JP3309246B2 - クランクシャフトの高周波焼入方法及び高周波焼入装置 - Google Patents

クランクシャフトの高周波焼入方法及び高周波焼入装置

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JP3309246B2
JP3309246B2 JP29611098A JP29611098A JP3309246B2 JP 3309246 B2 JP3309246 B2 JP 3309246B2 JP 29611098 A JP29611098 A JP 29611098A JP 29611098 A JP29611098 A JP 29611098A JP 3309246 B2 JP3309246 B2 JP 3309246B2
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quenching station
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多気筒エンジンに
使用されるクランクシャフトの高周波焼入方法及び高周
波焼入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多気筒エンジンに使用されるクランクシ
ャフトの各ピン部には、高周波誘導加熱を用いた表面焼
入が施される。この高周波焼入の一般的な方法を、図1
3に基づき4気筒エンジン用クランクシャフトの場合に
ついて説明する。
【0003】クランクシャフト10は、その中心軸方向
に間隔をあけて設けられた4つのピン部11,12,1
3,14を有している。4つのピン部11,12,1
3,14は中心軸に対して偏心した位置にあり、両端の
2つのピン部11,14の位相は中央の2つのピン部1
2,13の位相に対して180°ずれている。
【0004】高周波焼入装置は、クランクシャフト10
を水平に支持して回転させる手段をもつ焼入ステーショ
ンを備えている。焼入ステーションでは、水平に支持さ
れたクランクシャフト10の4つのピン部11,12,
13,14が4つの加熱コイル21,22,23,24
により加熱される。各加熱コイルは、下方に開放する半
開放鞍型コイルであって、各ピン部の外面に上方から対
向しており、クランクシャフト10の回転に伴う各ピン
部の旋回動作にそれぞれ追従するように構成されてい
る。そして、ピン部11,12,13,14の加熱のた
めに、4つの加熱コイル21,22,23,24はカレ
ントトランス41,42,43,44の二次側にそれぞ
れ接続され、カレントトランス41,42,43,44
の一次側は、スイッチ31,32,33,34を介して
高周波電源50に並列に接続されている。
【0005】ところで、このような高周波焼入装置を用
いたピン部11,12,13,14の表面焼入では、各
ピン部のヒートマスがその旋回角度位相により変化す
る。即ち、ピン部はクランクシャフト10の回転に伴っ
てその中心軸回りを自転しながら公転するが、加熱コイ
ルは常にピン部外面に上方から対向し、自転を伴わずに
公転するため、ピン部外面のほぼ上半部を加熱する。こ
のため、ピン部が下死点近傍に位置するときは、加熱部
が両側のジャーナル部に挟まれ、加熱部から両側のジャ
ーナル部への熱逸散が顕著な状態になるが、ピン部が上
死点近傍に位置するときは、加熱部が単独で上方に突出
するため、この熱逸散が抑制される状態になる。従っ
て、ピン部の旋回角度位相によるヒートマス変化は避け
られないものとなる。
【0006】このピン部のヒートマス変化のため、焼入
では加熱コイルの出力をピン部の旋回角度位相に応じて
調整し、焼入範囲及び焼入深さをピン部の全周にわたっ
て均一化する必要がある。また、その出力調整の方法と
しては、高周波電源50の出力調整によるものが一般的
である。
【0007】ところが、両端の2つのピン部11,14
と中央の2つのピン部12,13とでは位相が180°
ずれているため、高周波電源50の出力を調整すること
はできない。なぜなら、高周波電源50の出力を調整す
ると、4つの加熱コイル21,22,23,24は同期
して同等に出力調整されるからである。このため、4つ
のピン部を位相によって2グループに分け、高周波電源
50の出力を調整しながら一方のグループを焼入した
後、同様に他方のグループを焼入する手順が踏まれる。
この同一ステーションでの2回焼入のために、スイッチ
31,32,33,34が切り替え操作される。
【0008】しかしながら、このような同一ステーショ
ンでの2回焼入では、焼入時間が長くなり、能率の低下
が大きな問題になる。この問題を解決するために、同一
焼入ステーションで全てのピン部を同時に焼入する技術
が特公昭61−887号公報により提示されている。こ
の技術は本出願人が先に開発したもので、カレントトラ
ンス41,42,43,44の各一次側又は各二次側に
誘導方式の疑似負荷をそれぞれ設けたものである。
【0009】同一ステーションでの全ピン同時焼入で
は、高周波電源50の出力は一定に固定され、代わりに
誘導方式の疑似負荷が各カレントトランスに設けられ
る。各疑似負荷はテーパ形状の導体からなり、トランス
リードの一部に設けたインダクタ(コイル)がこの導体
に非接触で外嵌し、このインダクタがクランクシャフト
10の回転角度位相に対応して導体の軸方向に往復移動
することにより、インダクタの内側に位置する疑似負荷
の有効体積が変化し、二次側の出力が調整されることに
なる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような誘導疑似負
荷を用いた同一ステーションでの全ピン同時焼入技術に
よると、高周波電源50の出力を一定にしたまで、加熱
コイル21,22,23,24の各出力がピン部11,
12,13,14の旋回角度位相に対応して調節される
ので、理論上はピン部11,12,13,14の各外面
が全周にわたって均一に加熱され、焼入される。しか
し、実際は出力の調整範囲が狭く、同一ステーションで
の全ピン同時の全周均一焼入は困難であった。
【0011】加熱コイル21,22,23,24の各出
力を比較的広範囲に調整できる技術としては、カレント
トランス41,42,43,44の各二次側に出力バラ
ンサを設けるものが、実開昭63−6877号公報によ
り提示されている。この技術も本出願人が先に開発した
ものであり、基本的には前述した技術と同様に、誘導方
式の疑似負荷を用いるものである。
【0012】即ち、各出力バランサは、トランスリード
の途中に設けられたインダクタ(コイル)と、これに進
退可能に挿入される棒状の導体部とにより構成されてい
る。疑似負荷である導体部は、ここではフェライト、空
間、銅を軸方向に重ねあわせた構造になっており、イン
ダクタの内側にこれらを選択的に位置させることによ
り、出力の調整を行う。
【0013】この技術では、疑似負荷の材質が変更され
るので、有効体積が変更されるものよりも、出力の調整
範囲は広くなる。しかし、この技術を適用しても、同一
焼入ステーションでの全ピン同時の全周均一焼入は依然
として困難であった。
【0014】即ち、出力バランサを用いても出力の調整
比はせいぜい20%である。一方、全ピン同時の全周均
一焼入を行うためには、少なくても30%以上の調整比
が必要である。この調整比は、現状では高周波電源の出
力調整でしか得られない。
【0015】同様の問題は、4気筒エンジン用クランク
シャフトだけでなく、同様に位相が180°異なる2種
類のピン部をもつ2気筒エンジン用クランクシャフト
や、位相が120°異なる3種類のピン部をもつ3気筒
エンジン用クランクシャフト、6気筒エンジン用クラン
クシャフトにおいても存在している。
【0016】本発明はかかる事情に鑑みて創案されたも
のであり、同一ステーションでの全ピン同時焼入にほぼ
匹敵する高能率で、全ピン外面の均一焼入を行うことが
できるクランクシャフトの高周波焼入方法及び高周波焼
入装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1のクランクシャフトの高周波焼入
方法は、位相が180°異なる2種類のピン部を有する
2気筒エンジン用又は4気筒エンジン用のクランクシャ
フトの各ピン部外面を高周波誘導加熱して焼入するクラ
ンクシャフトの高周波焼入方法であって、2本のクラン
クシャフトを第1焼入ステーションと第2焼入ステーシ
ョンで位相を180°違えて支持し、第1焼入ステーシ
ョンでは、当該焼入ステーションに支持されたクランク
シャフトの2種類のピン部のうちの一方のピン部外面に
第1加熱コイルを対向させると共に、第2焼入ステーシ
ョンでは、当該焼入ステーションに支持されたクランク
シャフトの2種類のピン部のうちの他方のピン部外面
に、第1加熱コイルと同方向から第2加熱コイルを対向
させ、第1焼入ステーションと第2焼入ステーションで
それぞれのクランクシャフトを位相が180°相違する
状態のまま同期して回転させる一方、第1加熱コイル、
第2加熱コイルの各出力を互いに同等に保ちつつ前記ク
ランクシャフトの回転角度に応じて変化させ、これによ
位相が180°異なる2種類のピン部の各外面を同時
に焼入することを特徴とする。
【0018】本発明に係る第2のクランクシャフトの高
周波焼入方法は、位相が120°異なる3種類のピン部
を有する3気筒エンジン用又は6気筒エンジン用のクラ
ンクシャフトの各ピン部外面を高周波誘導加熱して焼入
するクランクシャフトの高周波焼入方法であって、3本
のクランクシャフトを第1焼入ステーション、第2焼入
ステーション及び第3ステーションで位相を120°違
えて支持し、第1焼入ステーションでは、当該焼入ステ
ーションに支持されたクランクシャフトの3種類のピン
部のうちの第1ピン部外面に第1加熱コイルを対向さ
せ、第2焼入ステーションでは、当該焼入ステーション
に支持されたクランクシャフトの3種類のピン部のうち
の第2ピン部外面に、第1加熱コイルと同方向から第2
加熱コイルを対向させ、第3焼入ステーションでは、当
該焼入ステーションに支持されたクランクシャフトの3
種類のピン部のうちの第3ピン部外面に、第1加熱コイ
ル及び第2加熱コイルと同方向から第3加熱コイルを対
向させ、第1焼入ステーション、第2焼入ステーション
及び第3ステーションでそれぞれのクランクシャフトを
位相が120°相違する状態のまま同期して回転させる
一方、第1加熱コイル、第2加熱コイル、第3加熱コイ
ルの各出力を互いに同等に保ちつつ前記クランクシャフ
トの回転角度に応じて変化させ、これにより位相が12
0°異なる3種類のピン部の各外面を同時に焼入するこ
とを特徴とする。
【0019】本発明に係る第3のクランクシャフトの高
周波焼入方法は、位相が120°異なる3種類のピン部
を有する3気筒エンジン用又は6気筒エンジン用のクラ
ンクシャフトの各ピン部外面を高周波誘導加熱して焼入
するクランクシャフトの高周波焼入方法であって、3本
のクランクシャフトの一本を第1焼入ステーションで支
持すると共に、他の2本を第2焼入ステーション及び第
3ステーションで位相を120°違えて支持し、第1焼
入ステーションでは、当該焼入ステーションに支持され
たクランクシャフトの3種類のピン部のうちの第1ピン
部外面に第1加熱コイルを対向させ、第2焼入ステーシ
ョンでは、当該焼入ステーションに支持されたクランク
シャフトの3種類のピン部のうちの第2ピン部外面に第
2加熱コイルを対向させ、第3焼入ステーションでは、
当該焼入ステーションに支持されたクランクシャフトの
3種類のピン部のうちの第3ピン部外面に、第2加熱コ
イルと同方向から第3加熱コイルを対向させ、第1焼入
ステーションでクランクシャフトを回転させながら第1
加熱コイルの出力を前記クランクシャフトの回転角度に
応じて変化させ、と同時に、第2焼入ステーション及び
第3ステーションではそれぞれのクランクシャフトを位
相が120°相違する状態のまま同期して回転させる一
方、第2加熱コイル、第3加熱コイルの各出力を互いに
同等に保ちつつ前記クランクシャフトの回転角度に応じ
て変化させ、これにより位相が120°異なる3種類の
ピン部の各外面を同時に焼入することを特徴とする。
【0020】また、本発明に係る第1のクランクシャフ
トの高周波焼入装置は、位相が180°異なる2種類の
ピン部を有する2気筒エンジン用又は4気筒エンジン用
のクランクシャフトの各ピン部外面を高周波誘導加熱し
て焼入するクランクシャフトの高周波焼入装置であっ
て、2本のクランクシャフトを2箇所で同時に支持して
焼入するために第1焼入ステーション及び第2焼入ステ
ーションを備えており、第1焼入ステーションは、当該
焼入ステーションに支持されたクランクシャフトを回転
させる第1回転駆動部と、当該クランクシャフトの2種
類のピン部のうちの一方のピン部外面に対向する第1加
熱コイルとを有しており、第2焼入ステーションは、当
該焼入ステーションに支持されたクランクシャフトを回
転させる第2回転駆動部と、当該クランクシャフトの2
種類のピン部のうちの他方のピン部外面に対向する第2
加熱コイルとを有しており、第1回転駆動部及び第2回
転駆動部はそれぞれのクランクシャフトを同時に同期し
て回転させ、第1加熱コイル及び第2加熱コイルはそれ
ぞれのクランクシャフトのピン部外面に同方向から対向
し、且つ出力調節が可能な共通の高周波電源から給電さ
れることを特徴とする。
【0021】本発明に係る第2のクランクシャフトの高
周波焼入装置は、位相が120°異なる3種類のピン部
を有する3気筒エンジン用又は6気筒エンジン用のクラ
ンクシャフトの各ピン部外面を高周波誘導加熱して焼入
するクランクシャフトの高周波焼入装置であって、3本
のクランクシャフトを3箇所で同時に支持して焼入する
ために第1焼入ステーション、第2焼入ステーション及
び第3焼入ステーションを備えており、第1焼入ステー
ションは、当該焼入ステーションに支持されたクランク
シャフトを回転させる第1回転駆動部と、当該クランク
シャフトの3種類のピン部のうちの第1ピン部外面に対
向する第1加熱コイルとを有しており、第2焼入ステー
ションは、当該焼入ステーションに支持されたクランク
シャフトを回転させる第2回転駆動部と、当該クランク
シャフトの3種類のピン部のうちの第2ピン部外面に対
向する第2加熱コイルとを有しており、第3焼入ステー
ションは、当該焼入ステーションに支持されたクランク
シャフトを回転させる第3回転駆動部と、当該クランク
シャフトの3種類のピン部のうちの第3ピン部外面に対
向する第3加熱コイルとを有しており、第1回転駆動
部、第2回転駆動部及び第3回転駆動部はそれぞれのク
ランクシャフトを同時に同期して回転させ、第1加熱コ
イル、第2加熱コイル及び第3加熱コイルはそれぞれの
クランクシャフトのピン部外面に同方向から対向し、且
つ出力調節が可能な共通の高周波電源から給電されるこ
とを特徴とする。
【0022】本発明に係る第3のクランクシャフトの高
周波焼入装置は、位相が120°異なる3種類のピン部
を有する3気筒エンジン用又は6気筒エンジン用のクラ
ンクシャフトの各ピン部外面を高周波誘導加熱して焼入
するクランクシャフトの高周波焼入装置であって、3本
のクランクシャフトを3箇所で同時に支持して焼入する
ために第1焼入ステーション、第2焼入ステーション及
び第3焼入ステーションを備えており、第1焼入ステー
ションは、当該焼入ステーションに支持されたクランク
シャフトを回転させる第1回転駆動部と、当該クランク
シャフトの3種類のピン部のうちの第1ピン部外面に対
向する第1加熱コイルとを有しており、第2焼入ステー
ションは、当該焼入ステーションに支持されたクランク
シャフトを回転させる第2回転駆動部と、当該クランク
シャフトの3種類のピン部のうちの第2ピン部外面に対
向する第2加熱コイルとを有しており、第3焼入ステー
ションは、当該焼入ステーションに支持されたクランク
シャフトを回転させる第3回転駆動部と、当該クランク
シャフトの3種類のピン部のうちの第3ピン部外面に対
向する第3加熱コイルとを有しており、第2回転駆動部
及び第3回転駆動部はそれぞれのクランクシャフトを同
時に同期して回転させ、第2加熱コイル及び第3加熱コ
イルはそれぞれのクランクシャフトのピン部外面に同方
向から対向し、且つ出力調節が可能な共通の高周波電源
から給電されることを特徴とする。
【0023】本発明に係る第1のクランクシャフトの高
周波焼入方法及び高周波焼入装置では、多気筒エンジン
に使用されるクランクシャフトのうち、特に位相が18
0°異なる2種類のピン部を有する2気筒エンジン用ク
ランクシャフト又は4気筒エンジン用クランクシャフト
が対象ワークとされる。そして、そのクランクシャフト
の2本が2つの焼入ステーション(第1焼入ステーショ
ン及び第2焼入ステーション)で同時に支持され、第1
焼入ステーションではそのクランクシャフトの2種類の
ピン部のうちの一方のピン部外面が焼入され、第2焼入
ステーションではそのクランクシャフトの2種類のピン
部のうちの他方のピン部外面が焼入される。つまり、2
種類のピン部を位相によって第1ピン部と第2ピン部に
分けると、第1ピン部と第2ピン部は第1焼入ステーシ
ョンと第2焼入ステーションでそれぞれ同時に焼入され
る。
【0024】更に詳しく説明すれば、第1焼入ステーシ
ョンと第2焼入ステーションでは、それぞれのクランク
シャフトが位相を180°違えて支持される。それぞれ
の加熱コイル(第1加熱コイル、第2加熱コイル)は、
同じ方向、好ましくは真上からピン部の外面に対向す
る。そして、それぞれのクランクシャフトが位相を18
0°違えたまま同期して回転しながら、その回転角度に
応じて第1加熱コイルの出力と第2加熱コイルの出力が
同期して同等に調整される。
【0025】このような2ステーションでの同時焼入に
よると、第1焼入ステーション内で焼入されるクランク
シャフトのピン部、即ち第1ピン部と、第2焼入ステー
ション内で焼入されるクランクシャフトのピン部、即ち
第2ピン部は、同じ回転角度位相で回転し、それぞれの
加熱コイルから見た回転角度位相も同一となる。その結
果、第1ピン部と第2ピン部の位相差によるヒートマス
の違いはなくなり、第1加熱コイル及び第2加熱コイル
の出力を同じように調整すれば、ヒートマス変化による
加熱の不均一が解消される。そして、このような加熱コ
イルの出力調整は高周波電源の出力調節により広範囲に
行われる。
【0026】従って、本発明に係る第1のクランクシャ
フトの高周波焼入方法及び高周波焼入装置では、位相が
異なる2種類のピン部が同時に、しかも均一に焼入され
る。また、能率については、2ステーションが使用され
るため、2種類のピン部が同時に焼入されるため、同一
ステーションで2種類のピン部を順番に焼入する場合に
比べると格段に能率が上がり、同一ステーションでの全
ピン同時焼入に匹敵する能率が確保される。
【0027】本発明に係る第2のクランクシャフトの高
周波焼入方法及び高周波焼入装置では、多気筒エンジン
に使用されるクランクシャフトのうち、特に位相が12
0°異なる3種類のピン部を有する3気筒エンジン用ク
ランクシャフト又は6気筒エンジン用クランクシャフト
が対象ワークとされる。そして、そのクランクシャフト
の3本が3つの焼入ステーション(第1焼入ステーショ
ン、第2焼入ステーション及び第3焼入ステーション)
で同時に支持され、第1焼入ステーションではそのクラ
ンクシャフトの3種類のピン部のうちの第1ピン部外面
が焼入され、第2焼入ステーションではそのクランクシ
ャフトの3種類のピン部のうちの第2ピン部外面が焼入
され、第3焼入ステーションではそのクランクシャフト
の3種類のピン部のうちの第3ピン部外面が焼入され
る。
【0028】具体的には、第1焼入ステーション、第2
焼入ステーション及び第3焼入ステーションでは、それ
ぞれのクランクシャフトが位相を120°違えて支持さ
れる。それぞれの加熱コイル(第1加熱コイル、第2加
熱コイル及び第3加熱コイル)は、同じ方向、好ましく
は真上からピン部の外面に対向する。そして、それぞれ
のクランクシャフトが位相を120°違えたまま同期し
て回転しながら、その回転角度に応じて第1加熱コイル
の出力、第2加熱コイルの出力及び第3加熱コイルの出
力が同期して同等に調整されることにより、位相が異な
る3種類のピン部が同時に、しかも均一に焼入される。
【0029】能率については、3ステーションが使用さ
れるため、3種類のピン部が同時に焼入されるため、同
一ステーションで3種類のピン部を順番に焼入する場合
に比べると格段に能率が上がり、同一ステーションでの
全ピン同時焼入に匹敵する能率が確保される。
【0030】本発明に係る第3のクランクシャフトの高
周波焼入方法及び高周波焼入装置では、多気筒エンジン
に使用されるクランクシャフトのうち、特に位相が12
0°異なる3種類のピン部を有する3気筒エンジン用ク
ランクシャフト又は6気筒エンジン用クランクシャフト
が対象ワークとされる。そして、そのクランクシャフト
の3本が3つの焼入ステーション(第1焼入ステーショ
ン、第2焼入ステーション及び第3焼入ステーション)
で同時に支持され、第1焼入ステーションではそのクラ
ンクシャフトの3種類のピン部のうちの第1ピン部外面
が焼入され、第2焼入ステーションではそのクランクシ
ャフトの3種類のピン部のうちの第2ピン部外面が焼入
され、第3焼入ステーションではそのクランクシャフト
の3種類のピン部のうちの第3ピン部外面が焼入され
る。
【0031】具体的には、第2焼入ステーション及び第
3焼入ステーションでは、それぞれのクランクシャフト
が位相を120°違えて支持される。それぞれの加熱コ
イル(第2加熱コイル及び第3加熱コイル)は、同じ方
向、好ましくは真上からピン部の外面に対向する。そし
て、第1焼入ステーションでクランクシャフトの第1ピ
ン部の焼入を行うときに、第2焼入ステーション及び第
3焼入ステーションでは、それぞれのクランクシャフト
が位相を120°違えたまま同期して回転しながら、そ
の回転角度に応じて第2加熱コイルの出力及び第3加熱
コイルの出力が同期して同等に調整される。これによ
り、位相が異なる3種類のピン部が同時に、しかも均一
に焼入される。即ち、第2焼入ステーション及び第3焼
入ステーションで、本発明に係る第1のクランクシャフ
トの高周波焼入方法及び高周波焼入装置が用いられる。
このため、第1焼入ステーションでのクランクシャフト
の位相と、第2焼入ステーション及び第3焼入ステーシ
ョンでのクランクシャフトの位相との間では、特別な関
連性を必要としない。
【0032】能率については、3ステーションが使用さ
れるため、3種類のピン部が同時に焼入されるため、同
一ステーションで3種類のピン部を順番に焼入する場合
に比べると格段に能率が上がり、同一ステーションでの
全ピン同時焼入に匹敵する能率が確保される。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る
クランクシャフトの高周波焼入装置の概略構成図、図2
は同高周波焼入装置の概略正面図である。
【0034】本発明の第1実施形態に係るクランクシャ
フトの高周波焼入装置は、本発明に係る第1のクランク
シャフトの高周波焼入方法を実施するためのもので、本
発明に係る第1のクランクシャフトの高周波焼入装置に
属する。
【0035】この高周波焼入装置は、4気筒エンジン用
クランクシャフト10に設けられた4つのピン部11,
12,13,14の表面焼入に使用される。クランクシ
ャフト10の4つのピン部11,12,13,14は中
心軸に対して偏心した位置にあり、両端の2つのピン部
11,14(以下、第1ピン部という)の位相は中央の
2つのピン部12,13(以下、第2ピン部という)の
位相に対して180°ずれている。
【0036】この高周波焼入装置は、同じ種類の2本の
クランクシャフト10,10に同時並行的に焼入を行う
2つの焼入ステーションA,Bを備えている。焼入ステ
ーションA,Bは、ここではワークの搬送効率を上げる
ために隣接平行して設けられている。なお、以下の説明
では焼入ステーションAを第1焼入ステーションAと
し、焼入ステーションBを第2焼入ステーションBとす
る。
【0037】第1焼入ステーションAは、クランクシャ
フト10を水平に支持する一対の第1センターピン60
A,60Aと、一方の第1センターピン60Aを回転さ
せることによりクランクシャフト10を回転させる第1
回転駆動部70Aと、水平に支持されたクランクシャフ
ト10の両端の2つの第1ピン部11,14をそれぞれ
加熱する2つの第1加熱コイル21A,24Aと、第1
加熱コイル21A,24Aにそれぞれ通電を行う2つの
カレントトランス41A,44Aとを備えている。
【0038】第2焼入ステーションBは、クランクシャ
フト10を水平に支持する一対の第2センターピン60
B,60Bと、一方の第2センターピン60Bを回転さ
せることによりクランクシャフト10を回転させる第2
回転駆動部70Bと、水平に支持されたクランクシャフ
ト10の中央の2つの第2ピン部12,13をそれぞれ
加熱する2つの第2加熱コイル22B,23Bと、第2
加熱コイル22B,23Aにそれぞれ通電を行う2つの
カレントトランス42B,43Bとを備えている。
【0039】第1焼入ステーションAの第1加熱コイル
21A,24Aと第2焼入ステーションBの第2加熱コ
イル22B,23Bは、いずれも下方に開放する半開放
鞍型コイルであって、各下方のピン部外面に真上から対
向し、各上方のカレントトランスには電気的かつ機械的
に接続されている。
【0040】第1焼入ステーションAの第1カレントト
ランス41A,44A及び第2焼入ステーションBの第
2カレントトランス42B,43Bは、クランクシャフ
ト10の各ピン部に加熱コイルをセットしたり、クラン
クシャフト10の回転に伴うピン部の旋回動作に加熱コ
イルを追従させるために、図示されない周知の昇降機構
によりクランクシャフト10の中心軸に直角な2方向へ
移動可能に支持されている。各カレントトランスを2方
向へ移動させる方法としては、例えばクランクシャフト
10の各ピン部の旋回動作を、各加熱コイルを介して各
カレントトランスに伝達する機械的な方法と、クランク
シャフト10の回転角度位相に基づいて各カレントトラ
ンスを制御駆動する電気的な方法とがある。
【0041】第1カレントトランス41A,44Aの二
次側及び第2カレントトランス42B,43Bの二次側
は、上述した通り第1加熱コイル21A,24A及び第
2加熱コイル22B,23Bにそれぞれ電気的に接続さ
れている。第1カレントトランス41A,44Aの一次
側及び第2カレントトランス42B,43Bの一次側
は、第1焼入ステーションAと第2焼入ステーションB
の間で共用される高周波電源50に並列に接続されてい
る。
【0042】第1焼入ステーションAの第1センタピン
60A及び第2焼入ステーションBの第2センタピン6
0は、後で詳しく述べるが、クランクシャフト10,1
0をその位相を180°違えて支持する。第1焼入ステ
ーションAの第1回転駆動部70A及び第2焼入ステー
ションBの第2回転駆動部70Bは、第1焼入ステーシ
ョンAと第2焼入ステーションBの間で共用される制御
部90により同期制御されて、各ステーションのクラン
クシャフト10,10を同期回転させる。この制御部9
0は又、クランクシャフト10,10の回転角度位相に
基づいて高周波電源50の出力を以下のように調節す
る。
【0043】即ち、第1焼入ステーションAで支持され
たクランクシャフト10の第1ピン部11,14が上死
点に位置するときを起点として、下死点に向かうに連れ
て電源電圧が上昇し、下死点で最大電圧となった後、上
死点に向かうに連れて電源電圧が低下し、上死点で最低
電圧となるように、高周波電源50の出力が調整され
る。これにより、第2焼入ステーションBで支持された
クランクシャフト10の第2ピン部12,13について
は、上死点に位置するときを起点として、下死点に向か
うに連れて電源電圧が上昇し、下死点で最大電圧となっ
た後、上死点に向かうに連れて電源電圧が低下し、上死
点で最低電圧となるように、高周波電源50の出力が調
整されることになる。
【0044】次に、本発明の第1実施形態に係るクラン
クシャフトの高周波焼入装置の機能について説明する。
【0045】まず、第1焼入ステーションAで第1加熱
コイル21A,24Aを上方に退避させた状態で第1セ
ンターピン60A,60A間にクランクシャフト10を
セットすると共に、第2焼入ステーションBで第2加熱
コイル22B,23Bを上方に退避させた状態で第2セ
ンターピン60B,60B間に別のクランクシャフト1
0をセットする。
【0046】このとき、第1焼入ステーションAと第2
焼入ステーションBでは、クランクシャフト10,10
がその位相を180°違えて支持される。即ち、焼入ス
テーションAでクランクシャフト10をその第1ピン部
11,14が上死点に位置するように支持した場合は、
第2焼入ステーションBではクランクシャフト10をそ
の第1ピン部11,14が下死点に位置するように支持
する。これにより、第2焼入ステーションBで支持され
たクランクシャフト10の第2ピン部12,13は上死
点に位置し、第1焼入ステーションAで支持されたクラ
ンクシャフト10の第1ピン部11,14と同一位相と
なる。
【0047】次いで、第1焼入ステーションA及び第2
焼入ステーションBで第1加熱コイル21A,24A及
び第2加熱コイル22B,23Bを降下させて第1ピン
部11,14及び第2ピン部12,13の各外面に真上
からそれぞれ対向させる。
【0048】そして、この状態で第1回転駆動部70A
及び第2回転駆動部70Bを同期して作動させてクラン
クシャフト10,10を同期回転させ、同時に高周波電
源50を作動させ、その出力を制御する。
【0049】これにより、第1焼入ステーションAで支
持されたクランクシャフト10の第1ピン部11,14
と、第2焼入ステーションBで支持されたクランクシャ
フト10の第2ピン部12,13が、同時に、しかも高
周波電源50の広い範囲の出力制御により全周均一に加
熱される。
【0050】即ち、一方のクランクシャフト10の第1
ピン部11,14が上死点に位置するとき、他方のクラ
ンクシャフト10の第2ピン部12,13も上死点に位
置し、いずれのピン部も、それぞれの加熱コイルの側か
ら見れば、加熱コイルの側に最も接近しており、ヒート
マスは最小である。このとき、高周波電源50の出力は
最小である。
【0051】一方のクランクシャフト10の第1ピン部
11,14が下死点に接近するとき、他方のクランクシ
ャフト10の第2ピン部12,13も下死点に接近す
る。いずれのピン部も、それぞれの加熱コイルの側から
離反し、ヒートマスは増大する。このとき、高周波電源
50の出力は増大する。
【0052】一方のクランクシャフト10の第1ピン部
11,14が下死点に到達したとき、他方のクランクシ
ャフト10の第2ピン部12,13も下死点に到達す
る。いずれのピン部も、それぞれの加熱コイルの側から
最も離反し、ヒートマスは最大となる。このとき、高周
波電源50の出力は最大となる。
【0053】一方のクランクシャフト10の第1ピン部
11,14が上死点に接近するとき、他方のクランクシ
ャフト10の第2ピン部12,13も上死点に接近す
る。いずれのピン部も、それぞれの加熱コイルの側に接
近し、ヒートマスは減少する。このとき、高周波電源5
0の出力は減少する。
【0054】一方のクランクシャフト10の第1ピン部
11,14が上死点に戻ったとき、他方のクランクシャ
フト10の第2ピン部12,13も上死点に戻る。いず
れのピン部も、それぞれの加熱コイルの側に最も接近
し、ヒートマスは最小となる。このとき、高周波電源5
0の出力は最小となる。
【0055】このように、本発明の実施形態に係るクラ
ンクシャフトの高周波焼入装置では、第1焼入ステーシ
ョンAと第2焼入ステーションBで、それぞれのクラン
クシャフト10,10の位相を180°違えた上で、位
相が180°異なる2種類のピン部を加熱することによ
り、各ピン部の加熱コイルに対する相対位置は同じにな
り、それぞれのヒートマス変化が揃う。その結果、高周
波電源50の出力を調整し、各加熱コイルの出力を同期
して同等に制御することにより、各ピン部の外面は同時
に全周が均一に加熱される。
【0056】加熱が終わると、一方のクランクシャフト
10の第1ピン部11,14及び他方のクランクシャフ
ト10の第2ピン部12,13の各外面に焼入液を散布
して焼入層を形成する。
【0057】第1焼入ステーションAで第1ピン部1
1,14の焼入を終えたクランクシャフト10は、第2
焼入ステーションBに搬送され、ここで第2ピン部1
2,13の焼入が行われる。このとき、第1焼入ステー
ションAでは、新たに搬入されたクランクシャフト10
の第1ピン部11,14が焼入される。
【0058】第2焼入ステーションBで第2ピン部1
2,13の焼入を終えたクランクシャフト10は、先に
第1焼入ステーションAで第1ピン部11,14の焼入
を終えており、第2焼入ステーションBでの第2ピン部
12,13の焼入の終了後にジャーナル部の焼入が行わ
れる。
【0059】このように、本発明の実施形態に係るクラ
ンクシャフトの高周波焼入装置では、第1焼入ステーシ
ョンA及び第2焼入ステーションBで第1ピン部11,
14及び第2ピン部12,13の焼入が同時並行して行
われるため、同一ステーションで2種類のピン部を順番
に焼入する場合に比べると格段に能率が上がり、同一ス
テーションでの全ピン同時焼入に匹敵する高能率が確保
される。
【0060】上記実施形態では、第1加熱コイル21
A,24A及び第2加熱コイル22B,23Bをワーク
支持位置の真上に配置しているが、それぞれが同じ方向
からワークに対向するならば、この配置位置は特に限定
されない。
【0061】図3は本発明の第2実施形態に係るクラン
クシャフトの高周波焼入装置の概略構成図、図4は同高
周波焼入装置の概略正面図である。
【0062】本発明の第2実施形態に係るクランクシャ
フトの高周波焼入装置は、本発明に係る第1のクランク
シャフトの高周波焼入方法を実施するためのもので、本
発明に係る第1のクランクシャフトの高周波焼入装置に
属する。
【0063】この高周波焼入装置は、2気筒エンジン用
クランクシャフト10に設けられた2つのピン部11,
12の表面焼入に使用される。クランクシャフト10の
2つのピン部11,12は中心軸に対して偏心した位置
にあり、その位相差は180°である。
【0064】この高周波焼入装置は、同じ種類の2本の
クランクシャフト10,10に同時並行的に焼入を行う
2つの焼入ステーションA,Bを備えている。焼入ステ
ーションA,Bは、ここではワークの搬送効率を上げる
ために隣接平行して設けられている。第1焼入ステーシ
ョンAは、クランクシャフト10を水平に支持する一対
の第1センターピン60A,60Aと、一方の第1セン
ターピン60Aを回転させることによりクランクシャフ
ト10を回転させる第1回転駆動部70Aと、水平に支
持されたクランクシャフト10の第1ピン部11を加熱
する第1加熱コイル21Aと、第1加熱コイル21Aに
通電を行うカレントトランス41Aとを備えている。
【0065】第2焼入ステーションBは、クランクシャ
フト10を水平に支持する一対の第2センターピン60
B,60Bと、一方の第2センターピン60Bを回転さ
せることによりクランクシャフト10を回転させる第2
回転駆動部70Bと、水平に支持されたクランクシャフ
ト10の第2ピン部12を加熱する第2加熱コイル22
Bと、第2加熱コイル22Bに通電を行うカレントトラ
ンス42Bとを備えている。
【0066】第1焼入ステーションAの第1加熱コイル
21A及び第2焼入ステーションBの第2加熱コイル2
2Bは、いずれも下方に開放する半開放鞍型コイルであ
って、各下方のピン部外面に真上から対向し、各上方の
カレントトランスには電気的かつ機械的に接続されてい
る。
【0067】第1焼入ステーションAの第1カレントト
ランス41A及び第2焼入ステーションBの第2カレン
トトランス42Bは、クランクシャフト10の各ピン部
に加熱コイルをセットしたり、クランクシャフト10の
回転に伴うピン部の旋回動作に加熱コイルを追従させる
ために、図示されない周知の昇降機構によりクランクシ
ャフト10の中心軸に直角な2方向へ移動可能に支持さ
れている。各カレントトランスを2方向へ移動させる方
法としては、例えばクランクシャフト10の各ピン部の
旋回動作を、各加熱コイルを介して各カレントトランス
に伝達する機械的な方法と、クランクシャフト10の回
転角度位相に基づいて各カレントトランスを制御駆動す
る電気的な方法とがある。
【0068】第1カレントトランス41Aの二次側及び
第2カレントトランス42Bの二次側は、上述した通り
第1加熱コイル21A及び第2加熱コイル22Bにそれ
ぞれ電気的に接続されている。第1カレントトランス4
1Aの一次側及び第2カレントトランス42Bの一次側
は、第1焼入ステーションAと第2焼入ステーションB
の間で共用される高周波電源50に並列に接続されてい
る。
【0069】第1焼入ステーションAの第1回転駆動部
70A及び第2焼入ステーションBの第2回転駆動部7
0Bは、第1焼入ステーションAと第2焼入ステーショ
ンBの間で共用される制御部90により同期制御され
て、各ステーションのクランクシャフト10,10を同
期回転させる。この制御部90は又、クランクシャフト
10,10の回転角度位相に基づいて高周波電源50の
出力を第1実施形態の場合と同様に調節する。
【0070】本発明の第2実施形態に係るクランクシャ
フトの高周波焼入装置でも、第1実施形態に係るクラン
クシャフトの高周波焼入装置の場合と同様に、第1焼入
ステーションAと第2焼入ステーションBで、それぞれ
のクランクシャフト10,10の位相を180°違えた
上で、位相が180°異なる2種類のピン部を加熱する
ことにより、各ピン部の加熱コイルに対する相対位置は
同じになり、それぞれのヒートマス変化が揃う。その結
果、高周波電源50の出力を調整し、各加熱コイルの出
力を同期して同等に制御することにより、各ピン部の外
面は同時に全周が均一に加熱される。
【0071】また、第1焼入ステーションA及び第2焼
入ステーションBで第1ピン部11及び第2ピン部12
の焼入が同時並行して行われるため、同一ステーション
で2種類のピン部を順番に焼入する場合に比べると格段
に能率が上がり、同一ステーションでの全ピン同時焼入
に匹敵する高能率が確保される。
【0072】上記実施形態では、第1加熱コイル21A
及び第2加熱コイル22Bをワーク支持位置の真上に配
置しているが、それぞれが同じ方向からワークに対向す
るならば、この配置位置は特に限定されない。
【0073】図5は本発明の第3実施形態に係るクラン
クシャフトの高周波焼入装置の概略構成図、図6は同高
周波焼入装置の概略正面図である。
【0074】本発明の第3実施形態に係るクランクシャ
フトの高周波焼入装置は、本発明に係る第2のクランク
シャフトの高周波焼入方法を実施するためのもので、本
発明に係る第2のクランクシャフトの高周波焼入装置に
属する。
【0075】この高周波焼入装置は、3気筒エンジン用
クランクシャフト10に設けられた3つのピン部11,
12,13の表面焼入に使用される。クランクシャフト
10の3つのピン部11,12,13は中心軸に対して
偏心した位置にあり、各位相は順番に120°ずつずれ
ている。
【0076】この高周波焼入装置は、同じ種類の3本の
クランクシャフト10,10,10に同時並行的に焼入
を行う3つの焼入ステーションA,B,Cを備えてい
る。焼入ステーションA,B,Cは、ここではワークの
搬送効率を上げるために隣接平行して設けられている。
第1焼入ステーションAは、クランクシャフト10を水
平に支持する一対の第1センターピン60A,60A
と、一方の第1センターピン60Aを回転させることに
よりクランクシャフト10を回転させる第1回転駆動部
70Aと、水平に支持されたクランクシャフト10の第
1ピン部11を加熱する第1加熱コイル21Aと、第1
加熱コイル21Aに通電を行うカレントトランス41A
とを備えている。
【0077】第2焼入ステーションBは、クランクシャ
フト10を水平に支持する一対の第2センターピン60
B,60Bと、一方の第2センターピン60Bを回転さ
せることによりクランクシャフト10を回転させる第2
回転駆動部70Bと、水平に支持されたクランクシャフ
ト10の第2ピン部12を加熱する第2加熱コイル22
Bと、第2加熱コイル22Bに通電を行うカレントトラ
ンス42Bとを備えている。第3焼入ステーションC
は、クランクシャフト10を水平に支持する一対の第3
センターピン60C,60Cと、一方の第3センターピ
ン60Cを回転させることによりクランクシャフト10
を回転させる第3回転駆動部70Cと、水平に支持され
たクランクシャフト10の第3ピン部13を加熱する第
3加熱コイル23Cと、第3加熱コイル23Cに通電を
行うカレントトランス43Cとを備えている。
【0078】第1焼入ステーションAの第1加熱コイル
21A、第2焼入ステーションBの第2加熱コイル22
B及び第3焼入ステーションCの第3加熱コイル23C
は、いずれも下方に開放する半開放鞍型コイルであっ
て、各下方のピン部外面に真上から対向し、各上方のカ
レントトランスには電気的かつ機械的に接続されてい
る。
【0079】第1焼入ステーションAの第1カレントト
ランス41A、第2焼入ステーションBの第2カレント
トランス42B、及び第3焼入ステーションCの第3カ
レントトランス43Cは、クランクシャフト10の各ピ
ン部に加熱コイルをセットしたり、クランクシャフト1
0の回転に伴うピン部の旋回動作に加熱コイルを追従さ
せるために、図示されない周知の昇降機構によりクラン
クシャフト10の中心軸に直角な2方向へ移動可能に支
持されている。各カレントトランスを2方向へ移動させ
る方法としては、例えばクランクシャフト10の各ピン
部の旋回動作を、各加熱コイルを介して各カレントトラ
ンスに伝達する機械的な方法と、クランクシャフト10
の回転角度位相に基づいて各カレントトランスを制御駆
動する電気的な方法とがある。
【0080】第1カレントトランス41Aの二次側、第
2カレントトランス42Bの二次側及び第3カレントト
ランス43Cの二次側は、上述した通り第1加熱コイル
21A、第2加熱コイル22B及び第3加熱コイル23
Cにそれぞれ電気的に接続されている。第1カレントト
ランス41Aの一次側、第2カレントトランス42Bの
一次側及び第3カレントトランス43cの一次側は、第
1焼入ステーションA、第2焼入ステーションB及び第
3焼入ステーションCの間で共用される高周波電源50
に並列に接続されている。
【0081】第1焼入ステーションAの第1回転駆動部
70A、第2焼入ステーションBの第2回転駆動部70
B及び第3焼入ステーションCの第3回転駆動部70C
は、第1焼入ステーションA、第2焼入ステーションB
及び第3焼入ステーションCの間で共用される制御部9
0により同期制御されて、各ステーションのクランクシ
ャフト10,10、10を同期回転させる。この制御部
90は又、クランクシャフト10,10,10の回転角
度位相に基づいて高周波電源50の出力を第1実施形態
及び第2実施形態の場合と同様に調節する。
【0082】本発明の第3実施形態に係るクランクシャ
フトの高周波焼入装置では、第1焼入ステーションA、
第2焼入ステーションB及び第3焼入ステーションC
で、それぞれのクランクシャフト10,10,10を、
それぞれの位相を120°違えて支持し、この状態のま
ま同期回転させながら、その回転位相角度に基づいて高
周波電源50の出力を調節する。
【0083】これにより、位相が120°異なる3種類
のピン部の加熱コイルに対する相対位置は同じになり、
それぞれのヒートマス変化が揃う。その結果、高周波電
源50の出力を調整し、各加熱コイルの出力を同期して
同等に制御することにより、各ピン部の外面は同時に全
周が均一に加熱される。
【0084】また、第1焼入ステーションA、第2焼入
ステーションB及び第3焼入ステーションCで第1ピン
部11、第2ピン部12及び第3ピン部13の焼入が同
時並行して行われるため、同一ステーションで3種類の
ピン部を順番に焼入する場合に比べると格段に能率が上
がり、同一ステーションでの全ピン同時焼入に匹敵する
高能率が確保される。
【0085】上記実施形態では、第1加熱コイル21
A、第2加熱コイル22B及び第3加熱コイル23Cを
ワーク支持位置の真上に配置しているが、それぞれが同
じ方向からワークに対向するならば、この配置位置は特
に限定されない。
【0086】図7は本発明の第4実施形態に係るクラン
クシャフトの高周波焼入装置の概略構成図、図8は同高
周波焼入装置の概略正面図である。
【0087】本発明の第4実施形態に係るクランクシャ
フトの高周波焼入装置は、本発明に係る第2のクランク
シャフトの高周波焼入方法を実施するためのもので、本
発明に係る第2のクランクシャフトの高周波焼入装置に
属する。
【0089】この高周波焼入装置は、6気筒エンジン用
クランクシャフト10に設けられた6つのピン部11,
12,13,14,15,16の表面焼入に使用され
る。クランクシャフト10の6つのピン部11,12,
13,14,15,16は中心軸に対して偏心した位置
にある。両端の2つのピン部11,16は同位相であ
る。両端から2番目の2つのピン部12,15も同位相
であり、中央の2つのピン部13,14も同位相であ
る。そして、それぞれの位相は順番に120°ずつずれ
ている。
【0090】この高周波焼入装置は、同じ種類の3本の
クランクシャフト10,10,10に同時並行的に焼入
を行う3つの焼入ステーションA,B,Cを備えてい
る。焼入ステーションA,B,Cは、ここではワークの
搬送効率を上げるために隣接平行して設けられている。
第1焼入ステーションAは、クランクシャフト10を水
平に支持する一対の第1センターピン60A,60A
と、一方の第1センターピン60Aを回転させることに
よりクランクシャフト10を回転させる第1回転駆動部
70Aと、水平に支持されたクランクシャフト10の第
1ピン部11,16を加熱する第1加熱コイル21A,
26Aと、第1加熱コイル21A,26Aに通電を行う
第1カレントトランス41A,46Aとを備えている。
【0091】第2焼入ステーションBは、クランクシャ
フト10を水平に支持する一対の第2センターピン60
B,60Bと、一方の第2センターピン60Bを回転さ
せることによりクランクシャフト10を回転させる第2
回転駆動部70Bと、水平に支持されたクランクシャフ
ト10の第2ピン部12,15を加熱する第2加熱コイ
ル22B,25Bと、第2加熱コイル22B,25Bに
通電を行う第2カレントトランス42B,45Bとを備
えている。第3焼入ステーションCは、クランクシャフ
ト10を水平に支持する一対の第3センターピン60
C,60Cと、一方の第3センターピン60Cを回転さ
せることによりクランクシャフト10を回転させる第3
回転駆動部70Cと、水平に支持されたクランクシャフ
ト10の第3ピン部13,14を加熱する第3加熱コイ
ル23C,24Cと、第3加熱コイル23C,24Cに
通電を行う第3カレントトランス43C,44Cとを備
えている。
【0092】第1焼入ステーションAの第1加熱コイル
21A,26A、第2焼入ステーションBの第2加熱コ
イル22B,25B及び第3焼入ステーションCの第3
加熱コイル23C,24Cは、いずれも下方に開放する
半開放鞍型コイルであって、各下方のピン部外面に真上
から対向し、各上方のカレントトランスには電気的かつ
機械的に接続されている。
【0093】第1焼入ステーションAの第1カレントト
ランス41A,46A、第2焼入ステーションBの第2
カレントトランス42B,45B、及び第3焼入ステー
ションCの第3カレントトランス43C,44Cは、ク
ランクシャフト10の各ピン部に加熱コイルをセットし
たり、クランクシャフト10の回転に伴うピン部の旋回
動作に加熱コイルを追従させるために、図示されない周
知の昇降機構によりクランクシャフト10の中心軸に直
角な2方向へ移動可能に支持されている。各カレントト
ランスを2方向へ移動させる方法としては、例えばクラ
ンクシャフト10の各ピン部の旋回動作を、各加熱コイ
ルを介して各カレントトランスに伝達する機械的な方法
と、クランクシャフト10の回転角度位相に基づいて各
カレントトランスを制御駆動する電気的な方法とがあ
る。
【0094】第1カレントトランス41A,46Aの二
次側、第2カレントトランス42B,45Bの二次側及
び第3カレントトランス43C,44Cの二次側は、上
述した通り第1加熱コイル21A,26A、第2加熱コ
イル22B,25B及び第3加熱コイル23C,24C
にそれぞれ電気的に接続されている。第1カレントトラ
ンス41A,46Aの一次側、第2カレントトランス4
2B,45Bの一次側及び第3カレントトランス43
C,44Cの一次側は、第1焼入ステーションA、第2
焼入ステーションB及び第3焼入ステーションCの間で
共用される高周波電源50に並列に接続されている。
【0095】第1焼入ステーションAの第1回転駆動部
70A、第2焼入ステーションBの第2回転駆動部70
B及び第3焼入ステーションCの第3回転駆動部70C
は、第1焼入ステーションA、第2焼入ステーションB
及び第3焼入ステーションCの間で共用される制御部9
0により同期制御されて、各ステーションのクランクシ
ャフト10,10、10を同期回転させる。この制御部
90は又、クランクシャフト10,10,10の回転角
度位相に基づいて高周波電源50の出力を第1実施形
態、第2実施形態及び第3実施形態の場合と同様に調節
する。
【0096】本発明の第4実施形態に係るクランクシャ
フトの高周波焼入装置でも、第3実施形態に係るクラン
クシャフトの高周波焼入装置の場合と同様に、第1焼入
ステーションA、第2焼入ステーションB及び第3焼入
ステーションCで、それぞれのクランクシャフト10,
10,10を、それぞれの位相を120°違えて支持
し、この状態のまま同期回転させながら、その回転位相
角度に基づいて高周波電源50の出力を調節する。これ
により、位相が120°異なる3種類のピン部の外面が
同時に全周が均一に加熱される。
【0097】また、第1焼入ステーションA、第2焼入
ステーションB及び第3焼入ステーションCで第1ピン
部11,16、第2ピン部12,15及び第3ピン部1
3,14の焼入が同時並行して行われるため、同一ステ
ーションで3種類のピン部を順番に焼入する場合に比べ
ると格段に能率が上がり、同一ステーションでの全ピン
同時焼入に匹敵する高能率が確保される。
【0098】上記実施形態では、第1加熱コイル21
A,26A、第2加熱コイル22B,25B及び第3加
熱コイル23C,24Cをワーク支持位置の真上に配置
しているが、それぞれが同じ方向からワークに対向する
ならばこの配置位置は特に限定されない。
【0099】図9は本発明の第5実施形態に係るクラン
クシャフトの高周波焼入装置の概略構成図、図10は同
高周波焼入装置の概略正面図である。
【0100】本発明の第5実施形態に係るクランクシャ
フトの高周波焼入装置は、本発明に係る第3のクランク
シャフトの高周波焼入方法を実施するためのもので、本
発明に係る第3のクランクシャフトの高周波焼入装置に
属する。
【0101】この高周波焼入装置は、3気筒エンジン用
クランクシャフト10に設けられた3つのピン部11,
12,13の表面焼入に使用されるもので、同じ種類の
3本のクランクシャフト10,10,10に同時並行的
に焼入を行う3つの焼入ステーションA,B,Cを備え
ている。焼入ステーションA,B,Cは、ここではワー
クの搬送効率を上げるために隣接平行して設けられてい
る。
【0102】第1焼入ステーションAは、クランクシャ
フト10を水平に支持する一対の第1センターピン60
A,60Aと、一方の第1センターピン60Aを回転さ
せることによりクランクシャフト10を回転させる第1
回転駆動部70Aと、水平に支持されたクランクシャフ
ト10の第1ピン部11を加熱する第1加熱コイル21
Aと、第1加熱コイル21Aに通電を行う第1カレント
トランス41Aとを備えている。
【0103】第2焼入ステーションBは、クランクシャ
フト10を水平に支持する一対の第2センターピン60
B,60Bと、一方の第2センターピン60Bを回転さ
せることによりクランクシャフト10を回転させる第2
回転駆動部70Bと、水平に支持されたクランクシャフ
ト10の第2ピン部12を加熱する第2加熱コイル22
Bと、第2加熱コイル22Bに通電を行う第2カレント
トランス42Bとを備えている。
【0104】第3焼入ステーションCは、クランクシャ
フト10を水平に支持する一対の第3センターピン60
C,60Cと、一方の第3センターピン60Cを回転さ
せることによりクランクシャフト10を回転させる第3
回転駆動部70Cと、水平に支持されたクランクシャフ
ト10の第3ピン部13を加熱する第3加熱コイル23
Cと、第3加熱コイル23Cに通電を行う第3カレント
トランス43Cとを備えている。
【0105】第1焼入ステーションAの第1加熱コイル
21A、第2焼入ステーションBの第2加熱コイル22
B及び第3焼入ステーションCの第3加熱コイル23C
は、いずれも下方に開放する半開放鞍型コイルであっ
て、各下方のピン部外面に真上から対向し、各上方のカ
レントトランスには電気的かつ機械的に接続されてい
る。
【0106】第1焼入ステーションAの第1カレントト
ランス41A、第2焼入ステーションBの第2カレント
トランス42B、及び第3焼入ステーションCの第3カ
レントトランス43Cは、クランクシャフト10の各ピ
ン部に加熱コイルをセットしたり、クランクシャフト1
0の回転に伴うピン部の旋回動作に加熱コイルを追従さ
せるために、図示されない周知の昇降機構によりクラン
クシャフト10の中心軸に直角な2方向へ移動可能に支
持されている。各カレントトランスを2方向へ移動させ
る方法としては、例えばクランクシャフト10の各ピン
部の旋回動作を、各加熱コイルを介して各カレントトラ
ンスに伝達する機械的な方法と、クランクシャフト10
の回転角度位相に基づいて各カレントトランスを制御駆
動する電気的な方法とがある。
【0107】第1カレントトランス41Aの二次側、第
2カレントトランス42Bの二次側及び第3カレントト
ランス43Cの二次側は、上述した通り第1加熱コイル
21A、第2加熱コイル22B及び第3加熱コイル23
Cにそれぞれ電気的に接続されている。第1カレントト
ランス41Aの一次側は専用の高周波電源50に接続さ
れている。第2カレントトランス42Bの一次側及び第
3カレントトランス43Cの一次側は、第2焼入ステー
ションB及び第3焼入ステーションCの間で共用される
高周波電源50′に並列に接続されている。
【0108】第1焼入ステーションAの第1回転駆動部
70A、第2焼入ステーションBの第2回転駆動部70
B及び第3焼入ステーションCの第3回転駆動部70C
は、第1焼入ステーションA、第2焼入ステーションB
及び第3焼入ステーションCの間で共用される制御部9
0により同期制御されて、各ステーションのクランクシ
ャフト10,10、10を同期回転させる。この制御部
90は又、クランクシャフト10,10,10の回転角
度位相に基づいて高周波電源50,50′の出力を第1
実施形態及び第2実施形態の場合と同様に調節する。
【0109】本発明の第5実施形態に係るクランクシャ
フトの高周波焼入装置では、第1焼入ステーションAで
クランクシャフト10を支持する。また、第2焼入ステ
ーションB及び第3焼入ステーションCで、それぞれの
クランクシャフト10,10を、それぞれの位相を12
0°違えて支持する。この状態のまま、3本のクランク
シャフト10,10,10を同期回転させながら、その
回転位相角度に基づいて高周波電源50,50′の出力
を調節する。
【0110】これにより、第1焼入ステーションAで
は、クランクシャフト10の第1ピン部11の外面が、
高周波電源50の出力調節により、全周均一に加熱され
る。同時に、第2焼入ステーションB及び第3焼入ステ
ーションCでは、位相が120°異なる2種類のピン部
(第2ピン部12と第3ピン部13)の外面が同時加熱
されるが、それぞれのクランクシャフト10,10の回
転角度位相を120°ずらせているので、各ピン部の加
熱コイルに対する相対位置は同じになり、それぞれのヒ
ートマス変化が揃う。その結果、高周波電源50′の出
力を調整し、各加熱コイルの出力を同期して同等に制御
することにより、第2ピン部12及び第3ピン部13の
各外面は、第1ピン部11の外面と共に全周が均一に同
時加熱される。
【0111】また、第1焼入ステーションA、第2焼入
ステーションB及び第3焼入ステーションCで第1ピン
部11、第2ピン部12及び第3ピン部13の焼入が同
時並行して行われるため、同一ステーションで3種類の
ピン部を順番に焼入する場合に比べると格段に能率が上
がり、同一ステーションでの全ピン同時焼入に匹敵する
高能率が確保される。
【0112】上記実施形態では、第1加熱コイル21
A、第2加熱コイル22B及び第3加熱コイル23Cを
ワーク支持位置の真上に配置しているが、それぞれが同
じ方向からワークに対向するならば、この配置位置は特
に限定されない。
【0113】図11は本発明の第6実施形態に係るクラ
ンクシャフトの高周波焼入装置の概略構成図、図12は
同高周波焼入装置の概略正面図である。
【0114】本発明の第6実施形態に係るクランクシャ
フトの高周波焼入装置は、本発明に係る第3のクランク
シャフトの高周波焼入方法を実施するためのもので、本
発明に係る第3のクランクシャフトの高周波焼入装置に
属する。
【0115】この高周波焼入装置は、6気筒エンジン用
クランクシャフト10に設けられた6つのピン部11,
12,13,14,15,16の表面焼入に使用され
る。クランクシャフト10の6つのピン部11,12,
13,14,15,16は中心軸に対して偏心した位置
にある。両端の2つのピン部11,16は同位相であ
る。両端から2番目の2つのピン部12,15も同位相
であり、中央の2つのピン部13,14も同位相であ
る。そして、それぞれの位相は順番に120°ずつずれ
ている。
【0116】この高周波焼入装置は、同じ種類の3本の
クランクシャフト10,10,10に同時並行的に焼入
を行う3つの焼入ステーションA,B,Cを備えてい
る。焼入ステーションA,B,Cは、ここではワークの
搬送効率を上げるために隣接平行して設けられている。
【0117】第1焼入ステーションAは、クランクシャ
フト10を水平に支持する一対の第1センターピン60
A,60Aと、一方の第1センターピン60Aを回転さ
せることによりクランクシャフト10を回転させる第1
回転駆動部70Aと、水平に支持されたクランクシャフ
ト10の第1ピン部11,16を加熱する第1加熱コイ
ル21A,26Aと、第1加熱コイル21A,26Aに
通電を行う第1カレントトランス41A,46Aとを備
えている。
【0118】第2焼入ステーションBは、クランクシャ
フト10を水平に支持する一対の第2センターピン60
B,60Bと、一方の第2センターピン60Bを回転さ
せることによりクランクシャフト10を回転させる第2
回転駆動部70Bと、水平に支持されたクランクシャフ
ト10の第2ピン部12,15を加熱する第2加熱コイ
ル22B,25Bと、第2加熱コイル22B,25Bに
通電を行う第2カレントトランス42B,45Bとを備
えている。
【0119】第3焼入ステーションCは、クランクシャ
フト10を水平に支持する一対の第3センターピン60
C,60Cと、一方の第3センターピン60Cを回転さ
せることによりクランクシャフト10を回転させる第3
回転駆動部70Cと、水平に支持されたクランクシャフ
ト10の第3ピン部13,14を加熱する第3加熱コイ
ル23C,24Cと、第3加熱コイル23C,24Cに
通電を行う第3カレントトランス43C,44Cとを備
えている。
【0120】第1焼入ステーションAの第1加熱コイル
21A,26A、第2焼入ステーションBの第2加熱コ
イル22B,25B及び第3焼入ステーションCの第3
加熱コイル23C,24Cは、いずれも下方に開放する
半開放鞍型コイルであって、各下方のピン部外面に真上
から対向し、各上方のカレントトランスには電気的かつ
機械的に接続されている。
【0121】第1焼入ステーションAの第1カレントト
ランス41A,46A、第2焼入ステーションBの第2
カレントトランス42B,45B、及び第3焼入ステー
ションCの第3カレントトランス43C,44Cは、ク
ランクシャフト10の各ピン部に加熱コイルをセットし
たり、クランクシャフト10の回転に伴うピン部の旋回
動作に加熱コイルを追従させるために、図示されない周
知の昇降機構によりクランクシャフト10の中心軸に直
角な2方向へ移動可能に支持されている。各カレントト
ランスを2方向へ移動させる方法としては、例えばクラ
ンクシャフト10の各ピン部の旋回動作を、各加熱コイ
ルを介して各カレントトランスに伝達する機械的な方法
と、クランクシャフト10の回転角度位相に基づいて各
カレントトランスを制御駆動する電気的な方法とがあ
る。
【0122】第1カレントトランス41A,46Aの二
次側、第2カレントトランス42B,45Bの二次側及
び第3カレントトランス43C,44Cの二次側は、上
述した通り第1加熱コイル21A,26A、第2加熱コ
イル22B,25B及び第3加熱コイル23C,24C
にそれぞれ電気的に接続されている。第1カレントトラ
ンス41A,46Aの一次側は専用の高周波電源50に
並列に接続されている。第2カレントトランス42B,
45Bの一次側及び第3カレントトランス43C,44
Cの一次側は、第2焼入ステーションB及び第3焼入ス
テーションCの間で共用される高周波電源50′に並列
に接続されている。
【0123】第1焼入ステーションAの第1回転駆動部
70A、第2焼入ステーションBの第2回転駆動部70
B及び第3焼入ステーションCの第3回転駆動部70C
は、第1焼入ステーションA、第2焼入ステーションB
及び第3焼入ステーションCの間で共用される制御部9
0により同期制御されて、各ステーションのクランクシ
ャフト10,10、10を同期回転させる。この制御部
90は又、クランクシャフト10,10,10の回転角
度位相に基づいて高周波電源50,50′の出力を第1
実施形態〜第5実施形態の場合と同様に調節する。
【0124】本発明の第6実施形態に係るクランクシャ
フトの高周波焼入装置では、第1焼入ステーションAで
クランクシャフト10を支持する。また、第2焼入ステ
ーションB及び第3焼入ステーションCで、それぞれの
クランクシャフト10,10を、それぞれの位相を12
0°違えて支持する。この状態のまま、3本のクランク
シャフト10,10,10を同期回転させながら、その
回転位相角度に基づいて高周波電源50,50′の出力
を調節する。
【0125】これにより、第1焼入ステーションAで
は、クランクシャフト10の第1ピン部11,16の外
面が、高周波電源50の出力調節により、全周均一に加
熱される。同時に、第2焼入ステーションB及び第3焼
入ステーションCでは、位相が120°異なる2種類の
ピン部(第2ピン部12,15と第3ピン部13,1
4)の外面が同時加熱されるが、それぞれのクランクシ
ャフト10,10の回転角度位相を120°ずらせてい
るので、各ピン部の加熱コイルに対する相対位置は同じ
になり、それぞれのヒートマス変化が揃う。その結果、
高周波電源50′の出力を調整し、各加熱コイルの出力
を同期して同等に制御することにより、第2ピン部1
2,15及び第3ピン部13,14の各外面は、第1ピ
ン部11,16の外面と共に全周が均一に同時加熱され
る。
【0126】また、第1焼入ステーションA、第2焼入
ステーションB及び第3焼入ステーションCで位相が異
なる3種類のピン部(第1ピン部11,16、第2ピン
部12,15、第3ピン部13,14)の焼入が同時並
行して行われるため、同一ステーションで3種類のピン
部を順番に焼入する場合に比べると格段に能率が上が
り、同一ステーションでの全ピン同時焼入にほぼ匹敵す
る高能率が確保される。
【0127】上記実施形態では、第1加熱コイル21
A,26A、第2加熱コイル22B,25B及び第3加
熱コイル23C,24Cをワーク支持位置の真上に配置
しているが、それぞれが同じ方向からワークに対向する
ならばこの配置位置は特に限定されない。
【0128】
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明に係る第1の
クランクシャフトの高周波焼入方法及び高周波焼入装置
は、位相が180°異なる2種類のピン部を有するクラ
ンクシャフトの各ピン部を高周波焼入するに当たり、2
つの焼入ステーションで2種類のピン部を位相が180
°ずれた状態で同時並行して加熱することにより、クラ
ンクシャフトの回転に伴う各ピン部のヒートマス変化を
揃えるので、これまで不可能であった全ピン同時の均一
焼入に匹敵する高能率で、その均一焼入を可能にする。
従って、焼入能率が飛躍的に向上し、焼入コストの大幅
低減が可能になる。
【0129】本発明に係る第2のクランクシャフトの高
周波焼入方法及び高周波焼入装置は、位相が120°異
なる3種類のピン部を有するクランクシャフトの各ピン
部を高周波焼入するに当たり、3つの焼入ステーション
で3種類のピン部を位相が120°ずれた状態で同時並
行して加熱することにより、クランクシャフトの回転に
伴う各ピン部のヒートマス変化を揃えるので、これまで
不可能であった全ピン同時の均一焼入に匹敵する高能率
で、その均一焼入を可能にする。従って、焼入能率が飛
躍的に向上し、焼入コストの大幅低減が可能になる。
【0130】本発明に係る第3のクランクシャフトの高
周波焼入方法及び高周波焼入装置は、位相が120°異
なる3種類のピン部を有するクランクシャフトの各ピン
部を高周波焼入するに当たり、3つの焼入ステーション
の1つで1つの種類のピン部の加熱を行うときに、他の
2つの焼入ステーションで他の2つの種類のピン部を位
相が120°ずれた状態で同時並行して加熱することに
より、クランクシャフトの回転に伴う各ピン部のヒート
マス変化を揃えるので、これまで不可能であった全ピン
同時の均一焼入に匹敵する高能率で、その均一焼入を可
能にする。従って、焼入能率が飛躍的に向上し、焼入コ
ストの大幅低減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るクランクシャフト
の高周波焼入装置の概略構成図である。
【図2】同高周波焼入装置の概略正面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るクランクシャフト
の高周波焼入装置の概略構成図である。
【図4】同高周波焼入装置の概略正面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係るクランクシャフト
の高周波焼入装置の概略構成図である。
【図6】同高周波焼入装置の概略正面図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係るクランクシャフト
の高周波焼入装置の概略構成図である。
【図8】同高周波焼入装置の概略正面図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係るクランクシャフト
の高周波焼入装置の概略構成図である。
【図10】同高周波焼入装置の概略正面図である。
【図11】本発明の第6実施形態に係るクランクシャフ
トの高周波焼入装置の概略構成図である。
【図12】同高周波焼入装置の概略正面図である。
【図13】従来の高周波焼入装置の概略構成図である。
【符号の説明】
A 第1焼入ステーション B 第2焼入ステーション C 第3焼入ステーション 10 クランクシャフト 11〜16 ピン部 21〜26 加熱コイル 41〜46 第1カレントトランス 50,50′ 高周波電源 60 センターピン 70 回転駆動部 90 制御部

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相が180°異なる2種類のピン部を
    有する2気筒エンジン用又は4気筒エンジン用のクラン
    クシャフトの各ピン部外面を高周波誘導加熱して焼入す
    るクランクシャフトの高周波焼入方法であって、2本の
    クランクシャフトを第1焼入ステーションと第2焼入ス
    テーションで位相を180°違えて支持し、第1焼入ス
    テーションでは、当該焼入ステーションに支持されたク
    ランクシャフトの2種類のピン部のうちの一方のピン部
    外面に第1加熱コイルを対向させると共に、第2焼入ス
    テーションでは、当該焼入ステーションに支持されたク
    ランクシャフトの2種類のピン部のうちの他方のピン部
    外面に、第1加熱コイルと同方向から第2加熱コイルを
    対向させ、第1焼入ステーションと第2焼入ステーショ
    ンでそれぞれのクランクシャフトを位相が180°相違
    する状態のまま同期して回転させる一方、第1加熱コイ
    ル、第2加熱コイルの各出力を互いに同等に保ちつつ前
    記クランクシャフトの回転角度に応じて変化させ、これ
    により位相が180°異なる2種類のピン部の各外面を
    同時に焼入することを特徴とするクランクシャフトの高
    周波焼入方法。
  2. 【請求項2】 第1加熱コイル、第2加熱コイルの各出
    力を互いに同等に保ちつつ前記クランクシャフトの回転
    角度に応じて変化させるに当たり、各加熱コイルにカレ
    ントトランスを介して接続される共通の高周波電源の出
    力を前記クランクシャフトの回転角度に応じて変化させ
    るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の高周波
    焼入方法。
  3. 【請求項3】 位相が120°異なる3種類のピン部を
    有する3気筒エンジン用又は6気筒エンジン用のクラン
    クシャフトの各ピン部外面を高周波誘導加熱して焼入す
    るクランクシャフトの高周波焼入方法であって、3本の
    クランクシャフトを第1焼入ステーション、第2焼入ス
    テーション及び第3ステーションで位相を120°違え
    て支持し、第1焼入ステーションでは、当該焼入ステー
    ションに支持されたクランクシャフトの3種類のピン部
    のうちの第1ピン部外面に第1加熱コイルを対向させ、
    第2焼入ステーションでは、当該焼入ステーションに支
    持されたクランクシャフトの3種類のピン部のうちの第
    2ピン部外面に、第1加熱コイルと同方向から第2加熱
    コイルを対向させ、第3焼入ステーションでは、当該焼
    入ステーションに支持されたクランクシャフトの3種類
    のピン部のうちの第3ピン部外面に、第1加熱コイル及
    び第2加熱コイルと同方向から第3加熱コイルを対向さ
    せ、第1焼入ステーション、第2焼入ステーション及び
    第3ステーションでそれぞれのクランクシャフトを位相
    が120°相違する状態のまま同期して回転させる
    方、第1加熱コイル、第2加熱コイル、第3加熱コイル
    の各出力を互いに同等に保ちつつ前記クランクシャフト
    の回転角度に応じて変化させ、これにより位相が120
    °異なる3種類のピン部の各外面を同時に焼入すること
    を特徴とするクランクシャフトの高周波焼入方法。
  4. 【請求項4】 第1加熱コイル、第2加熱コイル、第3
    加熱コイルの各出力を互いに同等に保ちつつ前記クラン
    クシャフトの回転角度に応じて変化させるに当たり、
    加熱コイルにカレントトランスを介して接続される共通
    の高周波電源の出力を前記クランクシャフトの回転角度
    に応じて変化させるようにしたことを特徴とする請求項
    3に記載の高周波焼入方法。
  5. 【請求項5】 位相が120°異なる3種類のピン部を
    有する3気筒エンジン用又は6気筒エンジン用のクラン
    クシャフトの各ピン部外面を高周波誘導加熱して焼入す
    るクランクシャフトの高周波焼入方法であって、3本の
    クランクシャフトの一本を第1焼入ステーションで支持
    すると共に、他の2本を第2焼入ステーション及び第3
    ステーションで位相を120°違えて支持し、第1焼入
    ステーションでは、当該焼入ステーションに支持された
    クランクシャフトの3種類のピン部のうちの第1ピン部
    外面に第1加熱コイルを対向させ、第2焼入ステーショ
    ンでは、当該焼入ステーションに支持されたクランクシ
    ャフトの3種類のピン部のうちの第2ピン部外面に第2
    加熱コイルを対向させ、第3焼入ステーションでは、当
    該焼入ステーションに支持されたクランクシャフトの3
    種類のピン部のうちの第3ピン部外面に、第2加熱コイ
    ルと同方向から第3加熱コイルを対向させ、第1焼入ス
    テーションでクランクシャフトを回転させながら第1加
    熱コイルの出力を前記クランクシャフトの回転角度に応
    じて変化させ、と同時に、第2焼入ステーション及び第
    3ステーションではそれぞれのクランクシャフトを位相
    が120°相違する状態のまま同期して回転させる一
    方、第2加熱コイル、第3加熱コイルの各出力を互いに
    同等に保ちつつ前記クランクシャフトの回転角度に応じ
    て変化させ、これにより位相が120°異なる3種類の
    ピン部の各外面を同時に焼入することを特徴とするクラ
    ンクシャフトの高周波焼入方法。
  6. 【請求項6】 第2加熱コイル、第3加熱コイルの各出
    力を互いに同等に保ちつつ前記クランクシャフトの回転
    角度に応じて変化させるに当たり、各加熱コイルにカレ
    ントトランスを介して接続される共通の高周波電源の出
    力を前記クランクシャフトの回転角度に応じて変化させ
    るようにしたことを特徴とする請求項5に記載の高周波
    焼入方法。
  7. 【請求項7】 位相が180°異なる2種類のピン部を
    有する2気筒エンジン用又は4気筒エンジン用のクラン
    クシャフトの各ピン部外面を高周波誘導加熱して焼入す
    るクランクシャフトの高周波焼入装置であって、2本の
    クランクシャフトを2箇所で同時に支持して焼入するた
    めに第1焼入ステーション及び第2焼入ステーションを
    備えており、第1焼入ステーションは、当該焼入ステー
    ションに支持されたクランクシャフトを回転させる第1
    回転駆動部と、当該クランクシャフトの2種類のピン部
    のうちの一方のピン部外面に対向する第1加熱コイルと
    を有しており、第2焼入ステーションは、当該焼入ステ
    ーションに支持されたクランクシャフトを回転させる第
    2回転駆動部と、当該クランクシャフトの2種類のピン
    部のうちの他方のピン部外面に対向する第2加熱コイル
    とを有しており、第1回転駆動部及び第2回転駆動部は
    それぞれのクランクシャフトを同時に同期して回転さ
    せ、第1加熱コイル及び第2加熱コイルはそれぞれのク
    ランクシャフトのピン部外面に同方向から対向し、且つ
    出力調節が可能な共通の高周波電源から給電されること
    を特徴とするクランクシャフトの高周波焼入装置。
  8. 【請求項8】 2本のクランクシャフトは、第1焼入ス
    テーションと第2焼入ステーションで位相を180°違
    えて支持されることを特徴とする請求項7に記載のクラ
    ンクシャフトの高周波焼入装置。
  9. 【請求項9】 位相が120°異なる3種類のピン部を
    有する3気筒エンジン用又は6気筒エンジン用のクラン
    クシャフトの各ピン部外面を高周波誘導加熱して焼入す
    るクランクシャフトの高周波焼入装置であって、3本の
    クランクシャフトを3箇所で同時に支持して焼入するた
    めに第1焼入ステーション、第2焼入ステーション及び
    第3焼入ステーションを備えており、第1焼入ステーシ
    ョンは、当該焼入ステーションに支持されたクランクシ
    ャフトを回転させる第1回転駆動部と、当該クランクシ
    ャフトの3種類のピン部のうちの第1ピン部外面に対向
    する第1加熱コイルとを有しており、第2焼入ステーシ
    ョンは、当該焼入ステーションに支持されたクランクシ
    ャフトを回転させる第2回転駆動部と、当該クランクシ
    ャフトの3種類のピン部のうちの第2ピン部外面に対向
    する第2加熱コイルとを有しており、第3焼入ステーシ
    ョンは、当該焼入ステーションに支持されたクランクシ
    ャフトを回転させる第3回転駆動部と、当該クランクシ
    ャフトの3種類のピン部のうちの第3ピン部外面に対向
    する第3加熱コイルとを有しており、第1回転駆動部、
    第2回転駆動部及び第3回転駆動部はそれぞれのクラン
    クシャフトを同時に同期して回転させ、第1加熱コイ
    ル、第2加熱コイル及び第3加熱コイルはそれぞれのク
    ランクシャフトのピン部外面に同方向から対向し、且つ
    出力調節が可能な共通の高周波電源から給電されること
    を特徴とするクランクシャフトの高周波焼入装置。
  10. 【請求項10】 3本のクランクシャフトは、第1焼入
    ステーション、第2焼入ステーション及び第3焼入ステ
    ーションで位相を120°違えて支持されることを特徴
    とする請求項9に記載のクランクシャフトの高周波焼入
    装置。
  11. 【請求項11】 位相が120°異なる3種類のピン部
    を有する3気筒エンジン用又は6気筒エンジン用のクラ
    ンクシャフトの各ピン部外面を高周波誘導加熱して焼入
    するクランクシャフトの高周波焼入装置であって、3本
    のクランクシャフトを3箇所で同時に支持して焼入する
    ために第1焼入ステーション、第2焼入ステーション及
    び第3焼入ステーションを備えており、第1焼入ステー
    ションは、当該焼入ステーションに支持されたクランク
    シャフトを回転させる第1回転駆動部と、当該クランク
    シャフトの3種類のピン部のうちの第1ピン部外面に対
    向する第1加熱コイルとを有しており、第2焼入ステー
    ションは、当該焼入ステーションに支持されたクランク
    シャフトを回転させる第2回転駆動部と、当該クランク
    シャフトの3種類のピン部のうちの第2ピン部外面に対
    向する第2加熱コイルとを有しており、第3焼入ステー
    ションは、当該焼入ステーションに支持されたクランク
    シャフトを回転させる第3回転駆動部と、当該クランク
    シャフトの3種類のピン部のうちの第3ピン部外面に対
    向する第3加熱コイルとを有しており、第2回転駆動部
    及び第3回転駆動部はそれぞれのクランクシャフトを同
    時に同期して回転させ、第2加熱コイル及び第3加熱コ
    イルはそれぞれのクランクシャフトのピン部外面に同方
    向から対向し、且つ出力調節が可能な共通の高周波電源
    から給電されることを特徴とするクランクシャフトの高
    周波焼入装置。
  12. 【請求項12】 第2焼入ステーション及び第3焼入ス
    テーションでは、それぞれのクランクシャフトが位相を
    120°違えて支持されることを特徴とする請求項11
    に記載のクランクシャフトの高周波焼入装置。
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