JPH0536455B2 - - Google Patents

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JPH0536455B2
JPH0536455B2 JP21461486A JP21461486A JPH0536455B2 JP H0536455 B2 JPH0536455 B2 JP H0536455B2 JP 21461486 A JP21461486 A JP 21461486A JP 21461486 A JP21461486 A JP 21461486A JP H0536455 B2 JPH0536455 B2 JP H0536455B2
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polyolefin
polyamide
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acid
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Kazumasa Chiba
Kazuhiko Kobayashi
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Toray Industries Inc
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Priority to US07/091,708 priority patent/US4923925A/en
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> 本発明はポリアミド樹脂と特定の変性ポリオレ
フインが互いに絡み合い、変性ポリオレフインが
部分的に架橋している樹脂複合体の製造法に関す
るものである。 <従来の技術> 近年、ポリアミド樹脂の耐衝撃強度を向上させ
用途の拡大を図る検討が活発である。この目的の
ために通常採用されている方法は、まずEPRと
かEPDMゴムに官能基を導入して変性ポリオレ
フイン系ゴムを調製し、次いでポリアミド樹脂に
この変性ポリオレフイン系ゴムを溶融ブレンドす
るという方法であり、現実に実用価値のある耐衝
撃ナイロン樹脂が製造販売されている。従来の検
討は主にポリオレフインを如何に変性してポリア
ミドとの相溶分散性を良好にするかという点にあ
り、官能基を有する変性剤の選択が重要なポイン
トであつた。これまでに知られている変性ポリオ
レフインとしては特公昭42−12546号公報、特公
昭55−44108号公報に記されているようにカルボ
ン酸基や酸無水物基を有する化合物を共重合また
はグラフトの手法で導入した変性ポリオレフイン
などが代表例として挙げられる。これらの先行例
では前記したようにあらかじめ調製した変性ポリ
オレフインをポリアミド樹脂に対し配合して混練
する方法が開示されているが、このような方法の
場合にはポリアミドマトリツクス中への微細分散
がうまく進行するために変性ポリオレフイン系ゴ
ムは基本的に架橋されていないことが必要条件の
一つとして挙げられている(たとえば特公昭55−
41108号公報の変性ポリオレフイン特性)。 また、ポリアミドとポリオレフインとの混練時
に不飽和カルボン酸あるいはその無水物と過酸化
物を存在させ、ポリオレフインの変性と同時にポ
リアミド組成物を得る方法(特開昭60−49018号
公報)とかポリアミドとエチレン/不飽和カルボ
ン酸共重合体を過酸化物の存在下で溶融混練する
方法(特開昭55−125153号公報)などが知られ、
それぞれ低吸水ナイロン樹脂や繊維廃品の高粘度
化技術として有効なことが記されている。 <発明が解決しようとする問題点> しかるに、特開昭60−49018号公報や特開昭55
−125153号公報に開示された方法は溶融粘度を高
め、往々にして架橋をひき起こして成形時の流動
性を悪化させることがわかつた。これは特開昭55
−125153号公報にも記されているようにポリオレ
フインが過酸化物によつて架橋されやすいことが
原因の一つであるが、さらにはポリオレフインが
不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性され
ている場合にはポリアミドがポリオレフインとの
反応に関与しやすく、その結果組成物全体の流動
性が極度に低下することが判明した。さらに、上
記の方法はポリオレフインがポリアミド中に微細
に分散するより速くポリオレフインの架橋が進行
すると分散不良となり成形品の耐衝撃強度の低下
や外観悪化することがあり、この点も要解決点の
一つである。 つまり、ポリアミドとポリオレフインとの混練
時に変性剤と過酸化物を存在させ、ポリオレフイ
ンの変性と同時に組成物を得る方法は、比較的低
コスト製造プロセスとして効果的ではあるがプロ
セス安定性、成形流動性、耐衝撃強度などの物性
がともにすぐれた組成物はいまだ得られておらず
これらの特性を兼備した樹脂組成物を得る方法の
技術開発が望まれているのが現状である。 <問題点を解決するための手段> 本発明者らはポリアミドとポリオレフインとの
混練時に変性剤および過酸化物を存在させ、ポリ
オレフインの変性と同時に組成物を得る方法にお
いて、成形流動性や物性のすぐれた組成物を安定
に製造することを検討したところ、変性剤として
不飽和イミド化合物および不飽和カルボン酸また
はその無水物の両者を極めて限定された量用いる
ことにより従来知られていなかつたようなポリア
ミドと変性ポリオレフインの分子鎖が互いに絡み
合つた樹脂複合体が得られることを見出し本発明
に到達した。 すなわち、本発明は(A)ポリアミド樹脂50〜95重
量%と(B)ポリオレフイン5〜50重量%との混合物
100重量部に対し(C)α,β−不飽和イミド化合物
0.02〜5重量部、(D)α,β−不飽和カルボン酸化
合物またはその無水物0.01〜3重量部および(E)有
機過酸化物0.001〜0.8重量部の混合物を溶融混練
することを特徴とする樹脂複合体の製造法を提供
するものである。 本発明の特徴をまとめると次の通りである。 (1) ポリアミドとポリオレフインとの溶融混練時
に特定の不飽和イミド化合物、不飽和カルボン
酸化合物またはその無水物および有機過酸化物
を特定量存在させることにより成形流動性、耐
衝撃強度などの機械的物性のすぐれた樹脂複合
体が安定に製造できる。 (2) 本技術のポイントはポリオレフインの変性剤
としてイミド化合物およびカルボン酸誘導体の
両者を各々限定された量使用したことであり、
変性剤がいずれか一方では目的は達成できな
い。 (3) 少なくとも二種類の変性剤を用いて、しかも
ポリオレフインの変性と同時にポリアミドに混
練配合する方法は従来知られていない。 (4) 本方法ではポリオレフインは部分的に架橋す
るが、ポリアミドとの混練過程において変性と
併行して架橋が進行するためポリアミドマトリ
ツクス中への分散が阻害されることなく結果的
に微細な相分離構造体が得られる。部分的架橋
変性ポリオレフインは従来技術では無効として
排除されてきた範疇に入り、この観点からすれ
ば特異的であり、本方法の新規性、有効性はこ
の点にある。 (5) ポリアミドマトリツクス中で上記ポリオレフ
インの部分的架橋が進行するのでポリアミド分
子鎖とポリオレフイン分子鎖が絡み合うが、本
方法ではポリオレフインの変性が主にイミド化
合物でなされるためポリアミドとの反応が抑制
され全体の流動性が悪化しないというメリツト
がある。 (6) すなわち、本発明でいう樹脂複合体とは単な
る混合物でなくポリアミドとポリオレフインの
分子鎖がほとんど反応することなく互いに絡み
合つた状態にある構造体を意味し、いわゆる相
互貫入ポリマー網目構造体(Inter−
penetrating Polymer Networks)に近いもの
と推定される。このために良好な流動性を維持
したままで耐衝撃強度などの機械的物性が向上
すると考えられる。この樹脂複合体はポリアミ
ドと変性ポリオレフインからなる分野において
は新規な概念を提供するものである。 本発明で用いられる(A)ポリアミドは特に限定な
く、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカ
ルボン酸から構成される溶融成形可能なポリマー
全般を意味する。構成成分の例を挙げると6−ア
ミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−
アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸な
どのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロ
ラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレン
ジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4
−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジア
ミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキ
シリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、
1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、
1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、
1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−ト
リメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシク
ロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−ア
ミノシクロヘキシル)メチン、2,2−ビス(4
−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミ
ノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジ
ンなどのジアミンとアジピン酸、スペリン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ドデカジオン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル
酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフ
タル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘ
キサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタ
ル酸、ジグリコール酸などのジカルボン酸から選
択することができる。特に本発明で有用なポリア
ミドは、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリ
ヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリ
ヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリ
ヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリ
ウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカン
アミド(ナイロン12)およびこれらの共重合ポリ
アミド、混合ポリアミドなどである。ここで用い
られるポリアミドの重合度の制限はなく、相対粘
度が1.5〜5.0の範囲内にあるポリアミドを任意に
選択できる。ポリアミドの製造法についても特に
制限なく、従来公知の溶融重合、固相重合などの
方法で調製することができる。 本発明で用いられる(B)ポリオレフインは基本的
に官能基のない非極性のポリマーであり、炭素数
2〜20のα−オレフインやジエン、たとえばエチ
レン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、
4−メチルペンテン−1、イソブチレン、1,4
−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、2,5
−ノルボルナジエン、5−エチル−2,5−ノル
ボルナジエン、5−エチリデンノルボルネン、5
−(1′−プロペニル)−2−ノルボルネン、ブタジ
エン、イソブレン、クロロプレンなどを主たる構
成成分とする重合体である。共重合成分として不
飽和イミド化合物、不飽和カルボン酸および不飽
和無水物以外の官能基含有成分が使用可能であ
り、これらの例としてアクリル酸エステル、メタ
アクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリル
酸金属塩、メタアクリル酸金属塩などを一般的に
挙げることができる。 本発明で特に有用なポリオレフインの具体例と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ
テン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリ
(エチレン/プロピレン)、ポリ(エチレン/ブテ
ン−1)、ポリ(エチレン/プロピレン/1,4
−ヘキサジエン)、ポリ(エチレン/プロピレ
ン/ジシクロペンタジエン)、ポリ(エチレン/
プロピレン/2,5−ノルボルナジエン)、ポリ
(エチレン/プロピレン/5−エチリデンノルボ
ルネン)などを挙げることができる。ポリオレフ
インの重合度について特に制限なく、通常メルト
インデツクスが0.05〜50g/10分の範囲内にある
ものを任意に選択できる。またポリオレフインの
製造法についても制限なく、高圧ラジカル重合
度、低圧触媒法、溶液重合法など公知の方法を採
用することができる。 本発明では(A)ポリアミド樹脂50〜95重量%、好
ましくは55〜93重量%、さらに好ましくは60〜90
重量%および(B)ポリオレフイン5〜50重量%、好
ましくは7〜45重量%、さらに好ましくは10〜40
重量%の比率で使用される。配合比率がこの限定
範囲を外れると目的とする耐衝撃強度、剛性など
の物性バランスが達成できないので好ましくな
い。 本発明で用いられる(C)α,β−不飽和イミド化
合物の例を挙げるとマレイミド、N−メチルマレ
イミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマ
レイミド、N−ブチルマレイミド、N−オクチル
マレイミド、N−フエニルマレイミド、N−(o
−メチルフエニル)マレイミド、N−(m−メチ
ルフエニル)マレイミド、N−(p−メチルフエ
ニル)マレイミド、N−(メトキシフエニル)マ
レイミド、N−(クロルフエニル)マレイミド、
N−(カルボキシフエニル)マレイミド、N−ベ
ンジルマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N
−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミド、
N−メチルイタコンイミド、N−フエニルイタコ
ンイミドなどである。本発明で好ましく利用でき
る不飽和イミド化合物は融点が180℃以下で、か
つ沸点が常圧で200℃以上のものが良く、特にN
−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレ
イミド、N−フエニルマレイミド、N−(カルボ
キシフエニル)マレイミドなどが適当な化合物で
ある。 本発明で用いられる(D)α,β−不飽和カルボン
酸化合物またはその無水物の例を挙げるとアクリ
ル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、クロトン酸、メチルマレイン酸、メ
チルフマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、グル
タコン酸、マレイン酸水素メチル、マレイン酸水
素エチル、マレイン酸水素ブチル、イタコン酸水
素メチル、イタコン酸水素エチル、無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などであ
る。不飽和カルボン酸誘導体についても融点が
180℃以下で、かつ沸点が常圧で200℃以上のもの
が好ましく利用でき、特にアクリル酸、メクアク
リル酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸水素
メチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが
適当な化合物である。 本発明で用いられる(E)有機過酸化物の例を挙げ
るとクメンハイドロパーオキシド、t−ブチルク
ミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−(3)、
2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロ
パーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシ
ド、ジ−イソプロピルペンゼンハイドロパーオキ
シド、p−メタンハイドロパーオキシド、1,1
−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−
ビス−t−ブチルパーオキシバレレート、t−ブ
チル−パーオキシベンゾエートなどである。本発
明では溶融混練温度で速やかに分解する必要があ
り、半減期1分を示す温度が150〜250℃の範囲内
にある有機過酸化物が好適に用いられる。分解温
度が上記範囲を外れると取扱い時の危険性が高過
ぎたり、ポリオレフインの変性が有効になされな
かつたりして好ましくない。 本発明では(A)ポリアミド樹脂および(B)ポリオレ
フインの樹脂合計100重量部に対し、(C)α,β−
不飽和イミド化合物を0.002〜5重量部、好まし
くは0.05〜3重量部、さらに好ましくは0.07〜1
重量部、(D)α,β−不飽和カルボン酸化合物また
はその無水物を0.01〜3重量部、好ましくは0.2
〜1重量部、さらに好ましくは0.05〜0.8重量部
および(E)有機過酸化物を0.001〜0.8重量部、好ま
しくは0.004〜0.5重量部、さらに好ましくは0.008
〜0.2重量部添加してその混合物を溶融混練する
方法を採用する。α,β−不飽和イミド化合物お
よびα,β−不飽和カルボン酸誘導体の変性剤の
添加量が上記下限値未満の場合にはポリアミドと
ポリオレフインとの相溶性が悪く耐衝撃強度など
の物性が低くなるので好ましくない。一方、変性
剤の添加量が上記上限値を越える場合には、すべ
てがポリオレフインの変性に消費されないで残存
物が成形品表面にブリードアウトして外観を損ね
たり、ポリオレフインの安定性が低下するなど好
ましくない現象が起こる。特に、本発明は(C)α,
β−不飽和イミド化合物および(D)α,β−不飽和
カルボン酸化合物またはその無水物を併用するこ
とが特徴の一つである。不飽和イミド化合物はポ
リオレフインのポリアミドに対する相溶性を向上
せしめるのに有効で、しかも複合体全体の架橋を
抑制して成形流動性を悪化させないという作用を
有する。不飽和カルボン酸誘導体はポリオレフイ
ンとポリアミドとの反応に関与するものであり、
ポリアミドマトリツクス中におけるポリオレフイ
ンの固定が十分でないと溶融混練ガツトの曳糸性
が悪く生産操業性が悪化するが、不飽和カルボン
酸誘導体の添加量が多過ぎるとポリオレフインと
ポリアミドが反応しながらポリオレフインの架橋
が起こるので全体の流動性が極めて悪くなる。し
たがつてα,β−不飽和イミド化合物をα,β−
不飽和カルボン酸化合物またはその無水物はそれ
ぞれ役割期待が異なり両者が存在してはじめて価
値ある製品ができるのである。 本発明で言う樹脂複合体とは前述したように単
にポリアミドとポリオレフインの混合物や変性ポ
リオレフインとポリアミドが一部反応している組
成物とは異なる概念の構造体であり、ポリアミド
とポリオレフインの分子鎖が互いに絡み合つた状
態にある構造体との意味から複合体と名づけた。
ただ、その構造の詳細については必ずしも明らか
ではないが、本発明の方法、すなわちポリオレフ
インを特定の少なくとも二種類の変性剤により過
酸化物を用いて変性すると同時にポリアミドとの
配合を行なうという方法によつてはじめてつくり
出されるものである。複合構造存在の証明は一応
溶剤に対する溶解性で示すことができる。たとえ
ば、本発明の方法で得られた押出機混練物のポリ
アミド部分をメタクレゾールなどの溶剤で溶解除
去する操作を行なつて残存物の赤外吸収スペクト
ルをしらべると、残存物はポリオレフインとポリ
アミドの両者の特性スペクトルを示しこの操作で
は溶解除去されないポリアミドが存在することが
わかつた。つまり、この残存物はポリアミド分子
鎖とポリオレフイン分子鎖が絡み合つた構造を有
していると考えられるのである。 なお、本発明の方法では混練過程中にポリオレ
フインは部分的に架橋する。架橋の程度について
も溶剤に対する溶解性で表わすことができる。ポ
リアミドとの溶融混練以前にはトルエンなどの溶
剤に完全に可溶のポリ(エチレン/プロピレン)
共重合体でも本発明の方法によりポリアミドマト
リツクス中に分散された時には溶剤に不溶な部分
を有する架橋体であることが次の実験からわかつ
た。つまり、ポリアミドを塩酸で加水分解除去後
に残存するポリ(エチレン/プロピレン)共重合
体はトルエンに完全には溶解せず、架橋不溶部が
存在する。本発明の方法によれば従来の常織では
考えられなかつた部分架橋変性ポリオレフインを
ポリアミドマトリツクス中に微細に分散せしめる
ことが可能になつた。ゴム成分が架橋することに
より、耐衝撃強度が剛性のさらに一層の向上が達
成され極めて実用価値の高い材料が得られる。 本発明の樹脂複合体はポリアミドおよびポリオ
レフインのペレツト、粉末、細片などとα,β−
不飽和イミド化合物、α,β−不飽和カルボン酸
化合物またはその無水物、および有機過酸化物と
を予備混合して十分な混練力のある一軸または多
軸の押出機に供給して溶融混練する方法が最も一
般的である。本発明の樹脂複合体にはその物性、
成形性を損なわない限りにおいて他の成分、たと
えば顔料、染料、補強材、充填材、耐熱剤、酸化
防止剤、耐候剤、滑剤、結晶核剤、ブロツキング
防止剤、離形剤、可塑剤、離燃剤、帯電防止剤、
その他の重合体などを添加導入することができ
る。 本発明の樹脂複合体は射出成形、押出成形、吹
込成形、圧縮成形など通常の熱可塑性樹脂に対し
て用いられる成形に供することにより機械的性質
が良好にバランスした成形品を得ることができ、
これらの成形品は各種自動車部品、機械部品、電
気・電子部品、一般雑貨などとして有用である。 <実施例> 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例および比較例に記したポリ
マーおよび成形品の特性評価は次の方法により実
施した。 (1) ポリアミドの相対粘度:JIS K6810 (2) メルトインデツクス:JIS K7210 (3) 引張特性:ASTM D638 (4) 曲げ特性:ASTM D790 (5) アイゾツト衝撃強度:ASTM D256 (6) 射出成形流動性:スパイラルフロー長さで評
価した。 実施例 1 ε−カプロラクタムを溶融重合して相対粘度
3.10のナイロン6を調製した。エチレン75モル%
およびプロピレン25モル%の混合物を重合してメ
ルトインデツクス7g/10分のポリ(エチレン/
プロピレン)共重合体を調製した。ナイロン6
75重量%およびポリ(エチレン/プロピレン)共
重合体25重量%の合計100重量部に対しN−シク
ロヘキシルマレイミド0.4重量部、無水マレイン
酸0.3重量部および2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−(3)0.1重
量部を添加し、全体を予備混合した後、60mmφ口
径の二軸押出機を用いて250℃で溶融混練しペレ
ツト化した。押出機からの吐出ガツトの曳糸性は
極めて安定で、連続して長時間運転してもガツト
切れはほとんど起こらなかつた。 ここで得られたペレツトを次の二つの方法で処
理し、赤外吸収スペクトル分析および溶解試験を
実施した。 (1) ペレツトを塩酸で処理してナイロン部分を加
水分解し、その残存物の赤外吸収スペクトルを
第1図に示した。この残存物は1460cm-1、1380
cm-1に吸収が見られ、変性ポリ(エチレン/プ
ロピレン)共重合体であることがわかる。ま
た、この残存変性ポリ(エチレン/プロピレ
ン)共重合体はトルエンに完全には溶解しない
ことから上記コンパウンド過程において部分的
に架橋したことが判明した。なお、もとのポリ
(エチレン/プロピレン)共重合体はトルエン
に完全に溶解すること、および塩酸処理により
部分架橋が生起したものではないことは別途確
認した。 (2) ペレツトをメタクレゾールで処理してナイロ
ン部分を溶解除去しようとした。何度も繰り返
してこの操作を行ない、残存物の赤外吸収スペ
クトルを第2図に示した。この残存物はナイロ
ン6の特性吸収である3300cm-1、1640cm-1
1550cm-1およびポリオレフインの特性吸収であ
る1460cm-1、1380cm-1、710cm-1の吸収が見ら
れる。つまり、このメタクレゾール溶解で完全
に除去できないナイロン6部分があり、これは
ナイロン6分子鎖とポリオレフイン分子鎖が互
いに絡み合つている複合構造体と推測した。 次に、ここで得られたペレツトを真空乾燥した
後、射出成形機で試験片を成形して成形時の流動
性と得られた試験片の物性を測定したところ第1
表に示す通りであり、実用価値の高い材料である
ことが判明した。 比較例 1 実施例1で用いたポリ(エチレン/プロピレ
ン)共重合体100重量部に対しN−シクロヘキシ
ルマレイミド1.6重量部、無水マレイン酸1.2重量
部および2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−(3)0.4重量部を添加
混合した後、40mmφ口径の押出機を用いて250℃
で混練した。ここで得られた変性ポリ(エチレ
ン/プロピレン)共重合体はトルエンに完溶せず
架橋していることがわかつた。 実施例1で用いたナイロン6に対し、この架橋
変性ポリ(エチレン/プロピレン)共重合体を25
重量%添加混合した後、実施例1と同様な条件下
にコンパウンドし、次いで射出成形試験片の物性
を評価した。その結果を第1表に示すが、架橋ポ
リオレフインをナイロンに配合混練する方法でポ
リオレフインの分散性が悪く、耐衝撃強度が不満
足で成形品の表面外観も良好ではないことがわか
り、ポリオレフインの部分架橋は実施例1で示す
ようにナイロンとのコンパウンド時に変性と同時
並行的に進行しないと不適当なことがわかつた。 比較例 2〜5 実施例1におけるN−シクロヘキシルマレイミ
ドおよび無水マレイン酸の使用量を第1表に示す
ように変える以外は実施例と全く同様にして押出
機混練および射出成形試験片の物性評価を実施し
た。変性剤の添加量が本発明で規定する範囲を外
れる場合には押出機からの吐出安定性が悪かつた
り射出成形流動性や機械的物性が低下して好まし
くないことがわかつた。
【表】
【表】 実施例 2〜15 ポリアミド、ポリオレフイン、変性剤および過
酸化物の種類、配合量などを変え、実施例1と同
様な操作を行なつて押出機からの吐出安定性、射
出成形流動性および成形試験片の物性を評価し第
2表に示す結果を得た。第2表に記したいずれの
場合もすぐれた押出作業性、射出成形流動性、物
性を示す複合体が得られることがわかつた。
【表】
【表】
【表】
【表】 <発明の効果> 本発明によれば、少なくとも二種類の特定の変
性剤と有機過酸化物の存在下にポリオレフインの
変性と同時にポリアミドとの溶融混練を行なつて
射出成形流動性および機械的物性がすぐれた材料
を製造することが可能になつた。しかも本発明の
方法で得られた材料はポリアミドマトリツクス中
に架橋したポリオレフインが均一微細に分散して
いることとポリオレフインの変性および架橋がポ
リアミドの存在下で進行するためポリアミドの分
子鎖とポリオレフインの分子鎖が互いに絡み合つ
た複合構造体が生成することの二点が従来知られ
ていなかつたことである。この点に関しては本発
明は新たな概念の材料の製造法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られたペレツトの塩酸処
理残存物の赤外吸収スペクトル図であり、第2図
は同ペレツトのメタクレゾール処理残存物の赤外
スペクトル図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 (A)ポリアミド樹脂50〜95重量%と(B)ポリオレ
    フイン5〜50重量%との混合物100重量部に対し
    (C)α,β−不飽和イミド化合物0.02〜5重量部、
    (D)α,β−不飽和カルボン酸化合物またはその無
    水物0.01〜3重量部および(E)有機過酸化物0.001
    〜0.8重量部の混合物を溶融混練することを特徴
    とする樹脂複合体の製造法。
JP21461486A 1986-09-02 1986-09-11 樹脂複合体の製造法 Granted JPS6369860A (ja)

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