JP2545869Y2 - 高周波加熱コイル - Google Patents

高周波加熱コイル

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JP2545869Y2
JP2545869Y2 JP3645393U JP3645393U JP2545869Y2 JP 2545869 Y2 JP2545869 Y2 JP 2545869Y2 JP 3645393 U JP3645393 U JP 3645393U JP 3645393 U JP3645393 U JP 3645393U JP 2545869 Y2 JP2545869 Y2 JP 2545869Y2
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heated
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雅行 小山
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、高周波加熱コイル(以
下高周波加熱コイルを単に加熱コイルともいう)に関
し、特に、短円柱状ワークの周面や平板状ワークの表面
の被加熱面を均一な深さで加熱するのに好適な加熱コイ
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】以下、図面を参照して従来の技術を説明
する。まず、短円柱状のワークの外周面を加熱する従来
の加熱コイルの第1例を説明する。図5(a)および
(b)に示すように、短円柱状のワーク10の外周面11を
焼入加熱するには、従来、いわゆるラインコイルと称す
る加熱コイル40が使用されている。加熱コイル40は、1
対のリード導体44、45間に接続され、外周面11に接近、
対向し、周方向に配設された円弧状で平行な1対の加熱
導体41、42と、加熱導体41、42の先端間を接続し、ワー
ク10の周方向と直角方向に配設された直線状の加熱導43
とを備えている。
【0003】ワーク10を軸芯線12を中心として回転させ
ながら、加熱コイル10に所定時間高周波電流を通電後、
加熱コイル40を外周面11から遠ざけてから、外周面11に
図示しないジャケットから焼入液を噴射して冷却する
と、外周面11には硬化層13が形成される。
【0004】次いで、従来の加熱コイルの第2例を説明
する。図6(b)に縦断面を示す短円柱状のワーク20の
外周面21を焼入加熱するには、図6(a)に示す加熱コ
イル50が用いられることがある。この加熱コイル50は、
1対のリード導体 54 、55間に接続され、外周面21に接
近、対向し、外周面21を取り囲むように配設された環状
で平行な1対の加熱導体51、52と、加熱導体51、52を直
列に接続し、直線状で周方向と直角方向に配設された加
熱導体53とを備えている。
【0005】ワーク20を加熱コイル50内に挿入し、外周
面21が加熱導体51、52に接近、対向するように配置後、
ワーク20を軸芯線22を中心として回転させながら、加熱
コイル50に高周波電流を所定時間通電し、次いで、外周
面21を第1例と同様に冷却すると、外周面21に硬化層23
が形成される。
【0006】次に、平板状ワークの表面を加熱する従来
の加熱コイルの一例を説明する。図7(b)に縦断面を
示す平板状のワーク30の表面の4角形状の被加熱面31を
焼入加熱するには、例えば図7(a)に示す加熱コイル
60が用いられる。この加熱コイル60は、リード導体を兼
用する1対の平行な直線状で被加熱面31に接近し対向す
るように配設された加熱導体61、62と、加熱導体61、62
の先端間を接続し加熱導体61、62と直角方向に配設され
た直線状の加熱導体63とを備えている。
【0007】加熱コイル60に高周波電流を所定時間通電
し、次いで、加熱コイル60を被加熱面31から遠ざけてか
ら、被加熱面31に図示しないジャケットから焼入液を噴
射して冷却すると、被加熱面31には硬化層33が形成され
る。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】上記した従来の加熱コ
イルを用いて焼入加熱を行うと以下に述べる問題があ
る。即ち、加熱コイル40を用いて外周面11を加熱した後
に形成された硬化層13の深さは、周方向に配設された加
熱導体41、42に対向している部分においては深く、加熱
導体41と42の間に対向している部分、即ち、周方向と直
角方向に配設された加熱導体43に対向している部分にお
いては浅くなっており、均一な深さとなっていない。加
熱コイル50および60を用いて加熱を行った後に形成され
た硬化層23および33においても均一な深さとなっていな
い。
【0009】そこで、使用する加熱コイルの加熱導体を
太くしたり、或いは小さい加熱導体を採用した複数の加
熱コイルを用いたり、更にはジグザグ型の加熱コイル等
が検討されたが、いずれも加熱コイルの効率が低下して
しまうという欠点がある。
【0010】本考案は、上記事情に鑑みて創案されたも
のであって、1対のリード導体の端部間に接続され、軸
芯線を中心として回転する円柱状ワークの周面に接近、
対向し且つ周方向に配設された円弧状或いは環状で平行
な第1、第2加熱導体と、第1、第2加熱導体の先端間
に接続されて第1、第2加熱導体を直列に接続する直線
状の第3加熱導体とを備えた加熱コイルにおいて、ワー
クの周面の加熱深度を均一にすることができる加熱コイ
ルを提供することを目的としている。
【0011】また、本考案は、1対のリード導体の端部
間に接続され、平板状ワークの被加熱面に接近、対向す
るように配設された直線状で平行な第1、第2加熱導体
と、被加熱面に接近、対向するように第1、第2加熱導
体の先端間に接続されて第1、第2加熱導体を直列に接
続する第3加熱導体とを備えた加熱コイルにおいて、ワ
ークの被加熱面の加熱深度を均一にすることができる加
熱コイルを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に請求項1記載の加熱コイルは、1対のリード導体の端
部間に接続され、軸芯線を中心として回転する円柱状ワ
ークの周面に接近、対向し且つワークの周方向に配設さ
れた円弧状或いは環状で平行な第1、第2加熱導体と、
前記周面に接近、対向するように第1、第2加熱導体の
先端間に接続されて第1、第2加熱導体を直列に接続す
る第3加熱導体とを備えた高周波加熱コイルにおいて、
ワークの周方向に配設され、第1加熱導体の一部分の第
2加熱導体側に第1絶縁薄板を介して固定された円弧状
の第4加熱導体と、前記周方向に配設され、第2加熱導
体の一部分の第1加熱導体側に第2絶縁薄板を介して固
定された円弧状の第5加熱導体と、前記周面に接近、対
向するように前記周方向と直角方向に配設され、第4、
第5加熱導体の一端同士および他端同士をそれぞれ接続
する第6、第7加熱導体とを備えている。
【0013】また、請求項2記載の加熱コイルは、1対
のリード導体の端部間に接続され、平板状ワークの被加
熱面に接近、対向するように配設された直線状で平行な
第1、第2加熱導体と、前記被加熱面に接近、対向する
ように第1、第2加熱導体の先端間に接続されて第1、
第2加熱導体を直列に接続する第3加熱導体とを備えた
高周波加熱コイルにおいて、第1加熱導体の一部分の第
2加熱導体側に第1絶縁厚板を介して固定された直線状
の第4加熱導体と、第2加熱導体の一部分の第1加熱導
体側に第2絶縁厚板を介して固定された直線状の第5加
熱導体と、前記被加熱面に接近、対向するように第1、
第2加熱導体と直角方向に配設され、第4、第5加熱導
体の一端同士および他端同士をそれぞれ接続する第6、
第7加熱導体とを備えている。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本考案の実施例を説明
する。以下の実施例で述べる導体は、全て良導電金属製
四角筒を採用しているが、必ずしもこれにこだわるもの
ではない。まず、請求項1記載の加熱コイルの第1実施
例を説明する。図1および図2はこの実施例を説明する
ための図面であって、図1の(a)は平面説明図、
(b)は正面説明図、図2は図1(a)のA−A線矢視
断面説明図である。ワークとしては、図5に示したのと
同じ短円柱状ワーク10を採り上げた。
【0015】図1(a)に示すように、ワーク10の外周
面11を加熱する加熱コイル100 は、加熱コイル 100Aと
100Bとを備えている。加熱コイル 100Aは、ワーク10
の外周面11に接近、対向し且つワーク10の周方向に配設
された1/4円弧状の平行な1対の加熱導体101 、102
(第1、第2加熱導体)と、外周面11に接近、対向する
ように加熱導体101 、102 の先端間に接続され、加熱導
体101 、102 を直列に接続する加熱導体103 とを備えて
いる。
【0016】また、加熱コイル 100Aは、ワーク10の周
方向に配設され、加熱導体101 の一部分の加熱導体102
側の側面に絶縁薄板141 (第1絶縁薄板)を介して接着
によって固定されたほぼ1/12円弧状の加熱導体121
(第4加熱導体)と、加熱導体102 の一部分の加熱導体
101 側の側面に薄い絶縁薄板142 を介して接着によって
固定されたほぼ1/12円弧状の加熱導体122 (第5加熱
導体)と、周面の方向と直角方向に配設され、加熱導体
121 、122 の一端同士および他端同士をそれぞれ接続
し、加熱導体121 、122 と共に閉ループ加熱導体120 を
形成する加熱導体123 、124 (第6、第7加熱導体)と
を備えている。
【0017】加熱コイル 100Bは、加熱コイル 100Aと
同じ構造であって、加熱コイル 100Aの導体101 〜103
、121 〜124 、絶縁薄板141 、142 にそれぞれ対応す
る加熱導体105 〜107 、131 〜134 、絶縁薄板143 、14
4 を備えている。そして、加熱導体131 〜134 で閉ルー
プ加熱導体130 を形成している。
【0018】加熱コイル 100Aと 100Bとは、加熱コイ
ル 100Aと 100Bとの間に、ワーク10の周方向と直角方
向に外周面11に接近し対向するように配設された直線状
の加熱導体104 によって直列に接続されている。そし
て、加熱導体101 および106 の端部には1対のリード導
体108 および109 が接続されている。
【0019】加熱コイル100 を用いてワーク10の外周面
11を加熱する動作を説明する。ワーク10の外周面11に加
熱コイル100 を接近、対向するように配置後、ワーク10
を軸芯線12を中心として回転させながら、リード導体10
8 、109 を介して加熱コイル100 に高周波電流を所定時
間通電する。このとき、高周波電流は、リード導体108
から符号を付さない矢印の方向、即ち、加熱導体101 、
103 、102 、104 、105 、107 、106 、およびリード導
体109 の経路で、或いはこの経路と逆の経路で流れる。
【0020】加熱導体101 に流れる電流によって、閉ル
ープ加熱導体120 の加熱導体121 には、加熱導体101 に
流れる電流と反対方向の電流が誘起される。また、加熱
導体102 に流れる電流によって、閉ループ加熱導体120
の加熱導体122 には、加熱導体102 に流れる電流と反対
方向の電流が誘起される。従って、閉ループ加熱導体12
0 には循環電流が流れる。閉ループ加熱導体130 にも同
様に循環電流が流れる。
【0021】加熱導体101 と121 に流れる電流の方向は
反対であるので加熱導体101 と121が発生する磁束は互
いに殆ど打ち消し合って外周面11の加熱に寄与しない。
加熱導体102 と122 、加熱導体105 と131 、および、加
熱導体106 と132 においても同様である。
【0022】従って、ワーク10の外周面11は、加熱導体
101 、102 、105 、および106 のそれぞれ加熱導体121
、122 、131 、および132 に対向していない部分によ
って周方向に誘起された電流による加熱が行われ、加熱
導体103 、104 、107 、並びに、閉ループ加熱導体120
の加熱導体123 、124 、および閉ループ加熱導体130 の
加熱導体133 、134 によって周方向と直角方向に誘起さ
れた電流による加熱が行われる。
【0023】このようにワーク10の外周面11が加熱され
ることは、従来の加熱コイル40によって外周面11を加熱
する場合と比較すると、周方向の加熱導体による加熱が
弱められ、周方向と直角方向の加熱導体による加熱が増
強されたことになる。従って、外周面11はほぼ均一な深
さに加熱されるので、加熱後の適切な冷却によって、図
2に示すような均一な深さの硬化層14を形成することが
できる。
【0024】次に、請求項1記載の加熱コイルの第2実
施例を説明する。図3の(a)は加熱コイルの模式的斜
視図、(b)は(a)のB−B線矢視断面説明図であ
る。ワークとしては図6に示したのと同じ短円柱状のワ
ーク20を採り上げた。
【0025】図3(a)、(b)に示すように、加熱コ
イル200 は、ワーク20の外周面21に接近、対向し且つワ
ーク20の周方向にワーク20を取り囲むように配設された
環状で同径の平行な加熱導体201 、202 (第1、第2加
熱導体)と、外周面21に接近、対向するように加熱導体
201 、202 の先端間に接続され、加熱導体201 、202を
直列に接続し、ワーク20の周方向と直角方向に配設され
た直線状の加熱導体203 (第3加熱導体)と、加熱導体
201 、202 の基端部分に接続された1対のリード導体20
4 、205 とを備えている。
【0026】更に、加熱コイル200 は、加熱導体201 お
よび202 が形成する円筒面内で加熱導体201 、202 の間
に、ワーク20の周方向においてほぼ等間隔に配設された
3個の閉ループ加熱導体210 、220 、および230 を備え
ている。閉ループ加熱導体220 を例にとって閉ループ加
熱導体を説明すると、閉ループ加熱導体220 は、加熱導
体201 の一部分の加熱導体202 側の側面に絶縁薄板225
を介して接着によって固定されたほぼ1/6円弧状の加
熱導体221 (第4加熱導体)と、加熱導体202の一部分
の加熱導体201 側の側面に絶縁薄板226 を介して接着に
よって固定されたほぼ1/6円弧状の加熱導体222 (第
5加熱導体)と、加熱導体221 、222 の一端同士および
他端同士をそれぞれ接続し、加熱導体221 、222 と共に
閉ループ加熱導体220 を形成する加熱導体223 、224
(第6、第7加熱導体)を備えている。
【0027】閉ループ加熱導体210 は閉ループ加熱導体
220 と同じ構造であって、閉ループ加熱導体220 の加熱
導体221 〜224 および絶縁薄板225 、226 にそれぞれ対
応する加熱導体211 〜214 および図示しない絶縁薄板を
備えている。閉ループ加熱導体230 も閉ループ加熱導体
220 と同じ構造であって、閉ループ加熱導体220 の加熱
導体221 〜224 および絶縁薄板225 、226 にそれぞれ対
応する加熱導体231 〜234 および図示しない絶縁薄板を
備えている。
【0028】加熱コイル200 を用いてワーク20の外周面
21を加熱する動作を説明する。加熱コイル200 をワーク
20の外周面21に接近、対向するように配置後、ワーク20
を軸芯線22を中心として回転させながら、リード導体20
4 、205 を介して加熱コイル200 に高周波電流を所定時
間通電する。このとき、高周波電流は、符号を付さない
矢印の方向に、或いはこの方向と逆の方向に流れる。
【0029】第1実施例の加熱コイル100 によるワーク
10の外周面11の加熱のときと同様に、ワーク20の外周面
21は、加熱導体201 の加熱導体211 、221 、231 に対向
していない部分、加熱導体202 の加熱導体212 、222 、
232 に対向していない部分、加熱導体203 、および加熱
導体213 、214 、223 、224 、233 、234 によって加熱
される。
【0030】従って、第1実施例と同様に、従来の加熱
コイル50によって外周面21を加熱する場合と比較する
と、周方向の誘導電流による加熱が弱められ、周方向と
直角方向の誘導電流による加熱が増強されたことになっ
て、外周面21はほぼ均一な深さに加熱されるので、加熱
後の適切な冷却によって、図3(b)に示すような均一
な深さの硬化層24を形成することができる。
【0031】なお、前記の2つの実施例では、それぞれ
加熱コイル100 および200 による短円柱状ワークの外周
面の加熱について説明したが、外周面にこだわることな
く、これら加熱コイルは円筒状ワーク等の内周面を均一
な深さで加熱することもできる。
【0032】次に、請求項2記載の考案の一実施例を説
明する。図4は本実施例を説明するための図面であっ
て、図4の(a)は平面説明図、(b)は(a)のC−
C線矢視断面図である。ワークとしては、図7に示した
のと同じ平板状のワーク30を採り上げた。
【0033】これらの図面に示すように、ワーク30の細
長い4角形状の被加熱面31を加熱する加熱コイル300
は、1対のリード導体306 、307 の端部間に接続され、
被加熱面31に接近、対向するように配設された直線状で
平行な加熱導体301 、302 (第1、第2加熱導体)と、
被加熱面31に接近、対向するように加熱導体301 、302
の先端間に接続され、加熱導体301 、302 を直列に接続
する加熱導体303 (第3加熱導体)と、加熱導体301 の
基端とリード導体306 の端部間および加熱導体302 の基
端とリード導体307 の端部間にそれぞれ接続され、加熱
導体301 、302 と直角方向に且つ被加熱面31に接近し対
向するように配設された直線状の加熱導体304 、305 を
備えている。
【0034】また、加熱コイル300 は、閉ループ加熱導
体310 、320 、および330 を備えている。閉ループ加熱
導体310 は、加熱導体301 の一部分の加熱導体302 側の
側面に絶縁厚板315 (第1絶縁厚板)を介して接着によ
って固定された直線状の加熱導体311 と、加熱導体302
の一部分の加熱導体301 側の側面に絶縁厚板316 (第2
絶縁厚板)を介して接着によって固定された直線状の加
熱導体312 と、加熱導体301 、302 と直角方向に配設さ
れ、加熱導体311 、312 の一端同士および他端同士をそ
れぞれ接続し、加熱導体311 、312 と共に閉ループ加熱
導体310 を形成する加熱導体313 、314 (第6、第7加
熱導体)とを有する。
【0035】閉ループ加熱導体320 および330 は、それ
ぞれ、閉ループ加熱導体310 の加熱導体311 〜314 に対
応する加熱導体321 〜324 および331 〜334 を備えてい
る。そして、加熱導体321 および322 は、それぞれ、絶
縁厚板325 および326 を介して接着によって加熱導体30
1 および302 に固定されており、また、加熱導体331お
よび332 は、それぞれ、絶縁厚板335 および336 を介し
て接着によって加熱導体301 および302 に固定されてい
る。
【0036】加熱コイル300 においては、加熱導体301
と加熱導体311 、321 、331 との距離を少なくとも加熱
導体301 の幅以上とするように、また、加熱導体302 と
加熱導体312 、322 、332 との距離を少なくとも加熱導
体302 の幅以上とするように、絶縁厚板315 、316 、32
5 、326 、335 、および336 の寸法が設定されている。
これは、例えば加熱導体301 に流れる電流の方向と加熱
導体311 に誘起された電流の方向とは反対であるので、
両電流による磁界が互いに打ち消し合わないように加熱
導体301 と311 とを離すためである。なお、加熱導体30
1 、302 と直角方向の加熱導体間も加熱導体301 、302
の幅程度以上離れているように閉ループ加熱導体310 、
320 、および330 が形成されている。
【0037】加熱コイル300 を用いてワーク30の被加熱
面31を加熱する動作を説明する。加熱コイル300 を被加
熱面31に接近、対向するように配置後、加熱コイル300
にリード導体306 、307 を介して高周波電流を所定時間
通電する。このとき、高周波電流は、リード導体306 、
加熱導体304 、301 、303 、302 、305 、およびリード
導体307 の経路で、或いはこれと逆の経路で流れる。
【0038】そして、前記経路によって流れた電流によ
って発生する磁束が閉ループ加熱導体310 、320 、およ
び330 に交鎖して閉ループ加熱導体310 、320 、および
330内にそれぞれ循環電流が発生する。従って、ワーク3
0の被加熱面31は、加熱導体301 〜305 に流れる電流お
よび前記循環電流が被加熱面31に誘起した電流によって
加熱されるので、被加熱面31は均一な深さに加熱され
る。そして、加熱後の適切な冷却によって図4(b)に
示すように、被加熱面31には均一の深さの硬化層33が形
成される。
【0039】
【考案の効果】以上説明したように請求項1記載の考案
の加熱コイルを用いて軸芯線を中心として回転する円柱
状ワークの周面を加熱すると、従来の加熱コイルによる
加熱に比較して、ワークの周方向に配設された円弧状或
いは環状で平行な第1、第2加熱導体による加熱が、こ
れら加熱導体のそれぞれ第4、第5加熱導体に対向して
いる部分において弱められる一方、周方向と直角方向に
配設された第6、第7加熱導体による加熱が追加されて
いる。従って、請求項1記載の加熱コイルによって円柱
状ワークの周面の加熱を行うと、周面を均一な深さで加
熱することができる。
【0040】また、請求項2記載の考案の加熱コイルを
用いて平板状ワークの被加熱面を加熱すると、従来の加
熱コイルによる加熱に比較して、第1、第2、および第
3加熱導体による加熱に加えて第4、第5、第6、およ
び第7加熱導体による加熱が追加されている。従って、
請求項2記載の加熱コイルによって平板状ワークの被加
熱面の加熱を行うと、被加熱面を均一な深さで加熱する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の考案の第1実施例の(a)は平
面説明図、(b)は正面説明図である。
【図2】図1(a)のA−A線矢視断面説明図である。
【図3】請求項1記載の考案の第2実施例の(a)は模
式的斜視図、(b)は(a)のB−B線矢視断面説明図
である。
【図4】請求項2記載の考案の一実施例の(a)は平面
図、(b)は(a)のC−C線矢視断面説明図である。
【図5】(a)は円柱状ワークの周面を加熱する従来の
第1例の加熱コイルと円柱状ワークの正面図、(b)は
(a)のD−D線矢視断面説明図、(c)は従来の加熱
コイルの模式的斜視図である。
【図6】(a)は円柱状ワークの周面を加熱する従来の
第2例の加熱コイルの模式的斜視図、(b)は(a)の
E−E線矢視断面説明図である。
【図7】(a)は平板状ワークの被加熱面を加熱する従
来の加熱コイルとワークとの平面図、(b)は(a)の
F−F線矢視断面説明図である。
【符号の説明】
10、20、30 ワーク 11、21 外周面 12、22 軸芯線 31 被加熱面 101 〜107 、121 〜124 、131 〜134 加熱導体 201 〜203 、211 〜214 、221 〜224 、231 〜234 加
熱導体 301 〜305 、311 〜314 、321 〜324 、331 〜334 加
熱導体 108 、109 、204 、205 、306 、307 リード導体 120 、130 、210 、220 、230 、310 、320 、330 閉
ループ加熱導体 141 〜144 、225 、226 絶縁薄板 315 、316 、325 、326 、335 、336 絶縁厚板

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対のリード導体の端部間に接続され、
    軸芯線を中心として回転する円柱状ワークの周面に接
    近、対向し且つワークの周方向に配設された円弧状或い
    は環状で平行な第1、第2加熱導体と、前記周面に接
    近、対向するように第1、第2加熱導体の先端間に接続
    されて第1、第2加熱導体を直列に接続する第3加熱導
    体とを備えた高周波加熱コイルにおいて、 ワークの周方向に配設され、第1加熱導体の一部分の第
    2加熱導体側に第1絶縁薄板を介して固定された円弧状
    の第4加熱導体と、 前記周方向に配設され、第2加熱導体の一部分の第1加
    熱導体側に第2絶縁薄板を介して固定された円弧状の第
    5加熱導体と、 前記周面に接近、対向するように前記周方向と直角方向
    に配設され、第4、第5加熱導体の一端同士および他端
    同士をそれぞれ接続する第6、第7加熱導体とを備えた
    ことを特徴とする高周波加熱コイル。
  2. 【請求項2】 1対のリード導体の端部間に接続され、
    平板状ワークの被加熱面に接近、対向するように配設さ
    れた直線状で平行な第1、第2加熱導体と、前記被加熱
    面に接近、対向するように第1、第2加熱導体の先端間
    に接続されて第1、第2加熱導体を直列に接続する第3
    加熱導体とを備えた高周波加熱コイルにおいて、 第1加熱導体の一部分の第2加熱導体側に第1絶縁厚板
    を介して固定された直線状の第4加熱導体と、 第2加熱導体の一部分の第1加熱導体側に第2絶縁厚板
    を介して固定された直線状の第5加熱導体と、 前記被加熱面に接近、対向するように第1、第2加熱導
    体と直角方向に配設され、第4、第5加熱導体の一端同
    士および他端同士をそれぞれ接続する第6、第7加熱導
    体とを備えたことを特徴とする高周波加熱コイル。
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