JPH0534405B2 - - Google Patents

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JPH0534405B2
JPH0534405B2 JP1329249A JP32924989A JPH0534405B2 JP H0534405 B2 JPH0534405 B2 JP H0534405B2 JP 1329249 A JP1329249 A JP 1329249A JP 32924989 A JP32924989 A JP 32924989A JP H0534405 B2 JPH0534405 B2 JP H0534405B2
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JP
Japan
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coil
pin
inductor
crankshaft
induction hardening
Prior art date
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JP1329249A
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English (en)
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JPH03188221A (ja
Inventor
Hyoshi Watanabe
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Fuji Electronics Industry Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electronics Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Electronics Industry Co Ltd filed Critical Fuji Electronics Industry Co Ltd
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Publication of JPH0534405B2 publication Critical patent/JPH0534405B2/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は高周波焼入装置に関する。
<従来の技術> 従来、多気筒エンジンのクランクシヤフトのピ
ンを高周波焼入するには、高周波焼入コイルへ給
電するカレントトランスへの印加電圧を変化させ
て、各ピンごとに焼入するか、或いは同位相の複
数のピンに対して同時に焼入を行つている。
この理由は以下の通りである。即ち、第8図に
示すように、クランクシヤフト10のピン11の
表面を焼入れするには、クランクシヤフト10の
ジヤーナル15の断面の中心を通るクランクシヤ
フトの回転軸17が水平になるようにクランクシ
ヤフト10を配設し、図示しないスペーサを介し
てピン11の表面から所定の距離を保つようにピ
ン11に載置したオープンループ型の高周波焼入
コイル20(第8図では、高周波焼入コイル20
の内、ピン11の周方向に沿つて配設されたほぼ
半円状の加熱コイルの断面を示している。高周波
焼入コイル20は、この加熱コイルと、この加熱
コイルの両端にピン11の表面から遠ざかるよう
に延設され、端部同士が接近するように配設され
た図示しない1対の給電コイルと、加熱コイルに
装着された磁性体の図示しないコアとを備えたこ
とを概略構成としている。そして、1対の給電コ
イルの端部間に高周波電圧が印加される。なお、
ピン11の幅が広いときには、ピン11の幅方向
の両端近辺において、ピン11の周方向にほぼ半
円状に形成された1対の平行な加熱コイルを有す
る半開放鞍型平面視S字状で四角な中空導体で構
成された高周波焼入コイル等がピンの焼入に多く
用いられる。しかし、ピン11の幅が狭いと、前
記中空導体のサイズが小さくなつて中空部分に流
通される冷却液が流れにくくなる上に、前記1対
の加熱コイルの間隔が狭くなつてピン11へ交鎖
する磁束が不足して十分に加熱できない。従つ
て、ピン11の幅が狭いときには、前記のような
加熱コイルと給電コイルとを備えた高周波焼入コ
イル20が使用される。)に高周波電流を供給す
ると共に、クランクシヤフト10を回転軸17の
周りに図示しない回転装置によつて回転させ、所
定時間ピン11を加熱後、ピン11に焼入用の冷
却液を噴射する。この場合、高周波焼入コイル2
0は図示しない公知のパンタグラフによつて支持
されてピン11に載置されたままピン11の動き
に応じて揺動する。
高周波焼入コイル20の構造が前記のような加
熱コイルと給電コイルとを備えているので、ピン
11のトツプ側(ピン11の上死点でのピン11
の頂部)の両側にあるクランクシヤフト10の突
起部11aの磁気抵抗に比較して、ピン11のボ
トム側(ピン11の上死点でのピン11の底部)
の両側にあるマス部11bの磁気抵抗が小さいの
で、高周波焼入コイル20がピン11のボトム側
近辺にきたときには、高周波焼入コイル20が発
生する磁力線が多くなるが、高周波焼入コイル2
0がピン11のトツプ側近辺にきたときには、磁
力線が少なくなる。従つて、ピン11のトツプ側
に形成された硬化層11cの幅は、ボトム側に形
成された硬化層11dの幅より小さい。即ち、ピ
ン11のボトム側に形成された硬化層11dに所
定の幅を持たせるように高周波焼入コイル20に
電力を加えると、ピン11のトツプ側に形成され
た硬化層11cの幅が所定の幅より小さくなる。
それ故、トツプ側の硬化層11cとボトム側の
硬化層11dの幅をほぼ同一にするために、トツ
プ側近辺で高周波焼入コイル20に加える電力を
ボトム側に加える電力よりも大きくすることが必
要となる。即ち、クランクシヤフト10の1回転
の間において高周波焼入コイル20に加える電力
を変化させる必要があり、しかもこの変化を与え
るタイミングはピンの位相が異なると違つたもの
となる。この故に、高周波電源の出力をピンの公
転の周期に合わせて変化させながら、ピンごと
に、或いは同位相の複数のピンごとに焼入を行つ
ている。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、ピンごとに、或いは同位相の複
数のピンごとに焼入を行うと、全てのピンを焼入
するのに時間がかかり、また、高周波焼入コイル
をピンからピンへ移動させることでも時間がかか
るので、クランクシヤフトの焼入に要する時間が
長くなる。
本発明は上記事情に鑑みて創案されたものであ
つて、クランクシヤフトの全てのピンを共通な高
周波電源によつて同時に焼入してそれぞれのピン
にほぼ均一な幅を有する硬化層を形成することが
できる高周波焼入装置を提供することを目的とし
ている。
<課題を解決するための手段> 上記の問題を解決するために、本発明の高周波
焼入装置は、クランクシヤフトのピンの表面に対
向してほぼ半円形状に、或いは半円より小さい円
弧状に形成され前記表面に接近且つ対向して配置
される加熱コイルと、この加熱コイルの両端部分
に一端同士が接続され、他橋同士が互いに接近す
るように配設されてこれら他端間に高周波電圧が
印加される1対の給電コイルと、加熱コイルに設
けた磁性体のコアとを備え、多気筒エンジン用ク
ランクシヤフトのピンごとに設けた高周波焼入コ
イルを有するクランクシヤフトの高周波焼入装置
において、高周波焼入コイルごとに設けたカレン
トトランスと、カレントトランスに共通した高周
波電源と、高周波焼入コイルとカレントトランス
とを接続する接続導体と、接続導体の途中に形成
した開ループ状のインダクタと、インダクタに挿
入され絶縁性筒内の空胴部の一方の側に導伝性物
体が他方の側に磁性物体が設けられた誘導体とを
具備し、クランクシヤフト回転に伴うインダクタ
と誘導体との相対位置の変化に応じて高周波焼入
コイルの消費電力が加減される。
<作用> クランクシヤフトが回転されると、ピンが回転
軸の周りを公転し、インダクタは上下左右に揺動
する。ピンが上死点近辺にくると、インダクタは
誘導体の導電性物体に対向してインダクタの消費
電力が小さく加熱コイルの消費電力が大きい。ピ
ンが上死点から下死点に向かつて移動するにつれ
てインダクタの消費電力が増加してゆき加熱コイ
ルの消費電力が減少してゆく。ピンが下死点近辺
にくると、インダクタは誘導体の磁性物体に対向
してインダクタの消費電力が大きく加熱コイルの
消費電力が小さい。ピンが下死点から上死点に向
かつて移動するにつれてインダクタの消費電力が
減少してゆき加熱コイルの消費電力が増加してゆ
く。従つて、ピンの全周にわたつてほぼ均一な幅
の硬化層が形成される。
<実施例> 以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明
する。第1図は本実施例の概要を示す説明図、第
2図は電気接続図、第3図は誘導体の断面図、第
4図はインダクタと誘導体との相対位置とインダ
クタが消費する電力との関係を示すグラフ、第5
図は高周波焼入コイルの斜視図(但しコアを取り
付けてない状態)、第6図は高周波焼入コイルの
一部透視正面図、第7図は第6図のA−A線矢示
断面説明図である。なお、従来の技術で説明した
ものと同等或いは類似のものには同一の符号を付
して説明する。
本実施例は、従来の技術の説明において概略構
造を述べた高周波焼入コイル20と類似で詳細を
後述する高周波焼入コイル50を用いて、クラン
クシヤフトの全てのピン11〜14を同時に焼入
することができる高周波焼入装置であつて、第1
図に示すように、4気筒のエンジンのクランクシ
ヤフト10の4個のピン11〜14を同時に焼入
し、ピン11〜14の周面にほぼ均一な幅の硬化
層を形成することができる高周波焼入装置であ
る。同図のクランクシヤフト10は、ピン11と
14とが上死点の位置に、ピン12と13とが下
死点の位置にある状態を示している。クランクシ
ヤフト10の一端はセンターピン18で、他端は
センターピン19で支持されている。ピン11〜
14には、それぞれ、高周波焼入コイル50が、
図示しないスペーサを介して載置されている。こ
れらの高周波焼入コイル50は、高周波焼入コイ
ル50からそれぞれ上方に延設された接続導体9
0,90によつてカレントトランス20の2次コ
イル22にそれぞれ接続されている。各カレント
トランス20の1次コイル21は並列に接続され
て高周波電源100から給電される。93は高周
波焼入装置本体200に取り付けられた公知のパ
ンダグラフであつて、クランクシヤフト10を回
転したときに、ピン11〜14に載置された高周
波焼入コイル50をそれぞれピン11〜14の上
下左右運動に対応してピン11〜14に載置され
た状態で揺動させるものである。
高周波焼入コイル50の前記接続導体90の内
の一つには、第2図に示すように、出力バランサ
70が設けられている。そして、第1図に示すよ
うに、これらの出力バランサ70は、それぞれ、
開ループ形状のインダクタ30と、円筒状の誘導
体40とを備えている。誘導体40はそれぞれ長
手方向が上下方向に配置され且つインダクタ30
の形成する開ループ内に、インダクタ30が上下
動自在であるように挿入されてており、上端が誘
導体取付台201に固定されている。
次ぎに、高周波焼入コイル50の構造を詳細に
説明する。第1図と第2に示す高周波焼入コイル
50は、その詳細を第5図〜第7図に示すよう
に、加熱コイル54と、給電コイル51(第1の
給電コイル)、52(第2の給電コイル)、53
(第3の給電コイル)と、コア551(第1のコ
ア)、552(第2のコア)とを備えている。以
下、ピン11の表面11eを加熱する高周波焼入
コイル50を例にとつて説明する。
第5図に示すように、高周波焼入コイル50
は、ピン11の表面11eに対向し表面11eに
接近して配置される加熱コイル54と、一端51
1が加熱コイル54の一端541に接続された給
電コイル51と、一端521が加熱コイル54の
他端542に接続された給電コイル52と、一端
531が給電コイル52の他端522に接続され
た給電コイル53と、更に、第6図および第7図
に示すように、加熱コイル54のピン11の表面
11eに対向した面543を除いた面、即ち54
3に対向した背面548および1対の側面54
7,547を覆うように形成されて加熱コイル5
4に装着されたコア551とコア552とを有し
ている。なお、加熱コイル54の前記面543に
は断面が長方形状の溝544を設けて、ピン11
の表面11eに形成される硬化層の深さがほぼ均
一になるようにしている。加熱コイル54、給電
コイル51,52,53は中空の良導電金属製で
ある。また、コア551,552は断面がほぼコ
字状の積層鋼板製であるが、フエライト系のコア
としても良い。
加熱コイル54の1対の側面547,547上
でコア551とコア552の間に、1対の凹部5
45,545が形成されている。但し、1対にこ
だわるものではなく、片側だけでもよい。これら
凹部545,545には1対のほぼ台形状のスペ
ーサ61,61のほぼ上部が配設される。これら
スペーサ61は、加熱コイル54とピン11の表
面11e間の距離を安定して一定に保つために設
けられるものであつて、非誘導性、非金属性の炭
化珪素等で作られている。
給電コイル51をほぼE字状に、給電コイル5
2をほぼ逆S字状に、また、給電コイル53をほ
ぼく字状に形成することによつて、給電コイル5
1,52,53は、スペーサ61のほぼ下部を収
容するためのスペース57を形成している。
加熱コイル54は表面11eに対向するように
ほぼ1/2〜1/4円弧状に形成されている(要求され
る硬化層の深さ等によつて適宜の値を選定するこ
とができる)。また、給電コイル51の他端51
2と給電コイル53の他端532とが接近するよ
うに給電コイル51と給電コイル53が形成され
配置されている。そして、給電コイル51の他端
512および他端512の近辺と、給電コイル5
3の他端532および他端532の近辺との間に
は、第6図に示すように、絶縁物56が設けられ
ている。加熱コイル54の中空部分546、給電
コイル51の中空部分513、給電コイル52の
図示しない中空部分および給電コイル53の図示
しない中空部分は、これらコイルの冷却液の通路
となつている。
コア551,552を加熱コイル54に装着す
るためのスペースを設けるために、給電コイル5
1は、その一端511の近辺において加熱コイル
54に向かつて折曲されており、また、給電コイ
ル52も、その一端521において加熱コイル5
4に向かつて折曲されている。なお、給電コイル
51の他端512および給電コイル53の他端5
32には、それぞれ、冷却液供給管83および8
4が設けられている。また、この他端512およ
び他端532は、それぞれ電線81および82を
介して高周波電源100に接続されている。更
に、給電コイル52の他端522と給電コイル5
3の一端531とに共通する冷却液排出管85が
接続されている。
ピン11の表面11eと加熱コイル54間の距
離を安定して一定に保つために、スペーサ61に
加えて、1対の対向したスペーサ62が給電コイ
ル51の近辺に、また、スペーサ62に対向する
ように1対の対向したスペーサ63が給電コイル
52の近辺に設けられ、スペーサ62と63とで
ピン11を挟持している。なお、スペーサ62,
63は、それぞれを1対のスペーサとすることに
こだわるものではなく、それぞれを1個のスペー
サとすることもできる。また、高周波焼入コイル
50によつて加熱された表面11eに焼入用の冷
却液を噴射するための1対の冷却ジヤケツト7
1,72が、それぞれスペーサ62,63に接近
して設けられている。冷却ジヤケツト71,72
には、それぞれ冷却液供給管73,74が接続さ
れている。
高周波焼入コイル50によつて、小さい幅、例
えば、約10mm程度の幅の硬化層をピン11の表面
11eに形成しようとする場合には、加熱コイル
54の幅を例えば10〜8mmとすれば良い。従つ
て、加熱コイル54の中空部分546、給電コイ
ル51の中空部分513、給電コイル52の図示
しない中空部分および給電コイル53の図示しな
い中空部分は、冷却液を流通させるのに十分な大
きさとすることができる。
73は、ガラスラミネート製で対向するように
配置された1対の平板状の支持板であつて、これ
ら支持板73間に、冷却ジヤケツト71,72の
下部、高周波焼入コイル50およびスペーサ6
1,62,63が配置されている。そして、第4
図に示すように、スペーサ61,62,63、冷
却ジヤケツト71,72は、それぞれボルト61
1,621,631,711,721によつて支
持板73に取り付けられている。
なお、高周波焼入コイル50によつてピン11
の表面11eを加熱する場合には、高周波電源1
00から第6図の矢印Pで示すように高周波電流
が高周波焼入コイル50に通電され、また、高周
波焼入コイル50を冷却するために第4図の矢印
RとQで示すように冷却液が流通される。
誘導体40は、第3図に示すようにガラスラミ
ネートチユーブ、エポキシチユーブ、シリカチユ
ーブ等の絶縁性のチユーブ44を有し、このチユ
ーブ44の内部の上部および下部には、それぞ
れ、銅筒よりなる導体筒部41およびフエライト
筒(積層珪素鋼板等の筒でもよい)よりなる磁性
体筒部43が設けられており、導体筒部41と磁
性体筒部43との間は空胴部42となつている。
導体筒部41の中空部41aと磁性体筒部43の
中空部43aとは、空胴部42と共に誘導体40
の冷却液wの通路となつている。この冷却液w
は、第1図に示すように、冷却液供給管91から
誘導体40に供給され、誘導体40を冷却後、冷
却液排出管92から排出される。なお、各誘導体
40はクランクシヤフト10の回転軸17から同
じ高さに設置されている。
インダクタ30はピン11〜14が上死点にき
たときに誘導体40のほぼ上端に、また、下死点
にきたときに誘導体40のほぼ下端にくるような
位置に設けられている。インダクタ30はクラン
クシヤフト10の回転に伴つて上下左右方向に揺
動するが、この際誘導体40に接触しないよう
に、予め実験等によつて定めた適宜の大きさのほ
ぼ長円形に形成されている。
次ぎに、本実施例の動作について説明する。
まず、インダクタ30と誘導体40との相対位
置と、インダクタ30の消費電力との関係につい
て説明する。第4図に示すように、インダクタ3
0に高周波電流を通電したときのインダクタ30
の消費電力はインダクタ30と誘導体40との相
対位置によつて異なる。即ち、誘導体40が磁性
体筒部43のみ、空胴部42のみ、或いは、導体
筒部41のみを備えている場合には、インダクタ
30が磁性体筒部43、空胴部42或いは導体筒
部41に対向した位置にあるときのインダクタ3
0の消費電力は、それぞれ、w3、w2或いはw1
なる。但し、w3>w2>w1である。この理由は、
インダクタ30が磁性体筒部43に対向した位置
にあるときには、インダクタ30の電力が磁性体
筒部43の強磁力によつて著しく消費されるし、
空胴部42に対向した位置にあるときには、イン
ダクタ30のインダクタンスロスによる電力消費
が有るが、磁性体筒部43に対向した場合より少
なく、また、導体筒部41に対向した位置にある
場合には、導体筒部41に誘導加熱を生じるため
の電力消費は有るが、空胴部42に対向した場合
よりも少ないからである。
インダクタ30が誘導体40の上下端の間に位
置するときには、磁性体筒部43、空胴部42お
よび導体筒部41のそれぞれがインダクタ30に
及ぼす影響が合成されて、第4図の直線wまたは
この直線Wにほぼ近似した曲線で表されるような
電力消費がインダクタ30によつて行われる。
次ぎに、高周波焼入コイル50によるピン11
〜14の焼入動作について説明する。
クランクシヤフト10のピン11〜14の表面
に、それぞれ、高周波焼入コイル50を載置し、
クランクシヤフト10を図示しない回転装置で回
転軸17の周りに回転させると、ピン11〜14
は回転軸17を中心として公転する。高周波焼入
コイル50は、パンタグラフ93の動作によつ
て、それぞれ、ピン11〜14に載置されたまま
ピン11〜14の動きに追随し、また、インダク
タ30およびカレントトランス20も揺動する。
この状態で高周波電源100から各カレントトラ
ンス20に通電が行われる。
以下、ピン11の焼入について説明する。ピン
11が、第1図に示すように、上死点にあるとき
では、インダクタ30が誘導体40の上端近辺で
導体筒部41に対向した位置にくるので、インダ
クタ30の消費電力は少なく、従つて高周波焼入
コイル50の消費電力は大きい。クランクシヤフ
ト10の回転が進んでピン11が下死点にくる
と、インダクタ30は誘導体40の下端付近で磁
性体筒部43に対向した位置にくるので、インダ
クタ30の消費電力が大きく、従つて高周波焼入
コイル50の消費電力が小さい。ピン11が上死
点から下死点に至る間は、第4図の直線Wに従つ
てインダクタ30の消費電力が増加してゆく、即
ち、高周波焼入コイル50の消費電力が減少して
ゆく。ピン11が下死点から上死点に至る間は、
高周波焼入コイル50の消費電力は増加してゆ
く。
従来の技術で述べたように、ピン11のトツプ
側では磁気抵抗が大で高周波焼入コイル50の消
費電力が小さく、ボトム側で磁気抵抗が小で高周
波焼入コイル50の消費電力が大きいが、クラン
クシヤフト10の1回転の間に高周波焼入コイル
50の消費電力を上記のように変化させることに
よつて、従来の高周波焼入装置に追随する問題、
即ち、高周波焼入コイルの消費電力がトツプ側で
小さくボトム側で大きいことを補償することがで
きる。従つて、ピン11の周面の全体にわたつて
ほぼ一定の電力による加熱が行われる結果、加熱
後ピン11に焼入用の冷却液を所定時間噴射する
ことによりピン11の周面の全体にほぼ均一な幅
の硬化層11fを形成することができる。なお、
ピン12〜14の焼入はピン11の焼入と同様に
行われる。従つて、本実施例によると、一つの高
周波電源を用いて、全てのピン11〜14にほぼ
均一な幅の硬化層を同時に形成することができ
る。
本実施例は4気筒のエンジンのクランクシヤフ
トのピンを焼入する場合について説明したが、4
気筒にこだわるものではなく、任意の個数の気筒
を有するエンジンのクランクシヤフトに適用でき
る。
<発明の効果> 本発明のクランクシヤフトの高周波焼入装置
は、一つの高周波電源から給電され、それぞれ
が、ピンの周方向に配設されたほぼ半円状の加熱
コイルと、この加熱コイルの両端にピンの表面か
ら遠ざかるように延設され、高周波電圧が印加さ
れる端部同士が接近するように配設された1対の
給電コイルと、加熱コイルに装着された磁性体の
コアとを備えた複数の高周波焼入コイルで多気筒
エンジンのクランクシヤフトのピンを焼入するに
際し、各加熱コイルとカレントトランスとを接続
する接続導体に形成した開ループ状のインダクタ
内に導電性物体および磁性物体を備えた誘導体を
挿入し、ピンの運動に伴うインダクタと誘導体と
の相対位置の変化に応じて加熱コイルの消費電力
を変化させ、各ピンのトツプ側の加熱を大きく、
ボトム側の加熱を小さくしている。
従つて、複数の加熱コイルに共通な高周波電源
を用いて複数のピンにピンの全周面にわたつてほ
ぼ均一な幅を有する硬化層を同時に形成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の概要を示す説明
図、第2図は電気接続図、第3図は誘導体の断面
図、第4図はインダクタと誘導体との相対位置と
インダクタが消費する電力との関係を示すグラ
フ、第5図は高周波焼入コイルの斜視図(但しコ
アを取り付けてない状態)、第6図は高周波焼入
コイルの一部透視正面図、第7図は第6図のA−
A線矢示断面説明図である。第8図はクランクシ
ヤフトの一部の正面説明図である。 10……クランクシヤフト、11〜14……ピ
ン、20……カレントトランス、30……インダ
クタ、40……誘導体、41……導体筒部、42
……空胴部、43……磁性体筒部、50……高周
波焼入コイル、51,52,53……給電コイ
ル、54……加熱コイル、57……スペース、6
1,62,63……スペーサ、70……出力バラ
ンサ、100……高周波電源、511,521,
531,541……一端、521,522,53
2,542……他端、551,552……コア、
545……凹部。90……接続導体、100……
高周波電源。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 クランクシヤフトのピンの表面に対向してほ
    ぼ半円形状に、或いは半円より小さい円弧状に形
    成され前記表面に接近且つ対向して配置される加
    熱コイルと、この加熱コイルの両端部分に一端同
    士が接続され、他端同士が互いに接近するように
    配設されてこれら他端間に高周波電圧が印加され
    る1対の給電コイルと、加熱コイルに設けた磁性
    体のコアとを備え、多気筒エンジン用クランクシ
    ヤフトのピンごとに設けた高周波焼入コイルを有
    するクランクシヤフトの高周波焼入装置におい
    て、 高周波焼入コイルごとに設けたカレントトラン
    スと、カレントトランスに共通した高周波電源
    と、高周波焼入コイルとカレントトランスとを接
    続する接続導体と、接続導体の途中に形成した開
    ループ状のインダクタと、インダクタに挿入され
    絶縁性筒内の空胴部の一方の側に導伝性物体が他
    方の側に磁性物体が設けられた誘導体とを具備
    し、 クランクシヤフト回転に伴うインダクタと誘導
    体との相対位置の変化に応じて高周波焼入コイル
    の消費電力が加減されることを特徴とするクラン
    クシヤフトの高周波焼入装置。
JP1329249A 1989-12-18 1989-12-18 クランクシャフトの高周波焼入装置 Granted JPH03188221A (ja)

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