JPH1121446A - 超高衝撃性ポリアミド組成物 - Google Patents

超高衝撃性ポリアミド組成物

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JPH1121446A
JPH1121446A JP19063497A JP19063497A JPH1121446A JP H1121446 A JPH1121446 A JP H1121446A JP 19063497 A JP19063497 A JP 19063497A JP 19063497 A JP19063497 A JP 19063497A JP H1121446 A JPH1121446 A JP H1121446A
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JP
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polyamide
acid
nylon
polyolefin elastomer
metallocene catalyst
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JP19063497A
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Takeshi Moriwaki
毅 森脇
Toshiharu Sakaguchi
俊春 阪口
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Kishimoto Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Kishimoto Sangyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度の耐衝撃性を有し、しかも曲げ弾性率等
他の機械的性質も適度に有し、更に安価なポリアミド組
成物を提供する。 【解決手段】 0.01重量%〜1.0重量%のカルボ
ン酸により酸変性したメタロセン触媒を用いて重合した
ポリオレフィンエラストマーを、脂肪族系結晶性あるい
は分子鎖中に芳香族基を含むポリアミドに重量で1/9
〜3/7配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド樹脂の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドは安価な上に成形性が良く、
また機械的性質、耐蝕性や耐腐食性等の化学的性質や物
理的性質も良好な樹脂であり、自動車や電機機器の各種
機械部品等として広く使用されている。更に、ポリアミ
ド本来の優れた性質を損なうことなく、あるいは性質の
劣化を極力少なくして、この一方最終製品に望まれる性
質を大きく改善する配合材料、改質剤等を見出すための
開発、研究がなされている。
【0003】さて、ポリアミドの欠点として、成形直後
のような絶乾状態では、吸湿状態と異なり、一般に耐衝
撃性が小さいことが挙げられる。このため、ポリアミド
本来の優れた他の性質を犠牲にすることなく、その耐衝
撃性を大きく向上させることが望まれている。かかる材
料、技術が開発されれば、乾燥状態で使用するときに、
耐衝撃性が低いため製品が割れる等の不都合が減少し、
更に安価なポリアミド6等の組成物で耐衝撃性を要求さ
れる物品を製造することも可能となり、ずっと高価な材
料に代替可能となるからである。
【0004】ただし、ナイロンは、その良好な性質の多
くをアミノ基の特性に負うため、改質材として配合され
る物質に制限が比較的多い。更に、配合する物質の融点
やガラス転移点等からの制限もある。更にまた、製造す
る物品等によっては、射出成形等製造上からくる要請も
ある。このため、他の優れた性質をそう犠牲にしない配
合材料、改質剤を見出すのは、なかなか困難である。
【0005】すなわち、現在絶乾時の耐衝撃性の改善の
ためには、ポリオレフィン系のプラスチック、例えばエ
チレンプロピレンゴム、ポリ(エチレン/プロピレン/
1,4−ヘキサジエン)共重合体(EPDM)等を無水
マレイン酸等でグラフト導入したものが使用されている
が、この場合、耐衝撃性は向上するものの、曲げ弾性率
が著しく低下する。このため、これらは耐衝撃に加え、
耐荷重を必要とする用途に用いるには不充分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる情況の
もとで、上記課題を解決すべくなされたものであり、絶
乾時の耐衝撃性が高度に改良され、しかも用途範囲の広
いポリアミド樹脂を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術
によるポリアミド樹脂が、乾燥状態において耐衝撃性が
劣る欠点を改良するため鋭意研究を行った結果、かかる
欠点を改良する新規なポリアミド組成物を開発し、この
発明を完成させた。この発明は、ポリアミドとメタロセ
ン触媒を用いて重合したポリオレフィンエラストマーを
限定した条件で酸変性した新規エラストマーよりなる新
規組成物により達成される。具体的には、以下の構成、
特定事項からなる発明により達成される。
【0008】請求項1記載の発明においては、ポリアミ
ド90〜70部と、メタロセン触媒を用いて重合したポ
リオレフィンエラストマーの酸変性物10〜30部とか
らなるポリアミド組成物としている。上記構成により、
カルボン酸等により酸変性されたポリオレフィンエラス
トマーが、ポリアミドに対し少量配合されることで、ポ
リアミドの絶乾時の耐衝撃性を著しく大きく改善する。
【0009】請求項2記載の発明においては、請求項1
記載の発明におけるポリアミドとして、主鎖にアミド結
合を持つ重合体で、ジアミンと二塩基酸との重縮合、ラ
クタムの開環重合、アミノカルボン酸の重縮合等により
得られる直鎖状の分子からなる脂肪族系結晶性ナイロ
ン、若しくはポリアミドの出発物質であるジアミン、二
塩基酸の何れかを芳香族環を含む成分を使用したいわゆ
る半芳香族型結晶性ポリアミドが使用される。なお、前
者のポリアミドとしては、例えばポリヘキサメチレンア
ジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパ
ミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバミド
(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカノアミ
ド(ナイロン612)、ポリカプロラクタム(ナイロン
6)、ポリウンデカノアミド(ナイロン11)、ポリラ
ウリルラクタム(ナイロン12)等がある。また、後者
のポリアミドとしては、例えばメタキシリレンジアミン
(MXDA)とアジピン酸から得られるナイロンMXD
6あるいはテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンから
得られるナイロン6T等がある。上記構成により、絶乾
時における脂肪族系結晶性ポリアミド若しくは分子鎖中
に芳香族基を含む結晶性ポリアミドの耐衝撃性は、著し
く改善される。
【0010】請求項3記載の発明においては、請求項2
記載のポリアミドは、ナイロン6、同66若しくは同4
6としている。上記構成により、これらポリアミドは、
他の良好な性質に悪影響を及ぼすことはない、あるいは
僅少のまま、その絶乾時の耐衝撃性は大きく改善され
る。
【0011】請求項4記載の発明においては、請求項
1、請求項2、若しくは請求項3記載の発明におけるメ
タロセン触媒を用いて重合したポリオレフィンエラスト
マーの酸変性物は、無水マレイン酸換算で0.01重量
%〜1.0重量%のカルボン酸により酸変性されたもの
である。上記構成により、0.01重量%〜1.0重量
%の、そして、好ましくは0.05重量%〜0.2重量
%のカルボン酸による、メタロセン触媒を用いて重合さ
れたポリオレフィンエラストマーの酸変性反応、すなわ
ち極性基の付加がエラストマー分子に架橋を形成するこ
となくなされる。この結果、この酸変性したポリオレフ
ィンエラストマーを配合したポリアミドの耐衝撃性は大
きく改善される。
【0012】請求項5記載の発明においては、前記メタ
ロセン触媒を用いて重合したポリオレフィンエラストマ
ーを酸変性する物質は、マレイン酸若しくは無水マレイ
ン酸としている。上記構成により、請求項1から請求項
4の発明において、安価なマレイン酸等によりポリオレ
フィンエラストマーを適切に酸変性させてポリアミドと
相溶性を改善することとなる等の効果が得られる。
【0013】請求項6記載の発明においては、請求項1
から請求項5に記載の発明におけるメタロセン触媒を用
いて重合したポリオレフィンエラストマーは、エチレン
・α−オレフィン・コポリマーであり、エチレンに対す
るα−オレフィンコモノマーの比率が5重量%〜30重
量%としている。上記構成により、請求項1から請求項
5に記載のポリアミド組成物の耐衝撃性は大きく改善さ
れる。
【0014】請求項7の発明においては、請求項6と請
求項7の発明におけるメタロセン触媒を用いて重合した
ポリオレフィンエラストマーは、基本構造が[CH2
CH2 ]・[CH2 −CH・R]m (ここでRはCH3
・[CH2 ]L、Lは3以上8以下の側鎖である)とし
ている。上記構成により、適切な長さのコモノマーをモ
ノマーに導入した構造を有する、そして適度の硬度等を
有するポリオレフィンエラストマーとなり、その作用に
より、ポリアミドの耐衝撃性が著しく向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。先ず、本明細書でいうメタロセン触媒と
は、共存する活性点の性質が均一の触媒をいう。この触
媒は、化学的には、遷移金属を不飽和環状化合物で挟ん
だ構造の化合物(メタロセン)であるため、メタロセン
触媒といわれ、またシングルサイト触媒ともいわれてい
る。さて、この触媒は性質が異なる活性点が混在しない
ため、狭分子量分布の均質なポリマーを生成すること
や、配位子の対称性に応じて任意の規則性を有するポリ
マーを生成することが可能である。
【0016】具体的には、以下のようなものである。
【0017】
【化1】
【0018】これは、メタロセン錯体と言われているも
のである。また、この化1のメタロセン錯体に、化2に
示す化合物(アルミノキサン)を組み合わせた複合触媒
を挙げられる。
【0019】
【化2】
【0020】化1において、M1 はチタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム、バナジウム、ニオブまたはタンタルで
あり、R1 およびR2 は互いに同じでも異なっていても
よく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10の
アルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素
原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のア
リールオキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、
炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数
7〜40のアルキルアリール基または炭素原子数8〜4
0のアリールアルケニル基であり、R3 およびR4 は互
いに同一か、または異なっていて、中央金属原子M1
サンドイッチ構造の錯体を形成することができる単核ま
たは多核炭化水素残基である。
【0021】R5 は=BR6 、=AlR6 、−Ge−、
−Sn−、−O−、−S−,=SO、=SO2 、=NR
6 、=CO、=PR6 またはP(O)R6 (ただし、R
6 は水素原子、ハロゲン原子)である。また、R9 は互
いに同じでも異なっていてもよく、炭素原子数1〜6の
アルキル基、炭素原子数1〜6のフルオロアルキル基、
炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数6〜18
のフルオロアリール基または水素原子であり、nは0〜
50の整数である。
【0022】化1、化2の化合物からなる複合触媒の例
を後の化3に示す。ただし、この触媒自体は、例えばプ
ラスチックス誌47巻2号10頁〜12頁、PACKP
IA誌1994年4号12頁〜53頁、特開平5−14
0227号、特開平5−140228号、特開平5−2
09019号公報等にて公開されている周知技術である
ため、これ以上の説明は省略する。
【0023】さて、このメタロセン(シングルサイト)
触媒を用いて重合されたポリオレフィンエラストマー
は、従来のマルチサイト触媒を用いて重合されたものと
異なり狭い分子量分布と均質性、ひいては分子が揃うた
め、融点、ガラス転位点がはっきりしており、またいわ
ゆるべと付きがなく、均一なコモノマー分布を有すると
いう特徴をもつ。いずれの触媒を使用して製造したかに
よる分子量分布の相違を図2に、DSC法融点と密度の
関係の相違を図3に参考として示す。
【0024】次に、本願発明に不可欠のメタロセン触媒
を用いて重合したポリオレフィンエラストマーは、エチ
レンに対するα−オレフィンコモノマーの比率が5〜3
0重量%であり、現時点(出願時点)では、メタロセン
触媒のうち、いわゆる幾何拘束触媒を用いて側鎖の炭素
数が6のものが製造されている。ここに、幾何拘束(c
onstrained geometry)触媒とは、
金属がそのまわりに拘束幾何形状を誘起するように非局
在化置換π結合部分に結合している金属配位錯体を有し
た触媒である。具体的には、化3に示す複合触媒にて、
左に示すシクロペンタジエンを配位子とした化合物(二
塩化ジルコノセン)と、化3の右に示すアルミノキサン
化合物を組み合わせたものである。
【0025】
【化3】
【0026】その他、図4に示すような化学構造のもの
である。ただし、この触媒自体も、プラスチックス誌4
7巻2号10頁、特開平7−500622号、特開平7
−53618号公報等にて公開されている周知技術であ
るため、これ以上の説明は省略する。
【0027】この幾何拘束触媒を使用して重合すると、
メタロセン触媒を使用して重合した物についての一般的
特徴に加えて、主鎖に長鎖分岐が選択的に導入されてい
るため成形性がよいという特徴を有する。その模式的な
機構を図5に、また主鎖の基本的な構造を図6に示す。
本図に示すように、側鎖の炭素数は6である。そして、
このポリオレフィンエラストマーは、エンゲージ(EN
GAGE)という商標名で、デュポン ダウ エラスト
マー(株)より販売されている。概略その物性値をいう
と、一般用グレード(密度0.885〜0.870g/
cc)の各種エンゲージ中の1種たるエンゲージ820
0で、密度0.87g/cc、コモノマー24重量%、
メルトインデックス5(g/10分)、引張り強度72
kg/cm2 、100%引張りモジュラス22kg/c
2 、伸び980%、ショア硬度は75(A)、同26
(D)、DSC融点(Peak(℃))68程度の物性
値を有する。その他、密度の高いグレードの物(0.9
10〜0.895g/cc)も各種販売されている。た
だし、このポリオレフィンエラストマー自体は、同社の
カタログはもとより、Polyfile誌 1996年
8月号76頁、77頁等に記載されている周知技術であ
るため、これ以上の説明は省略する。
【0028】ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン
プロピレンゴム(EPR)あるいはエチレンプロピレン
ジエンゴム(EPDM)などを酸変性することにより極
性基を付加し、ナイロンなどとの相溶性を改良すること
は古くから行われてきた。しかし、メタロセン触媒によ
り合成されたかかるポリオレフィンエラストマーは、放
射線照射あるいは過酸化物の作用により、容易に架橋を
起こすため、酸変性を行うことは出来ないとされ、その
ため単体としてのみプラスチック配合剤(耐衝撃性改良
材)として使用できず、相溶性の関係でポリオレフィン
系プラスチックに限定されていた。
【0029】しかし、本発明者らは、以下に詳記する限
定された条件により酸変性に成功し、これを配合するこ
とにより、従来の技術を凌駕する高衝撃性を持ちしかも
曲げ弾性率も高いポリアミド組成物を完成させた。
【0030】さて、このポリオレフィンエラストマーの
酸変性であるが、使用する酸としては、マレイン酸、ア
クリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、シト
ラコン酸およびそれらの無水物を挙げられる。通常は、
2官能性であること、安価なことから無水マレイン酸を
使用する。なお、ここに無水物としたのは、立体障害、
極性因子等の面からモノマー反応性が高く、グラフトし
易いことによる。このグラフト反応には、該エラストマ
ーの溶融温度において適切な分解速度をもつ有機過酸化
物を開始剤として使用する。具体的には、半減期1分間
の分解温度が150℃至250℃の有機過酸化物が使用
できる。これには、ラウロイルパーオキサイド、ジター
シャリブチルパーオキサイド又は1,3ビス(t−ブチ
ルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ベンゾイルパー
オキサイド、ターシャリブチルパーベンゾエート、ジク
ミルパーオキサイド等がある。
【0031】さて、次に酸変性は、1軸押出機、2軸押
出機、ニーダ等により行うことができるが、好ましいの
は図1に示すようなローター型ニーディングセグメント
又はニーディングディスク等の混練機構を備えた二軸押
出機である。本図において、1は上流側投入口、2は中
流側投入口、3はローター型ニーディングセグメント、
4はニーディングディスクにより構成される。但し、こ
こでは、上流側投入口1のみ使用する。そして、この押
出機のシリンダー内を上記ポリオレフィン系エラストマ
ーが溶融しかつ有機過酸化物が作用しえる温度に加温し
た後、上記エラストマーのペレットと無水マレイン酸と
有機過酸化物を各々所定量づつ、あるいは三者をあらか
じめ所定量ずつ混合させていた混合物をホッパーから連
続的に二軸押出機の上流側投入口へ供給する。この場
合、無水マレイン酸は、ポリオレフィンエラストマーの
0.01重量%〜1.0重量%、好ましくは0.05重
量%〜0.2重量%である。なお、ここにかかる範囲と
したのは、これよりも酸変性量が少なすぎると相溶性に
欠け、多すぎると相溶性改善の効果が限界に達するだけ
でなく、分子が架橋し、ポリアミド中へ均一に分散、配
合せず、また成形加工時の流動性を妨げ、しかも成形品
の外観を損なうなどの好ましくない現象が生じるからで
ある。
【0032】本発明によるポリアミド組成物は、ポリア
ミドと前述のようにして作られた酸変性ポリオレフィン
エラストマーの混合物を、押出機により溶融混練するこ
とにより製造することができる。この押出機は、通常の
1軸押出機、2軸押出機により容易に行うことが出来
る。1軸押出機には、混練効果を強化するため、ダルメ
ージ型練りスクリュー、バリヤーフライト型スクリュー
などを備えて練り効果を強化することも行われ、このよ
うな機構を備える装置も利用できる。本発明によるポリ
アミド組成物を有利に製造するプロセスとして、2軸押
出機でポリオレフィンエラストマーの酸変性反応を行な
い、同じ押出機の下流に設けた第2の原料投入口より、
ポリアミド樹脂を供給する方法により行なうこともでき
る。この場合には、第2段ではローター型ニーディング
セグメント、あるいはディスク型ニーディングブロック
を組み込むことが望ましい。この場合、無水マレイン酸
はエラストマーの酸変性に全て使われているので、ポリ
アミドに悪影響を及ぼすこともない。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 原料: ナイロン: ポリアミド6 帝人製 ナイロン6 T310B ナイロン66 デュポン(株)製 ザイテル 101L ナイロンMXD6 三菱エンジニアリングプラスチック(株)製 レニー6002 メタロセン系ポリオレフィンエラストマー(POE): デュポン ダウ エラストマー(株)製 エンゲージ8200 POEの酸変性: 1.ポリオレフィンエラストマー エンゲージ8200 100部 無水マレイン酸(1mm以下の粉砕品) 0.2部 1.3ピス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン 0.1部 をドラムブレンダーにより均一に混合した。
【0034】2.押出 フリージアマクロス(株)製 NRII−46mmSG二
軸押出機 「ただし構成は次のようにした。 全L/D=40で、ホッパーにより順に次の構成とし
た。 (1)18Dの輸送、溶融ゾーン (2)6Dのローター型ニーディングセグメント (3)4Dの輸送ゾーン(第2投入口を兼ねる。但し、
今回は使用しない。) (4)4Dのニーディングディスク (5)8Dの輸送ゾーン(2Dの位置にベント口を設
け、真空で脱気した)」 シリンダー温度 200℃ スクリュー回転数 150RPM 押出速度 50kg/hr で上記混合物を溶融、混練り押出しを行なった。
【0035】ポリアミド組成物の製造:前項と同じ押出
機を使用し、以下の条件で組成物の製造を行なった。 シリンダー温度 250℃、但し実施例3のみ27
0℃とした。 スクリュー回転数 300RPM 押出速度 100kg/hr で溶融、混練り押出しを行なった。
【0036】試験: 射出成形機 日本製鋼(株)製 J75EII シリンダー温度 250℃、但し実施例3のみ270℃
とした。 金型 ASTM D638 引張り試験片と、ASTM
D790曲げ試験片をセット取りで成形した。 金型温度 70℃ 測定 アイゾット衝撃試験片は、曲げ試験片にノッチを
加工し作製した。これら試験片は、室温にて絶乾状態で
48時間保管後、規定の試験法により測定した。
【0037】試験結果を表1と表2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】本表において、配合欄のPA6は、上記ナ
イロン6(ポリアミド6)を、PA66は同じくナイロ
ン66を、PAMXD6は同じくナイロンMXD6を、
POEは上記ポリオレフィンエラストマー(エンゲー
ジ)を、M−POEはPOEの無水マレイン酸変性物を
示す。次に、比較例1におけるPA6の行の数字100
は、PA6(ナイロン6)が100%であることを示
す。また、比較例3におけるPA6の行の数字80とP
OEの行の数字20とは、各々PA6が80%、POE
(無変性ポリオレフィン系エラストマー)が20%含ま
れていることを示す。そして、これらの数字の意味は他
の比較例、実施例でも同じである。なお、比較例2は、
PA6+MEPG100%であり、これは、市販の変性
EPゴム系配合の超高耐衝撃性ポリアミド6(三菱エン
ジニアリング(株)製 ノバミッドST−120)であ
る。
【0040】また、物性欄の引張り強さ、曲げ強さ、曲
げ弾性率の単位は全てkgf/mm2 であり、アイゾッ
ト衝撃値の単位は、kgf・cm/cmである。表1の
比較例1における引張り強さの行の7.5という数値
は、PA6 100%からなる本比較例1の引張り強さ
が7.5kgf/mm2 であることを示す。そして、こ
れらの事項は、後に示す表2でも同じである。なお、機
械的強度は全て絶乾時である。本表にて、実施例1のP
A6が80%、M−POEが20%のポリアミド組成物
はアイゾット衝撃値が90kgf・cm/cmであり、
他の比較例1(PA6のみ100%)、比較例2(上記
PA6+MEPG)、同3(PA6が80%と無変性P
OE20%)に比べて、非常に高いのがわかる。しか
も、純粋なナイロン6である比較例1と比較しても、曲
げ強さ及び曲げ弾性率の劣化は少なくなっている。比較
例2は従来技術による製品であるが、実施例2は比較例
2に比べ耐衝撃性が高いとともに引張り強さ、曲げ弾性
率も優れている。更に、実施例と異なり20%含まれる
POEが無変性の比較例3では、引張強さ、曲げ強さ、
曲げ弾性率が大幅に低下しながらアイゾット衝撃値は比
較例1の2倍程度にしかならない。これにより、酸変性
したポリオレフィンエラストマーのみが大きくアイゾッ
ト衝撃値を向上させるのがわかる。
【0041】次に、酸変性したPOEを30%含む実施
例2は、実施例1と比較した場合、アイゾット衝撃値こ
そ更に向上するものの増加量は1割強であり、この一
方、引張り強さ、曲げ強さとも2,3割低下している。
すなわち、変性したPOEの増量の効果は、30%程度
で一応の限界にきているのがわかる。表2は、ナイロン
66とナイロンMXD6における実施例と比較例であ
る。
【0042】
【表2】
【0043】本表において、比較例4と実施例3は、P
A66(ナイロン66)における変性したポリオレフィ
ンエラストマーの効果を示すものである。ナイロン66
においても、20%のM−POE(変性ポリオレフィン
系エラストマー)の配合により他の機械的性質を著しく
損なうことなくアイゾット衝撃値は10倍以上に増加し
ているのがわかる。本表において、比較例5と実施例4
は、ナイロンMXDにおける変性したポリオレフィンエ
ラストマーを20%配合した場合の効果を示すものであ
る。本来耐衝撃性のあるナイロンMXD6においても、
20%の配合により、アイゾット衝撃値は5倍以上に増
加し、この材料の欠点が大幅に改良された。
【0044】以上、本発明を実施例に基づいて説明して
きたが、本発明は何も上記実施例に限定されないのは勿
論である。すなわち、例えば、ポリアミド組成物にその
特性を損なわない限りにおいて、他の成分、たとえば顔
料、染料、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐侯安定剤、滑
剤、造核剤、帯電防止剤、可塑剤、他の重合体等を混入
していてもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、ポリアミドの特徴を損なうことなく、絶乾時におい
ても高度に耐衝撃性のある、しかも安価なポリアミド組
成物を提供することが可能である。また、この結果、ポ
リアミドの用途も一層拡大される。
【図面の簡単な説明】
【図1】二軸押出機を使用してのポリオレフィンエラス
トマーの酸変性やポリアミドへの混練による配合の様子
を概念的に示した図である。
【図2】メタロセン触媒と従来からのマルチサイト触媒
を使用して重合したポリオレフィンエラストマーの分子
量分布の相違を示した図である。
【図3】同じく、DSC法融点と密度の相違を示した図
である。
【図4】幾何拘束触媒の化学構造の一例である。
【図5】本発明に使用するポリオレフィンエラストマー
の模式的な構造を示した図である。
【図6】上記ポリオレフィンエラストマーの主鎖の基本
的な構造を示した図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド90〜70部と、 メタロセン触媒を用いて重合したポリオレフィンエラス
    トマーの酸変性物10〜30部とからなることを特徴と
    する超高衝撃性ポリアミド組成物。
  2. 【請求項2】 前記ポリアミドは、 脂肪族系結晶性ポリアミド若しくは分子鎖中に芳香族基
    を含む結晶性ポリアミドであることを特徴とする請求項
    1に記載の超高衝撃性ポリアミド組成物。
  3. 【請求項3】 前記ポリアミドは、 ナイロン6、同66若しくは同46であることを特徴と
    する請求項2に記載の超高衝撃性ポリアミド組成物。
  4. 【請求項4】 前記メタロセン触媒を用いて重合したポ
    リオレフィンエラストマーの酸変性物は、 0.01重量%〜1.0重量%のカルボン酸変性物であ
    ることを特徴とする請求項1、請求項2、若しくは請求
    項3に記載の超高衝撃性ポリアミド組成物。
  5. 【請求項5】 前記メタロセン触媒を用いて重合したポ
    リオレフィンエラストマーを酸変性するカルボン酸は、 マレイン酸若しくは無水マレイン酸であることを特徴と
    する請求項4に記載の超高衝撃性ポリアミド組成物。
  6. 【請求項6】 前記メタロセン触媒を用いて重合したポ
    リオレフィンエラストマーは、 エチレン・α−オレフィン・コポリマーであり、エチレ
    ンに対するα−オレフィンコモノマーの比率が5重量%
    〜30重量%であることを特徴とする請求項1、請求項
    2、請求項3、請求項4若しくは請求項5に記載の超高
    衝撃性ポリアミド組成物。
  7. 【請求項7】 前記メタロセン触媒を用いて重合したポ
    リオレフィンエラストマーは、 基本構造が[CH2 −CH2 n ・[CH2 −CH・
    R]m (ここでRはCH 3 ・[CH2 ]L、ここにLは
    3以上8以下の側鎖である)であることを特徴とする請
    求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5若し
    くは請求項6に記載の超高衝撃性ポリアミド組成物。
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