JP5349941B2 - 焼入方法及び焼入装置 - Google Patents

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Description

本発明は、平板上にシャフト部と孔とを有するワークの焼入方法及び焼入装置に関するものである。
従来、組立クランクの各構成要素(ワーク)は、ワーク毎に焼入を実施し、その後に組み立てられている。ところがワークの中には、平板上に突出する部位と孔とが近接して配置された、構造が複雑なものも存在し、従来は、このような複雑な形状のワークは個々の部位毎に例えば特許文献1に開示されている焼入装置や、螺旋形の加熱導体等を用いて焼入していた。
特開2001−115211号公報
ところで、同一のワークに対して複数回の焼入を実施すると、焼入が重なった部位が割れたり鈍る恐れがある。また、割れや鈍りを回避するために、焼入部位が重複しないように加減すると、全く焼入されない箇所が残ってしまう。上記の場合では、突出する部位と孔の境界部分の焼入が重なってしまうか、境界部分に全く焼入されない箇所が生じてしまう。このクランクの孔には別のピンが嵌め込まれ様々な方向に力が作用するので、焼入によって表面の硬度を高めておく必要がある。
そこで本発明は、平板上にシャフト部と孔とが近接して設けられた組立クランクに使用されるワークの焼入を良好に実施できる焼入方法と焼入装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、平板上にシャフト部が起立しており、前記平板のシャフト部の近傍に孔が開いているワークにおいて、シャフト部と孔の内壁とを焼入れする焼入方法であって、前記シャフト部を第1加熱コイルで高周波誘導加熱し、同時に、前記孔の内壁を第2加熱コイルで高周波誘導加熱することを特徴とする焼入方法である。
請求項1の焼入方法の発明では、ワークのシャフト部及びシャフト部の近傍の孔の内壁を同時に焼入する。その際、シャフト部は第1加熱コイルで高周波誘導加熱し、孔の内壁を第2加熱コイルで高周波誘導加熱する。よって、シャフト部と孔の内壁は各々良好に誘導加熱される。また、ワークは第1加熱コイルと第2加熱コイルとで同時に誘導加熱されるので、両加熱コイルによって加熱される部位が部分的に重なっても、焼入パターンが連続し、支障なく焼入される。
請求項2の発明は、第1加熱コイルは半開放鞍型コイルであり、第2加熱コイルは螺旋形のコイルであることを特徴とする請求項1に記載の焼入方法である。
請求項2の発明では、第1加熱コイルは半開放鞍型コイルであり、第2加熱コイルは螺旋形のコイルであるので、シャフト部に対して第1加熱コイルを対向させ易く、孔の内壁に第2加熱コイルを配置し易い。よって、シャフト部と孔の内壁の両方を良好に誘導加熱することができる。
請求項3の発明は、前記孔を中心に前記ワークを回転させ、前記第1加熱コイルをシャフト部に追従させることを特徴とする請求項2に記載の焼入方法である。
請求項3の発明では、孔を中心にワークを回転させるので、シャフト部が孔を中心に円軌道を描いて回転移動する。そして、第1加熱コイルをシャフト部に追従させるので、孔の内壁とシャフト部の両方が良好に誘導加熱される。
請求項4の発明は、前記シャフト部を中心にワークを回転させると共に、第2加熱コイルを前記孔に追従して回転移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼入方法である。
請求項4の発明では、シャフト部を中心にワークを回転させるので、第1加熱コイルは停止させていても、シャフト部の全周囲を良好に誘導加熱することができる。また、ワークの孔はシャフト部を中心に円軌道を描いて回転移動する。そして、第2加熱コイルを前記孔に追従して回転移動させるので、シャフト部と孔の内壁とを良好に誘導加熱することができる。
請求項5の発明は、前記第1加熱コイルと第2加熱コイルには、別々の電源から電力供給されることを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の焼入方法である。
請求項5の発明では、第1加熱コイルと第2加熱コイルには、別々の電源から電力供給されるので、各々の電源の周波数は、異なる周波数を採用することができる。その結果、両加熱コイルによって重複して加熱される箇所が、良好に誘導加熱される。
請求項6の発明は、平板上にシャフト部が起立しており、前記平板のシャフト部の近傍に孔が開いているワークにおいて、シャフト部と孔の内壁とを焼入れする焼入装置であって、前記シャフト部に対向する第1加熱コイルと、前記孔内に配置する第2加熱コイルとを備え、第1加熱コイルと第2加熱コイルとでシャフト部と孔の内壁とを同時に誘導加熱することを特徴とする焼入装置である。
請求項6の発明の焼入装置では、平板上にシャフト部が起立しており、前記平板のシャフト部の近傍に孔が開いているワークを焼入する。シャフト部には第1加熱コイルが対向するので、シャフト部は第1加熱コイルで良好に焼入することができる。また、孔内には第2加熱コイルが配置されるので、孔の内壁は第2加熱コイルで良好に焼入することができる。さらにシャフト部と孔の内壁は、第1加熱コイルと第2加熱コイルとで同時に誘導加熱されるので、両加熱コイルによって加熱される部位が部分的に重なっても焼入パターンが連続するので、当該部位は支障なく焼入される。
請求項7の発明は、第1加熱コイルは半開放鞍型コイルであり、第2加熱コイルは螺旋形のコイルであることを特徴とする請求項6に記載の焼入装置である。
請求項7の発明では、第1加熱コイルは半開放鞍型コイルであるので、シャフト部に対向配置し易く、シャフト部を良好に誘導加熱することができる。また、第2加熱コイルは螺旋形のコイルであるので、孔内に第2加熱コイルを配置し易く、孔の内壁を良好に誘導加熱することができる。よって、シャフト部と孔の内壁の両方を良好に誘導加熱することができる。
請求項8の発明は、前記孔を中心に前記ワークを回転駆動する第1回転駆動手段を設け、前記回転駆動に連動して第1加熱コイルをシャフト部に追従させる第1追従機構を設けたことを特徴とする請求項6又は7に記載の焼入装置である。
請求項8の発明では、前記孔を中心に前記ワークを回転駆動する第1回転駆動手段を設けたので、ワークは第1回転駆動手段によって孔を中心に回転駆動される。よって、孔の内壁が孔内に配置された螺旋状の第2加熱コイルに対して周方向に移動する。その結果、孔の内壁は均一に誘導加熱される。また、前記回転駆動に連動して第1加熱コイルをシャフト部に追従させる第1追従機構を設けたので、シャフト部が孔の周囲を1周すると、シャフト部の全周囲が順に第1加熱コイル2に対向して均一に誘導加熱される。よって、孔の内壁とシャフト部は、良好に焼入される。
請求項9の発明は、前記シャフト部を中心にワークを回転駆動する第2回転駆動手段を設け、前記回転駆動に連動して第2加熱コイルを前記孔に追従させる第2追従機構を設けたことを特徴とする請求項6又は7に記載の焼入装置である。
請求項9の発明では、前記シャフト部を中心にワークを回転駆動する第2回転駆動手段を設けたので、第2回転駆動手段によってワークはシャフト部を中心に回転駆動される。よって、シャフト部が1回転すると、シャフト部の全周囲が順に第1加熱コイルに対向して均一に誘導加熱される。また、前記回転駆動に連動して第2加熱コイルを前記孔に追従させる第2追従機構を設けたので、第2加熱コイルは孔と共にシャフト部を中心に回転移動する。よって、シャフト部と共に孔の内壁も良好に誘導加熱される。
請求項10の発明は、第1加熱コイルと第2加熱コイルには、各々別の電源から周波数の異なる電力が供給されることを特徴とする請求項6乃至請求項9のうちのいずれかに記載の焼入装置である。
請求項10の発明では、第1加熱コイルと第2加熱コイルには、各々別の電源から周波数の異なる電力が供給されるので、シャフト部と孔の内壁には異なる周波数の誘導電流が流れる。よって、両誘導電流によって、シャフト部の誘導加熱(焼入)と孔の内壁の誘導加熱(焼入)は良好に実施される。
平板上にシャフト部と孔とを有するワークを焼き入れする際に、本発明の焼入方法を実施すると、シャフト部と孔の内壁の両方を良好に誘導加熱することができる。
また、本発明の焼入装置は、平板上にシャフト部と孔とを有するワークを良好に誘導加熱することができる。
図1(a)〜(d)は、各々本発明を実施した焼入装置でワークを焼き入れする際の断面略図であり、(b)は(a)の状態から90°回転移動した状態を示し、(c)は(b)から90°回転移動した状態を示し、(d)は(c)から90°回転移動した状態を示す。図2(a)〜(d)は、各々図1(a)〜(d)の左側面図である。
図1(a)に示すように焼入装置1で焼入を実施するワーク7は、平板部9とシャフト部8とから構成されている。平板部9は円盤状であり、その中心にシャフト部8が配置されている。すなわちシャフト部8は、平板部9の中心部に起立している。
また、平板部9のシャフト部8の近傍には孔10が設けられている。すなわち、平板部9の中心と孔10の中心とは一致しておらず、孔10は円盤状の平板部9の中心から外れた位置に設けられている。
このような形状のワーク7を焼入装置1で焼入する。
以下では、まず、焼入装置1の構成を説明し、続いて焼入装置1の動作について説明する。
図1に示すように焼入装置1は、第1加熱コイル2,第2加熱コイル3,偏心回転装置4を備えている。第1加熱コイル2は、半開放鞍型コイルであり、電源,インバータ等で構成される図示しない第1高周波電源によって高周波電流が供給される。また、第1加熱コイル2は周知の半開放鞍型コイルであり、焼入時においてワーク7(シャフト部8)との距離が一定となるようにスペーサ(図示せず)を介してワーク7に常時押し付けられており、シャフト部8の回転移動に追従するようにカムによって偏心回転する周知の第1追従機構(図示せず)を備えている。
次に、第2加熱コイル3は、螺旋状コイルであり、電源,インバータ等によって構成される第1高周波電源とは別の図示しない第2高周波電源によって高周波電流が供給される。第2加熱コイル3は、焼入時には常時停止している。
ここで、第1高周波電源と第2高周波電源は、通電の遮断時期が一致するように制御することができるが、必要に応じて遮断時期をずらすこともできる。また、冷却液の噴射時期は、適宜に調整することができ、加熱部位(シャフト部8と孔10の内壁)を冷却し、焼入を終了する。
最後に偏心回転装置4は、円板5と回転軸6とを備えている。回転軸6は、図示しないモータによって回転駆動される。円板5の中心と回転軸6の中心は一致しており、回転軸6は円板5の中心に一体固着されている。よって、回転軸6が図示しないモータによって回転駆動されると、円板5も同時に回転駆動されるようになっている。
さらに円板5には孔11が設けられている。この孔11は中心から外れた位置に設けられており、ワーク7のシャフト部8の先端部8aが嵌挿される。すなわちワーク7は円板5の孔11に嵌挿されて片持ち支持されている。また、先端部8aは、孔11に対して軸方向には移動可能であるが、回転方向には移動不能になっている。よって、ワーク7と円板5とは相対的に回転しない。さらに、回転軸6の中心線6a(円板5の中心)は、ワーク7の孔10の中心と一致している。
以上説明したように焼入装置1は構成されており、次に焼入装置1の動作を説明する。
偏心回転装置4の回転軸6が図示しないモータによって回転駆動されると、円板5の孔11が中心線6aを中心に回転する。すなわち、孔11に嵌挿されたワーク7は、円板5と共に中心線6a(すなわちワーク7の孔10の中心)を中心に回転する。
シャフト部8が、図1(a)及び図2(a)に示す状態から図1(b)及び図2(b)に示す状態まで回転軸6の中心線6aを中心に時計回りに90°回転移動すると、シャフト部8の第1加熱コイル2に対向する面が図1(a)における上側面(すなわち孔10から遠い側の面)から左側面になる。さらに時計回りに90°回転して図1(c)及び図2(c)に示す状態となると、図1(a)における下側面(すなわち孔10に近い側の面)が第1加熱コイル2に対向する。このように図1(a)〜図1(c)、さらに図1(d)の状態を経て図1(a)の状態に戻ると、シャフト部8の全周囲が第1加熱コイル2と対向して均一に誘導加熱される。
回転軸6の中心線6aを中心にワーク7が回転しても、孔10の中心は中心線6aと一致していてその位置は不変である。また、孔10の内壁から孔10内に配置されている停止した(すなわち回転しない)第2加熱コイル3までの距離も不変であるが、図1(a)に示す位置から図1(b)〜図1(d)を経てさらに図1(a)に戻り、ワーク7が中心線6aを中心に1回転すると、孔10も中心線6aを中心に1回転する。ここで第2加熱コイル3は螺旋状のコイルなので、孔10が回転すると、第2加熱コイル3の孔10の内壁に対する対向位置が変化する。よって、孔10の内壁は均一に誘導加熱される。
その結果、ワーク7の孔11の内壁とシャフト部8とが同時に誘導加熱され、焼入が同時に実施される。誘導加熱された孔10とシャフト部8は、図示しない冷却ジャケットによって冷却液が供給されて同時に冷却され、焼き入れが完了する。
このように、本発明を実施するとシャフト部8と孔10とが同時に誘導加熱されて焼入されるので、シャフト部8と孔10の温度上昇は同程度となり、図5(a)に示されるようにシャフト部8と孔10の焼入パターンが連続する。ここで、図5(a)は本発明を実施した場合のワークの焼入状態を示す概念図であり、図5(b),(c)は従来のワークの焼入状態を示す概念図である。
従来のように焼き入れした後にさらに焼き入れを重ねて行うと、図5(b)に示すようにシャフト部側の焼入パターン16(左斜め上がりの斜線で示す)と孔側の焼入パターン15(右斜め上がりの斜線で示す)とが形成され、焼入の重複箇所17が生じる。この重複箇所17は割れ易い。また、重複箇所17が生じないようにシャフト部側と孔側とを焼入すると、図5(c)において符号18で示す焼が入らない部位が生じてしまう。しかし、本発明の焼入方法又は焼入装置を実施すると、同時加熱によって図5(a)に示すように焼入パターンの重複が生じない。すなわち、第1加熱コイル2による焼入部位と第2加熱コイル3による焼入部位とが連続する。
次に、上記とは別の実施例を説明する。
図3は、図1とは別の本発明の焼入装置でワークを焼き入れする際の断面略図であり、(b)は(a)の状態から紙面の手前側上方に90°回転移動した状態を示し、(c)は(b)から90°回転移動した状態を示し、(d)は(c)から紙面の向こう側下方に90°回転移動した状態を示す。また、図4は図3のIV部拡大図である。
図3(a)に示すように、焼入装置21は、第1加熱コイル22,第2加熱コイル23,回転駆動装置25,26を備えている。第1加熱コイル22は、半開放鞍型のコイルであり、図1(a)の第1加熱コイル2と同じコイルである。また、この第1加熱コイル22には第1加熱コイル2に設けられた第1追従機構は不要であり、第1加熱コイル22は停止している。
また、第2加熱コイル23は螺旋状のコイルであって2次コイルを構成しており、図示しない高周波電源に接続された一次コイル24から高周波の電磁誘導を受ける。この第2加熱コイル23の螺旋状部分がワーク7の孔10内に配置される。第2加熱コイル23は、ワーク7の半径方向にのびるアーム部23aを備えており、さらに回転駆動装置26によって回転駆動される。回転駆動装置26の軸芯は、シャフト部8を回転駆動する回転駆動装置25の軸芯と一致しており、回転駆動装置25が駆動されると、回転駆動装置26も同期して駆動され、ワーク7の孔10と第2加熱コイル23の螺旋状コイルとが相対的に移動しないようになっている。すなわち、孔10がシャフト部8の周囲を一周すると、第2加熱コイル23も一周する。
図3(b)は、ワーク7の孔10と第2加熱コイル23が、図3(a)の状態から紙面の手前側上方に90°回転移動した状態を示している。その際、シャフト部8は自転するのみであって、回転中心の位置は変わらない。よって、シャフト部8の第1加熱コイル22に対向する側面の位置は90°ずれるが、シャフト部8から第1加熱コイル22までの距離は不変である。
さらに、図3(c),図3(d)とワーク7の孔10と第2加熱コイル23が回転移動しても、両者の相対的な移動はない。さらに図3(d)から図3(a)の状態まで90°回転すると、孔10及び第2加熱コイル23は元の状態に戻る(一周する)。その際、第1加熱コイル22はその場で停止を続けており、シャフト部8が自転することによってシャフト部8の周囲は均一に誘導加熱される。
ここで、ワーク7の形状を見てみると、図3のIV部拡大図である図4に示すように、孔10の周囲は一様ではなく、近傍にシャフト部8が存在している。そのため、第2加熱コイル23が孔10の内壁を均一に加熱しても、シャフト部8側の壁面10bの熱はシャフト部8側へ散逸し易く、その分だけ反対側の壁面10aよりも温度上昇しにくい。
そこで、第2加熱コイル23は、壁面10b側の巻数が壁面10a側の巻数よりも多くなるように螺旋の形状を変形させて加熱量に差を設け、結果的に孔10の全周囲を同程度に温度上昇させる。ちなみに図4に示す例では、壁面10b側の巻数が7つ、壁面10a側の巻数が6つとなっている。
また、シャフト部8が第1加熱コイル22によって誘導加熱された熱が、孔10側へ伝達されることを考慮しなければならない場合には、図4とは逆に、壁面10b側の巻数を、壁面10a側の巻数よりも少なく設定し、結果として孔10の全周囲の温度上昇の均一化を図ることも可能である。
図6は、第2加熱コイルに誘導電流を生じさせるための回路図であり、(a)は、第2加熱コイルが固定された形態を示し、(b)は、第2加熱コイルをその場で回転させることができる形態を示し、(c)は、第2加熱コイルをその場で回転させると共に一次コイルに沿って回転移動させることができる形態を示す。
図6(a)に示すように、第2加熱コイル3は螺旋状のコイルである。この加熱コイル3は、導体31と直結されている。ワーク7が回転すると焼入対象の孔10も回転するので、第2加熱コイル3が停止していても、孔10と第2加熱コイル3とは相対的に回転し、孔10の内壁の焼入は均一化される。よって、図6(a)に示す構成を採用すると、第2加熱コイル3の構成の簡略化を図ることができると共に、後述の図6(b),図6(c)のような電磁誘導を使用しないので効率がよい。
図6(b)に示すように、2次コイルである加熱コイル3に対して誘導電流を生じさせるワンターン形状の1次コイル31aが、環状部分3aの外側に同心状に配置されている。1次コイル31aは図示しない絶縁物で固定されており、第2加熱コイル3は回転駆動可能に絶縁物で支持されている。1次コイル31aに高周波電流を流すと、第2加熱コイル3(2次コイル)には高周波の誘導電流が流れる。また、図6(b)において第2加熱コイル3は、図示しないモータによって回転駆動可能である。第2加熱コイル3が回転すると、1次コイル31aと環状部分3aとが相対的に移動するが、両者間の距離に変動はない。
ここで図1に示す焼入装置1でワーク7を誘導加熱する場合には、偏心回転装置4(第1回転駆動手段)によってワーク7が回転駆動され、さらに図示しない回転駆動装置によって第2加熱コイル3を逆方向に回転させると、ワーク7の孔10の内壁と第2加熱コイル3の相対的な回転速度が増し、孔10の内壁の誘導加熱が均一化される。
また、図6(c)に示す例では、偏心回転装置4と同様の構成を有する図示しない偏心回転装置によって、第2加熱コイル3は、自身を回転駆動する回転駆動装置と共に二点鎖線で示される円軌道19上を公転移動する。すなわち第2加熱コイル3は、自転しながら円軌道19上を公転移動する。第2加熱コイル3が円軌道19上を移動すると、1次コイル32と環状部分3aとの距離が一定に保たれる。
図1に示すように孔10(中心線6a)を中心にワーク7を偏心回転させる場合において、第2加熱コイル3を図6(a)に示すように構成すると、孔10に対して第2加熱コイル3を任意に回転させることができるようになり、より良好な焼き入れ環境を提供できる。
また、図3に示すようにシャフト部8を中心にワーク7を回転させる場合においては、図6(c)に示すように第2加熱コイル3を構成することもできる。すなわち、ワーク7がシャフト部8を中心に回転すると、孔10が公転移動するが、図6(c)に示すように構成すると、第2加熱コイル3を孔10に追従させることができるようになる。
(a)〜(d)は、各々本発明を実施した焼入装置でワークを焼き入れする際の断面略図であり、(b)は(a)の状態から90°回転移動した状態を示し、(c)は(b)から90°回転移動した状態を示し、(d)は(c)から90°回転移動した状態を示す。 (a)〜(d)は、各々図1(a)〜(d)の左側面図である。 図1とは別の本発明の焼入装置でワークを焼き入れする際の断面略図であり、(b)は(a)の状態から紙面の手前側に90°回転移動した状態を示し、(c)は(b)から90°回転移動した状態を示し、(d)は(c)から紙面の向こう側に90°回転移動した状態を示す。 図3のIV部拡大図である。 (a)は本発明を実施した場合のワークの焼入状態を示す概念図であり、(b),(c)は従来のワークの焼入状態を示す概念図である。 第2加熱コイルに誘導電流を生じさせるための回路図であり、(a)は、第2加熱コイルが固定された形態を示し、(b)は、第2加熱コイルをその場で回転させることができる形態を示し、(c)は、第2加熱コイルをその場で回転させると共に一次コイルに沿って回転移動させることができる形態を示す。
符号の説明
1 焼入装置
2 第1加熱コイル
3 第2加熱コイル
4 偏心回転装置(第1回転駆動手段)
6 回転軸
6a 中心線
7 ワーク
8 シャフト部
9 平板部
10 ワークの孔

Claims (10)

  1. 平板上にシャフト部が起立しており、前記平板のシャフト部の近傍に孔が開いているワークにおいて、シャフト部と孔の内壁とを焼入れする焼入方法であって、
    前記シャフト部を第1加熱コイルで高周波誘導加熱し、同時に、前記孔の内壁を第2加熱コイルで高周波誘導加熱することを特徴とする焼入方法。
  2. 第1加熱コイルは半開放鞍型コイルであり、第2加熱コイルは螺旋形のコイルであることを特徴とする請求項1に記載の焼入方法。
  3. 前記孔を中心に前記ワークを回転させ、前記第1加熱コイルをシャフト部に追従させることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼入方法。
  4. 前記シャフト部を中心にワークを回転させると共に、第2加熱コイルを前記孔に追従して回転移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼入方法。
  5. 前記第1加熱コイルと第2加熱コイルには、別々の電源から電力供給されることを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の焼入方法。
  6. 平板上にシャフト部が起立しており、前記平板のシャフト部の近傍に孔が開いているワークにおいて、シャフト部と孔の内壁とを焼入れする焼入装置であって、
    前記シャフト部に対向する第1加熱コイルと、前記孔内に配置する第2加熱コイルとを備え、第1加熱コイルと第2加熱コイルとでシャフト部と孔の内壁とを同時に誘導加熱することを特徴とする焼入装置。
  7. 第1加熱コイルは半開放鞍型コイルであり、第2加熱コイルは螺旋形のコイルであることを特徴とする請求項6に記載の焼入装置。
  8. 前記孔を中心に前記ワークを回転駆動する第1回転駆動手段を設け、前記回転駆動に連動して第1加熱コイルをシャフト部に追従させる第1追従機構を設けたことを特徴とする請求項6又は7に記載の焼入装置。
  9. 前記シャフト部を中心にワークを回転駆動する第2回転駆動手段を設け、前記回転駆動に連動して第2加熱コイルを前記孔に追従させる第2追従機構を設けたことを特徴とする請求項6又は7に記載の焼入装置。
  10. 第1加熱コイルと第2加熱コイルには、各々別の電源から周波数の異なる電力が供給されることを特徴とする請求項6乃至9のうちのいずれかに記載の焼入装置。
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