、可撓性支持片
１６の巻付け内周側にワイヤハーネス８の外周に当接さ
れる突起１７を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ワイヤーハーネス等の長尺部材を結束固定するためのバンドクラン プに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図６及び図７に、従来のバンドクランプの一例を示す（実開平１−１４７９６ ４号公報参照）。

【０００３】 このバンドクランプ１は、クランプ本体２と、クランプ本体２から一体に延設 された可撓性のバンド部３とを備えている。クランプ本体２には、バンド部３の 挿通される挿通孔４が形成され、挿通孔４内には可撓性の逆止爪５が設けられて いる。バンド部３の表面３ａの中央部には、逆止爪５に係止される係止突起６が 連続して多段に設けられ、係止突起６の両側には、滑り防止用突起７が多段に設 けられている。

【０００４】 図７に示すように、バンド部３を、係止突起６及び滑り防止用突起７を内側に して長尺部材としてのワイヤハーネス８に巻付けた後、挿通孔４に挿通して引張 ると、係止突起６が逆止爪５に係止され、ワイヤハーネス８が結束される。この とき、ワイヤハーネス８の外周面には、係止突起６及び滑り防止用突起７が押圧 されて、ワイヤハーネス８に対するバンドクランプ１の横ずれが防止される。

【０００５】 また、このバンドクランプ１は、滑り防止用突起７が挿通孔４内の逆止爪５の 両側を挿通するように設けられているので、滑り防止用突起７を挿通させるため に挿通孔４の幅及び高さをわざわざ大きく形成する必要もなく、クランプ本体２ の大型化を回避できる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】 ところが、このようなバンドクランプ１は、図７に示すように、バンド部３の 先端３ａを矢印Ｂ方向に引いて締め付けると、ワイヤハーネス８と接しているバ ンドクランプ３が矢印Ｃ方向に移動する。このため、バンド部３の締付け時に、 係止突起６又は滑り防止用突起７がワイヤハーネス８の外周面に引っ掛かり、結 束し難い場合があった。また、ワイヤハーネス８の外周面に係止突起６又は滑り 防止用突起７が引っ掛かった状態で、バンド部３を無理に締め付けると、ワイヤ ハーネス８を巻込んでしまう可能性があった。ワイヤハーネス８を巻込むと、ワ イヤハーネス８の外周面が傷付いてしまい、ワイヤハーネス８の耐久性が低下す る恐れがあった。

【０００７】 本考案は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、その目的 とするところは、締付け時に、ワイヤハーネスを巻込むことなく、かつクランプ 本体の小型化に対応可能なバンドクランプを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案は、長尺部材を支持する支持部を備えたクラ ンプ本体と、前記長尺部材の外周に巻付けられ前記支持部に対して前記長尺部材 を結束固定する可撓性のバンド部とを備えたバンドクランプにおいて、 前記支持部から突出し前記バンド部の巻付け力によって前記バンド部の巻付け 内周側に撓む可撓性支持片を前記クランプ本体に設け、前記可撓性支持片の巻付 け内周側に前記長尺部材の外周に当接される突起を設けた構成としてある。

【０００９】

【作用】

クランプ本体の支持部に支持された長尺部材をバンド部によって結束固定する と、バンド部の巻き付け力により可撓性支持片が巻付け内周側に撓み、突起が長 尺部材の外周に押圧されるので、結束固定された長尺部材の横ずれが突起によっ て阻止される。

【００１０】 また、長尺部材の結束固定時において、バンド部には長尺部材の外周に沿った 方向に巻付け力がはたらくが、バンド部の内周側に別体に設けられた可撓性支持 片には、バンド部を介して長尺部材に指向する締付け力が作用するので、可撓性 支持片の突起部は、長尺部材の外周を擦ることなく長尺部材に向かって押圧され る。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１〜図４に基づいて説明する。

【００１２】 図１は本考案の一実施例に係るバンドクランプの全体構成を示す斜視図、図２ は、図１のクランプ本体の斜視図、図３は、図１のバンドクランプの使用状態を 示す斜視図、図４は、図１のバンドクランプの使用状態を示す平面図で、（ａ） は図３のＤ方向からの矢視図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ断面図である。

【００１３】 このバンドクランプ１０は、長尺部材としてのワイヤハーネス８を支持する支 持部１５を備えたクランプ本体１１と、ワイヤハーネス８を結束する可撓性のバ ンド部１２とを別体に設けたもので、クランプ本体１１には、バンド部１２の挿 通される挿通孔１３が形成されている。挿通孔１３内には、図示しない可撓性の 逆止爪が設けられ、バンド部１２の表面には、逆止爪と係合する凹部１４が連続 して多段に設けられている。

【００１４】 支持部１５からは、可撓性を有する平板状の２つの支持片１６が、挿通孔１３ の貫通方向と略平行となるように突出して、反対の方向にそれぞれ延設されてい る。両支持片１６の一表面１６ａは、支持部１５の開放面である支持面１５ａと 同一平面に形成され、両支持片１６は、クランプ本体１１と一体に設けられてい る。

【００１５】 両支持片１６の前記表面１６ａの中央部には、支持片１６の延設方向に沿って 複数の突起１７が突設され、これらの各突起１７には、先端が先細りとなるよう に傾斜面が形成されている。

【００１６】 使用時には、バンド部１２をワイヤハーネス８に巻付けた後、図１中Ｘ方向へ 引張る。バンド部１２を引張ると、ワイヤハーネス８はバンド部１２によって図 １中Ｙ方向へ押圧されて、支持面１５ａ上に支持される。このとき、支持片１６ は、図３及び図４に示すように、ワイヤハーネス８の外周に沿うように撓み、ワ イヤハーネス８の外周面と接する。

【００１７】 そして、バンド部１２をさらに強く引張ると、バンド部１２にはワイヤハーネ ス８の外周に沿った方向に巻付け力がはたらき、この巻き付け力が支持片１６に 作用する。ところが、支持片１６は、バンド部１２の内周側に別体に設けられて いるので、支持片１６からワイヤハーネス８にはワイヤハーネス８へ指向する締 付け力が作用する。このため、支持片１６に設けられた突起部１７は、ワイヤハ ーネス８の外周表面を擦ることなく、ワイヤハーネス８に向かって押圧されるの で、ワイヤハーネス８の結束時にワイヤハーネス８を巻込むことがなく、また、 ワイヤハーネス８の外周面を傷付けることもない。

【００１８】 また、結束固定されたワイヤハーネス８の表面には、支持片１６が押圧されて 突起部１７がくいこむので、バンドクランプ１０の横ずれを確実に防止すること ができる。

【００１９】 さらに、バンド部１２の形状を特に変更する必要がないので、クランプ本体１ １の挿通孔１３を大きく形成する必要がなく、クランプ本体１１の小型化に対応 することができる。

【００２０】 なお、本考案は、本実施例に限るものではなく、例えば、図５に示すように、 可撓性支持片１８をクランプ本体１１と別体に設けても良い。この場合、支持片 １８に取付孔１９を形成し、支持面１５ａに係止突部２０を設け、取付孔１９に 係止突起２０を着脱自在に係止可能とすることで、支持片１８を適宜選択的に使 用することができ、汎用性が高まる。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のバンドクランプによれば、可撓性支持片が長尺 部材の外周を擦ることなく長尺部材に向かって押圧されるので、バンド部による 長尺部材の巻込みを回避することができると共に、結束固定時の横ずれを確実に 防止することができ、かつ、長尺部材の小型化に対応可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係るバンドクランプの全体
を示す斜視図である。

【図２】図１のバンドクランプのクランプ本体を示す斜
視図である。

【図３】図１のバンドクランプの使用状態を示す斜視図
である。

【図４】図１のバンドクランプの使用状態を示す図であ
り、（ａ）は平面図であり、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ断
面図である。

【図５】本考案の他の実施例に係るバンドクランプの全
体を示す斜視図である。

【図６】従来のバンドクランプを示す斜視図である。

【図７】図６のバンドクランプの使用状態を示す正面断
面図である。

【符号の説明】

８ ワイヤハーネス（長尺部材） １０ バンドクランプ １１ クランプ本体 １２ バンド部 １５ 支持部 １６ 可撓性支持片 １７ 突起

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺部材を支持する支持部を備えたクラ
   ンプ本体と、前記長尺部材の外周に巻付けられ前記支持
   部に対して前記長尺部材を結束固定する可撓性のバンド
   部とを備えたバンドクランプにおいて、 前記支持部から突出し前記バンド部の巻付け力によって
   前記バンド部の巻付け内周側に撓む可撓性支持片を前記
   クランプ本体に設け、前記可撓性支持片の巻付け内周側
   に前記長尺部材の外周に当接される突起を設けたことを
   特徴とするバンドクランプ。