JPH071598U - 高周波加熱コイル - Google Patents

高周波加熱コイル

Info

Publication number
JPH071598U
JPH071598U JP3645393U JP3645393U JPH071598U JP H071598 U JPH071598 U JP H071598U JP 3645393 U JP3645393 U JP 3645393U JP 3645393 U JP3645393 U JP 3645393U JP H071598 U JPH071598 U JP H071598U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
conductors
conductor
heating conductor
coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3645393U
Other languages
English (en)
Other versions
JP2545869Y2 (ja
Inventor
雅行 小山
Original Assignee
富士電子工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 富士電子工業株式会社 filed Critical 富士電子工業株式会社
Priority to JP3645393U priority Critical patent/JP2545869Y2/ja
Publication of JPH071598U publication Critical patent/JPH071598U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2545869Y2 publication Critical patent/JP2545869Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • General Induction Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 円柱状のワークの周面を均一な深さで加熱す
る加熱コイルを提供する。 【構成】 加熱コイル100 は、リード導体108 、109 の
端部間に接続され、軸芯線12を中心として回転する円柱
状ワーク10の外周面11に接近、対向し且つ周方向に配設
された円弧状で平行な加熱導体101 、102 と、加熱導体
101 、102 の先端間に接続されて加熱導体101 、102 を
直列に接続する直線状の加熱導体103 と、加熱導体101
の一部分の加熱導体102 側に絶縁薄板141 を介して固定
された円弧状の加熱導体121 と、周方向に配設され、加
熱導体201 の一部分の加熱導体101側に絶縁薄板142 を
介して固定された円弧状の加熱導体122 と、外周面11に
接近、対向するように周方向と直角方向に配設され、加
熱導体121 、122 の一端同士および他端同士をそれぞれ
接続する加熱導体123 、124 とを備えた加熱コイル 100
Aと、加熱コイル 100Aと同形で加熱コイル 100Aと直
列に接続された加熱コイル 100Bを備えている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、高周波加熱コイル(以下高周波加熱コイルを単に加熱コイルともい う)に関し、特に、短円柱状ワークの周面や平板状ワークの表面の被加熱面を均 一な深さで加熱するのに好適な加熱コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、図面を参照して従来の技術を説明する。まず、短円柱状のワークの外周 面を加熱する従来の加熱コイルの第1例を説明する。図5(a)および(b)に 示すように、短円柱状のワーク10の外周面11を焼入加熱するには、従来、いわゆ るラインコイルと称する加熱コイル40が使用されている。加熱コイル40は、1対 のリード導体44、45間に接続され、外周面11に接近、対向し、周方向に配設され た円弧状で平行な1対の加熱導体41、42と、加熱導体41、42の先端間を接続し、 ワーク10の周方向と直角方向に配設された直線状の加熱導43とを備えている。
【0003】 ワーク10を軸芯線12を中心として回転させながら、加熱コイル10に所定時間高 周波電流を通電後、加熱コイル40を外周面11から遠ざけてから、外周面11に図示 しないジャケットから焼入液を噴射して冷却すると、外周面11には硬化層13が形 成される。
【0004】 次いで、従来の加熱コイルの第2例を説明する。図6(b)に縦断面を示す短 円柱状のワーク20の外周面21を焼入加熱するには、図6(a)に示す加熱コイル 50が用いられることがある。この加熱コイル50は、1対のリード導体 54 、55間 に接続され、外周面21に接近、対向し、外周面21を取り囲むように配設された環 状で平行な1対の加熱導体51、52と、加熱導体51、52を直列に接続し、直線状で 周方向と直角方向に配設された加熱導体53とを備えている。
【0005】 ワーク20を加熱コイル50内に挿入し、外周面21が加熱導体51、52に接近、対向 するように配置後、ワーク20を軸芯線22を中心として回転させながら、加熱コイ ル50に高周波電流を所定時間通電し、次いで、外周面21を第1例と同様に冷却す ると、外周面21に硬化層23が形成される。
【0006】 次に、平板状ワークの表面を加熱する従来の加熱コイルの一例を説明する。図 7(b)に縦断面を示す平板状のワーク30の表面の4角形状の被加熱面31を焼入 加熱するには、例えば図7(a)に示す加熱コイル60が用いられる。この加熱コ イル60は、リード導体を兼用する1対の平行な直線状で被加熱面31に接近し対向 するように配設された加熱導体61、62と、加熱導体61、62の先端間を接続し加熱 導体61、62と直角方向に配設された直線状の加熱導体63とを備えている。
【0007】 加熱コイル60に高周波電流を所定時間通電し、次いで、加熱コイル60を被加熱 面31から遠ざけてから、被加熱面31に図示しないジャケットから焼入液を噴射し て冷却すると、被加熱面31には硬化層33が形成される。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
上記した従来の加熱コイルを用いて焼入加熱を行うと以下に述べる問題がある 。即ち、加熱コイル40を用いて外周面11を加熱した後に形成された硬化層13の深 さは、周方向に配設された加熱導体41、42に対向している部分においては深く、 加熱導体41と42の間に対向している部分、即ち、周方向と直角方向に配設された 加熱導体43に対向している部分においては浅くなっており、均一な深さとなって いない。加熱コイル50および60を用いて加熱を行った後に形成された硬化層23お よび33においても均一な深さとなっていない。
【0009】 そこで、使用する加熱コイルの加熱導体を太くしたり、或いは小さい加熱導体 を採用した複数の加熱コイルを用いたり、更にはジグザグ型の加熱コイル等が検 討されたが、いずれも加熱コイルの効率が低下してしまうという欠点がある。
【0010】 本考案は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、1対のリード導体の端 部間に接続され、軸芯線を中心として回転する円柱状ワークの周面に接近、対向 し且つ周方向に配設された円弧状或いは環状で平行な第1、第2加熱導体と、第 1、第2加熱導体の先端間に接続されて第1、第2加熱導体を直列に接続する直 線状の第3加熱導体とを備えた加熱コイルにおいて、ワークの周面の加熱深度を 均一にすることができる加熱コイルを提供することを目的としている。
【0011】 また、本考案は、1対のリード導体の端部間に接続され、平板状ワークの被加 熱面に接近、対向するように配設された直線状で平行な第1、第2加熱導体と、 被加熱面に接近、対向するように第1、第2加熱導体の先端間に接続されて第1 、第2加熱導体を直列に接続する第3加熱導体とを備えた加熱コイルにおいて、 ワークの被加熱面の加熱深度を均一にすることができる加熱コイルを提供するこ とを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために請求項1記載の加熱コイルは、1対のリード導体の 端部間に接続され、軸芯線を中心として回転する円柱状ワークの周面に接近、対 向し且つワークの周方向に配設された円弧状或いは環状で平行な第1、第2加熱 導体と、前記周面に接近、対向するように第1、第2加熱導体の先端間に接続さ れて第1、第2加熱導体を直列に接続する第3加熱導体とを備えた高周波加熱コ イルにおいて、ワークの周方向に配設され、第1加熱導体の一部分の第2加熱導 体側に第1絶縁薄板を介して固定された円弧状の第4加熱導体と、前記周方向に 配設され、第2加熱導体の一部分の第1加熱導体側に第2絶縁薄板を介して固定 された円弧状の第5加熱導体と、前記周面に接近、対向するように前記周方向と 直角方向に配設され、第4、第5加熱導体の一端同士および他端同士をそれぞれ 接続する第6、第7加熱導体とを備えている。
【0013】 また、請求項2記載の加熱コイルは、1対のリード導体の端部間に接続され、 平板状ワークの被加熱面に接近、対向するように配設された直線状で平行な第1 、第2加熱導体と、前記被加熱面に接近、対向するように第1、第2加熱導体の 先端間に接続されて第1、第2加熱導体を直列に接続する第3加熱導体とを備え た高周波加熱コイルにおいて、第1加熱導体の一部分の第2加熱導体側に第1絶 縁厚板を介して固定された直線状の第4加熱導体と、第2加熱導体の一部分の第 1加熱導体側に第2絶縁厚板を介して固定された直線状の第5加熱導体と、前記 被加熱面に接近、対向するように第1、第2加熱導体と直角方向に配設され、第 4、第5加熱導体の一端同士および他端同士をそれぞれ接続する第6、第7加熱 導体とを備えている。
【0014】
【実施例】
以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。以下の実施例で述べる導体 は、全て良導電金属製四角筒を採用しているが、必ずしもこれにこだわるもので はない。まず、請求項1記載の加熱コイルの第1実施例を説明する。図1および 図2はこの実施例を説明するための図面であって、図1の(a)は平面説明図、 (b)は正面説明図、図2は図1(a)のA−A線矢視断面説明図である。ワー クとしては、図5に示したのと同じ短円柱状ワーク10を採り上げた。
【0015】 図1(a)に示すように、ワーク10の外周面11を加熱する加熱コイル100 は、 加熱コイル 100Aと 100Bとを備えている。加熱コイル 100Aは、ワーク10の外 周面11に接近、対向し且つワーク10の周方向に配設された1/4円弧状の平行な 1対の加熱導体101 、102 (第1、第2加熱導体)と、外周面11に接近、対向す るように加熱導体101 、102 の先端間に接続され、加熱導体101 、102 を直列に 接続する加熱導体103 とを備えている。
【0016】 また、加熱コイル 100Aは、ワーク10の周方向に配設され、加熱導体101 の一 部分の加熱導体102 側の側面に絶縁薄板141 (第1絶縁薄板)を介して接着によ って固定されたほぼ1/12円弧状の加熱導体121 (第4加熱導体)と、加熱導体 102 の一部分の加熱導体101 側の側面に薄い絶縁薄板142 を介して接着によって 固定されたほぼ1/12円弧状の加熱導体122 (第5加熱導体)と、周面の方向と 直角方向に配設され、加熱導体121 、122 の一端同士および他端同士をそれぞれ 接続し、加熱導体121 、122 と共に閉ループ加熱導体120 を形成する加熱導体12 3 、124 (第6、第7加熱導体)とを備えている。
【0017】 加熱コイル 100Bは、加熱コイル 100Aと同じ構造であって、加熱コイル 100 Aの導体101 〜103 、121 〜124 、絶縁薄板141 、142 にそれぞれ対応する加熱 導体105 〜107 、131 〜134 、絶縁薄板143 、144 を備えている。そして、加熱 導体131 〜134 で閉ループ加熱導体130 を形成している。
【0018】 加熱コイル 100Aと 100Bとは、加熱コイル 100Aと 100Bとの間に、ワーク 10の周方向と直角方向に外周面11に接近し対向するように配設された直線状の加 熱導体104 によって直列に接続されている。そして、加熱導体101 および106 の 端部には1対のリード導体108 および109 が接続されている。
【0019】 加熱コイル100 を用いてワーク10の外周面11を加熱する動作を説明する。ワー ク10の外周面11に加熱コイル100 を接近、対向するように配置後、ワーク10を軸 芯線12を中心として回転させながら、リード導体108 、109 を介して加熱コイル 100 に高周波電流を所定時間通電する。このとき、高周波電流は、リード導体10 8 から符号を付さない矢印の方向、即ち、加熱導体101 、103 、102 、104 、10 5 、107 、106 、およびリード導体109 の経路で、或いはこの経路と逆の経路で 流れる。
【0020】 加熱導体101 に流れる電流によって、閉ループ加熱導体120 の加熱導体121 に は、加熱導体101 に流れる電流と反対方向の電流が誘起される。また、加熱導体 102 に流れる電流によって、閉ループ加熱導体120 の加熱導体122 には、加熱導 体102 に流れる電流と反対方向の電流が誘起される。従って、閉ループ加熱導体 120 には循環電流が流れる。閉ループ加熱導体130 にも同様に循環電流が流れる 。
【0021】 加熱導体101 と121 に流れる電流の方向は反対であるので加熱導体101 と121 が発生する磁束は互いに殆ど打ち消し合って外周面11の加熱に寄与しない。加熱 導体102 と122 、加熱導体105 と131 、および、加熱導体106 と132 においても 同様である。
【0022】 従って、ワーク10の外周面11は、加熱導体101 、102 、105 、および106 のそ れぞれ加熱導体121 、122 、131 、および132 に対向していない部分によって周 方向に誘起された電流による加熱が行われ、加熱導体103 、104 、107 、並びに 、閉ループ加熱導体120 の加熱導体123 、124 、および閉ループ加熱導体130 の 加熱導体133 、134 によって周方向と直角方向に誘起された電流による加熱が行 われる。
【0023】 このようにワーク10の外周面11が加熱されることは、従来の加熱コイル40によ って外周面11を加熱する場合と比較すると、周方向の加熱導体による加熱が弱め られ、周方向と直角方向の加熱導体による加熱が増強されたことになる。従って 、外周面11はほぼ均一な深さに加熱されるので、加熱後の適切な冷却によって、 図2に示すような均一な深さの硬化層14を形成することができる。
【0024】 次に、請求項1記載の加熱コイルの第2実施例を説明する。図3の(a)は加 熱コイルの模式的斜視図、(b)は(a)のB−B線矢視断面説明図である。ワ ークとしては図6に示したのと同じ短円柱状のワーク20を採り上げた。
【0025】 図3(a)、(b)に示すように、加熱コイル200 は、ワーク20の外周面21に 接近、対向し且つワーク20の周方向にワーク20を取り囲むように配設された環状 で同径の平行な加熱導体201 、202 (第1、第2加熱導体)と、外周面21に接近 、対向するように加熱導体201 、202 の先端間に接続され、加熱導体201 、202 を直列に接続し、ワーク20の周方向と直角方向に配設された直線状の加熱導体20 3 (第3加熱導体)と、加熱導体201 、202 の基端部分に接続された1対のリー ド導体204 、205 とを備えている。
【0026】 更に、加熱コイル200 は、加熱導体201 および202 が形成する円筒面内で加熱 導体201 、202 の間に、ワーク20の周方向においてほぼ等間隔に配設された3個 の閉ループ加熱導体210 、220 、および230 を備えている。閉ループ加熱導体22 0 を例にとって閉ループ加熱導体を説明すると、閉ループ加熱導体220 は、加熱 導体201 の一部分の加熱導体202 側の側面に絶縁薄板225 を介して接着によって 固定されたほぼ1/6円弧状の加熱導体221 (第4加熱導体)と、加熱導体202 の一部分の加熱導体201 側の側面に絶縁薄板226 を介して接着によって固定され たほぼ1/6円弧状の加熱導体222 (第5加熱導体)と、加熱導体221 、222 の 一端同士および他端同士をそれぞれ接続し、加熱導体221 、222 と共に閉ループ 加熱導体220 を形成する加熱導体223 、224 (第6、第7加熱導体)を備えてい る。
【0027】 閉ループ加熱導体210 は閉ループ加熱導体220 と同じ構造であって、閉ループ 加熱導体220 の加熱導体221 〜224 および絶縁薄板225 、226 にそれぞれ対応す る加熱導体211 〜214 および図示しない絶縁薄板を備えている。閉ループ加熱導 体230 も閉ループ加熱導体220 と同じ構造であって、閉ループ加熱導体220 の加 熱導体221 〜224 および絶縁薄板225 、226 にそれぞれ対応する加熱導体231 〜 234 および図示しない絶縁薄板を備えている。
【0028】 加熱コイル200 を用いてワーク20の外周面21を加熱する動作を説明する。加熱 コイル200 をワーク20の外周面21に接近、対向するように配置後、ワーク20を軸 芯線22を中心として回転させながら、リード導体204 、205 を介して加熱コイル 200 に高周波電流を所定時間通電する。このとき、高周波電流は、符号を付さな い矢印の方向に、或いはこの方向と逆の方向に流れる。
【0029】 第1実施例の加熱コイル100 によるワーク10の外周面11の加熱のときと同様に 、ワーク20の外周面21は、加熱導体201 の加熱導体211 、221 、231 に対向して いない部分、加熱導体202 の加熱導体212 、222 、232 に対向していない部分、 加熱導体203 、および加熱導体213 、214 、223 、224 、233 、234 によって加 熱される。
【0030】 従って、第1実施例と同様に、従来の加熱コイル50によって外周面21を加熱す る場合と比較すると、周方向の誘導電流による加熱が弱められ、周方向と直角方 向の誘導電流による加熱が増強されたことになって、外周面21はほぼ均一な深さ に加熱されるので、加熱後の適切な冷却によって、図3(b)に示すような均一 な深さの硬化層24を形成することができる。
【0031】 なお、前記の2つの実施例では、それぞれ加熱コイル100 および200 による短 円柱状ワークの外周面の加熱について説明したが、外周面にこだわることなく、 これら加熱コイルは円筒状ワーク等の内周面を均一な深さで加熱することもでき る。
【0032】 次に、請求項2記載の考案の一実施例を説明する。図4は本実施例を説明する ための図面であって、図4の(a)は平面説明図、(b)は(a)のC−C線矢 視断面図である。ワークとしては、図7に示したのと同じ平板状のワーク30を採 り上げた。
【0033】 これらの図面に示すように、ワーク30の細長い4角形状の被加熱面31を加熱す る加熱コイル300 は、1対のリード導体306 、307 の端部間に接続され、被加熱 面31に接近、対向するように配設された直線状で平行な加熱導体301 、302 (第 1、第2加熱導体)と、被加熱面31に接近、対向するように加熱導体301 、302 の先端間に接続され、加熱導体301 、302 を直列に接続する加熱導体303 (第3 加熱導体)と、加熱導体301 の基端とリード導体306 の端部間および加熱導体30 2 の基端とリード導体307 の端部間にそれぞれ接続され、加熱導体301 、302 と 直角方向に且つ被加熱面31に接近し対向するように配設された直線状の加熱導体 304 、305 を備えている。
【0034】 また、加熱コイル300 は、閉ループ加熱導体310 、320 、および330 を備えて いる。閉ループ加熱導体310 は、加熱導体301 の一部分の加熱導体302 側の側面 に絶縁厚板315 (第1絶縁厚板)を介して接着によって固定された直線状の加熱 導体311 と、加熱導体302 の一部分の加熱導体301 側の側面に絶縁厚板316 (第 2絶縁厚板)を介して接着によって固定された直線状の加熱導体312 と、加熱導 体301 、302 と直角方向に配設され、加熱導体311 、312 の一端同士および他端 同士をそれぞれ接続し、加熱導体311 、312 と共に閉ループ加熱導体310 を形成 する加熱導体313 、314 (第6、第7加熱導体)とを有する。
【0035】 閉ループ加熱導体320 および330 は、それぞれ、閉ループ加熱導体310 の加熱 導体311 〜314 に対応する加熱導体321 〜324 および331 〜334 を備えている。 そして、加熱導体321 および322 は、それぞれ、絶縁厚板325 および326 を介し て接着によって加熱導体301 および302 に固定されており、また、加熱導体331 および332 は、それぞれ、絶縁厚板335 および336 を介して接着によって加熱導 体301 および302 に固定されている。
【0036】 加熱コイル300 においては、加熱導体301 と加熱導体311 、321 、331 との距 離を少なくとも加熱導体301 の幅以上とするように、また、加熱導体302 と加熱 導体312 、322 、332 との距離を少なくとも加熱導体302 の幅以上とするように 、絶縁厚板315 、316 、325 、326 、335 、および336 の寸法が設定されている 。これは、例えば加熱導体301 に流れる電流の方向と加熱導体311 に誘起された 電流の方向とは反対であるので、両電流による磁界が互いに打ち消し合わないよ うに加熱導体301 と311 とを離すためである。なお、加熱導体301 、302 と直角 方向の加熱導体間も加熱導体301 、302 の幅程度以上離れているように閉ループ 加熱導体310 、320 、および330 が形成されている。
【0037】 加熱コイル300 を用いてワーク30の被加熱面31を加熱する動作を説明する。加 熱コイル300 を被加熱面31に接近、対向するように配置後、加熱コイル300 にリ ード導体306 、307 を介して高周波電流を所定時間通電する。このとき、高周波 電流は、リード導体306 、加熱導体304 、301 、303 、302 、305 、およびリー ド導体307 の経路で、或いはこれと逆の経路で流れる。
【0038】 そして、前記経路によって流れた電流によって発生する磁束が閉ループ加熱導 体310 、320 、および330 に交鎖して閉ループ加熱導体310 、320 、および330 内にそれぞれ循環電流が発生する。従って、ワーク30の被加熱面31は、加熱導体 301 〜305 に流れる電流および前記循環電流が被加熱面31に誘起した電流によっ て加熱されるので、被加熱面31は均一な深さに加熱される。そして、加熱後の適 切な冷却によって図4(b)に示すように、被加熱面31には均一の深さの硬化層 33が形成される。
【0039】
【考案の効果】
以上説明したように請求項1記載の考案の加熱コイルを用いて軸芯線を中心と して回転する円柱状ワークの周面を加熱すると、従来の加熱コイルによる加熱に 比較して、ワークの周方向に配設された円弧状或いは環状で平行な第1、第2加 熱導体による加熱が、これら加熱導体のそれぞれ第4、第5加熱導体に対向して いる部分において弱められる一方、周方向と直角方向に配設された第6、第7加 熱導体による加熱が追加されている。従って、請求項1記載の加熱コイルによっ て円柱状ワークの周面の加熱を行うと、周面を均一な深さで加熱することができ る。
【0040】 また、請求項2記載の考案の加熱コイルを用いて平板状ワークの被加熱面を加 熱すると、従来の加熱コイルによる加熱に比較して、第1、第2、および第3加 熱導体による加熱に加えて第4、第5、第6、および第7加熱導体による加熱が 追加されている。従って、請求項2記載の加熱コイルによって平板状ワークの被 加熱面の加熱を行うと、被加熱面を均一な深さで加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の考案の第1実施例の(a)は平
面説明図、(b)は正面説明図である。
【図2】図1(a)のA−A線矢視断面説明図である。
【図3】請求項1記載の考案の第2実施例の(a)は模
式的斜視図、(b)は(a)のB−B線矢視断面説明図
である。
【図4】請求項2記載の考案の一実施例の(a)は平面
図、(b)は(a)のC−C線矢視断面説明図である。
【図5】(a)は円柱状ワークの周面を加熱する従来の
第1例の加熱コイルと円柱状ワークの正面図、(b)は
(a)のD−D線矢視断面説明図、(c)は従来の加熱
コイルの模式的斜視図である。
【図6】(a)は円柱状ワークの周面を加熱する従来の
第2例の加熱コイルの模式的斜視図、(b)は(a)の
E−E線矢視断面説明図である。
【図7】(a)は平板状ワークの被加熱面を加熱する従
来の加熱コイルとワークとの平面図、(b)は(a)の
F−F線矢視断面説明図である。
【符号の説明】
10、20、30 ワーク 11、21 外周面 12、22 軸芯線 31 被加熱面 101 〜107 、121 〜124 、131 〜134 加熱導体 201 〜203 、211 〜214 、221 〜224 、231 〜234 加
熱導体 301 〜305 、311 〜314 、321 〜324 、331 〜334 加
熱導体 108 、109 、204 、205 、306 、307 リード導体 120 、130 、210 、220 、230 、310 、320 、330 閉
ループ加熱導体 141 〜144 、225 、226 絶縁薄板 315 、316 、325 、326 、335 、336 絶縁厚板

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対のリード導体の端部間に接続され、
    軸芯線を中心として回転する円柱状ワークの周面に接
    近、対向し且つワークの周方向に配設された円弧状或い
    は環状で平行な第1、第2加熱導体と、前記周面に接
    近、対向するように第1、第2加熱導体の先端間に接続
    されて第1、第2加熱導体を直列に接続する第3加熱導
    体とを備えた高周波加熱コイルにおいて、 ワークの周方向に配設され、第1加熱導体の一部分の第
    2加熱導体側に第1絶縁薄板を介して固定された円弧状
    の第4加熱導体と、 前記周方向に配設され、第2加熱導体の一部分の第1加
    熱導体側に第2絶縁薄板を介して固定された円弧状の第
    5加熱導体と、 前記周面に接近、対向するように前記周方向と直角方向
    に配設され、第4、第5加熱導体の一端同士および他端
    同士をそれぞれ接続する第6、第7加熱導体とを備えた
    ことを特徴とする高周波加熱コイル。
  2. 【請求項2】 1対のリード導体の端部間に接続され、
    平板状ワークの被加熱面に接近、対向するように配設さ
    れた直線状で平行な第1、第2加熱導体と、前記被加熱
    面に接近、対向するように第1、第2加熱導体の先端間
    に接続されて第1、第2加熱導体を直列に接続する第3
    加熱導体とを備えた高周波加熱コイルにおいて、 第1加熱導体の一部分の第2加熱導体側に第1絶縁厚板
    を介して固定された直線状の第4加熱導体と、 第2加熱導体の一部分の第1加熱導体側に第2絶縁厚板
    を介して固定された直線状の第5加熱導体と、 前記被加熱面に接近、対向するように第1、第2加熱導
    体と直角方向に配設され、第4、第5加熱導体の一端同
    士および他端同士をそれぞれ接続する第6、第7加熱導
    体とを備えたことを特徴とする高周波加熱コイル。
JP3645393U 1993-06-08 1993-06-08 高周波加熱コイル Expired - Lifetime JP2545869Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3645393U JP2545869Y2 (ja) 1993-06-08 1993-06-08 高周波加熱コイル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3645393U JP2545869Y2 (ja) 1993-06-08 1993-06-08 高周波加熱コイル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH071598U true JPH071598U (ja) 1995-01-10
JP2545869Y2 JP2545869Y2 (ja) 1997-08-27

Family

ID=12470243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3645393U Expired - Lifetime JP2545869Y2 (ja) 1993-06-08 1993-06-08 高周波加熱コイル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2545869Y2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016031821A (ja) * 2014-07-28 2016-03-07 高周波熱錬株式会社 誘導加熱コイル及び誘導加熱方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016031821A (ja) * 2014-07-28 2016-03-07 高周波熱錬株式会社 誘導加熱コイル及び誘導加熱方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2545869Y2 (ja) 1997-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2975313B2 (ja) 連続鋳造製品用誘導加熱ラインにおいて循環電流を阻止するための誘導加熱コイルアセンブリ
JP3061648B2 (ja) 誘導硬化装置
JP2001167867A (ja) 金属要素加熱用の電磁装置
JPH071598U (ja) 高周波加熱コイル
JP3595353B2 (ja) 加熱誘導子
JPH0662499U (ja) 高周波加熱コイル
JPH0730671Y2 (ja) 高周波加熱コイル
JP2513054Y2 (ja) 高周波加熱コイル体
JP3942527B2 (ja) クランクシャフト平焼入用の高周波誘導加熱コイル
JP5667786B2 (ja) 誘導加熱装置及び誘導加熱方法
JP2570969Y2 (ja) 高周波誘導加熱コイル
JPH079354Y2 (ja) 高周波誘導加熱用ディスクタイプトランス
JP2717354B2 (ja) 高周波誘導加熱コイル
JPH0141192Y2 (ja)
JPH082959Y2 (ja) 高周波加熱コイル体
JP2570966Y2 (ja) 半開放鞍型高周波加熱コイル
JP3018060U (ja) 角形管用誘導加熱コイル
TWI294929B (en) Inductor core for heatable godet roll, inductor for heatable godet roll, and heatable godet roll
JPH0237689A (ja) 誘導加熱コイル装置
JP2632106B2 (ja) 高周波加熱コイル
JPH04259788A (ja) 高周波誘導加熱コイル
JPH0610356U (ja) 高周波加熱コイル
JPH0714356Y2 (ja) 高周波加熱コイル
KR100415825B1 (ko) 영구자석형 전동기의 회전자 조립방법
JPH06330159A (ja) 高周波加熱装置