JPH0233690Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、口紅、アイシヤドー等の化粧料容
器に関するものである。

（従来の技術） 従来、この種の化粧料容器は有底筒状容器内に
粉状又は固型の化粧料を充填し、これを塗布棒先
端に設けた塗布体に付着させて使用するものであ
つたが、この種のものは化粧料容器が深底である
ため、化粧料の量により塗布体に付着する化粧料
が一定にならず、使用が困難である等の欠点があ
つた。これに代るものとして提案された実公昭55
−54417号公報、実公昭56−22808号公報に開示さ
れたものは、化粧料の塗布体への付着が改善され
てはいるが、化粧料が無くなると容器自体も廃棄
され、又容器自体に気密的が配慮されていないの
で、揮散性のある化粧料には使用できない等の問
題点があつた。

（考案が解決しようとする問題点） そこで、この考案は、上記した従来および先行
技術の問題点に鑑み、これを解決しようとするも
のであつて、化粧料を塗布体へ確実に移し取るこ
とができる、化粧料を簡単に交換できると共に、
気密性に優れて揮散性のある化粧料を長期に亘つ
て使用できる化粧料容器を得るにある。

（問題点を解決するための手段） これを達成する手段として、この考案は、先端
に塗布体を取付けたキヤツプを容器本体口部に気
密的に着脱自在に嵌合すると共に、容器本体内に
交換可能のカートリツジ体を気密的に取付け、該
カートリツジ体内に化粧料を充填した中筒を摺動
可能に嵌合し、該中筒の化粧料と容器本体口部に
挿入された前記塗布体とを常時密封状態に圧接し
たものである。

（実施例） この考案の具体的構成を図面に示す実施例につ
いて以下詳細に説明する。

１は筒状の容器本体であつて、先端側に肩部２
を設けて小径の口部３を形成し、該口部３の外周
にキヤツプ取付用のネジ４を刻設する。又肩部２
から尾端までの内周面は、肩部２寄りに小径の嵌
合部５を形成し、尾端にネジ６を刻設する。７は
有底円筒状のカートリツジ体であつて、底部の尾
端を大径に形成して尾栓部８とし、該尾栓部寄り
に上記容器本体１のネジ６に螺合するネジ９を刻
設する。又開口先端側に２条のリング状の気密リ
ブ１０，１０を突設し、その先端側に先端より切
割つた切込孔１１を上下対称位置に設け、該切込
孔１１の先端に溝間隔を狭くする仮止めリブ１２
を互に内方に向つて延設し、さらに切込孔１１か
ら筒内中央部にわたつて摺動溝１３を形成する。
１４は有底円筒状の中筒であつて、内部に揮散性
のある固型化粧料Ａを充填し、先端側外周面に上
下に係合突起１５を突設する。そしてこの中筒１
４をカートリツジ体７に組付けるには、先ずカー
トリツジ体７にスプリング１６を挿入した後、中
筒１４を嵌入し、中筒１４の係合突起１５が仮止
めリブ１２に達した時、該仮止めリブ１２をその
弾性に抗して押拡げて係合突起１５をさらに挿入
し、摺動溝１３に係合させる。これにより中筒１
４はスプリング１６によつてカートリツジ体７の
先端側に付勢される。さらにこの中筒１４を組込
んだカートリツジ体７を容器本体１に取付けるに
は、容器本体１の尾端より挿入しネジ６にネジ９
を螺入すれば、カートリツジ体７の先端側の気密
リブ１０は容器本体１の小径の嵌合部５に圧入さ
れて密着固定される。１７は有底円筒状のキヤツ
プであつて、開口先端内面に容器本体１のネジ４
に螺合するネジ１８を有し、又筒内にパツキング
１９を取付けた塗布軸２０の基部２１を嵌合固定
して塗布軸２０をキヤツプ１７先端より突出させ
ると共に、塗布軸２０の先端に膨出状の塗布体２
２を取付ける。

この様に構成されているので、容器本体１にキ
ヤツプ１７を閉栓すると、キヤツプ１７のネジ１
８の螺入によつて容器本体１の口部３はパツキン
グ１９で気密的に閉塞する。一方容器本体１内に
挿入された塗布軸２０先端の塗布体２２は回転し
つつ中筒１４内に挿入されて化粧料Ａを押圧する
ため、中筒１４はスプリング１６の弾性に抗して
尾端方向に後退するが、中筒１４はカートリツジ
体７の摺動溝１３に係合突起１５が係合している
ので、回転は阻止されて直線状に後退するため、
塗布体２２は圧接する化粧料Ａ面を摺接回転して
塗布体２２面に充分に万遍なく一定量の化粧料Ａ
を付着することができる。さらに塗布体２２は膨
出状に形成されているので、中筒１４の内周面に
密接して化粧料Ａを常時密封状態に保持する。

なお、塗布体２２が中筒１４の内周面に完全に
密接している場合においても、化粧料Ａと塗布体
２２が密接していることにより、揮発面積を最小
にすることができ、もし、塗布体２２と中筒１４
の隙間から塗布軸２０の周囲の空間に揮発したと
しても、気密リブ１０とパツキング１９とによつ
て空間は密封されるため、揮発量を微量に押さえ
ることができる。

又使用する際は、キヤツプ１７を回転すると上
記と逆に塗布体２２は化粧料Ａに当接しつつ回転
し、塗布体２２に化粧料Ａを充分付着させること
ができ、化粧料Ａが少量になつてもスプリング１
６によつて中筒１４が押出す方向に付勢されてい
るので、最後まで一定量の化粧料を確実に付着さ
せることができる。

さらに、化粧料Ａが無くなつた際は、カートリ
ツジ体７の尾栓部８を持つてネジ９を螺解し、容
器本体１よりカートリツジ体７を取出し、新しい
カートリツジ体７を挿入交換すれば長期にわたつ
て使用することができる。

（考案の効果） 以上、実施例について詳述したように、この考
案は、口部方向に直線的に付勢されている中筒に
対して塗布体が回転して進退するように化粧料に
圧接しているので、化粧料を最後まで確実に且つ
万遍なく塗布体に付着させることができると共
に、中筒はカートリツジ体に嵌合しているので化
粧料が無くなつた際は、簡単に新規なものと交換
することができ、長期にわたつて使用することが
できる。さらに塗布体は中筒内周面に密封状態に
嵌合されており、又カートリツジ体は気密リブに
よつて容器本体に取付けられているので、揮散性
を有する化粧料を充填しても確実に密封されて品
質変化を起すことなく使用することができる等の
種々の優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の縦断側面図、第２図は同じ
くカートリツジ体先端部の拡大斜視図を示す。 １……容器本体、５……嵌合部、７……カート
リツジ体、８……尾栓部、１０……気密リブ、１
１……切込孔、１２……仮止めリブ、１３……摺
動溝、１４……中筒、１５……係合突起、１６…
…スプリング、１７……キヤツプ、２０……塗布
軸、２２……塗布体、Ａ……化粧料。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端に塗布体を取付けたキヤツプを容器本体口
   部に気密的に着脱自在に嵌合すると共に、容器本
   体内に交換可能のカートリツジ体を気密的に取付
   け、該カートリツジ体内に化粧料を充填した中筒
   を摺動可能に嵌合し、該中筒の化粧料と容器本体
   口部に挿入された前記塗布体とを常時密封状態に
   圧接してなる化粧料容器。