JPH05337381A - 無洗米製造装置の運転制御方法 - Google Patents

無洗米製造装置の運転制御方法

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JPH05337381A
JPH05337381A JP4145731A JP14573192A JPH05337381A JP H05337381 A JPH05337381 A JP H05337381A JP 4145731 A JP4145731 A JP 4145731A JP 14573192 A JP14573192 A JP 14573192A JP H05337381 A JPH05337381 A JP H05337381A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無洗米製造装置の運転に際し、米粒に対する
洗米のレベルや乾燥のレベルが安定するよう制御する。 【構成】 精白米の流量を測定する原料計量器49を設
ける。無洗米の流量を測定する製品計量器50を設け
る。洗米排水の濁度を測定する濁度検出器66を設け
る。測定された精白米流量,無洗米流量および濁度と供
給水量とに基づき演算し、その演算された値が所定の値
となるよう制御要素9,41,57を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無洗米製造装置を運転
制御する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】研がずに炊けるいわゆる“無洗米”の製
造装置は本発明者によって既に提案されている(特願平
4−6363)。これは精白米を洗米し、その後直ちに
精白米の表面に付着した水を除去(乾燥)することによ
り、食味が良く保管性に優れた無洗米を得ようとするも
のである。
【0003】前記出願の明細書に記載の通り、無洗米の
食味を良くするには、その製造段階において、糠臭の原
因となる物質(玄米のアリウロン層に多く含まれる、油
脂を主とする混合物:以下アリウロン残留物という)を
ある程度以下にまで除去しておかなければならず、ま
た、米粒の表面に亀裂を発生させてはならない。さら
に、無洗米の保管性を良くするには、その水分率をある
程度(通常約16%)以下にしておかなければならな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記無
洗米製造装置では、一定品質の無洗米を安定的に製造す
ることは困難であり、特に、洗米度(洗米のレベル)と
乾燥度(乾燥のレベル)が不安定となっていた。
【0005】まず洗米度について説明すると、一般に洗
米度は、他の条件が一定であれば、水に浸した時の精白
米の吸水度に比例する。そして、吸水度は、産地・品種
の異なるA〜Cの3種類の精白米を10秒間水に浸し直
ちに遠心脱水した後の、精白米の水分率を示す図9のグ
ラフからわかるように、水温に比例して高くなるととも
に、精白米の種類によっても、大幅に異なる。従来の無
洗米製造装置では、このような精白米の吸水度の違いに
起因する洗米度の差異をカバーするような運転制御がで
きていなかったので、洗米度に過不足が生じやすかった
のである。
【0006】そして、洗米度が低すぎて、アリウロン残
留物の除去が不十分となって無洗米を炊いたとき糠臭が
感じられたり、逆に洗米度が高すぎて、精白米の可食成
分である澱粉粒子の離脱が激しくなって洗米歩留が低下
したり、米粒の表面が荒れて無洗米を炊いた米飯の粘着
性が過大となったり、無洗米の水分率が高くなりすぎて
保管性が悪くなったり、という欠点が生じていた。
【0007】また、乾燥度については、乾燥を米粒の表
面に付着した水分がほぼ全部除去される程度に行うのが
理想的であるが、従来の無洗米製造装置では、ともする
と過乾燥となって米粒表層に亀裂を生じさせたり、乾燥
不足となって無洗米の保管性を低下させたりしていた。
しかし、製品(無洗米)の最終的な水分率を水分計で測
定しながら測定結果により運転制御を行うことは、現在
市場にある水分計では測定精度や測定に要する時間の点
で不可能であった。
【0008】さらに、洗米度や乾燥度に影響を与える環
境要因、例えば洗浄水の温度・気温・相対湿度等を連続
的に測定し、その結果により無洗米製造装置を制御する
ことも考えられたが、洗米度や乾燥度を直接的に算定す
るものではないので正確さに欠け、いわゆる「見込み運
転」となる不安を解消できるものではなかった。
【0009】なお、糠臭の原因となるアリウロン残留物
は油脂分がその大半を占めるので、洗米排水中のn−ヘ
キサン抽出物質の濃度から、その除去程度を調べること
ができる。また、前記のように洗米では澱粉粒子も離脱
するが、その離脱の程度は、洗米排水中のBOD(生物
化学的酸素要求量)から推測することができる。
【0010】そこで本発明者は、産地・品種の異なるA
〜Cの3種類の精白米について、容器に精白米1kgと、
温度20℃一定の水1リットルとを投入して一定の強さ
で攪拌洗米し、洗米時間ごとの洗米水のn−ヘキサン抽
出物質濃度とBODとを計測する実験を行った。その結
果を示した図10および図11のグラフによれば、n−
ヘキサン抽出物質濃度は約1000ppmを限度に頭打
ちとなるので、その段階でアリウロン残留物の除去程度
は十分であることがわかる。また、n−ヘキサン抽出物
質濃度とBODにはある程度の相関関係があることがわ
かる。
【0011】本発明者は次に、洗米水の濁度とBODと
の関係を調査した。その結果、図12のグラフのよう
に、洗米の初期にn−ヘキサン抽出物質が多量に除去さ
れたり(図12のイ)、洗米の末期に精白米が砕けて砕
粒化したり(図12のロ)することによる変化はある
が、概ね濁度とBODは正比例しているので、洗米排水
の濁度に基づき、BODを簡略的に算出したり、無洗米
製造装置を制御したりすることが可能であると考えられ
た。
【0012】本発明は上記問題点および実験結果に鑑み
て提案されたもので、品質の揃った無洗米を安定してし
て生産することができる無洗米製造装置の運転制御方法
を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る無洗米製造装置の運転制御方法は、精
白米を洗米したのち乾燥させることにより、研がずに炊
ける無洗米を製造する無洗米製造装置において、原料計
量器と、製品計量器と、洗米排水の濁度検出器とを備
え、両計量器及び濁度検出器からの信号並びに供給水量
を演算し、その演算された値が所定の値となるように制
御要素を制御することを特徴とするものである。
【0014】
【作用】無洗米製造装置の運転を開始し、洗米排水が排
出されると、濁度検出器により洗米排水の濁度が測定さ
れ、この測定濁度値と、原料計量器からの精白米流量
と、供給水量とに基づく演算がなされて、補正濁度値が
算出される。そして、この補正濁度値が所定の値である
か否かがチェックされ、所定の値でないときは、所定の
値になるよう制御要素が制御され、洗米度が適正に保持
される。
【0015】また、原料計量器からの精白米流量、製品
計量器からの無洗米流量、および、前記補正濁度値か
ら、無洗米の精白米に対する水分上昇率が演算される。
そして、この水分上昇率が所定の値であるか否かがチェ
ックされ、所定の値でないときは、所定の値になるよう
制御要素が制御され、乾燥度が適正に保持される。
【0016】
【実施例】以下図面に基づき本発明の無洗米製造装置の
運転制御方法を説明する。図1は本発明方法にかかる無
洗米製造装置の概略構成図であって、図中符号1は当該
装置を全体的に示す。
【0017】この無洗米製造装置1は、原料用の精白米
を貯留する原料タンク2と、原料タンク2内の精白米を
定量排出するスクリューフィーダー3と、原料タンク2
から排出された精白米を洗米する一次洗米部4および二
次洗米部5と、洗米後の精白米を乾燥させる乾燥部6
と、乾燥部6から排出された無洗米を貯留する製品タン
ク7、および、無洗米を製品タンク7に投入するための
バケットエレベーター8から構成される。
【0018】スクリューフィーダー3は、モーター9に
より駆動する。一次洗米部4は、一端に精白米の受け入
れ口10を、他端に排出口11を有する洗米筒12の内
部に、周面に突条13(送り突条13aおよび攪拌突条
13b)を有するロール14を、モーター15により回
転駆動自在に内装するとともに、排出口11には調圧機
構16を設ける。また、洗米筒12には、給水管17を
介して水源(図示せず)と連通する注水口を設け、さら
に、洗米筒12の下部には多数の細孔18を穿設すると
ともに、その下側に水受け樋19を設けて構成する。な
お、20は給水管17への給水,停止を行う電磁弁であ
る。
【0019】二次洗米部5は、ケーシング21の内部
に、多数の細孔22が穿設された周壁を有する遠心脱水
槽23を設け、遠心脱水槽23の内部には、周壁にスク
リュー羽根24を有するスクリュー筒25を設け、遠心
脱水槽23とスクリュー筒25をモーター26により回
転駆動するが、この際、プーリー径に差を設けてスクリ
ュー筒25のほうが遠心脱水槽23より若干速く回転す
るよう構成する。
【0020】また、スクリュー筒25の内部に、排出口
11からの精白米を供給する給米管27と、給水管17
の途中から分岐させた給水管28とを挿通するととも
に、給米管27、給水管28の下端にそれぞれ対応させ
て、スクリュー筒25の周壁に多数の米吐出口29およ
びすすぎ水吐出口30を開設する。
【0021】さらに、スクリュー筒25の周壁の上部に
多数の通気口31を、ケーシング21の周壁の下部に排
気排水口32を開設し、排気排水口32はサクションホ
ース33を介して吸引ファン34に接続する。35は米
粒飛散防止ネット、36は米受け樋、37は米受け樋3
5に臨ませた排出筒、38は移送板である。
【0022】乾燥部6は、上面が開放したケーシング3
9の内部に、円板状のネットコンベア40をモーター4
1により回転駆動可能に設け、前記排出筒37からの米
粒が、ネットコンベア40の上面に供給されるように構
成するとともに、ケーシング39の一部を切り欠いて排
出口42を形成し、米粒を排出口42へ誘導する誘導板
43を設ける。44はネットコンベア40の中央上方に
ケーシング39と連結して固設されたカバーであり、4
5は排出口42に取り付けたシュートである。また、ケ
ーシング39の下端には吸気口46を設け、サクション
ホース47を介して吸引ファン48を接続する。
【0023】以上が無洗米製造装置1の概略であるが、
本発明では、この無洗米製造装置1を運転制御するた
め、さらに以下の構成を付加する。まず、スクリューフ
ィーダー3と一次洗米部4との間に原料計量器49を、
乾燥部6とバケットエレベーター8との間に製品計量器
50を、それぞれ設ける。両計量器49,50とも、ベ
ルトコンベアの下部にロードセル秤を設けて、米粒の重
量をベルトコンベアごと測定し、ベルトコンベア自体の
重量は測定値から差し引くようあらかじめ設定してお
く。なお、両計量器49,50とも、米粒がベルトコン
ベアに載ってから、コンベアの端部より落下するまでの
時間は同一とする。(例えば、その時間が10秒であれ
ば、測定値は10秒間の米粒流量を示すことになる。)
【0024】また、一次洗米部4の調圧機構16は、排
出口11に対設した抵抗蓋51を下部に架着した支持板
52の上部を突出杆53により支持するとともに、支持
板52を遊貫する支持杆54にツマミ55を螺合し、ツ
マミ55と支持板52との間に調圧ばね56を介装し
て、調圧ばね56により抵抗蓋51を排出口11側に押
圧する。
【0025】また、モーター57を、その回転軸58が
支持板52を遊貫するよう設けるとともに、回転軸58
に押圧板59を螺合し、支持板52と押圧板59との間
に補助調圧ばね60を介装することにより、モーター5
7の正逆回転に伴い押圧板59が軸方向に移動し、抵抗
蓋51の押圧力を調節できるようにする。なお、61は
押圧板59の回動を防ぐため押圧板59を嵌通させて設
けたピン、62aと62bは調節範囲の限界を確認する
ためのリミットスイッチである。
【0026】さらに、給水管17の、給水管28と分岐
する以前の位置に水量センサー63を設ける。また、サ
クションホース33の途中に気液分離器64を設けると
ともに、これにより空気から分離された排水と、一次洗
米部4の水受け樋19からの排水とを集めて合流させる
排水管65を設け、排水管65に接続して、濁度検出器
66を設ける。濁度検出器66は、排水の流量に関わら
ず、常に水中となる位置に、対向させて設けた発光素子
67と受光素子68とを有し、受光量の減衰の程度によ
り、排水の濁度を測定する。69は濁度検出器66から
の排水を行うオーバーフロー管である。
【0027】以上のように構成する機器類の制御系につ
いて説明すると、図8において、70はマイクロコンピ
ュータ等の演算装置を内蔵する制御装置であり、その入
力側には、原料計量器49,製品計量器50,リミット
スイッチ62a,62b,水量センサー63および濁度
検出器66を接続する。また、制御装置70の出力側に
は制御要素に係るモーター9,41,57を接続する
他、モーター15,26,電磁弁20,吸引ファン3
4,48を接続する。さらに、制御装置70には各種の
起動スイッチや設定ボリウム71を設ける。
【0028】次いで、上記実施例における動作について
説明する。モーター15,26,41と、吸引ファン3
4,48とを起動するとともに、電磁弁20を開放して
給水を開始したのち、モーター9を回転させると、原料
タンク2に貯留された精白米はスクリューフィーダー3
により取り出され、原料計量器49により流量を測定さ
れながら、一次洗米部4の受け入れ口10を経て洗米筒
12に入り、回転するロール14の送り突条13aによ
り排出口11方向へ送られ、調圧機構16の抵抗蓋51
を押し開けて排出口11から排出されるが、この間に、
精白米には水量センサー63により流量を測定されなが
ら給水管17を経て送られてくる水が注水口から添加さ
れると同時に攪拌突条13bにより攪拌され、アリウロ
ン残留物などの被除去物は精白米から遊離させられて水
に溶解または懸濁した状態となり、水は細孔18から排
出されて水受け樋19に集められ、精白米は排出口11
から排出されて給米管27に投入される。
【0029】給米管27に投入された精白米は、落下し
てスクリュー筒25の底部に達すると、スクリュー筒2
5の回転に伴う遠心力により放射方向に移動され、米吐
出口29から吐出されて遠心脱水槽23に入り、さらに
遠心力により周壁に押しつけられて、精白米に付着して
いる水は細孔22から排出される。
【0030】精白米は遠心脱水されながら、遠心脱水槽
23と差動回転するスクリュー筒25のスクリュー羽根
24により上送されるが、その途中で、給水管17から
給水管28を経てスクリュー筒25内へ供給される水が
遠心力によりすすぎ水吐出口30から吐出され、精白米
にシャワー状に注がれるため、精白米の表面に残ってい
る被除去物がさらにすすぎ落とされ、水とともに細孔2
2から排出される。
【0031】このようにすすぎ洗いされ、かつ、遠心脱
水により水切りされた精白米は、遠心脱水槽23の上端
に達すると放射方向に飛散させられ、米飛散防止ネット
35に受け止められて米受け樋36内に落下し、移送板
38により周方向に移動させられながら、排出筒37が
開口している所へ来ると、その中を落下して乾燥部6の
ネットコンベア40上に放出される。
【0032】なお、吸引ファン34の吸引により、スク
リュー筒25上端から入り通気口31,細孔22を経て
排気排水口32に抜ける空気の流れが常に生じているた
め、細孔22から排出された水は速やかに排気排水口3
2からサクションホース33を経て気液分離器64に達
し、ここで空気と分離されて排水管65に流入し、一次
洗米部4の水受け樋19からの排水と合流して、濁度検
出器66により濁度を測定されたのち、オーバーフロー
管69を経て処理される。
【0033】ネットコンベア40上に放出された精白米
は、ネットコンベア40が矢印ハ方向に回転しているの
で、順次その上に展開され、周方向に移送されながら、
吸引ファン48の吸引によりネットコンベア40を上か
ら下へ吹き抜ける風により、表面に付着している水が蒸
発させられる。そして、誘導板43に達すると、その前
面壁に沿って排出口42へ誘導され、シュート45を滑
り落ちて、製品計量器50により重量を測定されたの
ち、バケットエレベーター8を経て製品タンク7に投入
される。
【0034】以上が無洗米製造装置1の基本的な動作で
あるが、次に、この動作における運転制御の方法につい
て説明する。制御装置70には、原料計量器49,製品
計量器50による精白米と無洗米との単位時間当たりの
流量と、水量センサー63による単位時間当たりの供給
水量と、濁度検出器66による洗米排水の濁度が、逐次
入力されている。そして、まず濁度検出器66からの測
定濁度値が、米と水の重量比が1:1のときの値に補正
される。精白米から流出する成分の絶対量は同じでも、
米と水の重量比が変化すると、濁度が変わってしまうの
で、そのことにより誤差が生じないよう補正するのであ
る。
【0035】補正濁度値は、あらかじめ制御装置70内
の演算装置に設定しておいた計算式、例えば、 測定濁度値 × 供給水量 ÷ 精白米流量 = 補正
濁度値 により算出される。
【0036】そして、図12等を参考にしてあらかじめ
設定されている係数により、この補正濁度値が、BOD
15000〜17000ppmに相当する範囲内にある
か否かがチェックされる。図10および図11から判断
されるように、BOD値がこの範囲内にあれば、A,
B,Cいずれの精白米について見ても、少なくともn−
ヘキサン抽出物質濃度が約1000ppmになっている
ので、洗米度に不足を生じることはなく、かといって極
端に洗米度が過剰になることもない。
【0037】もし、補正濁度値がBOD相当で1500
0ppmを下回る場合は制御信号を出力するが、まず、
モーター57を正回転させ、押圧板59をモーター57
側に移動させ、抵抗蓋51の排出口11に対する押圧力
を高めて、洗米筒12内の米粒に加わる圧力を高くし
て、洗米度を上昇させる。一回の制御信号で押圧板59
を移動させる調整量は小さく、一旦調整するとそこで再
び測定,演算を行って補正濁度値をチェックする。そし
て、押圧板59がリミットスイッチ62bに達しても、
なお補正濁度値が範囲内に入らない場合は、モーター9
の回転速度を低下させ、洗米筒12への精白米の流入量
を減じ、米粒が洗米筒12を通過するのに要する時間を
長くして、洗米度を上昇させる。この制御も、一回当た
りの調整幅を小さくして段階的に行われる。
【0038】反対に、補正濁度値がBOD相当で170
00ppmを上回る場合は、まず、モーター9の回転速
度を上昇させて精白米の流入量を増やし、次いでモータ
ー57を逆回転させて抵抗蓋51の押圧力を弱めて、洗
米度を下降させる。以上のような制御を行うことによ
り、洗米度が適正に保持される。
【0039】次に乾燥度の制御について説明すると、無
洗米の水分率が、精白米に比べてどれだけ増加したかと
いうことは、原料計量器49からの精白米の単位時間当
たりの流量と、製品計量器50からの無洗米の流量との
比により計算される。ただし、洗米によって流失した成
分の重量を計算に入れなければならない。流失成分の単
位時間当たりの重量は前記補正濁度値に相当するBOD
から、以下の計算式、 精白米流量 × BOD ÷ 1000000 × a
= 流失成分重量 により算出される。なお、aは係数であり、流失物質に
より異なるが、洗米排水の場合は約0.95とすれば問
題はない。
【0040】そして、これに基づき、増加水分率が計算
式、例えば、 無洗米流量 ÷( 精白米流量 − 流失成分重量 )
−1 = 増加水分率 により算出される。
【0041】この結果、0.002≦増加水分率≦0.
007、すなわち、無洗米の水分率が、精白米より0.
2〜0.7%増加する範囲内であれば乾燥度は適正であ
ると見なされる。もし0.2%を下回る場合は、モータ
ー41の回転速度を速くして、米粒がネットコンベア4
0上にある時間(乾燥時間)を短くして、米粒の乾きす
ぎを防ぐ。逆に0.7%を上回る場合は、モーター41
の回転を遅くして、乾燥時間を長くすることにより、乾
燥度を上昇させる。この場合の制御も洗米度の制御の場
合と同様、一回の調整量を小さくし、段階的に行われ
る。このようにして、乾燥度が適正に保持される。
【0042】以上が、本実施例における無洗米製造装置
1の運転制御の動作である。なお、演算結果に基づく制
御を行ってから、実際に各制御要素が調整されて、その
結果が測定値に反映されるまでには、若干の時間がかか
るので、制御を行う間隔は、少なくともこの時間より長
くする必要がある。実際は、気温,湿度および水温の変
化はそれほど急激なものではないので、一旦安定した運
転状態に入ったのちは、約1〜2分間隔で制御を行え
ば、一回の調整量が小さくても、その調整量で十分変化
に追従でき、不良品を発生させることがない。
【0043】ただし、運転を開始後、安定状態に入るま
では、一回の調整量が小さいと、適正な洗米度または乾
燥度とするのに時間がかかることがあり得る。そこで、
測定,演算の結果が所定の範囲から大幅に外れていると
きは一回の調整量を大きく、外れ方が小さい時は一回の
調整量も小さく、というような制御をすることにより、
安定状態となるまでの時間を短縮することも考えられ
る。
【0044】また、運転開始前に気温,相対湿度および
水温等を測定し、その結果や精白米の産地や品種に応じ
た吸水速度のデータなどから、概ね適正な洗米度や乾燥
度になるよう各制御要素を初期設定しておくことによっ
ても、運転開始後、安定状態となるまでの時間を短縮す
ることができる。温度計,湿度計および水温計を制御装
置70に接続して、自動的に初期設定が行われるように
してもよい。(運転開始後は、これらによる測定は不要
である。)
【0045】なお、測定値を演算するための計算式、お
よび、洗米度や乾燥度を適正と見なす範囲の決め方、等
は前記実施例に限られることなく自由であり、原料計量
器49,製品計量器50および濁度検出器66の測定方
式も実施例の方式に限定されない。また、前記実施例で
は供給水量を水量センサー63により測定したが、水圧
の変動等がなく常に一定の水量を供給でき、かつ、その
流量が判明している場合は、必ずしも水量センサー63
は設けなくてもよい。
【0046】また、実施例では制御要素として前記のよ
うなものを制御したが、洗米度や乾燥度を変化させるこ
とが可能であるならば、前期実施例に記載のある要素で
あるか否かに関わらず、他の要素を制御要素とすること
もできる。例えば、乾燥部6のネットコンベア40の上
方にヒーターを設置し、そのヒーターの発熱量を制御す
ることにより、乾燥度を変化させるようなことも可能で
ある。
【0047】さらに、無洗米製造装置の構成は前記実施
例のものに限定されず、精白米を洗米したのち乾燥させ
るという要件を満たすものであれば、どのような構成を
有する装置であっても、本発明方法により制御すること
が可能である。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明による無洗米製造装
置の運転制御方法では、従来「見込み運転」とならざる
を得なかった無洗米製造装置を、洗米度や乾燥度を極め
て正確に管理して制御できるので、一定品質の無洗米が
安定的かつ自動的に製造でき、無洗米の食味や保管性お
よび洗米歩留を高いレベルに維持することが可能とな
る。また、オペレーターが常に監視していなくてもよい
ので人件費を節約でき、さらに、不良品を発生させる率
が大幅に少なくなるので、米の損失を防げるなどの効果
も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の運転制御方法の実施例である無洗米製
造装置の、一部を断面で示した正面図である。
【図2】一次洗米部の一部と調圧機構の縦断面図であ
る。
【図3】一次洗米部のA−A線断面図である。
【図4】二次洗米部の縦断面図である。
【図5】スクリュー筒の正面図である。
【図6】乾燥部の平面図である。
【図7】濁度検出器の縦断面図である。
【図8】制御装置への入出力を示す略図である。
【図9】精白米の吸水度を示すグラフである。
【図10】洗米排水のn−ヘキサン抽出物質濃度を示す
グラフである。
【図11】洗米排水のBODを示すグラフである。
【図12】洗米排水の濁度とBODとの関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 無洗米製造装置 9 モーター 41 モーター 49 原料計量器 50 製品計量器 57 モーター 66 濁度検出器 70 制御装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精白米を洗米したのち乾燥させることに
    より、研がずに炊ける無洗米を製造する無洗米製造装置
    において、原料計量器と、製品計量器と、洗米排水の濁
    度検出器とを備え、両計量器及び濁度検出器からの信号
    並びに供給水量を演算し、その演算された値が所定の値
    となるように制御要素を制御することを特徴とする無洗
    米製造装置の運転制御方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08275867A (ja) * 1995-04-04 1996-10-22 Fujimori Kogyo Kk 米飯類の調理装置
KR100581501B1 (ko) * 2004-04-26 2006-05-22 임원혜 물로 씻지 않고 밥을 하는 깨끗한 쌀 및 그 제조방법
JP2008122300A (ja) * 2006-11-15 2008-05-29 Saika Gijutsu Kenkyusho 米の無洗化処理評価方法及びこれに用いる試料容器
JP2013542853A (ja) * 2010-10-28 2013-11-28 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ 米を研ぐための方法及び装置

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