JPH0539882A - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁

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JPH0539882A
JPH0539882A JP3194104A JP19410491A JPH0539882A JP H0539882 A JPH0539882 A JP H0539882A JP 3194104 A JP3194104 A JP 3194104A JP 19410491 A JP19410491 A JP 19410491A JP H0539882 A JPH0539882 A JP H0539882A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弁部の開閉により発生する気流騒音を電磁弁
内で低減させること。 【構成】 気体の流入口３０ａと流出口３０ｂの間であ
って弁座３０ｃ周辺の空間部３１に隔壁３２を設け、こ
の空間部３１の一部に共鳴室３３を形成し、この隔壁３
２に連通孔３２ａを設けて空間部３１と共鳴室３３間の
気体の流通を図り、連通孔の部分で大きな空気振動を発
生させ、空間部３１内の気流騒音エネルギーを減衰させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は電磁弁に関し、更に詳細
には空気、ガソリン蒸気等、気体の流路を開閉すること
により流量及び圧力を制御する電磁弁、特に自動車に装
着して、スロットル弁のバイパス空気量、またはガソリ
ンタンクからの蒸発ガソリンを、キャニスタを介して吸
気管へ導入するキャニスタパージ量を制御するデューテ
ィー制御電磁弁に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来のこの種の電磁弁は図５に示される
ように構成されていた。すなわち、従来の電磁弁は、ボ
ビン１に電線を巻線して形成された電磁コイル２を含
み、該コイル２の両端はターミナル３に接合されてい
る。この電磁コイル２の外周は樹脂成形によって外装カ
バー４で保護されており、該外装カバー４はターミナル
部のコネクタハウジングも一体に形成している。
【０００３】電磁コイル２の中心には固定鉄心であるス
テータコア５が配設され、コイル２の外周を囲むヨーク
６、プレート７と共に磁路を構成する。また、プランジ
ャ８はボビン１の内周に形成された摺動ガイド部１ａで
滑動自在に支持され、一端面がステータコア５と対向し
ている。プランジャ８の他端面は吸気の流入口１００
ａ、流出口１００ｂ、流体室１０１、および弁座１００
ｃを形成するケース１００で包囲され、プランジャ８の
他端面に設けられ且つ弾性部材で成形された弁部８ａと
弁座１００ｃとが対向している。そして、プランジャ８
の弁部８ａが弁座１００ｃに当接する方向にプランジャ
８を押圧するスプリング９がプランジャ８とステータコ
ア５の間に配設されている。
【０００４】また、ケース１００とプレート７の間にＯ
リング１０が、およびボビン１と外装カバー４とプレー
ト７との間にＯリング１１が各々配設され、部品間の気
密性を保持している。更に、ヨーク６、ステータコア
５、ボビン１、外装カバー４の間には制振と気密性確保
を目的としたラバーシート１２が狭持固定されている。
【０００５】次に図５に示される従来の電磁弁の動作に
ついて説明する。ターミナル４に外部から電気信号が入
力されると、コイル２に磁界が発生し、磁路構成部材で
あるステータコア５、ヨーク６、プレート７に磁気が集
束し、可動鉄心であるプランジャ８がスプリング９の閉
弁方向付勢力に抗して、ステータコア側に電磁吸引さ
れ、ボビン１の一部に形成された摺動ガイド部１ａ内を
滑動することによりプランジャ８先端の弁部８ａがケー
ス１００に一体形成された弁座１００ｃから離れて開弁
する。開弁すると流入口１００ａから気体は流入し、流
体室１０１、弁座１００ｃを通って流出口１００ｂから
流出する。（図５に対して流入口と流出口が逆転しても
制御は同一である。）コイル２への通電が停止されると
プランジャ８はスプリング９の付勢力により滑動し、弁
部８ａがケースの弁座１００ｃに着弁し、流体通路を閉
弁する。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】従来の電磁弁の構造お
よび動作は前述の通りであり、本電磁弁が電気信号に従
って高速周期（数十回／秒）で開弁閉弁動作を繰り返す
場合、開閉弁時に気流音が発生する。単発動作の場合も
発生するが瞬時で１回しか発生しないため、特に問題は
ないが、デューティ制御電磁弁のように連続して気流音
が発生する場合は耳ざわりであるという問題があった。
【０００７】本発明の目的は、かかる従来の電磁弁にお
いて生じていた気流騒音を解消するためになされたもの
で、弁部の開閉により発生する気流騒音を電磁弁内で低
減する電磁弁を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁弁は、気体
の流入口と流出口の間であって弁座部周辺の空間部に隔
壁を設けることによりこの空間部の一部に共鳴室を形成
し、該隔壁には流体室と共鳴室を連通する少なくとも１
個以上の連通孔を設け流体室と共鳴室間の気体の出入り
は該連通孔を通じて行なわれることを特徴とする。
【０００９】また、本発明の電磁弁の他の１つの特徴
は、隔壁が磁気回路構成部材プレートを兼用し、更にボ
ビンとコイルの外装カバーを利用して共鳴室を形成し、
前記プレートを介してプレート前面に流体室、背面に共
鳴室を有する構造とし、プレートには少なくとも１個以
上の連通孔を設け、流体室と共鳴室間の気体の出入りが
該連通孔を通じて行なわれる構造としたことにある。
【００１０】
【作用】プランジャによる弁部の開閉動作が高速周期で
繰り返えされると、弁部での被制御流体のせん断によっ
て高周波数の気流騒音が発生する。弁部の周囲の前記流
体室で発生した騒音音圧は隔壁の連通孔を通して共鳴室
内で共振する。その結果、連通孔部分で大きな空気振動
が発生し、流体室内の気流騒音エネルギーは減衰し、消
音する。
【００１１】
【実施例】以下、本発明の電磁弁を図に示された実施例
について更に詳細に説明する。図１には本発明の第１の
実施例に係る電磁弁２０が示されている。本発明のこの
実施例を示す図１において、図５に示される従来の電磁
弁と同一又は相当する部分は同一の参照符号を付してそ
の説明を省略する。図１から明らかなように、本発明の
この実施例に係る電磁弁２０において符号１〜１２で示
される構成部分は図５に示される従来の電磁弁のものと
同じであり、本実施例ではプランジャ８の他端面を包囲
するようにプレート７に密着して配置されるケース３０
を異にしている。
【００１２】本実施例の電磁弁２０を構成するケース３
０は、従来のものと同様に吸気の流入口３０ａ、流出口
３０ｂ、流体室３１、および弁座３０ｃを備え、プラン
ジャ８の他端面に設けられ且つ弾性部材で成形された弁
部８ａと弁座３０ｃとが対向している。このケース３０
における内部の流体室３１には隔壁３２が装着され、こ
れによりこの流体室３１の下部が共鳴室３３とされてい
る。この隔壁３２には１つの連通孔３２ａが形成されて
おり、共鳴室３３と流体室３１とは連通されている。
【００１３】次に、図１に示される本発明の実施例にお
ける電磁弁２０の動作について説明する。この電磁弁２
０の動作において、電磁弁本体の動作は従来の電磁弁と
同様であるのでその説明を省略する。ターミナル３に外
部から電気信号が入力されるとプランジャ８が滑動して
弁部８ａが弁座３０ｃから離れて開弁し、又コイル２へ
の通電が停止されるとプランジャ８はスプリング９の付
勢力により滑動し、弁部８ａがケース３０の弁座３０ｃ
に着座し、流体通路を閉弁する。
【００１４】前述の開閉弁動作が高速周期で繰り返えさ
れる場合、弁部８ａでの被制御流体のせん断によって高
周波数の気流騒音が発生する。弁部８ａの周囲の流体室
３１で発生した騒音音圧は隔壁３２の連通孔３２ａを通
って共鳴室３３内で共振する。その結果、連通孔３２ａ
で大きな空気振動が発生し、流体室３１内の気流騒音エ
ネルギーは減衰し、消音する。
【００１５】すなわち、弁部８ａの開閉動作により、弁
部で発生する気流騒音の減衰させたい周波数成分に一致
する共鳴室の容積（Ｖ）、隔壁厚さ（Ｔ）、連通孔半径
（Ｒ）、連通孔数（Ｎ）を設定することにより共鳴室内
の気体の共振により連通孔部で大きな空気振動を発生さ
せ粘性抵抗によって熱エネルギーに変換させることによ
り目標とする気流騒音を減衰させることが可能となる。
その際、共鳴周波数をｆとすると上記の関係は次式であ
たえられる。但し、Ｃは音速を示す。
【００１６】
【数１】
【００１７】
【数２】
【００１８】次に、図２には本発明の第２の実施例に係
る電磁弁４０が示されている。図２に示される実施例で
は、被制御流体の流入口５０ａ、流出口５０ｂ、弁座５
０ｃを具備するケース５０およびその内部の流体室５１
に隔壁５２にて共鳴室５３を区画形成することは図１に
示される第１の実施例と同一であるが、この第２の実施
例の電磁弁４０は、共鳴室５３を流体室５１の上部即ち
プランジャ摺動ガイド部１ａの外周付近に形成している
点で異なる。なお、符号５２ａは連通孔である。この第
２の実施例に係る電磁弁４０においても、第１の実施例
の電磁弁２０と同様の効果を得ることができる。
【００１９】図３には更にケースの構成を第１および第
２の実施例における電磁弁と異にする第３の実施例に係
る電磁弁６０が示されている。図３に示される実施例で
は被制御流体通路を形成するケース７０を第１ケース７
１と第２ケース７２に分割し、両ケースの嵌め込み接合
部に隔壁７３を第１ケース７１の一部として形成する。
隔壁７３には１個以上の連通孔７３ａが配設されてお
り、被制御流体の流入口７１ａと弁座７１を具備した第
１ケース７１が画成する流体室７４と、流出口７２ａを
具備した第２ケース７２が画成する共鳴室７５とを連通
している。
【００２０】なお、図３に示される第３の実施例の電磁
弁６０では、隔壁７３を第１ケース７１に一体に形成し
たものであったが、勿論、これは第２ケース７２に一体
に形成してもよい。また、この隔壁を別部品として第１
ケース７１と第２ケース７２とで挾持固定した構造とし
てもよい。
【００２１】次に、本発明の第４の実施例に係る電磁弁
８０について説明する。この実施例の電磁弁８０は図４
に示され、その構造については第１の実施例の電磁弁２
０との相違点のみ説明する。この第４の実施例における
電磁弁８０において、被制御流体の流体室１０１と共鳴
室８１がプレート７に設けられた連通孔８２にて連通さ
れている。
【００２２】すなわち、第１の実施例ないし第３の実施
例は全て被制御流体の流路を構成するケース３０，５
０，７０内に共鳴室３３，５３，７５を画成したのに対
し、この第４の実施例では、磁気回路を構成するプレー
ト７を隔壁として利用してこれに連通孔８２を設け、電
磁コイル２を保持するボビン８３のプランジャ摺動ガイ
ド部８３ａの外周部と外装カバー８４のプレート当接部
を伸ばし、プレート７、ボビン８３、外装カバー８４に
よって囲まれた空間８１を共鳴室とし、流体通路を構成
するケース内から共鳴室を廃除し、電磁コイル側に形成
している。その他の構造は図５の従来例と同一につき説
明を省略する。なお、この第４の実施例における電磁弁
８０の動作および共鳴室８１と連通孔８２の機能につい
てはすべて第１の実施例と同様である。
【００２３】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電磁弁に
よれば弁部の開閉によって発生する気流騒音を電磁弁内
部で減少させることが可能となり、吸気管等への消音器
の設置等、余分な装備が不要となりシステム構成が簡単
になる。特に近年の自動車のエンジンルームのようにコ
ンパクト設計が必要な場所では極めて多大な効果を奏す
る。また、本発明の電磁弁では、既存電磁弁の流体通路
内に簡単に共鳴室を追設可能であり、或いは共鳴室を構
成するための隔壁として磁路を構成しているプレートを
流用する場合には従来の電磁弁を構成する部品点数が増
加しないなど、あらゆる面で実用的価値を有している。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施例に係る電磁弁を示す断面
図である。
【図２】本発明の第２の実施例に係る電磁弁を示す断面
図である。
【図３】本発明の第３の実施例に係る電磁弁を示す断面
図である。
【図４】本発明の第４の実施例に係る電磁弁を示す断面
図である。
【図５】従来の電磁弁を示す断面図である。
【符号の説明】
１ ボビン ２ 電磁コイル ４ 外装カバー ５ ステータコア ６ ヨーク ７ プレート ８ プランジャ ８ａ 弁部 ２０ 電磁弁 ３０ ケース ３０ａ 流入口 ３０ｂ 流出口 ３０ｃ 弁座 ３１ 流体室 ３２ 隔壁 ３２ａ 連通孔 ３３ 共鳴室 ８０ 電磁弁 ８１ 共鳴室 ８２ 連通孔 ８３ ボビン ８４ 外装カバー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ボビンに巻線された電磁コイルと、該コ
    イルに通電することにより発生する磁界を集束させる磁
    路構成部材と、前記発生磁界により滑動するプランジャ
    と、吸気の流入口、流出口、弁座を具備したケースと、
    前記プランジャを閉弁方向に付勢するバネ部材とにより
    構成される電磁弁において、前記ケース内の前記流入口
    から前記流出口までの流体通路空間に、少なくとも１個
    以上の連通孔を有する隔壁を配設して該流体通路空間の
    一部に共鳴空間を区画形成したことを特徴とする電磁
    弁。
  2. 【請求項２】 前記磁路構成部材を構成するプレートに
    少なくとも１個以上の連通孔を設けて前記共鳴空間を画
    成する隔壁の機能を併持させ、前記プレートと接する前
    記ボビンと前記電磁コイルの外装カバーとの間に共鳴空
    間を区画形成したことを特徴とする請求項１に記載の電
    磁弁。
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