JPH05339217A - N−フェニルグリシンの精製方法 - Google Patents
N−フェニルグリシンの精製方法Info
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- JPH05339217A JPH05339217A JP14712392A JP14712392A JPH05339217A JP H05339217 A JPH05339217 A JP H05339217A JP 14712392 A JP14712392 A JP 14712392A JP 14712392 A JP14712392 A JP 14712392A JP H05339217 A JPH05339217 A JP H05339217A
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- Japan
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- phenylglycine
- chelating agent
- activated carbon
- crude
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 簡易な精製方法でN−フェニルグリシンの超
高純度品を得る。 【構成】 粗製のN−フェニルグリシンを水にて再結晶
する際に、活性炭及びキレート剤を添加する。
高純度品を得る。 【構成】 粗製のN−フェニルグリシンを水にて再結晶
する際に、活性炭及びキレート剤を添加する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は染料中間体や光硬化樹脂
開始組成物として重要なN−フェニルグリシンの精製方
法に関するものである。
開始組成物として重要なN−フェニルグリシンの精製方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】N−フ
ェニルグリシンは通常、アニリンとモノクロル酢酸とを
反応して得られる。こうして得られる粗製のN−フェニ
ルグリシンは純度95〜97%であり、また、茶色に着
色している。さらに無機のイオン成分であるナトリウム
イオン、カリウムイオン、カルシウムシオン、鉄イオン
等を100〜500ppm含んでいる。そのために、高
純度の染料製造や光硬化樹脂開始組成物を目的とした場
合には、精製する必要があった。そこで、水にて再結晶
方法を試みたが、着色成分とイオン成分の除去は十分で
はなく、改良しなければならないことを確認した。
ェニルグリシンは通常、アニリンとモノクロル酢酸とを
反応して得られる。こうして得られる粗製のN−フェニ
ルグリシンは純度95〜97%であり、また、茶色に着
色している。さらに無機のイオン成分であるナトリウム
イオン、カリウムイオン、カルシウムシオン、鉄イオン
等を100〜500ppm含んでいる。そのために、高
純度の染料製造や光硬化樹脂開始組成物を目的とした場
合には、精製する必要があった。そこで、水にて再結晶
方法を試みたが、着色成分とイオン成分の除去は十分で
はなく、改良しなければならないことを確認した。
【0003】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、鋭意検討した結果、活性炭及びキレート
剤処理の2つの手法を組み合わせることにより、高純度
で無色であり、かつイオン成分の非常に少ないN−フェ
ニルグリシンを得ることに成功し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は粗製のN−フェニルグリシンを水に
て再結晶する際に、活性炭及びキレート剤を添加するこ
とを特徴とするN−フェニルグリシンの精製方法であ
る。
を解決すべく、鋭意検討した結果、活性炭及びキレート
剤処理の2つの手法を組み合わせることにより、高純度
で無色であり、かつイオン成分の非常に少ないN−フェ
ニルグリシンを得ることに成功し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は粗製のN−フェニルグリシンを水に
て再結晶する際に、活性炭及びキレート剤を添加するこ
とを特徴とするN−フェニルグリシンの精製方法であ
る。
【0004】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて使用する粗製のN−フェニルグリシンは、通常、
アニリンとモノクロル酢酸の反応によって得られる。本
発明においては、こうして得られたN−フェニルグリシ
ンを、水により再結晶する。
おいて使用する粗製のN−フェニルグリシンは、通常、
アニリンとモノクロル酢酸の反応によって得られる。本
発明においては、こうして得られたN−フェニルグリシ
ンを、水により再結晶する。
【0005】使用する水の量は粗製N−フェニルグリシ
ンの量の5〜20重量倍でよく、溶解の際、昇温は任意
に行えるが、60〜100℃、好ましくは80〜95℃
で行うとよい。又、使用する水はイオン成分の少ない蒸
留水を用いるのが好ましい。
ンの量の5〜20重量倍でよく、溶解の際、昇温は任意
に行えるが、60〜100℃、好ましくは80〜95℃
で行うとよい。又、使用する水はイオン成分の少ない蒸
留水を用いるのが好ましい。
【0006】本発明において、水にて再結晶する際、活
性炭及びキレート剤を添加する。添加は粗製N−フェニ
ルグリシンを水に溶解の際か、溶解後のいずれでもよ
く、又、活性炭、キレート剤の添加の順序も特に限定さ
れないが、粗製N−フェニルグリシンを溶解したのち、
両者を添加する方が操作を円滑に行うことができる。
性炭及びキレート剤を添加する。添加は粗製N−フェニ
ルグリシンを水に溶解の際か、溶解後のいずれでもよ
く、又、活性炭、キレート剤の添加の順序も特に限定さ
れないが、粗製N−フェニルグリシンを溶解したのち、
両者を添加する方が操作を円滑に行うことができる。
【0007】本発明において活性炭は、市販されている
いずれの種類のものも使用できる。又、活性炭の量は粗
製N−フェニルグリシンに対して通常3〜30重量%、
好ましくは5〜15重量%が適量である。30重量%を
超えると収率が低下し、3重量%未満では精製に十分で
ない場合がある。
いずれの種類のものも使用できる。又、活性炭の量は粗
製N−フェニルグリシンに対して通常3〜30重量%、
好ましくは5〜15重量%が適量である。30重量%を
超えると収率が低下し、3重量%未満では精製に十分で
ない場合がある。
【0008】キレート剤は金属封鎖剤として知られてい
る各種のものが使用できる。これらの例として、具体的
にはトリエチレングリコール等のポリエチレングリコー
ル系、1,2−ジアミノベンゼン等のジアミン系、サル
チル酸等のヒドロキシカルボン酸系、18−クラウン−
6等のクラウンエーテル系、多酢酸系等が挙げられる
が、中でも工業的見地から多酢酸系のものが好ましく、
これらの例としてはエチレンジアミン−N,N,N’,
N’−テトラ酢酸、N−(ヒドロキシエチル)−エチレ
ンジアミン−N,N’,N’−トリ酢酸、ジエチレント
リアミン−N,N,N’,N”,N”−ペンタ酢酸、ニ
トリロトリ酢酸及びそれらのナトリウム塩等が挙げられ
る。
る各種のものが使用できる。これらの例として、具体的
にはトリエチレングリコール等のポリエチレングリコー
ル系、1,2−ジアミノベンゼン等のジアミン系、サル
チル酸等のヒドロキシカルボン酸系、18−クラウン−
6等のクラウンエーテル系、多酢酸系等が挙げられる
が、中でも工業的見地から多酢酸系のものが好ましく、
これらの例としてはエチレンジアミン−N,N,N’,
N’−テトラ酢酸、N−(ヒドロキシエチル)−エチレ
ンジアミン−N,N’,N’−トリ酢酸、ジエチレント
リアミン−N,N,N’,N”,N”−ペンタ酢酸、ニ
トリロトリ酢酸及びそれらのナトリウム塩等が挙げられ
る。
【0009】キレート剤の使用量は粗製N−フェニルグ
リシンに対して3〜30重量%、好ましくは5〜20重
量%が適量である。
リシンに対して3〜30重量%、好ましくは5〜20重
量%が適量である。
【0010】活性炭、キレート剤を添加後は攪拌し、熱
時ろ過後、常法に従い、冷却、ろ過し、精N−フェニル
グリシンを得る。
時ろ過後、常法に従い、冷却、ろ過し、精N−フェニル
グリシンを得る。
【0011】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳しく
説明する。なお、実施例中の「部」は重量部を示す。
説明する。なお、実施例中の「部」は重量部を示す。
【0012】実施例1 蒸留水700部に粗製N−フェニルグリシン70部を入
れ95℃に昇温し完全に溶解させた後、活性炭7部、ニ
トリロトリ酢酸モノナトリウム塩10部を加え、95℃
にて1時間攪拌した後、同温度で熱時ろ過した。ろ液を
20℃まで冷却して、析出した結晶をろ過し、100部
の蒸留水で洗浄した後、乾燥して50部の精製N−フェ
ニルグリシンを得た。粗製N−フェニルグリシンと上で
得た精製N−フェニルグリシンの分析結果を第1表(表
1)に示す。
れ95℃に昇温し完全に溶解させた後、活性炭7部、ニ
トリロトリ酢酸モノナトリウム塩10部を加え、95℃
にて1時間攪拌した後、同温度で熱時ろ過した。ろ液を
20℃まで冷却して、析出した結晶をろ過し、100部
の蒸留水で洗浄した後、乾燥して50部の精製N−フェ
ニルグリシンを得た。粗製N−フェニルグリシンと上で
得た精製N−フェニルグリシンの分析結果を第1表(表
1)に示す。
【0013】
【表1】
【0014】実施例2〜8 実施例1において、キレート剤を代えて全く同様にて行
った結果を第2表(表2)に示すが、実施例1同様、良
好な結果が得られた。
った結果を第2表(表2)に示すが、実施例1同様、良
好な結果が得られた。
【0015】
【表2】
【0016】比較例1 実施例1において、活性炭及びキレート剤であるニトリ
ロトリ酢酸モノナトリウム塩を添加しないで全く同様に
して行った。収率は71%であったが、結晶色が茶色
で、純度は98.1%、イオン成分はNa+が28pp
m、K+が12ppm、Ca2+が45ppm、Fe3+が
29ppmと不良であった。
ロトリ酢酸モノナトリウム塩を添加しないで全く同様に
して行った。収率は71%であったが、結晶色が茶色
で、純度は98.1%、イオン成分はNa+が28pp
m、K+が12ppm、Ca2+が45ppm、Fe3+が
29ppmと不良であった。
【0017】比較例2 実施例1において、キレート剤であるニトリロトリ酢酸
モノナトリウム塩を添加しないで全く同様にして行っ
た。収率は69%、純度99.2%、白色結晶が得られ
たが、イオン成分はNa+が35ppm、K+が16pp
m、Ca2+が54ppm、Fe3+が45ppmと不良で
あった。
モノナトリウム塩を添加しないで全く同様にして行っ
た。収率は69%、純度99.2%、白色結晶が得られ
たが、イオン成分はNa+が35ppm、K+が16pp
m、Ca2+が54ppm、Fe3+が45ppmと不良で
あった。
【0018】比較例3 実施例1において、活性炭を添加しないで、全く同様に
して行った。収率は70%、イオン成分はNa+が1.
9ppm、K+が0.3ppm、Ca2+が0.4pp
m、Fe3+は1.9ppmであり、純度が97.9%、
また結晶色が茶色と不良であった。
して行った。収率は70%、イオン成分はNa+が1.
9ppm、K+が0.3ppm、Ca2+が0.4pp
m、Fe3+は1.9ppmであり、純度が97.9%、
また結晶色が茶色と不良であった。
【0019】
【発明の効果】本発明の方法により簡易にN−フェニル
グリシンの超高純度品を得ることができ、これは実用上
極めて価値のあるものである。
グリシンの超高純度品を得ることができ、これは実用上
極めて価値のあるものである。
Claims (5)
- 【請求項1】 粗製のN−フェニルグリシンを水にて再
結晶する際に、活性炭及びキレート剤を添加することを
特徴とするN−フェニルグリシンの精製方法。 - 【請求項2】 キレート剤がエチレンジアミン−N,
N,N’,N’−テトラ酢酸またはその塩である請求項
1記載の方法。 - 【請求項3】 キレート剤がN−(ヒドロキシエチル)
−エチレンジアミン−N,N’,N’−トリ酢酸または
その塩である請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 キレート剤がジエチレントリアミン−
N,N,N’,N”,N”−ペンタ酢酸またはその塩で
ある請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 キレート剤がニトリロトリ酢酸またはそ
の塩である請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14712392A JP3169433B2 (ja) | 1992-06-08 | 1992-06-08 | N−フェニルグリシンの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14712392A JP3169433B2 (ja) | 1992-06-08 | 1992-06-08 | N−フェニルグリシンの精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05339217A true JPH05339217A (ja) | 1993-12-21 |
JP3169433B2 JP3169433B2 (ja) | 2001-05-28 |
Family
ID=15423066
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14712392A Expired - Fee Related JP3169433B2 (ja) | 1992-06-08 | 1992-06-08 | N−フェニルグリシンの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3169433B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107930183A (zh) * | 2017-12-20 | 2018-04-20 | 浙江云涛生物技术股份有限公司 | 一种苯甘氨酸强碱母液树脂脱色装置及脱色工艺 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009024075B4 (de) | 2009-06-05 | 2012-11-29 | Wafios Ag | Biegevorrichtung für stabförmige Werkstücke |
CN101941033B (zh) * | 2010-08-30 | 2012-05-23 | 张家港市明华机械制造有限公司 | 一种送料装置 |
-
1992
- 1992-06-08 JP JP14712392A patent/JP3169433B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107930183A (zh) * | 2017-12-20 | 2018-04-20 | 浙江云涛生物技术股份有限公司 | 一种苯甘氨酸强碱母液树脂脱色装置及脱色工艺 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3169433B2 (ja) | 2001-05-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |