JPH0542060U - 作業車のキヤビン構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業車のキャビン構造において、キャビン内
の天井部にエアコン本体及びその操作部を十分な強度で
連結支持できるように構成する。 【構成】 キャビン１の天井部に位置する左右の金属製
のフレーム７に亘り、前後一対の金属製の支持フレーム
８，９を架設連結して、この前後の支持フレーム８，９
に亘りエアコン本体１１を架設連結し、前側の支持フレ
ーム８にエアコン本体１１用の操作部１２を連結固定す
る。そして、操作部１２を運転席１８側から操作する為
の開口１７ａを備えた天井パネル１７を、支持フレーム
８，９、エアコン本体１１及び操作部１２の下側を覆う
ように取り付けてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、農用トラクタやコンバイン等の作業車におけるキャビン構造に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

作業車の一例である農用トラクタにおいては、例えば実開平２−１０８６７４ 号公報に開示されているように、操縦ハンドルや運転席等で構成された操縦部を 略完全に覆うキャビンを備えているものがある。このキャビンは鳥籠状の金属製 のフレームに対して、天井や前面等に樹脂製の透明及び非透明のパネルを取り付 けたような構成となっている。 このようなキャビンを備えた農用トラクタにおいては、作業の快適化の観点か らキャビン内に空調用のエアコンを装備することが考えられており、このエアコ ンの支持構造として次のようなものがある。つまり、キャビンにおける樹脂製の 天井パネルに金属製の座板を取り付け、この天井パネルの座板にエアコン本体及 び操作部をボルト連結した構造である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前述のように比較的大きなエアコンをキャビンの天井に装備することは、狭い キャビン内においてスペースの面から有効な構造となるのであるが、このエアコ ンは重量物であるので、エアコンを支持する樹脂製の天井パネルを十分に強度の ある肉厚のものに形成する必要がある。 しかしながら、樹脂製の天井パネルを肉厚に形成するとなると製作コストがど うしても高くなると共に、エアコンを支持した状態で走行に伴う振動が天井パネ ルに長期間に亘って掛かると、天井パネル自身の耐久性の面でやや不安が生じて くる。 本考案は、製作コストを抑えながら十分な強度でエアコンをキャビンの天井部 に支持できるように構成することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の特徴は以上のような作業車のキャビン構造において、次のように構成 することにある。つまり、 キャビンの天井部に位置する左右の金属製のフレームに亘り、前後一対の金属 製の支持フレームを架設連結して、この前後の支持フレームに亘りエアコン本体 を架設連結し、前側の支持フレームにエアコン本体用の操作部を連結固定すると 共に、操作部を運転席側から操作する為の開口を備えた天井パネルを、支持フレ ーム、エアコン本体及び操作部の下側を覆うように取り付けてある。

【０００５】

【作用】

前述のように構成すると例えば図２及び図３に示すように、エアコン本体１１ 及び操作部１２は金属製の支持フレーム８，９を介して、キャビン１の天井部の 金属製のフレーム７に連結支持されることになり、エアコン本体１１及び操作部 １２は天井パネル１７（図１参照）に連結支持されることはない。又、エアコン 本体１１の前側及び操作部１２を一つの支持フレーム８に連結しているので、エ アコン本体１１の前側及び操作部１２を別々のフレームに連結するよりも、部品 点数が少なくなる。 又、例えば図１に示すように、操作部１２を前側の支持フレーム８に連結して いるので、この支持フレーム８より後側斜め下方に位置する運転席１８に作業者 が着座している場合、この作業者が手を斜め前上方に延ばせば操作部１２を楽に 操作することができる。

【０００６】

【考案の効果】

以上のように、重量物であるエアコン本体及びその操作部を、十分な強度を持 ち低コストの金属製の支持フレームに連結固定することにより、天井パネルを特 に強度のあるものにする必要がなくなった。これにより、天井パネルは単に化粧 パネル的な機能を持つ薄いものでよく、低コスト化を図ることができる。 又、前側の支持フレームをエアコン本体の支持用と操作部の支持用とに兼用し ているので、支持構造の簡素化が図れると共に、運転席から操作部が操作し易く 操作性も良いものとなる。 そして、本考案のように支持フレームをキャビンの天井部に架設連結すると支 持フレームが天井部の補強部材にもなるので、作業車が転倒した場合におけるキ ャビンの天井部による作業者の保護機能を高めることができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１，２，３，４に、作業車の一例である農用トラクタの操縦部を覆うキャビ ン１の全体を示している。キャビン１は金属製の縦フレーム２，３，４を金属製 の下フレーム５で連結すると共に、縦フレーム２，３，４の上端を直線状で金属 製の前フレーム６、及び平面視Ｕ字状の金属製のフレーム７で連結して構成され ている。

【０００８】 キャビン１の天井部において、フレーム７の左右に亘り金属製の第１支持フレ ーム８、金属製の第２支持フレーム９及び金属製の第３支持フレーム１０が架設 連結されており、エアコン本体１１が第１及び第２支持フレーム８，９の上側に 亘り架設連結されている。

【０００９】 操作レバーや操作スイッチ等を備えた操作部１２が、第１支持フレーム８の中 央下側に第２支持フレーム９側に向けて固定されると共に、操作部１２とエアコ ン本体１１とに亘り操作用のワイヤ１３が接続されている。第３支持フレーム１ ０の上側とフレーム７の後部に亘りファン１４が連結され、このファン１４がエ アコン本体１１の後面に連結されており、エアコン本体１１からの冷風又は温風 をファン１４を通してキャビン１内に送り込むように構成している。

【００１０】 図２及び図３に示すように、第１支持フレーム８の下側において操作部１２の 隣に一対のブラケット１５が固定されており、ラジオ及びカセットテープ再生機 を一体化したラジカセ１６が、この左右のブラケット１５に第２支持フレーム９ 側に向くように連結固定されている。そして、図１に示すように、操作部１２及 びラジカセ１６の操作面が出る開口１７ａを備えた樹脂製の第１天井パネル１７ が、ラジカセ１６、操作部１２、エアコン本体１１、ファン１４及び第１，２， ３支持フレーム８，９，１０の下側を覆うように取り付けられ、樹脂製の第２天 井パネル２９がエアコン本体１１、ファン１４等の上側を覆うように取り付けら れている。

【００１１】 以上の構成により図１に示すように、キャビン１内の運転席１８に着座した作 業者が手を斜め前上方に延ばせば、エアコン本体１１の操作部１２及びラジカセ １６を楽に操作することができる。

【００１２】 キャビン１の左右には後側を支点とした開閉式のドア１９が設けられており、 次にこのドア１９の施錠構造について説明する。図５に示すように、ドア１９の 内側に備えられた揺動式の開閉レバー２１と、施錠部２０の開閉操作部２０ａと がロッド２２を介して連動連結されている。そして、ドア１９の内側に上下スラ イド操作自在に備えられたロックボタン２３と、施錠部２０のロック操作部（図 示せず）とが、一対のベルクランク２４及び一対のロッド２５を介して連動連結 されている。そして、ドア１９の外側に設けられた鍵部２６と、ロックボタン２ ３側のベルクランク２４とがロッド２８を介して連動連結されている。

【００１３】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為に符号を記す が、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】キャビン内を示す縦断側面図

【図２】キャビン、エアコン本体及び操作部、第１及び
第２支持フレーム等を示す分解斜視図

【図３】キャビン上部の平面図

【図４】キャビンを装備した農用トラクタの全体側面図

【図５】キャビンにおけるドアの施錠構造を示す分解斜
視図

【符号の説明】

１ キャビン ７ フレーム ８，９ 支持フレーム １１ エアコン本体 １２ 操作部 １７ 天井パネル １７ａ 天井パネルの開口 １８ 運転席

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャビン（１）の天井部に位置する左右
   の金属製のフレーム（７）に亘り、前後一対の金属製の
   支持フレーム（８），（９）を架設連結して、この前後
   の支持フレーム（８），（９）に亘りエアコン本体（１
   １）を架設連結し、前側の前記支持フレーム（８）に前
   記エアコン本体（１１）用の操作部（１２）を連結固定
   すると共に、前記操作部（１２）を運転席（１８）側か
   ら操作する為の開口（１７ａ）を備えた天井パネル（１
   ７）を、前記支持フレーム（８），（９）、エアコン本
   体（１１）及び操作部（１２）の下側を覆うように取り
   付けてある作業車のキャビン構造。