JPH0238653Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は固形化粧料繰出し容器の改良に関する
ものである。

〔従来の技術とその問題点〕

口紅等の棒状固形化粧品として、揮発成分を含
むものが現われているが、従来のこの種棒状固形
化粧品の繰出し容器は気密性が乏しいためキヤツ
プを取付けた状態でも容易に揮発成分が漏出する
という問題があつた。この対策として、キヤツプ
の天壁部位に性体を装着してらせん筒の上端開口
部と接触を図るようにしたものが提案されている
が、中皿の底部穴から盛れた揮発分がはかま体と
らせん筒との組み立て隙間を通り、キヤツプの下
部から外部に盛れることを防止することができな
いため、揮発防止効果が十分とはいえなかつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は前記のような問題点を解決するために
考案されたもので、らせん筒上部からの揮発成分
の漏出とらせん筒下部からの漏出を確実に防止す
ることができ、しかもあわせて化粧料の繰出し状
態の安定化とフイーリング向上を図ることができ
る構造簡易な固形化粧料繰出し容器を提供しよう
とするものである。

この目的を達成するため本考案は、はかま体
と、このはかま体に下部をもつて相対自在に取付
けられたらせん筒と、らせん筒に内挿されたガイ
ド筒と、ガイド筒の縦溝を貫いらせん筒のらせん
溝に係合する突起を有する中皿と、キヤツプとを
備えた容器において、キヤツプの内面にらせん筒
の外周面と密接するシール部を設けると共に、ら
せん筒の下周部とはかま体間にシールリングを取
付けたものである。

前記シールリングはらせん筒の下周部に嵌着し
てはかま体の内周面と密接させてもよいし、はか
ま体の突周壁に嵌着させ、らせん筒の下周部内面
と密接させるようにしてもよい。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を添付図面に基いて説明す
る。

第１図ないし第２図は本考案の一実施例を示す
もので、１ははかま体であり、図示するものでは
外体１ａとこれに嵌合され接着等により固定され
た内体１ｂとからなつており、内体１ｂには段部
１１を介して突周壁１２が連設され、この突周壁
１２に環状突起１３が形成されている。

２はらせん筒で、内面にらせん溝２０が形成さ
れており、下周部２１の下端が内体１ｂの段部１
１に当接するようになつているとともに、下周部
２１内面に前記環状突起１３に嵌まる凹周溝２３
が形成され、これによりらせん筒２ははかま体１
に不上昇定位置で相対回動されるようになつてい
る。

３は前記らせん筒２に内挿固定されたガイド筒
であり、相対する面に縦溝３０，３０が形成さ
れ、縦溝の上下端近くには繰出し上昇・下降限規
制用の横溝（図示せず）が分設されている。

４は化粧料Ａを取付ける中皿であり、ガイド筒
３に内挿され、半径方向に突出する突起４０，４
０がガイド筒３の縦溝３０，３０を貫通してらせ
ん筒２のらせん溝２０に係合されるようになつて
いる。

５はキヤツプであり、硬質プラスチツクの天壁
に近い内側に軟質プラスチツク材を内層してもよ
いが、好ましくは、全体を弾力性のあるプラスチ
ツク材料で構成し、内頂部域にらせん筒２の外周
面３１と密接するシール部５０を突出形成する。
この構成とすれば、キヤツプ５を透明にしてもシ
ール部が外観から見えないので美観に優れてい
る。

前記キヤツプ５は下端部付近に環状係合部５１
が形成され、はかま体１の外体１ａに形成した凸
部１４，１４に嵌合するようになつている。

６はゴムなどの弾性材料からなるシールリング
で、前記らせん筒２の下周部２１外面に形成した
リング溝２２に、常態において下周部２１外面よ
り適度に突出するごとく嵌着され、はかま体１の
外体１ａの内面１５に弾性により密接している。

第３図と第４図は、前記シールリング６をはか
ま体１に設けた実施例を示すもので、第３図にお
いては、内体１ｂの突周壁１３外周にリング溝２
２′を形成し、これにシールリング６を嵌着し、
らせん筒２の下周部２１内面と密接するようにし
ている。

第４図においては、はかま体１が２部材でなく
１部材で構成されている場合のもので、はかま体
１の突周壁外周にリング溝２２′を形成し、これ
にシールリング６を嵌着し、らせん筒２の下周部
２１内面と密接するようにしている。

〔実施例の作用〕

本考案の第１図と第２図の実施例の容器を組み
立てるには、らせん筒２にガイド筒３と中皿４を
組付け、らせん筒下周部２１の凹周溝２３を内体
１ｂの環状突起１３に嵌め合わせ、ついでリング
溝２２にシールリング６を嵌装し、適宜内体１ｂ
の底に接着剤を塗布するなどして前記組合せ体を
外体１ａに嵌装すればよく、シールリング６のら
せん筒２への取付けはシールリング６が弾性を有
するためワンタツチで行え、作業性がよい。

前記のような組み立て後、キヤツプ５を外体１
ａに取付ければ、キヤツプ５が弾力性に富み、こ
れの内頂部域に突出形成されているシール部５０
がらせん筒２の外周面３１と気密に接するため、
らせん筒２の開口から放散した化粧料成分はシー
ル部５０の位置で漏出が止められる。さらに、下
方では、シールリング６が組み立て時に半径方向
から圧縮され、外体１ａの内面に所要圧力で密接
しているため、中皿４の底部開口から化粧料成分
が漏れても、シールリング６と外体１ａの内面と
の密接による気密化により外部に漏出しない。

さらに、キヤツプ５を取外し、化粧料Ａを繰り
出すためはかま体１とらせん筒２とを相対回転し
た場合、通常のプラスチツク製容器ではらせん筒
がほとんど抵抗なく回転してしまい、急激に中皿
４が上昇するが、本考案ではシールリング６が外
体１ａの内面と密接していて、ほどよい摩擦力が
らせん筒２に作用するため、らせん筒の回転に要
するトルクが適当に大きくなり、これにより中皿
４の上昇速度がトルクとほぼ比例したものとな
り、そのため、化粧料の繰出し状態が一定化、安
定化するとともに、金属製の容器のような豪華な
繰出しフイーリングを創成することができる。

また、万一らせん筒２が軸線と交差する方向に
加力されても、シールリング６が弾性変形してシ
ヨツクを吸収するため、らせん筒２や化粧料の損
傷を防止することもできる。

なお、本考案は揮発成分を含有する化粧料の繰
出し容器として好適であるが、それ以外の通常の
化粧料の繰出し容器として用いても、匂いの漏れ
防止と繰出し操作性の向上を図ることができる。

〔考案の効果〕

以上説明した本考案によるときには、キヤツプ
５の内面にらせん筒２の外周面と密接するシール
部５０を設けると共に、らせん筒２の下周部２１
とはかま体１間にシールリング６を取付けたの
で、らせん筒上部からの化粧料Ａの成分の漏出を
防止できるだけでなく、らせん筒下部からの漏出
をも確実に防止することができ、しかも同時に化
粧料の繰出し状態の安定化と化粧料容器にとつて
重要な繰出しフイーリングの向上をも図ることが
でき、そのうえる構造も簡単であるなどの優れた
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による固形化粧料繰出し容器の
一実施例を示す縦断側面図、第２図は第１図−
線に沿う断面図、第３図は同じく本考案容器の
別の実施例を示す部分切欠側面図、第４図は同じ
く別の実施例を示す部分図である。 １……はかま体、１ａ……外体、１ｂ……内
体、２……らせん筒、３……ガイド筒、４……中
皿、５……キヤツプ、６……シールリング、２１
……下周部、２２，２２′……リング溝、５０…
…シール部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) はかま体と、このはかま体に下部をもつて相
   対自在に取付けられたらせん筒と、らせん筒に
   内挿されたガイド筒と、ガイド筒の縦溝を貫い
   らせん筒のらせん溝に係合する突起を有する中
   皿と、キヤツプとを備えた容器において、キヤ
   ツプの内面にらせん筒の外周面と密接するシー
   ル部を設けると共に、らせん筒の下周部とはか
   ま体間にそれらを互いに密接させるシールリン
   グを取付けたことを特徴とする固形化粧料繰出
   し容器。 (2) シールリングがらせん筒の下周部に嵌着さ
   れ、はかま体の内周面と密接するようになつて
   いる実用新案登録請求の範囲第１項記載の固形
   化粧料繰出し容器。 (3) シールリングがはかま体の突周壁に嵌着さ
   れ、らせん筒の下周部内面と密接するようにな
   つている実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   固形化粧料繰出し容器。