JPH0534577Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、化粧料容器、特に揮発化粧料のため
の密封機構を装備した化粧料容器に関するもの
で、本考案の化粧料容器は、簡易にして確実な密
封を実施し得、例えば、口紅、リツプステイツク
の容器として好適に用いられる。

〔従来の技術〕

キヤツプの内奥にパツキングを内挿した化粧料
容器に関する従来技術としては、実公昭54−5175
号公報、実開昭57−7408号公報及び実公昭58−
35132号公報に記載のもの等が知られている。

上記実公昭54−5175号公報及び実開昭57−7408
号公報に記載の化粧料容器は、パツキングの中央
部をキヤツプの開口部方向に突出させて突出部を
形成してあり、該突出部により化粧料の頭部を抑
えて化粧料のがたつきを防止し得るようになして
ある。

また、上記実公昭58−35132号公報に記載の化
粧料容器は、パツキングの最外周部に外周壁部を
又その内側に内周壁部をそれぞれ垂下してあり、
化粧料容器運搬時に、斯る外周壁部と内周壁部と
の間に外筒及び身筒を挟持させて身筒の回転を阻
止することにより、化粧料の頭突による損傷を防
止し得るようになしてある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記公報に記載の化粧料容器
は、何れも密封性が不充分である。即ち、キヤツ
プと外筒との嵌力の緩みやパツキングの僅かな変
形等により、完全に密封することはできない。従
つて、斯る化粧料容器は揮発化粧料の容器として
は不適当である。

従つて、本考案の目的は、簡易にして確実な密
封を実施し得、口紅、リツプステイツク等の揮発
化粧料の容器として好適な化粧料容器を提供する
ことにある。

〔問題点を解決するための手段〕 本考案は、外筒を有する容器本体と、該外筒に
その上方から嵌装されるキヤツプとからなる化粧
料容器において、断面逆Ｖ字形のリング状係合溝
を下部に備えた外周部と該外周部の内壁下部に一
体的に連設したドーム状の中央部とからなるパツ
キングを、上記キヤツプの内部に固定し、上記キ
ヤツプの嵌装時に上記係合溝内に上記外筒の頂部
を嵌入し弾接状態で係合し得るように構成したこ
とを特徴とする化粧料容器を提供することによつ
て上記の目的を達成したものである。

〔実施例〕

以下、本考案の化粧料容器を図面に示す一実施
例について説明する。

第１図及び第４図において、１は容器本体で、
容器本体１は、周知の通り、外壁に係合片２を突
設した中皿３と、中皿３の係合片２を縦長の案内
溝４に貫通させて中皿３に外挿した身筒付袴５
と、中皿３の係合片２を螺旋状溝６に係合させて
身筒付袴５の身筒７に外挿させた外筒８とを主体
とし、身筒付袴５と外筒８とを相対的に回動する
ことにより、中皿３を上下動させ、中皿３内に保
持された化粧料９を繰り出し得るように構成して
ある。

また、第１図及び第３図において、１０は上記
外筒８に嵌装（外挿）するキヤツプで、キヤツプ
１０の内部には、パツキング１１を固定（強嵌固
定又は接着固定）してある。

而して、本考案の化粧料容器においては、上記
パツキング１１を特殊な形状となし、外筒８の頂
部における密封性を高めるようになしてある。即
ち、パツキング１１は、断面逆Ｖ字形のリング状
係合溝１２を下部に備えた外周部１３と該外周部
１３の内壁１４下部に一体的に連設したドーム状
の中央部１５とからなる特殊形状に形成してあ
り、上記キヤツプ１０の嵌装時に上記係合溝１２
内に上記外筒８の頂部を嵌入し弾接状態で係合し
得るように構成してある。

パツキング１１について更に詳述すると、パツ
キング１１の外周部１３の外壁１６の下端部は、
外周部１３の内壁１４の下端部よりも上方に位置
させてある（外壁１６の長さを内壁１４の長さよ
うりも短くしてある）。両下端部の位置関係は図
示例に制限されないが、図示例の如き位置関係と
することにより、キヤツプ１０の内径に対し外筒
８の径をより大きくとることができる利点があ
る。又、パツキング１１の材質としては、弾力に
優れ、しかも化粧料９の揮発成分に対して耐性の
優れた材質、例えば、シリコンゴム、LDPE等の
材質が好ましい。又、パツキング１１の外周部１
３の頂部は、図示例の場合、キヤツプ１０の天面
に接触しているが、必ずしも斯る天面に接してい
なくても良い。

この他、図面において、２０は、キヤツプ１０
の嵌装時にキヤツプの下端部と圧接するように身
筒付袴５の下部外周部に設けたリング状パツキン
グである。又、２１，２２は、キヤツプ１０の嵌
装時にその嵌装状態を強く且つ維持させるため互
いに螺合するようにキヤツプ１０の下部内面及び
外筒８の下部外面にそれぞれ設けたネジである。
ネジ２１，２２としては、図示の如くキヤツプ１
０を僅かに回すだけで螺合解除される構造のもの
が使用者に不便を感じさせないので好ましい。
尚、キヤツプ１０の嵌装時にその嵌装状態を強く
且つ維持させるためには、このようなネジ結合の
他、摩擦結合であつても良いが、ネジ結合の方が
好ましい。

上述の如く構成した本願考案の化粧料容器にお
いて、キヤツプ１０を容器本体１に嵌装すると、
嵌装終了直前において外筒８の頂部がパツキング
１１の断面逆Ｖ字形のリング状係合溝１２に圧入
し、この圧入によつて、嵌装前には第２図に実線
で示す如き形状のパツキング１１は変形を開始
し、前記のネジ２０，２１を螺合させて締付けた
嵌装終時にはパツキング１１は第２図に点線で示
す如く変形する。従つて、嵌装終了時において
は、外筒８の頂部はパツキング１１の係合溝１２
内に嵌入し弾接状態で係合しており、外筒８の頂
部における密封は非常に強く、化粧料９の揮発成
分の揮散は長期間に亘つて維持され、化粧料９の
品質も維持される。

また、上記の密封にはパツキング１１の中央部
１５をドーム形にしたことによるパツキング１１
の変形が関与しているから、パツキング１１の寸
法精度を比較的必要としないでも密封を確実行う
ことができ、又パツキング１１のリング状係合溝
１２への外筒８の嵌入が強過ぎても、パツキング
の変形により容易にキヤツプ１０を嵌装すること
ができる。又、パツキング１１の変形及びパツキ
ング１１のリング状係合溝１２への外筒８の圧入
により、本考案の化粧料容器が繰り返し使用され
てパツキング１１が多少摩耗しても、上記の密封
を確実に維持することができる。

〔考案の効果〕

本考案の化粧料容器は、上述の如く、パツキン
グの中央部をドーム状の構造となし、パツキング
の外周部を断面逆Ｖ字形のリング状係合溝を下部
に備えた構造となし、且つキヤツプの嵌装時に外
筒の頂部を上記係合溝内に圧入するようになして
あるため、パツキングの寸法精度が比較的高くな
かつたり、パツキングが繰り返しの使用により摩
耗しても、ドーム状の中央部の変形及び係合溝内
への外筒の頂部の圧入により、確実な密封を行い
得ると共に、パツキングへの外筒の嵌合が強過ぎ
ても、パツキングのドーム状の中央部の変形によ
り容易にキヤツプの嵌装を行い得る実用的効果を
奏するもので、その簡易な構成と相俟ち、口紅、
リツプステイツク等の揮発化粧料の容器としての
実用的価値の高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の縦断面図、第２
図はキヤツプと容器本体との係合状態を説明する
ためのその要部の拡大図、第３図はキヤツプの一
部切欠正面図、第４図は容器本体の一部切欠正面
図である。 １……容器本体、８……外筒、１０……キヤツ
プ、１１……パツキング、１２……断面逆Ｖ字形
のリング状係合溝、１３……外周部、１４……外
周部の内壁、１５……ドーム状の中央部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 外筒を有する容器本体と、該外筒にその上方
   から嵌装されるキヤツプとからなる化粧料容器
   において、断面逆Ｖ字形のリング状係合溝を下
   部に備えた外周部と該外周部の内壁下部に一体
   的に連設したドーム状の中央部とからなるパツ
   キングを、上記キヤツプの内部に固定し、上記
   キヤツプの嵌装時に上記係合溝内に上記外筒の
   頂部を嵌入し弾接状態で係合し得るように構成
   したことを特徴とする化粧料容器。 (2) 外周部の外壁下端部が該外周部の内壁下端部
   よりも上方に位置している、実用新案登録請求
   の範囲第(1)項記載の化粧料容器。