JPH0449097Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は改良された缶の口金装置に関する。

（従来の技術） 従来の缶の口金装置は、例えば第１図に示すよ
うに天板１側に開口部３とバーリング加工により
立上り筒部２を設け、同筒部２に外ねじタイプの
筒形の固定口金４が嵌め被せられ、ついで立上り
筒部２の上端が外方に折り曲げられて、その折曲
げ縁２ａにより筒形の固定口金４上端が上から押
え付けられており、他方、口金蓋５は前記固定口
金４にガスケツト６を有するキヤツプ７をねじ込
み、かつ、開蓋工具のために頂壁に凹んだ横溝あ
るいは十字溝を有する当該キヤツプ７外面をキヤ
ツプシール８でカバーしている。すなわち、封印
のために口金４、キヤツプ７との他にガスケツト
６及びキヤツプシール８の各部品を必要とし、し
かし充分なシール効果が得られず、またガスケツ
ト６と固定口金４との関係により固定口金の加工
の精密度が要求される。

（考案の目的） 上記実情に鑑み本考案は封印のための構成部品
数を省き、構造簡単でしかも気密性の維持を考慮
した口金装置を提供するものである。

（考案の構成） 上記目的を達成するために本考案は外ねじタイ
プの固定口金を天板と立上り筒部上端の内捲カー
ル部の外曲部とで挟持した缶口と、頂壁外面に工
具の嵌合溝を配した前記固定口金にねじ止めしう
る内ねじタイプの合成樹脂製キヤツプの頂壁内面
に前記内捲きカール部の上縁に接触する圧着部を
設けた口金蓋と、これら缶口と口金蓋とが固定口
金から延びる止具の係止頭部と該頭部が嵌入しう
る前記キヤツプの係止孔との抜け止め連結部によ
り封印されることから成る缶の口金装置に関す
る。

（作用） 上記構成により固定口金についている止具の係
止頭部をキヤツプの係止孔に挿し込むだけで抜け
止め状態をつくることになり、止具を切断しない
限りキヤツプを取り外しできない完全な封印を行
える。また、キヤツプを装着すると環状凸部が内
捲きカール部に圧着するのでガスケツトに代えて
缶口に対して気密性を維持できることになる。

以下、本考案の実施例を示す図面について説明
すれば、第２図の切欠断面図に示すように缶の口
金装置は天板１側の缶口９とこれに装着して密封
する口金蓋５とから構成される。缶口９は天板１
の開口部３縁に立上り筒部２を設け、これに外ね
じタイプの固定口金４を外挿し、当該立上り筒部
２の上端に内捲きカール部１０を設けるとともに
その基端部１０ａから外曲した外曲部１０ｂによ
り前記固定口金４を天板１に押しつけ固着して設
ける。この場合、天板１と固定口金４との接触面
に回り止めのための凹凸構造を施すことがある。
固定口金４にはネジ面を除いた下端外面の一部か
ら帯状の止具１１を所定長さに突出する。この止
具１１は固定口金４に対して一体成形構造や抜け
止め構造によりつくられる。また、止具１１の基
端部をリング状とすることもある。止具１１の外
端には拡大鍔状の係止頭部１１ａを設ける。口金
蓋５は固定口金４にねじ合わされ、缶口９の開口
部３を頂壁１２で閉じる合成樹脂製のキヤツプ１
３で、頂壁１２上面に開封工具の嵌合凹溝１４を
設け、同内面に前記缶口の内捲カール部１０との
圧着部１５を設ける。この圧着部１５は前記カー
ル部１０に対応する頂壁１２内面に所定巾の環状
凸部を突出し、または環状凹部を設けてこれらに
固定口金４の上端面から突出している内捲きカー
ル部１０の上面を圧接させる。環状凸部の場合、
凸部面に凹みを設けてカール部との接触を安定さ
せる。１６……は頂壁１２の外周に設けた係止孔
で、内部に拡大部を設けて当該孔に止具１１の係
止頭部１１ａを挿し込んだ時、互いの肩部が係合
して抜け不能となる抜け止め構造とする。この係
止孔１６……はキヤツプ１３の円周上に適宜数配
置してねじ合わせたキヤツプ１３の任意位置で止
具１１の挿し込みを可能にする。尚、係止孔１６
はキヤツプ１３の外面にあればよく頂壁に限らな
い。

（効果） 以上のように缶口９にキヤツプ１３を装着する
とキヤツプ内面の圧着部１５が内捲カール部１０
に圧接するから従来のガスケツト部品を省いて気
密性を保つことができ、また止具１１の係止頭部
１１ａをキヤツプ１３の係止孔１６に挿し込むこ
とにより缶口９に対する完全な封印を行うことが
でき、封印のためのキヤツプシール部品を省くこ
とができるし、しかも簡単な構造によるため実用
価値の大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の切欠断面図、第２図は本考案の
切欠断面図である。 １……天板、２……立上り筒部、４……固定口
金、５……口金蓋、９……缶口、１０……内捲き
カール部、１１……止具、１１ａ……係止頭部、
１２……頂壁、１３……キヤツプ、１５……圧着
部、１６……係止孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天板１の立上り筒部２に外挿した外ねじタイプ
   の固定口金４を当該立上り筒部上端に設けた内捲
   カール部１０の外曲部１０ｂで天板１に挟持固定
   した缶口９と、前記固定口金４に対する内ねじタ
   イプの合成樹脂製キヤツプ１３で該キヤツプ装着
   時にその頂壁内面に前記内捲きカール部１０の上
   縁に接する圧着部１５を設けた口金蓋５と、これ
   ら固定口金４とキヤツプ１３とを当該キヤツプ外
   面に設けた係止孔１６に固定口金から延びる係止
   頭部１１ａが嵌入し、抜け止連結する止具１１と
   から成る缶の口金装置。