JP3350452B2 - クランクシャフトの高周波焼入方法及び高周波焼入装置 - Google Patents

クランクシャフトの高周波焼入方法及び高周波焼入装置

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JP3350452B2
JP3350452B2 JP21976798A JP21976798A JP3350452B2 JP 3350452 B2 JP3350452 B2 JP 3350452B2 JP 21976798 A JP21976798 A JP 21976798A JP 21976798 A JP21976798 A JP 21976798A JP 3350452 B2 JP3350452 B2 JP 3350452B2
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induction hardening
pin
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日吉 渡邊
雅行 小山
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富士電子工業株式会社
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

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  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多気筒エンジンに
使用されるクランクシャフトの高周波焼入方法及び高周
波焼入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多気筒エンジンに使用されるクランクシ
ャフトの各ピン部には、高周波誘導加熱を用いた表面焼
入が施される。この高周波焼入の一般的な方法を、図3
に基づき4気筒エンジン用クランクシャフトの場合につ
いて説明する。
【0003】クランクシャフト10は、その中心軸方向
に間隔をあけて設けられた4つのピン部11,12,1
3,14を有している。4つのピン部11,12,1
3,14は中心軸に対して偏心した位置にあり、両端の
2つのピン部11,14の位相は中央の2つのピン部1
2,13の位相に対して180°ずれている。
【0004】高周波焼入装置は、クランクシャフト10
を水平に支持して回転させる手段と、クランクシャフト
10の4つのピン部11,12,13,14をそれぞれ
加熱する4つの加熱コイル21,22,23,24とを
備えている。各加熱コイルは、下方に開放する半開放鞍
型コイルであって、各ピン部の外面に上方から対向して
おり、クランクシャフト10の回転に伴う各ピン部の旋
回動作にそれぞれ追従するように構成されている。そし
て、4つの加熱コイル21,22,23,24はカレン
トトランス41,42,43,44の二次側にそれぞれ
接続され、カレントトランス41,42,43,44の
一次側は、スイッチ31,32,33,34を介して高
周波電源50に並列に接続されている。
【0005】ところで、このような高周波焼入装置を用
いたピン部11,12,13,14の表面焼入では、各
ピン部のヒートマスがその旋回角度位相により変化す
る。即ち、ピン部はクランクシャフト10の回転に伴っ
てその中心軸回りを自転しながら公転するが、加熱コイ
ルは常にピン部外面に上方から対向し、自転を伴わずに
公転するため、ピン部外面のほぼ上半部を加熱する。こ
のため、ピン部が下死点近傍に位置するときは、加熱部
が両側のジャーナル部に挟まれ、加熱部から両側のジャ
ーナル部への熱逸散が顕著な状態になるが、ピン部が上
死点近傍に位置するときは、加熱部が単独で上方に突出
するため、この熱逸散が抑制される状態になる。従っ
て、ピン部の旋回角度位相によるヒートマス変化は避け
られないものとなる。
【0006】このピン部のヒートマス変化のため、焼入
では加熱コイルの出力をピン部の旋回角度位相に応じて
調整し、焼入範囲及び焼入深さをピン部の全周にわたっ
て均一化する必要がある。また、その出力調整の方法と
しては、高周波電源50の出力調整によるものが一般的
である。
【0007】ところが、両端の2つのピン部11,14
と中央の2つのピン部12,13とでは位相が180°
ずれているため、高周波電源50の出力を調整すること
はできない。なぜなら、高周波電源50の出力を調整す
ると、4つの加熱コイル21,22,23,24は同期
して同等に出力調整されるからである。このため、4つ
のピン部を位相によって2グループに分け、高周波電源
50の出力を調整しながら一方のグループを焼入した
後、同様に他方のグループを焼入する手順が踏まれる。
この2回焼入のために、スイッチ31,32,33,3
4が切り替え操作される。
【0008】しかしながら、このような2回焼入では、
能率の低下が大きな問題になる。この問題を解決するた
めに、全てのピン部を同時に焼入する技術が特公昭61
−887号公報により提示されている。この技術は本出
願人が先に開発したもので、カレントトランス41,4
2,43,44の各一次側又は各二次側に誘導方式の疑
似負荷をそれぞれ設けたものである。
【0009】全ピン同時焼入では、高周波電源50の出
力は一定に固定され、代わりに誘導方式の疑似負荷が各
カレントトランスに設けられる。各疑似負荷はテーパ形
状の導体からなり、トランスリードの一部に設けたイン
ダクタ(コイル)がこの導体に非接触で外嵌し、このイ
ンダクタがクランクシャフト10の回転角度位相に対応
して導体の軸方向に往復移動することにより、インダク
タの内側に位置する疑似負荷の有効体積が変化し、二次
側の出力が調整される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような誘導疑似負
荷を用いた全ピン同時焼入技術によると、高周波電源5
0の出力を一定にしたまで、加熱コイル21,22,2
3,24の各出力がピン部11,12,13,14の旋
回角度位相に対応して調節されるので、理論上はピン部
11,12,13,14の各外面が全周にわたって均一
に加熱され、焼入される。しかし、実際は出力の調整範
囲が狭く、全ピン同時の全周均一焼入は困難であった。
【0011】加熱コイル21,22,23,24の各出
力を比較的広範囲に調整できる技術としては、カレント
トランス41,42,43,44の各二次側に出力バラ
ンサを設けるものが、実開昭63−6877号公報によ
り提示されている。この技術も本出願人が先に開発した
ものであり、基本的には前述した技術と同様に、誘導方
式の疑似負荷を用いるものである。
【0012】即ち、各出力バランサは、トランスリード
の途中に設けられたインダクタ(コイル)と、これに進
退可能に挿入される棒状の導体部とにより構成されてい
る。疑似負荷である導体部は、ここではフェライト、空
間、銅を軸方向に重ねあわせた構造になっており、イン
ダクタの内側にこれらを選択的に位置させることによ
り、出力の調整を行う。
【0013】この技術では、疑似負荷の材質が変更され
るので、有効体積が変更されるものよりも、出力の調整
範囲は広くなる。しかし、この技術を適用しても、全ピ
ン同時の全周均一焼入は依然として困難であった。
【0014】即ち、出力バランサを用いても出力の調整
比はせいぜい20%である。一方、全ピン同時の全周均
一焼入を行うためには、少なくても30%以上の調整比
が必要である。この調整比は、現状では高周波電源の出
力調整でしか得られない。
【0015】本発明はかかる事情に鑑みて創案されたも
のであり、クランクシャフトの全ピン部を同時に且つ均
一に焼入できる高周波焼入方法及び高周波焼入装置を提
供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る高周波焼入方法は、位相が180°異
なる2種類のピン部を有するクランクシャフトを支持
し、支持されたクランクシャフトの中心軸を挟んで対向
する2位置のうちの一方から、2種類のピン部のうちの
一方のピン部外面に加熱コイルを対向させると共に、2
位置のうちの他方から、2種類のピン部のうちの他方の
ピン部外面に加熱コイルを対向させ、支持されたクラン
クシャフトを回転させる一方、全ての加熱コイルの出力
を互いに同等に保ちつつ前記クランクシャフトの回転角
度に応じて変化させるようにしたことを特徴とする。
【0017】また、本発明に係る高周波焼入装置は、位
相が180°異なる2種類のピン部を有するクランクシ
ャフトの各ピン部外面を高周波誘導加熱して焼入する高
周波焼入装置であって、出力調節が可能な高周波電源
と、前記クランクシャフトを支持して回転させる手段
と、支持されたクランクシャフトの中心軸を挟んで対向
する2位置に配置され、その一方が、2種類のピン部の
うちの一方のピン部外面に対向し、他方が、2種類のピ
ン部のうちの他方のピン部外面に対向し、いずれもがク
ランクシャフトの回転に伴う各ピン部の旋回動作にそれ
ぞれ追従するように構成された2種類の加熱コイルと、
各加熱コイルに対応して設けられ、一次側が前記高周波
電源に並列に接続され、二次側が各加熱コイルにそれぞ
れ接続された複数のカレントトランスとを具備してい
る。
【0018】本発明に係る高周波焼入方法及び高周波焼
入装置では、多気筒エンジンに使用されるクランクシャ
フトのうち、特に位相が180°異なる2種類のピン部
を有するクランクシャフトがワークとされる。そして、
2種類のピン部に対しては、クランクシャフトの中心軸
を挟んで対向する2位置から加熱コイルが対向される。
つまり、ピン部を位相によってAグループとBグループ
に分けると、Aグループのピン部を加熱する加熱コイル
Aと、Bグループのピン部を加熱する加熱コイルBは、
クランクシャフトの中心軸を挟んで反対の側からピン部
の外面に対向するのである。こうすると、加熱コイルに
対するピン部の相対位置が全ピンで同一となる。
【0019】即ち、Aグループのピン部が、そのピン部
を加熱する加熱コイルAに対して上死点にあるとき、B
グループのピン部は実際には下死点にあるが、そのピン
部を加熱する加熱コイルBは、クランクシャフトの中心
軸を挟んで加熱コイルAの反対側にあるため、加熱コイ
ルBからBグループのピン部を見た場合、そのピン部は
上死点に位置することになる。このため、両グループの
ピン部では、実際の位相は180°異なるものの、加熱
コイルに対するピン部の相対位置は全ピンで同一とな
る。
【0020】このように、加熱コイルに対するピン部の
相対位置が全ピンで同一となれば、各ピン部の位相差に
よるヒートマス変化の違いはなくなり、その結果、各加
熱コイルの出力をグループに関係なく同じように調整す
ればよく、この調整は高周波電源の出力調整により広範
囲に行うことができるのである。
【0021】従って、本発明に係る高周波焼入方法及び
高周波焼入装置では、位相が180°異なる2種類のピ
ン部を、同時に且つ均一に焼入することが可能になる。
【0022】なお、位相が異なる2種類のクランクピン
に反対側から加熱コイルを対向させる焼入技術は特開平
9−111353号公報に記載されているが、ここにお
けるクランクシャフトは多気筒用エンジンに使用される
ものではなく、2種類のクランクピンの位相の違いは僅
かである。従って、加熱コイルを反対側から対向させて
も、本発明のようにクランクピンの位相差によるヒート
マスの違いを吸収することは不可能である。加熱コイル
を反対側から対向させる目的は、加熱コイルの相互衝突
を防止することと判断される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の実施形態に係る高周
波焼入装置の概略側面図、図2は同高周波焼入装置の概
略正面図である。
【0024】本発明の実施形態に係る高周波焼入装置
は、4気筒エンジン用クランクシャフト10に設けられ
た4つのピン部11,12,13,14の表面焼入に使
用されるものであって、そのクランクシャフト10を水
平に支持する一対のセンターピン60,60と、一方の
センターピン60を回転させることによりクランクシャ
フト10を回転させる回転駆動部70と、水平に支持さ
れたクランクシャフト10の4つのピン部11,12,
13,14をそれぞれ加熱する4つの加熱コイル21,
22,23,24と、加熱コイル21,22,23,2
4にそれぞれ通電を行う4つのカレントトランス41,
42,43,44とを備えている。
【0025】クランクシャフト10の4つのピン部1
1,12,13,14は中心軸に対して偏心した位置に
あり、両端の2つのピン部11,14の位相は中央の2
つのピン部12,13の位相に対して180°ずれてい
る。
【0026】4つの加熱コイル21,22,23,24
及びカレントトランス41,42,43,44は、ピン
部11,12,13,14の位相によって2グループに
分けられている。両端のピン部11,14に対応する加
熱コイル21,24及びカレントトランス41,44
は、クランクシャフト10の中心軸を挟む一方の側に配
置され、中央のピン部12,13に対応する加熱コイル
22,23及びカレントトランス42,43は、クラン
クシャフト10の中心軸を挟む他方の側に配置されてい
る。
【0027】更に具体的には、加熱コイル21,22,
23,24は、いずれもクランクシャフト10の側に開
放する半開放鞍型コイルである。
【0028】カレントトランス41,44は、クランク
シャフト10の中心軸に直角な水平方向のガイド45A
と鉛直方向のガイド46Aにより、これら2方向へ移動
可能に支持されている。カレントトランス41,44の
各出力リード47Aには加熱コイル21,24がそれぞ
れ接続されている。加熱コイル21,24は、上述した
通り、クランクシャフト10の中心軸を挟む一方の側に
配置され、クランクシャフト10のピン部11,14の
各外面に真横から対向している。
【0029】同様に、カレントトランス42,43は、
クランクシャフト10の中心軸に直角な水平方向のガイ
ド45Bと鉛直方向のガイド46Bにより、これら2方
向へ移動可能に支持されている。カレントトランス4
2,43の各出力リード47Bには加熱コイル22,2
3がそれぞれ接続されている。加熱コイル22,23
は、上述した通り、クランクシャフト10の中心軸を挟
む他方の側に配置され、クランクシャフト10のピン部
12,13の各外面に真横から対向している。
【0030】即ち、両端のピン部11,14に対応する
加熱コイル21,24と、中央のピン部12,13に対
応する加熱コイル22,23は、位相が180°ずれて
配置されており、前者は所謂9:00の位置にあるのに
対し、後者は所謂3:00の位置に設けられている。そ
して、クランクシャフト10のピン部11,14に加熱
コイル21,24をセットしたり、クランクシャフト1
0の回転に伴うピン部11,14の旋回動作に加熱コイ
ル21,24を追従させるために、カレントトランス4
1,44は、クランクシャフト10の中心軸に直角な2
方向へ移動可能に支持されており、同様に、カレントト
ランス42,43は、クランクシャフト10のピン部1
2,13に加熱コイル22,23をセットしたり、クラ
ンクシャフト10の回転に伴うピン部12,13の旋回
動作に加熱コイル22,23を追従させるために、クラ
ンクシャフト10の中心軸に直角な2方向へ移動可能に
支持されている。
【0031】カレントトランス41,42,43,44
を2方向へ移動させる方法としては、例えばクランクシ
ャフト10のピン部11,12,13,14の旋回動作
を、加熱コイル21,22,23,24を介してカレン
トトランス41,42,43,44に伝達する機械的な
方法と、クランクシャフト10の回転角度位相に基づい
てカレントトランス41,42,43,44を制御駆動
する電気的な方法とがある。
【0032】カレントトランス41,42,43,44
の一次側は、高周波電源50に並列に接続されている。
高周波電源50は、制御部90により、クランクシャフ
ト10の回転角度位相に基づいて出力が調整される。
【0033】具体的には、ピン部11,14が9:00
の位置にあるときを起点として、3:00の位置に向か
うに連れて電源電圧が上昇し、3:00の位置で最大電
圧となった後、9:00の位置に向かうに連れて電源電
圧が低下し、9:00の位置で最低電圧となるように、
高周波電源50の出力が調整される。これにより、ピン
部12,13については、3:00の位置にあるときを
起点として、9:00の位置に向かうに連れて電源電圧
が上昇し、9:00の位置で最大電圧となった後、3:
00の位置に向かうに連れて電源電圧が低下し、3:0
0の位置で最低電圧となるように、高周波電源50の出
力が調整されることになる。
【0034】次に、本発明の実施形態に係る高周波焼入
装置の機能について説明する。
【0035】加熱コイル21,22,23,24を両側
に退避させた状態でセンターピン60,60間にクラン
クシャフト10をセットする。加熱コイル21,22,
23,24を両側から接近させてピン部11,12,1
3,14の各外面にそれぞれ対向させる。この状態で回
転駆動部70を作動させてクランクシャフト10を回転
させ、同時に高周波電源50を作動させ、その出力を制
御部90により制御する。クランクシャフト10が1回
転するときの状況は以下の通りである。
【0036】ピン部11,14が9:00の位置にある
とき、ピン部12,13は3:00の位置にある。いず
れのピン部も、それぞれの加熱コイルの側から見れば、
加熱コイルの側に最も接近しており、ヒートマスは最小
である。このとき、高周波電源50の出力は最小であ
る。
【0037】ピン部11,14が3:00の位置に接近
するとき、ピン部12,13は9:00の位置に接近す
る。いずれのピン部も、それぞれの加熱コイルの側から
離反し、ヒートマスは増大する。このとき、高周波電源
50の出力は増大する。
【0038】ピン部11,14が3:00の位置に到達
したとき、ピン部12,13は9:00の位置に到達す
る。いずれのピン部も、それぞれの加熱コイルの側から
最も離反し、ヒートマスは最大となる。このとき、高周
波電源50の出力は最大となる。
【0039】ピン部11,14が9:00の位置に接近
するとき、ピン部12,13は3:00の位置に接近す
る。いずれのピン部も、それぞれの加熱コイルの側に接
近し、ヒートマスは減少する。このとき、高周波電源5
0の出力は減少する。
【0040】ピン部11,14が9:00の位置に戻っ
たとき、ピン部12,13は3:00の位置に戻る。い
ずれのピン部も、それぞれの加熱コイルの側に最も接近
し、ヒートマスは最小となる。このとき、高周波電源5
0の出力は最小となる。
【0041】このように、本発明の実施形態に係る高周
波焼入装置では、ピン部11,14を加熱する加熱コイ
ル21,24の位置的な位相を、ピン部12,13を加
熱する加熱コイル22,23の位置的な位相に対して1
80°ずらせているため、ピン部11,14の位相とピ
ン部12,13の位相が180°ずれているいるにもか
かわらず、各ピン部の加熱コイルに対する相対位置は同
じになり、それぞれのヒートマス変化が揃う。その結
果、高周波電源50の出力を調整し、加熱コイル21,
22,23,24の出力を同期して同等に制御すること
により、ピン部11,12,13,14の各外面は同時
に全周が均一に加熱される。
【0042】加熱が終わると、ピン部11,12,1
3,14の各外面に焼入液を散布して焼入層を形成す
る。
【0043】上記実施形態では、ピン部11,14を加
熱する加熱コイル21,24を9:00の位置に配置
し、ピン部12,13を加熱する加熱コイル22,23
を3:00の位置に配置しているが、位相差として18
0°が確保されるならば、この配置に限定されないこと
は言うまでもない。また、その位相差については、完全
に180°である必要はなく、若干のずれは許容され
る。
【0044】対象ワークについては、4気筒エンジン用
クランクシャフトに限定されるものではなく、位相が1
80°異なる2種類のピン部を有するものであれば、そ
の種類は問わない。例えば、2気筒エンジン用クランク
シャフト、8気筒エンジン用クランクシャフトが対象ワ
ークとなる。
【0045】
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明に係るクラン
クシャフトの高周波焼入方法及び高周波焼入装置は、位
相が180°異なる2種類のピン部を有するクランクシ
ャフトの各ピン部を高周波焼入するに当たり、2種類の
ピン部の位相差に応じて加熱コイルの位置的な位相を違
え、クランクシャフトの回転に伴う各ピン部のヒートマ
ス変化を揃えることにより、これまで不可能であった全
ピン同時の均一焼入を可能にし、これにより焼入能率を
飛躍的に高め、焼入コストを大幅に低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る高周波焼入装置の概略
側面図である。
【図2】同高周波焼入装置の概略正面図である。
【図3】従来の高周波焼入装置の概略構成図である。
【符号の説明】
10 クランクシャフト 11,12,13,14 ピン部 21,22,23,24 加熱コイル 31,32,33,34 スイッチ 41,42,43,44 カレントトランス 50 高周波電源 60 センターピン 70 回転駆動部 90 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05B 6/40 H05B 6/40 6/44 6/44 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/00 - 9/44 C21D 9/50 C21D 1/02 - 1/84 H05B 6/06 - 6/10 H05B 6/36 - 6/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相が180°異なる2種類のピン部を
    有するクランクシャフトを支持し、支持されたクランク
    シャフトの中心軸を挟んで対向する2位置のうちの一方
    から、2種類のピン部のうちの一方のピン部外面に加熱
    コイルを対向させると共に、2位置のうちの他方から、
    2種類のピン部のうちの他方のピン部外面に加熱コイル
    を対向させ、支持されたクランクシャフトを回転させる
    一方、全ての加熱コイルの出力を互いに同等に保ちつつ
    前記クランクシャフトの回転角度に応じて変化させるよ
    うにしたことを特徴とするクランクシャフトの高周波焼
    入方法。
  2. 【請求項2】 全ての加熱コイルの出力を互いに同等に
    保ちつつ前記クランクシャフトの回転角度に応じて変化
    させるに当たり、各加熱コイルにカレントトランスを介
    して接続される共通の高周波電源の出力を前記クランク
    シャフトの回転角度に応じて変化させるようにしたこと
    を特徴とする請求項1に記載の高周波焼入方法。
  3. 【請求項3】 位相が180°異なる2種類のピン部を
    有するクランクシャフトの各ピン部外面を高周波誘導加
    熱して焼入する高周波焼入装置であって、出力調節が可
    能な高周波電源と、前記クランクシャフトを支持して回
    転させる手段と、支持されたクランクシャフトの中心軸
    を挟んで対向する2位置に配置され、その一方が、2種
    類のピン部のうちの一方のピン部外面に対向し、他方
    が、2種類のピン部のうちの他方のピン部外面に対向
    し、いずれもがクランクシャフトの回転に伴う各ピン部
    の旋回動作にそれぞれ追従するように構成された2種類
    の加熱コイルと、各加熱コイルに対応して設けられ、一
    次側が前記高周波電源に並列に接続され、二次側が各加
    熱コイルにそれぞれ接続された複数のカレントトランス
    とを具備することを特徴とするクランクシャフトの高周
    波焼入装置。
JP21976798A 1998-07-17 1998-07-17 クランクシャフトの高周波焼入方法及び高周波焼入装置 Expired - Lifetime JP3350452B2 (ja)

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