JP2009091934A - 負圧応動弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 第2バルブ5よりなる弁体部だけでなく、板ばね6よりなる板ばね部で2つの第1、第2流体通路51、52内の圧力を受圧できるようにすることで、低差圧で第2バルブ5を作動させることを課題とする。
【解決手段】 板ばね部自体に、2つの第1、第2流体通路51、52を連通する開口部7を設け、第2バルブ5よりなる弁体部と板ばね6よりなる板ばね部で2つの第1、第2流体通路51、52内の圧力を受圧させることにより、第2バルブ5のリフト量が中間リフトよりも小さい時であっても、大きな差圧力(第2バルブ5および板ばね6の両面に作用する差圧に基づいて第2バルブ5および板ばね6に作用する力)を確保することができるので、吸気管負圧と大気圧との差圧が低差圧であっても第2バルブ5を円滑に作動(リフト)させることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の吸気通路に生じる負圧に応じて弁体部のリフト量が変化し、そのリフト量の変化に伴って流体の流量を制御する負圧応動弁に関するもので、特に負圧応動弁を利用して、内燃機関の吸気通路に導入する蒸発燃料等の流体の流量を制御する流量制御弁に係わる。
[従来の技術]
従来より、例えば自動車等の車両の燃料タンク内で蒸発気化した蒸発燃料等の流体を、キャニスタ、電磁式パージ流量制御弁(以下電磁弁と呼ぶ)を経由してエンジンの吸気管に吸気管負圧を利用して導入(パージ)することで、蒸発燃料等の流体が大気中へ放出されることを防止する蒸発燃料処理装置が公知である。この蒸発燃料処理装置に使用されるキャニスタ内には、蒸発燃料等の流体を吸着する吸着体(例えば活性炭等)が収納されている。また、キャニスタには、大気に開放された大気開放孔が形成されている。
ここで、電磁弁は、一制御周期当たりのオン時間とオフ時間との時間比(デューティ比)を可変制御することにより、バルブ(主弁体)のリフト量が変化し、そのリフト量の変化に伴って蒸発燃料等の流体の流量を制御するように構成されている。
このようなデューティ駆動方式の電磁弁の中で、図9および図10(a)に示したように、電磁弁のバルブ(主弁体)101よりも下流側に、吸気管負圧と大気圧との差圧で作動する副弁体102を設置した電磁弁が知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、電磁弁のコイル103への通電により第1スプリング104の付勢力に抗して主弁体101が開弁すると、入口ポートに連通する上流側流体通路111と出口ポートに連通する下流側流体通路112との間に、副弁体102の絞り開口113により、大気圧と吸気管負圧との差圧(Δp)が発生する。
この差圧(Δp)が発生することにより、Δp×S1(開口110および絞り開口113により決まる受圧面積)の大きさの力が、副弁体102に作用して、副弁体102が弁座側へ付勢される。
これによって、第2スプリング105の付勢力よりもΔp×S1の値が上回る高負圧の場合には、図9に示したように、副弁体102がハウジング106に設けられた弁座114に着座し続けることとなり、開口110の面積が絞り開口113の面積に減少されて流量が低減される。したがって、高負圧(差圧大)時の低流量を高精度で制御できる。
一方、差圧(Δp)が低下して第2スプリング105の付勢力よりもΔp×S1の値が下回る低負圧の場合には、図10(a)に示したように、副弁体102は第2スプリング105の付勢力により環状突起122を区画壁107に押し付けたままとなる。副弁体102のキャップ体121および環状突起122には、切欠き部123が形成されているので、低負圧の場合には、絞り開口113のみならず、切欠き部123を経て流体が全開した開口110に流入する。
また、上記の副弁体102の変形例として、図10(b)に示した副弁体109も提案されている。この副弁体109は、弁座114に着座したとき、開口110内に突出する円筒状の突部124を形成し、他側には環状突起125を形成して切欠き部(図示せず)を複数箇所設け、円筒状の突部124の中心を貫通する絞り開口127を形成している。 そして、副弁体109が弁座114に着座するときは、弁座114の開口110内に突出する突部124により案内される。
また、第2スプリング105の付勢力により副弁体109が弁座114から離間されるときは、突部124が開口110内に突出している限り、差圧(Δp)に応じた流体力が副弁体109に作用し、第2スプリング105の付勢力との釣り合い位置、つまり副弁体109のバルブリフト量(L)を変えることができ、差圧(Δp)の変動に対する流量変化を緩やかにできるので、高負圧(差圧大)時の低流量制御精度を高めることができる。
[従来の技術の不具合]
ところが、従来の電磁弁においては、低負圧時に流量を稼ぐために副弁体102、109のリフト量を大きくすると、図11のグラフに示したように、ゼロリフト時に働いている静的な差圧による力(差圧力)が低下し、代わりに副弁体102、109に作用する動的な流体力が生じるが、粘性の低い空気のような気体では大きな流体力が期待できず、ゼロリフト時から大きく負圧が低下し、低差圧において副弁体102、109が作動しないという問題がある(差圧に対する副弁体102、109の開⇒閉/閉⇒開の流量にヒステリシスが生じる)。
また、大気圧と吸気管負圧との差圧(Δp)の変化に対して流量が急激に変動するという問題がある。
また、図10(b)に示したように、ハウジング106の円筒状の突起部129と副弁体109との間に流体を流すためのクリアランスを必要とするため、流量の切替差圧付近で副弁体109が径方向に振動し、大きな音が発生するという問題がある。
ここで、副弁体109の受圧面積は、バルブリフト量が変化しても変わらない。このため、一定のバルブリフト量以上に副弁体109のバルブリフト量が大きくなると、副弁体109に作用する差圧荷重が大きく低下する。
また、副弁体109の突部124と円筒状の突起部129とが重なり合うラップ部の長さは、副弁体109のバルブリフト量が大きくなると減少する。このため、副弁体109に作用する流体力は、副弁体109のバルブリフト量の増加と共に減少する。これにより、副弁体109のバルブリフト量が大きくなると、差圧力が低下する。
特開平7−310849号公報
本発明の目的は、弁体部だけでなく板ばね部でも2つの第1、第2流体通路内の圧力を受圧できるようにすることで、低差圧で作動させることのできる負圧応動弁を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、弁体部を支持する板ばね部を、ハウジングの内部(流体通路)を(弁体部と共に)2つの第1、第2流体通路に区画するように流体通路の中に設置している。そして、板ばね部自体に、2つの第1、第2流体通路を連通する開口部を設けることにより、弁体部だけでなく板ばね部で2つの第1、第2流体通路内の圧力を受圧することが可能となる。
これによって、弁体部のリフト量が小さい時であっても、大きな差圧力(弁体部および板ばね部の両面に作用する差圧に基づいて弁体部および板ばね部に作用する力)を確保することができるので、低差圧で弁体部を作動させることができる。また、弁体部だけでなく板ばね部自体に差圧力が作用するので、負圧と大気圧との差圧の変化に対する弁体部の作動応答遅れ(ヒステリシス)がなくなる。
請求項2に記載の発明によれば、第1流体通路が、可動部(弁体部および板ばね部)よりも大気開放孔側に設けられており、第2流体通路が、可動部(弁体部および板ばね部)よりも吸気通路側に設けられている。そして、板ばね部の開口部は、第1流体通路から第2流体通路に向けて流体が通過する流体通過口を構成している。
これにより、可動部(弁体部および板ばね部)の第1流体通路側面および第2流体通路側面には、負圧と大気圧との差圧が作用する。
請求項3に記載の発明によれば、弁体部のゼロリフト時における板ばね部の開口部の面積を、流体通路のうちで最も流体通路面積が小さい部位と同等以下とすることにより、より大きな差圧力を板ばね部で受けることが可能となるので、より小さな差圧で弁体部を作動させることができる。また、弁体部のゼロリフト時には、板ばね部を含む可動部全体が、2つの第1、第2流体通路内の圧力を受圧する受圧部となる。
請求項4に記載の発明によれば、弁体部のフルリフト時における板ばね部の開口部の面積を、流体通路のうちで最も流体通路面積が小さい部位よりも大きくしている。また、弁体部のフルリフト時には、弁体部が主たる受圧部となる。
請求項5に記載の発明によれば、弁体部は、負圧と大気圧との差圧に応じてリフト量が変化し、そのリフト量の変化に伴って流体の流量を制御している。すなわち、本発明の負圧応動弁は、負圧作動式の流量制御弁を構成している。
請求項6に記載の発明によれば、弁体部に作用する(負圧と大気圧との)差圧が小さくなると、弁体部のリフト量が差圧に応じて小さくなる。そして、板ばね部は、弁体部のリフト量が小さくなるに従って板ばね部の開口部の面積が徐々に減少するように、弁体部の移動方向に立体的に変位する。これにより、弁体部のフルリフトと弁体部のゼロリフトとの間で弁体部に作用する差圧荷重を滑らかに徐変させることができるので、負圧と大気圧との差圧の変化に対して急激な流量変化を防止することができる。
請求項7に記載の発明によれば、板ばね部は、弁体部と共に2つの第1、第2流体通路内の圧力を受圧する受圧部を構成している。
請求項8に記載の発明によれば、板ばね部は、弁体部の移動方向に弾性変形する弾性変形部を有している。これにより、弁体部は、板ばね部の弾性変形部の弾性変形を伴って流体通路の軸線方向に移動可能となるように流体通路の中に設置される。
請求項9に記載の発明によれば、可動部(弁体部および板ばね部)を、電磁弁のバルブよりも流体の流れ方向の下流側に配置している。
本発明を実施するための最良の形態は、低差圧で作動させるという目的を、板ばね部自体に、2つの第1、第2流体通路を連通する開口部を設けて、弁体部だけでなく板ばね部でも2つの第1、第2流体通路内の圧力を受圧できるようにすることで実現した。
[実施例1の構成]
図1ないし図8は本発明の実施例1を示したもので、図1は蒸発燃料処理装置の全体構造を示した図で、図2は電磁弁の全体構造を示した図で、図3は第2可動部(弁体部および板ばね部)を示した図である。
本実施例の電磁弁1は、自動車等の車両の燃料タンク11内で蒸発気化(揮発)した蒸発燃料(エバポガス)等の流体をキャニスタ12を経由して内燃機関(例えばガソリンエンジン:以下エンジンと言う)のエンジン吸気管13内に吸気管負圧を利用して導入(パージ)することで、蒸発燃料等の流体が大気中へ放出されることを防止する蒸発燃料処理装置に組み込まれている。この蒸発燃料処理装置は、燃料タンク11とキャニスタ12とが流体導入通路14を介して連通し、キャニスタ12とエンジン吸気管13とが流体導入通路(パージライン)15を介して連通している。
燃料タンク11には、燃料タンク11内の圧力(タンク内圧)を検出する圧力センサ(タンク内圧センサ:図示せず)が設けられている。キャニスタ12内には、蒸発燃料等の流体を吸着する吸着剤(例えば活性炭等)が収納されている。そして、キャニスタ12の大気開放孔(ポート)には、大気に開放された大気開放配管16が接続されている。大気開放配管16の途中には、キャニスタ12内に流入する空気を濾過するフィルタ17、および必要に応じてキャニスタ12の大気開放孔を閉塞するキャニスタ制御弁(キャニスタ・コントロール・バルブ)18が設けられている。なお、フィルタ17は、大気開放配管16の入口部(大気開放孔)から流入する空気は通過可能であるが、空気に混入した異物を捕捉して、エンジン吸気管13内への異物の侵入を防止するものである。また、電磁弁1の内部にフィルタ9を内蔵しているので、大気開放配管16の途中にフィルタ17を設けなくても良い。また、キャニスタ制御弁18は、常開型の電磁式開閉弁である。
また、エンジン吸気管13内には、エンジンの各気筒の燃焼室内に連通する吸気通路内を流れる吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ19が設けられている。また、流体導入通路15の途中には、電磁弁1が設けられている。なお、流体導入通路15は、スロットルバルブ19よりも吸入空気流方向の下流側(エンジンの吸気ポート側)に接続されている。そして、蒸発燃料等の流体のリークチェックは次に示す順序により行われる。キャニスタ12の大気開放孔をキャニスタ制御弁18で閉塞する。そして、電磁弁1を開放することにより、エンジン吸気管13内の吸気管負圧を流体導入通路15およびキャニスタ12に導入した後に、電磁弁1を閉塞することで蒸発燃料等の流体を完全に遮断する。そして、一定時間が経過した後に、圧力センサによって燃料タンク11内の圧力が上昇したか否かを測定することで、蒸発燃料等の流体のリークチェックが行われる。
次に、本実施例の電磁弁1の構成を図1ないし図6に基づいて説明する。この電磁弁1は、蒸発燃料処理装置の流体導入通路15の途中に設置されて、蒸発燃料等の流体をキャニスタ12からエンジン吸気管13内に導入するパージ流量を制御する常閉型のパージデューティVSV(バキューム・スイッチング・バルブ)である。この電磁弁1は、電磁弁駆動回路を介してエンジン制御ユニット(ECU)によってコイル2を通電する時間を制御することで、蒸発燃料等の流体をキャニスタ12からエンジン吸気管13内に導入するパージ流量を制御している。
ここで、ECUは、周知のマイクロコンピュータを内蔵し、電磁弁1を通電する時間(一制御周期当たりのオン時間とオフ時間との時間比:デューティ比)を制御することで、蒸発燃料等の流体をキャニスタ12からエンジン吸気管13内に導入するパージ流量が制御される。
本実施例の電磁弁1は、通電によって磁力を発生するコイル2を含む電磁石等によって構成された電磁駆動部(ソレノイド部)と、この電磁駆動部によって駆動される第1バルブ(主弁体)3と、電磁駆動部と一体化されたハウジング4とを備えている。また、電磁弁1は、エンジンの吸気通路に生じる吸入負圧(吸気管負圧)と大気圧との差圧で、第2バルブ(副弁体)5および板ばね(板ばね部)6等よりなる第2可動部が作動する負圧応動弁を内蔵している。
なお、本実施例のハウジング4の内部には、電磁弁1の弁孔20に向けて流れる蒸発燃料等の流体中に混入した異物を捕捉するシート状のメッシュフィルタ(以下フィルタと言う)9と、第1バルブ3を第1弁座に押し付ける方向に付勢する付勢力(スプリング力)を発生するコイルスプリング10とが設けられている。
電磁駆動部は、励磁電流を供給することにより磁気吸引力(起磁力)を発生する電磁式アクチュエータであって、通電されると周囲に磁束を発生するコイル2と、このコイル2および固定コアと共に磁気回路を形成するムービングコア(可動コア)21と、コイル2により励磁されるステータコア22、ヨーク23等の固定コアと、第1バルブ3およびムービングコア21等よりなる第1可動部の軸線方向の移動距離を規制するピース24とによって構成されている。
コイル2は、コイルボビン25の一対の鍔状部間に絶縁被膜を施した導線を複数回巻装したソレノイドコイルである。このコイル2は、通電を受けることにより起磁力を発生して磁性材料よりなる各磁性体(ムービングコア21、ステータコア22およびヨーク23等)を磁化することで、第1バルブ3およびムービングコア21を開弁方向(弁孔20を開く側)に駆動する。そして、コイル2は、コイルボビン25の外周に巻装されたコイル部、およびこのコイル部より取り出された一対の端末リード線(端末線)を有している。なお、コイル2の一対の端末リード線は、電磁弁駆動回路に電気的に接続する一対の外部接続端子(ターミナル)26に電気的に接続されている。
ムービングコア21は、磁性材料によってカップ状に形成されており、コイル2の通電時に磁化されて電磁石となり、ステータコア22の吸引部に吸引される。また、ムービングコア21は、コイル2への励磁電流の供給が成されていない時に、コイルスプリング10のスプリング力によって、第1バルブ3を第1弁座27に押し当てる方向(中心軸線方向の他方側、閉弁方向(弁孔20を閉じる側))に第1バルブ3に荷重を与える。このムービングコア21は、ピース24の外周に嵌め合わされた状態で、ステータコア22の円筒状部(拡径部)の内周に摺動自在に設けられている。
ステータコア22は、磁性材料によって円筒状に形成されており、コイル2の通電時に磁化されて電磁石となり、その円筒状部の途中にムービングコア21を軸線方向の一方側に吸引するための吸引部を有している。なお、本実施例では、固定コアを、ステータコア22およびヨーク23等によって構成しているが、固定コアをステータコア22のみによって構成しても良い。また、ステータコア22にマグネチックプレートまたはヨーク23のいずれか一方を組み合わせて固定コアを構成しても良い。
ピース24は、ステータコア22の円筒状部(縮径部)に嵌め込まれて保持されている。このピース24の先端面(図示上端面)には、第1バルブ3およびムービングコア21等よりなる第1可動部の軸線方向の一方側への移動距離(リフト量)がフルリフト量(最大リフト量)に到達した際に、第1可動部を係止して、これ以上の開弁方向への第1可動部の移動を規制する規制面(ピース24の規制面)が設けられている。
第1バルブ3は、ゴム系弾性体(例えばフッ素ゴムまたはシリコンゴム等)よりなるモールドゴム(ゴムバルブ、シールゴム)であって、電磁駆動部のムービングコア21に一体的に組み付けられている。この第1バルブ3は、コイル2の電磁力またはコイルスプリング10の弾性変形を伴って流体通路(第1バルブ室)の軸線方向に移動可能となるように、ハウジング4の内部(第1バルブ室の中)に設置されている。
電磁弁1は、ECUによってコイル2への供給電流量(デューティ比)を可変制御することで、第1バルブ3のリフト量に対応した弁孔20の開口面積(バルブ開度)を変更して、蒸発燃料等の流体をキャニスタ12からエンジン吸気管13内に導入するパージ流量を制御する電磁式流体流量制御弁である。
そして、電磁弁1のコイル2への通電時間が長い時(電磁弁1のコイル2への供給電流量が多いデューティ比の時)には、コイル2に流れる平均電流が大きくなり、ムービングコア21がコイルスプリング10のスプリング力に抗してステータコア22の吸引部に近づく方向に動き、このムービングコア21の動きに連動して第1バルブ3のリフト量が大きくなり、バルブ開度が大きくなる。これにより、パージ流量が多くなる。
また、電磁弁1のコイル2への通電時間が短い時(電磁弁1のコイル2への供給電流量が少ないデューティ比の時)には、コイル2に流れる平均電流が小さくなり、ムービングコア21がコイルスプリング10のスプリング力によって戻され、このムービングコア21の動きに連動して第1バルブ3のリフト量が小さくなり、バルブ開度が小さくなる。これにより、パージ流量が少なくなる。また、電磁弁1のコイル2への電力の供給が停止された時には、ムービングコア21がコイルスプリング10のスプリング力によって初期位置まで戻され、このムービングコア21の動きに連動して第1バルブ3が第1弁座27に密着(シール)する。これにより、燃料タンク11を含む蒸発燃料処理装置の流体導入通路14、15の閉鎖空間が密閉化される。
ハウジング4は、樹脂材料(例えば熱可塑性樹脂)によって一体的に形成されている。このハウジング4は、2つの第1、第2バルブ3、5をその移動方向に移動自在に収容すると共に、コイル2を含むコイルアッセンブリを被覆して保護するバルブケース(ソレノイドカバー)31と、コイルスプリング10のスプリング力によって第1バルブ3が押し付けられる第1弁座(バルブシート部)27を有するバルブシート32と、このバルブシート32との間に負圧応動弁の板ばね6の外周部を挟み込むケースカバー33とによって構成されている。
バルブケース31には、電磁弁1の中心軸線方向(図示上下方向)に対して垂直な方向(半径方向の外径側)に延びる円筒状の流体流路管(入口配管)34が一体的に形成されている。また、バルブケース31の図示下方側には、電磁駆動部の外径側を被覆する樹脂モールド部35が一体的に形成されている。この樹脂モールド部35の外周部には、例えばキャニスタ12またはエンジン吸気管13に、締結ボルト等の締結具を用いて締め付け固定されるインサートナット36がインサート成形されている。
また、樹脂モールド部35の外周部には、コイル2に励磁電流を供給するための一対のターミナル26を保持する筒状のコネクタシェル(雄型コネクタ部)37が一体的に形成されている。なお、一対のターミナル26の先端部は、コネクタシェル37内に露出して、外部電源側または電磁弁駆動回路側の雌型コネクタ部に差し込まれて電気的な接続を成すコネクタピンとして機能する。
バルブケース31の流体流路管34は、流体導入通路15の上流側部を介してキャニスタ12に接続されている。この流体流路管34の内部には、入口ポート39を含む流体通路(キャニスタ側流路)40が形成されている。
また、バルブケース31とバルブシート32との間に形成される円筒状空間は、流体通路40から流入する蒸発燃料等の流体の圧力脈動を減衰させるためのボリューム室41となっている。そのボリューム室41は、第1バルブ室42に連通している。
また、バルブシート32には、電磁弁1の中心軸線方向(図示上下方向)に延びる流体流路管43が一体的に形成されている。その流体流路管43の図示下端面には、第1バルブ3が着座可能な円環状の第1弁座27が一体的に形成されている。この第1弁座27の内部には、第1バルブ3によって開閉される弁孔20が形成されている。また、流体流路管43の内部には、流体通路44が形成されている。なお、流体通路44は、流体の流れ方向の上流側から下流側に向かって内径が徐々に拡径されている。
ケースカバー33は、バルブケース31の図示上端側の結合部(フランジ部)に溶着固定(あるいは締め付け固定またはかしめ固定)されている。また、ケースカバー33には、電磁弁1の中心軸線方向(図示上下方向)に延びる流体流路管(出口配管)45が一体的に形成されている。この流体流路管45は、流体導入通路15の下流側を介してエンジン吸気管13に接続されている。その流体流路管45の内部には、出口ポート47を含む流体通路(吸気管側流路)46が形成されている。
また、ケースカバー33の通路壁面には、第2バルブ5が着座可能な円環状の第2弁座49が一体的に形成されている。
本実施例のハウジング4は、バルブシート32の流体流路管43とケースカバー33の流体流路管45との間に流体通路(空間:第2バルブ室)が形成されている。この流体通路は、第2バルブ5および板ばね6等よりなる第2可動部によって2つの第1、第2流体通路51、52に区画されている。
第1流体通路51は、上流側流体通路であって、第2バルブ5および板ばね6等よりなる第2可動部よりも流体の流れ方向の上流側、つまりキャニスタ側(大気開放孔側)に設けられている。また、第2流体通路52は、下流側流体通路であって、第2バルブ5および板ばね6等よりなる第2可動部よりも流体の流れ方向の下流側、つまりエンジン吸気管側(吸気通路側)に設けられている。
本実施例の負圧応動弁は、電磁弁1と共用するハウジング4と、吸気管負圧と大気圧との差圧に応じてリフト量が変化する第2バルブ5と、この第2バルブ5を支持する板ばね6とを備えている。この負圧応動弁は、吸気管負圧と大気圧との差圧に応じて第2バルブ5および板ばね6等よりなる第2可動部のリフト量が変化し、そのリフト量の変化に伴って蒸発燃料等の流体の流量を制御する負圧作動式の流体流量制御弁を構成している。
第2バルブ5は、ゴム系弾性体(例えばフッ素ゴムまたはシリコンゴム等)よりなるモールドゴム(ゴムバルブ、シールゴム)であって、板ばね6の中央部付近に一体的に組み付けられている。
この第2バルブ5は、板ばね6の弾性変形を伴って流体通路(第2バルブ室)の軸線方向に移動可能となるように、ハウジング4の内部(流体通路の中)に設置されている。そして、第2バルブ5は、板ばね6の中央部付近にゴムモールド(モールド成形)またはゴムプリントまたは焼き付けまたは圧入嵌合またはボタン止め等により支持されている。
また、第2バルブ5は、板ばね6の中央部の図示上端面に設けられた円環状のゴムシール部(第2弁座49に着座可能なバルブシート部)、板ばね6の中央部の図示下端面より突出するように設けられたゴム係止部、および板ばね6の中央部付近に形成された貫通孔内に装着または充填されたゴム嵌合部等を有している。
板ばね6は、例えばステンレス鋼やバネ鋼等の金属板をプレス成形することにより形成されている。この板ばね6は、バルブシート32の流体流路管43とケースカバー33の流体流路管45との間に形成される流体通路を、第2バルブ5と共に2つの第1、第2流体通路51、52に区画するように、ハウジング4の内部(流体通路の中)にその軸線方向に移動可能に設置されている。
また、板ばね6は、第2バルブ5を支持する円板状の中央部(中央板状部)61、ハウジング4に固定される円環板状の外周部(外周板状部)62、および中央板状部61と外周板状部62とを繋ぐ帯板状の中間部(中間帯状部)63等を有している。そして、外周板状部62および中間帯状部63は、第2バルブ5の外周を周方向に取り囲むように配置されている。
中央板状部61の中心部には、この中心部を板厚方向に貫通する絞り孔64が形成されている。この絞り孔64は、常に2つの第1、第2流体通路51、52を連通する。なお、中央板状部61のうちで、第2バルブ5よりも内周側の部分は、第2バルブ5と共に弁体部を構成している。
外周板状部62は、バルブシート32のフランジ部とケースカバー33のフランジ部との間に挟み込まれて保持されている。
中間帯状部63は、第2バルブ5の移動方向に弾性変形する弾性変形部を構成している。ここで、第2バルブ5のリフト量が最小となるデフォルト位置をゼロリフト位置とし、また、第2バルブ5のリフト量が最大となる位置をフルリフト位置としたとき、板ばね6の中間帯状部63は、第2バルブ5をフルリフト位置側からゼロリフト位置に戻す方向に付勢する付勢力(復元力)を発生する。そして、中間帯状部63は、第2バルブ5の外周を周方向に部分的に取り囲むように円弧状に延ばされている。なお、中間帯状部63は、複数個(本例では3個)設けられている。
本実施例の板ばね6には、中央板状部61の外周と中間帯状部63の内周との間に形成される空間部と、外周板状部62の内周と中間帯状部63の外周との間に形成される空間部とを結ぶスリット状の開口部7が複数個(本例では3個)設けられている。開口部7は、第2バルブ5がゼロリフト位置からフルリフト位置の直前までリフトする間、2つの第1、第2流体通路51、52を連通し、第1流体通路51から第2流体通路52に向けて蒸発燃料等の流体が通過する流体通過口を構成している。
これにより、本実施例の負圧応動弁は、第2バルブ5のゼロリフト時に板ばね部(中央板状部61、外周板状部62および中間帯状部63)を含めた第2可動部全体が、2つの第1、第2流体通路51、52内の圧力を受圧する受圧部となる。すなわち、板ばね6は、第2バルブ5のリフト量が小さい時に、第2バルブ5と共に受圧部を構成している。 また、第2バルブ5のフルリフト時には、中央板状部61の絞り孔64のみを蒸発燃料等の流体が通過するため、第2バルブ5および中央板状部61等よりなる弁体部が主たる受圧部となる。
ここで、板ばね6は、第2バルブ5のゼロリフト時に、図4に示したような平板状態となる。この板ばね6は、図4ないし図6に示したように、第2バルブ5がゼロリフト位置からフルリフト位置側に向けてリフトすると、第2バルブ5の移動方向に立体的に変位する。そして、板ばね6は、第2バルブ5のリフト量が大きくなるに従って開口部7の面積(全開口面積、開口部総面積)が徐々に拡大するように、第2バルブ5の移動方向に立体的に変位する。
また、板ばね6は、第2バルブ5がフルリフト位置からゼロリフト位置側に向けて移動すると、第2バルブ5の移動方向に立体的に変位する。そして、板ばね6は、第2バルブ5のリフト量が小さくなるに従って開口部7の面積(全開口面積、開口部総面積)が徐々に減少するように、第2バルブ5の移動方向に立体的に変位する。
ここで、第2バルブ5のゼロリフト時における、板ばね6の開口部7の面積、つまり平板状態での板ばね6の開口部7の面積(全開口面積、開口部総面積)は、板ばね6よりも上流側または下流側の流体通路(2つの第1、第2流体通路51、52)のうちで最も流体通路面積が小さい部位(第2流体通路52)と同等以下である。本実施例では、第2バルブ5のゼロリフト時における、板ばね6の開口部7の面積(全開口面積、開口部総面積)は、図4に示したように、板ばね6よりも上流側または下流側の流体通路(2つの第1、第2流体通路51、52)のうちで最も流体通路面積が小さい部位(第2流体通路52)よりも小さくなっている。
また、第2バルブ5の中間リフト時における、板ばね6の開口部7の面積(全開口面積、開口部総面積)は、図5に示したように、板ばね6よりも上流側または下流側の流体通路(2つの第1、第2流体通路51、52)のうちで最も流体通路面積が小さい部位(第2流体通路52)と同等である。
また、第2バルブ5のフルリフト時における、板ばね6の開口部7の面積(全開口面積、開口部総面積)は、図6に示したように、板ばね6よりも上流側または下流側の流体通路(2つの第1、第2流体通路51、52)のうちで最も流体通路面積が小さい部位(第2流体通路52)よりも大きくなっている。
[実施例1の作用]
次に、本実施例の電磁弁1の作用を図1ないし図7に基づいて簡単に説明する。ここで、図4ないし図6は負圧応動弁の作動状態を示した図で、図7は第2バルブのバルブリフト量と第2バルブに作用する力との関係を示したグラフである。
ECUから電磁弁駆動回路を介してコイル2に励磁電流が供給されると、コイル2の周囲に磁束が発生する。そして、コイル2の周囲に発生した磁束は、ステータコア22、ヨーク23、ムービングコア21を通過する。これにより、ステータコア22、ヨーク23およびムービングコア21が励磁(磁化)されるため、ムービングコア21には、ステータコア22の吸引部に近づく方向への吸引力が働く。したがって、ムービングコア21は、コイルスプリング10のスプリング力(付勢力)によって第1バルブ3をバルブシート32の第1弁座27に押し付けている状態からステータコア22の吸引部に近づく方向への移動を開始する。
そして、ムービングコア21がステータコア22の吸引部に近づく方向に移動すると、第1バルブ3がバルブシート32の第1弁座27から離座する。これにより、弁孔20が開放されるため、ハウジング4の内部に吸気管負圧が導入される。
このような電磁弁1の開弁時には、負圧応動弁の第2バルブ5の前後に吸気管負圧と大気圧との差圧が生じ、その差圧力(弁体部+板ばね部の復元力)が第2バルブ5に作用するようになる。
このとき、第2バルブ5のゼロリフト時を含む、第2バルブ5のリフト量が所定値以下の時(第2バルブ5のフルリフトを除くバルブ作動範囲内の時)には、板ばね6を含む第2可動部全体が、2つの第1、第2流体通路51、52内の圧力を受圧する受圧部となるので、低差圧であっても第2バルブ5を含む第2可動部が作動する。
これにより、2つの第1、第2流体通路51、52が、弁体部の絞り孔64および板ばね6の開口部7を介して連通することになるので、キャニスタ12内に吸気管負圧が導入される。
よって、キャニスタ12内の吸着剤より脱離した蒸発燃料は、キャニスタ12→流体導入通路15の上流部→電磁弁1の入口ポート39→流体通路40→ボリューム室41の上流部→フィルタ9→ボリューム室41の下流部→第1バルブ室42→弁孔20→流体通路44→第1流体通路51→絞り孔64および開口部7→第2流体通路52→流体通路46→電磁弁1の出口ポート47→流体導入通路15の下流部を経由してエンジン吸気管13内に導入(パージ)される。
[実施例1の特徴]
以上のように、本実施例の電磁弁1に組み込まれた負圧応動弁においては、板ばね6よりなる板ばね部自体に、2つの第1、第2流体通路51、52を連通する開口部7を設けることにより、第2バルブ5等よりなる弁体部と板ばね6よりなる板ばね部との両方で2つの第1、第2流体通路51、52内の圧力を受圧することができる。
ここで、図4に示したゼロリフト時には、板ばね6の開口部7の面積(開口面積)が板ばね6よりも下流側の第2流体通路52の流体通路面積と比べて小さいので、板ばね部の受圧荷重が最も大きくなる。
また、図5に示した中間リフト時には、板ばね6の開口部7の面積(開口面積)が板ばね6よりも下流側の第2流体通路52の流体通路面積と同等であるので、板ばね部の受圧荷重が中程度となる。
また、図6に示したフルリフト時には、板ばね6の開口部7の面積(開口面積)が板ばね6よりも下流側の第2流体通路52の流体通路面積と比べて大きいが、第2バルブ5が第2弁座49に着座しており、蒸発燃料等の流体が絞り孔64のみを通過するため、板ばね部の受圧荷重が無くなる。
これによって、第2バルブ5のリフト量が中間リフトよりも小さい時(例えばゼロリフト時)であっても、大きな差圧力(第2バルブ5および板ばね6の両面に作用する差圧に基づいて第2バルブ5および板ばね6に作用する力)を確保することができるので、吸気管負圧と大気圧との差圧が低差圧であっても第2バルブ5を円滑に作動(リフト)させることができる。
また、本実施例の電磁弁1に組み込まれた負圧応動弁においては、図7のグラフに示したように、ゼロリフト時に第2バルブ5等よりなる弁体部および板ばね6よりなる板ばね部に差圧力が作用し、中間リフト時に弁体部および板ばね部に差圧力と流体力とが作用し、フルリフト時に弁体部のみに差圧力が作用するようになっている。そして、板ばね6は、第2バルブ5のリフト量が大きくなるに従って板ばね6の開口部7の面積が徐々に増大するように構成されている。
これにより、図7のグラフに破線で示したように、板ばね部の開口面積が可変しない場合に比べて、第2バルブ5のゼロリフトと第2バルブ5の中間リフトとの間で第2バルブ5に作用する差圧荷重を滑らかに徐変させることができるので、吸気管負圧と大気圧との差圧の変化に対して急激な流量変化を防止することができる。
また、本実施例の電磁弁1に組み込まれた負圧応動弁においては、第2バルブ5等よりなる弁体部だけでなく、板ばね6よりなる板ばね部自体に差圧力(弁体部+板ばね部の復元力)が作用するので、図8(d)、(e)に示したように、例えばゴムバルブ201とダイヤフラム202とコイルばね203と弁座204、流体通路205を有するハウジング206とで負圧作動式の流量制御弁を構成した場合(図8(a)〜(c)参照)に比べて、吸気管負圧と大気圧との差圧の変化に対する第2バルブ5および板ばね6等よりなる第2可動部の作動応答遅れ(つまりヒステリシス)がなくなる。
また、第2バルブ5のゼロリフト時における、板ばね6の開口部7の面積を、2つの第1、第2流体通路51、52のうちで最も流体通路面積が小さい部位(第2流体通路52)と同等以下とすることにより、より大きな差圧力を板ばね6で受けることが可能となるので、より小さな差圧で第2バルブ5を作動させることができる。また、第2バルブ5のゼロリフト時には、板ばね6を含む第2可動部全体が、2つの第1、第2流体通路51、52内の圧力を受圧する受圧部となる。
また、第2バルブ5のフルリフト時における、板ばね6の開口部7の面積を、2つの第1、第2流体通路51、52のうちで最も流体通路面積が小さい部位(第2流体通路52)よりも大きくしている。また、第2バルブ5のフルリフト時には、第2バルブ5および中央板状部61等よりなる弁体部が主たる受圧部となる。
また、第2バルブ5および板ばね6等よりなる第2可動部に作用する(吸気管負圧と大気圧との)差圧が小さくなると、第2バルブ5のリフト量が差圧に応じて小さくなる。そして、板ばね6は、第2バルブ5のリフト量が小さくなるに従って板ばね6の開口部7の面積が徐々に減少するように構成されている。これにより、第2バルブ5のフルリフトと第2バルブ5のゼロリフトとの間で第2バルブ5に作用する差圧荷重を滑らかに徐変させることができるので、吸気管負圧と大気圧との差圧の変化に対して急激な流量変化を防止することができる。
[変形例]
本実施例では、本発明の負圧応動弁を、自動車等の車両の蒸発燃料処理装置に組み込まれた電磁弁1に組み込んでいるが、これに限定する必要はなく、本発明の負圧応動弁を、その他の電磁式流体流量制御弁、電磁式流体圧力制御弁、電磁式開閉弁に組み込んでも良い。また、電動式流体流量制御弁、電動式流体圧力制御弁、電動式開閉弁に適用しても良い。なお、流体としては、エア(空気)や蒸発燃料等の気体だけでなく、気相冷媒等の気体、水、燃料、オイルや液相冷媒等の液体、あるいは気液二相状態の流体を使用することができる。また、コイルへの電圧値または電流値が増加する程、バルブのリフト量が大きく、または小さくなるようにしても良い。
また、常閉型(ノーマリクローズタイプ)の電磁弁だけでなく、常開型(ノーマリオープンタイプ)の電磁弁に本発明を適用しても良い。つまり本発明を常閉型の電磁弁に適用しても、常開型の電磁弁に適用しても構わない。また、ムービングコア21の代わりにアーマチャ等の可動コアを用いても良い。また、可動コアと第1バルブ3との間にバルブシャフトやプランジャ等の連結部材を介装しても良い。
また、本発明の負圧応動弁を、電磁弁に組み込むことなく、エンジンの吸気通路に連通する流体通路を形成する流体流路管(ハウジング)の内部に弁体部および板ばね部よりなる可動部を単独で組み込んでも良い。
本実施例では、板ばね6に形成される開口部として、スリット状の開口部7を形成しているが、板ばね6に形成される開口部として、スパイラル状の開口部を形成しても良い。 また、板ばね6の中央板状部61、特に第2バルブ5よりも内周側に配置される環状板部を中間帯状部63より分離して、第2バルブ5と板ばね6から独立した中間帯状部とによって弁体部を構成しても良い。
本実施例では、第2バルブ5(弁体部)のフルリフト時に、ハウジング4のケースカバー33の第2弁座49に第2バルブ5のゴムシール部(バルブシート部)が着座するタイプの負圧応動弁を採用しているが、第2バルブ5(弁体部)のフルリフト時に、ハウジング4のケースカバー33の第2弁座49に第2バルブ5が着座しないタイプの負圧応動弁を採用しても良い。
蒸発燃料処理装置の全体構造を示した概略図である(実施例1)。 電磁弁の全体構造を示した断面図である(実施例1)。 弁体部および板ばね部を示した平面図である(実施例1)。 負圧応動弁の作動状態を示した断面図である(実施例1)。 負圧応動弁の作動状態を示した断面図である(実施例1)。 負圧応動弁の作動状態を示した断面図である(実施例1)。 第2バルブのバルブリフト量と第2バルブに作用する力との関係を示したグラフである(実施例1)。 (a)〜(c)は差圧の変化に対する応答遅れを示した説明図であり(従来の技術)、(d)、(e)は差圧の変化に対する応答性を示した説明図である(実施例1)。 電磁弁の作動状態を示した断面図である(従来の技術)。 (a)は電磁弁の作動状態を示した断面図で、(b)は副弁体の変形例を示した断面図である(従来の技術)。 バルブリフト量とバルブに作用する力との関係を示したグラフである(従来の技術)。
符号の説明
1 電磁弁
2 電磁弁のコイル
3 電磁弁の第1バルブ(主弁体)
4 ハウジング
5 負圧応動弁の第2バルブ(弁体部、可動部、副弁体)
6 負圧応動弁の板ばね(板ばね部、可動部)
7 板ばねの開口部(流体通過口)
51 第1流体通路
52 第2流体通路
63 板ばねの中間帯状部(弾性変形部)

Claims (9)

  1. 内燃機関の吸気通路に生じる負圧と大気圧との差圧で作動する負圧応動弁であって、
    (a)前記内燃機関の吸気通路と大気開放孔とを連通する流体通路を形成するハウジングと、
    (b)負圧と大気圧との差圧に応じてリフト量が変化する弁体部、およびこの弁体部を支持する板ばね部を有し、前記流体通路の軸線方向に移動可能となるように前記流体通路の中に設置された可動部と
    を備え、
    前記板ばね部は、前記流体通路を2つの第1、第2流体通路に区画するように設置され、前記2つの第1、第2流体通路を連通する開口部を有していることを特徴とする負圧応動弁。
  2. 請求項1に記載の負圧応動弁において、
    前記第1流体通路は、前記可動部よりも大気開放孔側に設けられており、
    前記第2流体通路は、前記可動部よりも吸気通路側に設けられており、
    前記開口部は、前記第1流体通路から前記第2流体通路に向けて流体が通過する流体通過口を構成していることを特徴とする負圧応動弁。
  3. 請求項1または請求項2に記載の負圧応動弁において、
    前記弁体部のゼロリフト時における前記開口部の面積は、前記流体通路のうちで最も流体通路面積が小さい部位と同等以下であることを特徴とする負圧応動弁。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の負圧応動弁において、
    前記弁体部のフルリフト時における前記開口部の面積は、前記流体通路のうちで最も流体通路面積が小さい部位よりも大きいことを特徴とする負圧応動弁。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の負圧応動弁において、
    前記弁体部は、負圧と大気圧との差圧に応じてリフト量が変化し、そのリフト量の変化に伴って前記流体通路を流れる流体の流量を制御することを特徴とする負圧応動弁。
  6. 請求項5に記載の負圧応動弁において、
    前記板ばね部は、前記弁体部のリフト量が小さくなるに従って前記開口部の面積が徐々に減少するように、前記弁体部の移動方向に立体的に変位することを特徴とする負圧応動弁。
  7. 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の負圧応動弁において、
    前記板ばね部は、前記弁体部と共に前記2つの第1、第2流体通路内の圧力を受圧する受圧部を構成していることを特徴とする負圧応動弁。
  8. 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の負圧応動弁において、
    前記板ばね部は、前記弁体部の移動方向に弾性変形する弾性変形部を有していることを特徴とする負圧応動弁。
  9. 請求項1ないし請求項8のうちのいずれか1つに記載の負圧応動弁において、
    通電によって磁力が発生するコイル、およびこのコイルに発生する電磁力に応じてリフト量が変化するバルブを有する電磁弁を備え、
    前記可動部は、前記電磁弁のバルブよりも流体の流れ方向の下流側に配置されていることを特徴とする負圧応動弁。
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