JPH0534592Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、ほほ紅、アイシヤドー、口紅等の
化粧料を塗布する塗布体を具える化粧料容器に関
する。

（従来の技術） 従来、アイシヤドオーやフアンデーシヨンを充
填する化粧料容器は、化粧料を充填した中皿を本
体に固着した上、本体と嵌合あるいは螺合によつ
て一体となる蓋体に塗布体を収容し、必要に応じ
て塗布体に化粧料を塗布することにより使用する
ものが一般的であるが、塗布体の長さを延長する
ことができないため、底部に化粧料が残る欠点が
あつた。そのため、化粧料が充填される中皿ある
いは塗布体を支承する弾性体の弾発力によつて中
皿に充填される化粧料と塗布体を常に圧接するよ
うにしたものがある。すなわち、筒状容器本体
に、化粧料を充填する容器をスプリングと共に内
装し、上記筒状容器本体と嵌合あるいは螺合によ
つて一体となるチヤツプに塗布棒を垂設してなる
ものあるいは、容器内底に充填した化粧料の表面
に、作動棒に延設した回動部材に固着した柄部の
先端に棒状塗布体を介して塗布部材を付設し、そ
の作動棒及び柄部をスプリングの弾発力をもつ
て、圧接してなるもの等である。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、これら従来のものは、塗布体と
化粧料が常時圧接しているため、塗布体が軟質の
ものであると、永久変形を起しやすく、化粧料が
やや粘位を有する場合には、圧接力で塗布体に付
着しすぎたりする欠点があり、更には塗布体が毛
筆状の場合には、毛筆に折つて傷めやすい等の欠
点があるものである。

そこで、この考案は上記従来のもののもつ欠点
を改善するものであり、簡単な構造をもつて、均
一に塗布体に常に化粧料を圧接し、化粧料を有効
に使い切ることができるようにするものである。

（問題点を解決するための手段） そのために、本体の内底に配置されたスプリン
グによつて化粧料を充填し、本体内で回動を阻止
された中皿を上下方向へスライド自在に支持し
て、本体内壁に設ける係止段部に圧着し、この化
粧料表面にスライドして圧接する塗布体を、本体
に着脱、回動自在とした蓋体内に収容してなるも
のである。

（作用） 上記の構成を具えるので、常時は、塗布体がス
ライド自在となつているため化粧料を適宜離間す
ることができ、使用時スプリングによつて本体内
壁に設ける係止段部に対して中皿を圧接し、本体
内壁に対しては回動しないように支持されるか
ら、塗布体を具えた中軸を中皿に向けスライドし
て下方へ移動させることにより、中軸の塗布体を
化粧料に当接又は回動して、塗布体の表面に適量
の化粧料を均一に塗布することができ、かつ、化
粧料が減るにしたがい、中皿は上方へ相対的に移
動できるから最後まで化粧料を有効に使用できる
ものである。

（実施例） この考案を図に示す実施例により更に詳細に説
明する。第１図に示す化粧料容器１は、化粧料８
を充填した透明材からなる中皿８を、尾栓５と上
記中皿８の間に挟持されたスプリング４の弾性力
によつて本体３内壁の開口端近くに設ける係止段
部１９に中皿８の端縁を圧接するように上下方向
にスライド自在にかつ回動しないように保持し、
蓋体である外筒２に穿設したスライド溝１０に沿
つてその外側面を軸方向に移動するスライドボタ
ン１１に一体的に固定して移動する中軸１７を外
筒２内に収容し、この中軸１７は、先端にホルダ
ー１３を介して、スポンジ等からなる塗布体１４
を具えてなるものから構成され、これら本体３と
外筒２は、本体３の先端に環状に形成する係止溝
１６と外筒３の係止突起１５を係合させることで
着脱、回動自在に嵌合するものである。また、係
止孔２０を有する尾栓５は本体３に組込まれる前
には段突部１８が係止孔２０に密嵌することで化
粧料９を充填した中皿８と一体になつており、こ
の尾栓５と化粧料９が充填される中皿８の間に
は、この場合、スプリング４が、圧縮して保持さ
れている。後述するように、尾栓５を本体３後端
に装着して段突部１８を係止孔１０との嵌合より
解放すると、スプリング４の弾発力により中皿８
の端縁は係止段部１９に圧接した状態となり、そ
り以上に本体３の開口端に向け移動することがな
い。そして、外筒２内に収容される中軸１７に連
結するスライドボタン１１をスライド溝１０に沿
つて移動させて中軸１７の塗布体１４は、中皿８
に充填された化粧料９の表面に圧接すると共に、
係合部分を回動させ、適量を塗布体１４に付着さ
せる。なお、中皿８の底部に延設した上記の段突
部１８は、中皿８に化粧料９を充填して、本体３
に組込むにあたり、尾栓５に穿設した係止孔２０
に中皿８を固持するためのものであり、組込み時
に、尾栓５と共に本体３の底部に当設させ、平坦
な場所２１において、段突部１８の先端を本体３
内に押入することで、スプリング４の弾発力を作
動させ本体３内の内周突縁１９に中皿８を圧接保
持させる。さらに１２は、粉体である化粧料９が
外方へ飛散しないようにするパツキングであり、
スライドする外筒２の内周面に密接し、３２は本
体３に設けた化粧料の色と残量を透視できる窓穴
を示す。第３図は、この考案の第２実施例である
化粧料容器１であり、この化粧料容器１は、底部
に尾栓５を嵌着すると共に、上記尾栓５と化粧料
９を充填した中皿８の係止部２２に保持されるス
プリング４を内蔵し、かつ、中皿８には本体３６
内にあつて回動を阻止する回止溝２３を具える本
体３６と、摺動自在なノツク機構及び上記ノツク
機構により、中皿８に充填する化粧料９の表面に
圧接する塗布体１４を装着する蓋体２４から構成
されるものである。蓋体２４には、蓋体２４より
摺動自在になるノツクカム３０が突出しており、
このノツクカム３０に回転カム３４を介して突周
縁部３１を有するパイプ３３を内挿し、この突周
縁部３１とストツパー３５によつて保持されるノ
ツクスプリング２９を弾発することで、ノツクカ
ム３０を押圧することにより、パイプ３３先端に
固着されたホルダー２８を介して取付けられた塗
布体１４を本体３６側に突出させると共に、回転
カム３４とカム溝２７によつて最前進位置で回転
カム３４が一時停止する従来のノツク構造のもの
である。このとき、塗布体１４を内挿する先筒３
１は、蓋体２４の内壁面に穿設した係止溝２５と
先筒３１の外周に配設した係止突起２６が嵌合す
ることで固定される。一方、本体３６内に保持さ
れるスプリング４の弾性によつて化粧料９を充填
した中皿８は、本体３６内に設ける係止段部１９
に圧接して保持されるものである。これら、化粧
料容器１を構成する本体３６と蓋体２４は、着脱
と回動自在な係合部３８によつて嵌合する。した
がつて、ノツクカム３０を押圧するごとに、回動
カム３４により塗布体１４は中皿１８の化粧料９
に対して圧接するように移動するのである。この
状態で蓋体２４を本体３６から外し、塗布体１４
が突出した状態で化粧をし、使用後は再度ノツク
することにより回転カム３０がカム溝２７の溝に
沿い戻るため、塗布体１４は蓋体２４内に収納さ
れ、塗布体１４を傷めることなく蓋体２４と本体
３６の嵌合できる。また、使用時の塗布体１４の
前進位置を少くとも中皿の内底位置にすることに
より、最後まで化粧料を有効に使用できるもので
ある。第４図は、この考案の第３実施例であり、
この化粧料容器１は、尾栓５によつて底部を閉塞
した上、上記尾栓５と化粧料９を充填した中皿８
間に介在するスプリング４により中皿８を本体３
内の係止段部１９に圧接してなり、本体３の口端
に着脱自在に嵌合するキヤツプ２に内蔵されるノ
ツク機構は、本体３との嵌合を外して、キヤツプ
２の後端に配置されたノツクボタン４５を押圧す
ることで、ノツクボタン４５が固着された周縁突
部４７を有するパイプ５１を押勢し、この押勢に
よつて上記周縁突部４７とキヤツプ４１内壁面か
ら突出した径小部５０に係止されるスプリング４
９が収縮して、パイプ５１に固着されたチヤツク
４８を開き、杆体４４の後端凸起４６が、チヤツ
ク４８口端段部５２に当接するまで移動を自由に
し、杆体４４に装着された中芯１３とその外表面
を被覆する塗布体１４を、突出させる。ノツクを
解除すると、スプリング４９の弾発によりチヤツ
ク４８を閉じて杆体４４を保持した状態で塗布体
１４を化粧料９に当接又は回動して付着させる。
使用後は、ノツクボタン４５の押圧によりチヤツ
ク４８を弛ませて杆体４６を元の位置にもどし、
キヤツプ２を本体３に嵌合する。

なお、塗布体１４のスライドできる長さを化粧
料充填の長さ以上にすることにより、塗布体１４
を最も伸長した状態で化粧料を最後まで有効に使
用でき、また、化粧料が軟質の時は、キヤツプ２
と本体３を嵌合したままノツクした塗布体１４、
ホルダー２８、杆体４４の自重により、塗布体１
４を化粧料９に当接させて付着した後、キヤツプ
２と本体３の嵌合を外し、更にノツクして塗布体
１４を最前進の位置まで前進させて使用してもよ
い。

（考案の効果） 以上のとおり、化粧料を充填した中皿をスプリ
ングで支持する一方、塗布体を、スライドあるい
はノツク機構等により、必要時のみ化粧料に圧接
し、中皿が塗布体に向け、一定限度以上は近接し
ないから、不要時には、化粧料と塗布体を離間さ
せて塗布体の変形を防止することができ、両者間
の圧接力が調整できるから、塗布体に不必要な化
粧料を付着させることなく、しかも、蓋体が本体
に対して回動でき、これに対して中皿は本体内に
あつてスライド自在で回動しないように係止され
るから、簡単な構造で化粧料を均一確実に塗布で
き、コストも低減することができる優れた効果も
つものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の第１実施例の断面図、第
２図は、その組立時における中皿と尾栓の関係を
示し、第３図、第４図は、この考案の第２実施例
と第３実施例の断面図である。 １……化粧料容器、２……外筒、３……本体、
４，４９……スプリング、５……尾栓、１５……
係止突起、８……中皿、９……化粧料、１０……
スライド溝、１１……スライドボタン、１４……
塗布体、１７……中軸、１８……段突部、１９…
…係止段部、２０……係止孔、２２……係止部、
２３……回止溝、２７……カム溝、２９……ノツ
クスプリング、３０……ノツクカム、３１……先
筒、３２……窓穴、３３……パイプ、３４……回
転カム、３６……キヤツプ、３８……係合部、４
１……キヤツプ、４４……杆体、４５……ノツク
ボタン、４７……周縁突部、４８……チヤツク、
５０……径小部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧料を充填した中皿を本体内に回動を阻止さ
   れてスライド自在に収容すると共に、前記中皿を
   本体の開口端方向に一定位置までスプリングによ
   り弾発し、前記本体の開口端部に着脱自在に蓋体
   を嵌合し、この蓋体内には、前記化粧料に相対す
   る塗布体が先端に設けられた中軸をスライド自在
   に装着してなり、この中軸の最後退位置において
   は、化粧料と塗布体は離間し、さらに前記中皿の
   開口端方向の上昇可能な位置は、中軸の最前進位
   置で塗布体が中皿の内底に届く位置より上方であ
   り、下降可能な位置は中軸の最前進位置で塗布体
   が充填された化粧料の上面に当接する位置よりも
   下方であり、かつ、前記本体と蓋体の嵌合が回動
   自在にされている化粧料容器。