JPH05334665A - 磁気ディスク - Google Patents

磁気ディスク

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Publication number
JPH05334665A
JPH05334665A JP14300892A JP14300892A JPH05334665A JP H05334665 A JPH05334665 A JP H05334665A JP 14300892 A JP14300892 A JP 14300892A JP 14300892 A JP14300892 A JP 14300892A JP H05334665 A JPH05334665 A JP H05334665A
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JP
Japan
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magnetic disk
magnetic
pattern
disk
magnetic head
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Pending
Application number
JP14300892A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaharu Okudera
正晴 奥寺
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH05334665A publication Critical patent/JPH05334665A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ヘッドの媒体対向面と磁気ディスク表面
の吸着現象を低減しつつ、磁気ヘッドの浮上安定性を向
上させる。 【構成】 磁気ヘッドによって情報の読み書きがなさ
れ、回転駆動される磁気ディスクにおいて、磁気ディス
クの表面と裏面の少なくとも一方の内周部に、突起状の
パターンが複数形成されており、かつ外周部に、円周方
向の微細な溝が設けられていることを特徴とする磁気デ
ィスク。 【効果】 磁気記録特性の向上を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスクが磁気ヘ
ッドと接触した状態で、起動停止を行なう磁気記録装置
に関し、特に、吸着現象による磁気ヘッドの起動不良を
防止し、摩擦特性を向上させるとともに、安定した電気
特性を得ることを図った磁気ディスクに関わるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】コンピュータの磁気記録装置などに用い
られている円盤状の磁気ディスクにあっては、磁気ヘッ
ドによって、信号の書き取り読み取りがなされている。
この磁気ヘッドは、磁気ディスクが停止されている時は
磁気ディスク表面に接触し、磁気ディスクが回転すると
気体軸受けの原理によって、磁気ヘッドは浮力を受けて
浮上し、この状態で信号の書き込みと読み取りを行なう
ようになっている。
【0003】そこで、上述したような磁気ディスク及び
磁気ヘッドから構成される磁気記録装置は、磁気ヘッド
の磁気ディスクに対する浮上高さを下げ、すなわちスぺ
ーシングロスを減らして、一層の高記録密度化を果たす
ことが要求されている。 そのため、従来、磁気ディス
クにおいては、高い平坦度、平滑度が必要とされ、一方
磁気ヘッドにおいては、浮上安定性が要求され、この浮
上安定性を良好に保つために、その媒体対向面の平坦
度、平滑度が要求されてきた。よって、従来の磁気記録
装置における、磁気ディスク及び磁気ヘッドにおいて
は、その媒体対向面に鏡面加工が施されていた。
【0004】しかし、前述した鏡面加工が施された磁気
ディスク表面及び磁気ヘッドの媒体対向面は、磁気ディ
スク及び磁気ヘッドの媒体対向面の潤滑剤や、大気中の
水分によって、強い吸着現象を起こすという問題を有し
ていた。そして、こうした吸着現象が生じて、磁気ヘッ
ドと磁気ディスクの吸着力が磁気記録装置の駆動回転モ
ーターのトルク力を超えると、起動不良になる恐れもあ
った。
【0005】よって、上記のような問題を解決するため
に、磁気ヘッドの媒体対向面の表面に粗さを設ける方法
などがとられる場合もあったが、多くの場合は磁気ディ
スクの表面にテクスチャーと呼ばれる円周方向の溝を設
けて吸着を防止するのが一般的である。例えば、スパイ
ラル溝を設ける技術(特開平1−140422)、同心
円溝を設ける技術(特開平56−35)などが知られて
いる。
【0006】ここで、従来の一般的な磁気ディスクの構
造について、図面を参照しつつ説明する。図25(a)
と図25(b)は、従来の磁気ディスクの一例を示すも
ので、この磁気ディスクは中央部に透孔1が形成された
Al、Al合金あるいはガラスなどからなる円盤状の基
板2と、この基板2の全面に被膜されたNi−Pなどの
被覆膜3とからなる磁気ディスク基板Cが主体となり、
磁気ディスク基板Cの被覆膜3上に図25(b)に示す
積層膜が形成されている。
【0007】Ni−P被覆膜3上に形成される積層膜の
一例として図25(b)に示す構成を採用することがで
きる。図25(b)において積層膜は、厚さ1500Å
程度のCr膜4と、Cr膜4上に形成された厚さ700
Å程度のCo−Ni層、Co−Ni−Cr、Co−Cr
−Ta層等からなる磁性層5と、磁性層5上に積層され
た厚さ300Å程度のCからなる保護膜6と、保護膜6
上に被膜された潤滑膜7とから構成されている。
【0008】また、前記Ni−P等からなる被覆膜3上
には、テクスチャーを形成するための加工が施されて、
テクスチャー8が設けられている。このテクスチャー8
は、一般的に、その表面粗さの粗さ中心線からの最大高
さRaが0.002〜0.1μmとした凹凸溝状のリン
グを被覆膜3上面に同心円状に多数形成したものであ
る。よって、テクスチャー8の上に積層された磁性層4
と保護膜5の表面には、テクスチャー8の凹凸溝に合致
する形状の凹凸溝が形成されている。
【0009】そして、前記テクスチャー加工方法の例と
しては、特別に砥粒を調整した研磨テープを一定角速度
で回転している基板に適当圧力で押し付けて行なう方法
等がある。そして、上記のような方法により形成される
テクスチャーは、磁気ヘッドの媒体対向面と磁気ディス
ク表面の間に生じる吸着防止効果と、磁気異方性を得る
2つの効果を奏するものであり、前記2つの効果を奏す
る前記テクスチャーは、上述したテクスチャー加工の一
工程で同時に同条件の加工によって達成できるというメ
リットがある。
【0010】よって、上記のような構成からなる従来の
磁気ディスクの基板上に設けられたテクスチャー8が奏
する磁気ヘッドの媒体対向面と磁気ディスクの表面の吸
着現象の低減効果は、磁気ディスクに接触している状態
の磁気ヘッドと磁気ディスク表面との接触面積を少なく
することで吸着現象を回避しているものである。そして
また、前記テクスチャー8は、上記の効果の他に、その
表面に被膜された磁性膜4に磁気異方性を与え、磁気記
録に都合の良い円周方向に高い保磁力を有する、再生出
力及び分解能に優れた、そして、DC消去ノイズの少な
い磁気ディスクを提供することができる効果を奏するも
のである。
【0011】従って、以上説明したように、前記テクス
チャーはCSS動作における磁気ヘッドの媒体対向面と
磁気ディスク表面の吸着防止と、高密度記録のための磁
気異方性を利用した高保磁力化の2つの機能をもってお
り、磁気ヘッドの媒体対向面と磁気ディスク表面の吸着
現象の防止のためには、粗いテクスチャーが好ましく、
磁気ヘッドの浮上安定性を得るためには微細で、かつ均
一なテクスチャーが好ましいものである。
【0012】次に、磁気ヘッドの停止状態と浮上状態に
ついて、以下に詳細に説明する。磁気ディスクの起動時
において、磁気ヘッドはそれ自体を支持するばね板部材
のばね圧により磁気ディスク表面に押し付けられた状態
になっている。この状態から磁気ディスクが回転を開始
すると、磁気ヘッドは回転する磁気ディスクに接触した
まま摺動する。
【0013】次に、磁気ディスクの回転速度の向上に伴
い、磁気ヘッドの媒体対向面と磁気ディスク表面との間
に空気流が流れ込み、空気剛性膜を形成して磁気ヘッド
を持ち上げる。この力が磁気ヘッドに対する前記ばね圧
に打ち勝つと、磁気ヘッドは緩やかに磁気ディスク表面
から浮上し、磁気ヘッドの形状とばね圧と磁気ディスク
の周速とにより決定される浮上高さを保ちつつ磁気ディ
スクに対して浮上走行する。
【0014】即ち、磁気ヘッドは、磁気ディスクの回転
開始時点から磁気ヘッドの浮上開始時点までは、ばね圧
で抑えつけられながら磁気ディスク表面を摺り付けるこ
とになる。このため従来、磁気ディスク表面あるいは磁
気ヘッドの媒体対向面が摩耗し、場合によっては摩擦力
が異常に上昇して磁気ディスクの表面破壊(クラッシ
ュ)を起こし、磁気ディスクの記録内容を読み出すこと
ができなくなることがあった。また、磁気ヘッドと磁気
ディスクの摩擦力が以上に上昇して磁気ディスクの回転
トルク以上の値になると、もはや磁気ディスクは回転し
なくなり、磁気記録装置の故障につながることがある。
【0015】よって、前記テクスチャー8は、吸着現象
の低減を目的とするには、粗いテクスチャーが好まし
く、安定した電磁気特性を得るためには微細で、かつ、
均一なテクスチャーが好ましいものであることが判る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、より一
層の高性能な磁気記録装置の開発が進むに従って、その
高密度記録化を図るために、磁気ヘッドの低浮上化が進
み、この低浮上化に対応するため、磁気ディスクにおけ
るテクスチャーの微細化、そして均一化が不可欠な要因
とされるようになり、テクスチャーの微細化及び均一化
のための技術の進歩も目覚ましいものがあるが、一方
で、こうしたテクスチャーの微細化及び均一化は、磁気
ディスク表面と磁気ヘッドの媒体対向面の吸着現象を促
し、この磁気ディスク表面と磁気ヘッドの媒体対向面の
吸着現象の低減を益々困難にし、深刻化するといった問
題を有していた。
【0017】そこで、こうした問題を回避するために、
磁気ディスクの磁気ヘッドが浮上走行している部分以
外、つまりCSS(コンタクト スタート ストップ)
動作を行なう部分には、粗いテクスチャーを設け、デー
タの記録再生が行なわれる部分には、微細で均一なテク
スチャーを設けた磁気ディスクが提案されている。しか
し、このような磁気ディスクにおいては、磁気ヘッドの
低浮上化にある程度までは対応可能であるが、粗いテク
スチャーが設けられたCSS動作部分においても、磁気
ヘッドが低浮上で走行するために、磁気ディスク表面及
び磁気ヘッドの媒体対向面の損傷が避けられず、安定し
た磁気特性が損なわれるといった本質的な欠点を有して
いた。
【0018】よって、本願発明の磁気ディスクは、上記
課題に鑑みてなされたもので、磁気ディスクの磁気ヘッ
ドがCSS動作を行なう部分については、磁気ヘッドの
媒体対向面と磁気ディスク表面の吸着現象を低減しつ
つ、磁気ヘッドの低浮上を可能とし、又、前記磁気ディ
スクのデータを記録再生する部分については、磁気ディ
スク表面と磁気ヘッドの媒体対向面との損傷を引き起こ
すことなく、安定した記録再生特性を保証し、磁気ヘッ
ドの低浮上を可能とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の磁気ディスク
は上記課題を解決するために、磁気ヘッドによって情報
の読み書きがなされ、回転駆動される磁気ディスクにお
いて、磁気ディスクの表面と裏面の少なくとも一方の内
周部に、突起状のパターンが複数形成されており、かつ
外周部に、円周方向の微細な溝が設けられていることを
特徴とするものである。
【0020】請求項2の磁気ディスクは上記課題を解決
するために、請求項1に記載の磁気ディスク内周部に設
けられた突起状のパターンが、5nm以上80nm以下
の高さを有することを特徴とするものである。
【0021】請求項3の磁気ディスクは上記課題を解決
するために、請求項1に記載の外周部に円周方向に設け
られた微細な溝における平均のピッチが2μm以下であ
ることを特徴とするものである。
【0022】請求項4の磁気ディスクは上記課題を解決
するために、請求項1に記載の円周方向に微細な溝が設
けられた外周部表面の粗さ中心線からの最大高さRp
40nm以下であることを特徴とするものである。
【0023】
【作用】本発明の磁気ディスクは、CSS動作を行なう
部分と、記録再生を行なう部分との2つの部分に分け、
前記CSS動作を行なう部分は、磁気ディスクの周速が
低く、出力信号の小さい磁気記録装置にとって不利な磁
気ディスク内周部に設け、記録再生を行なう部分は磁気
ディスク外周部に設けた。そして、前記CSS動作を行
なう部分には、突起状のパターンを複数形成することに
より、CSS動作を行なう際の磁気ディスク表面と磁気
ヘッドの媒体対向面との吸着現象の発生を防ぎ、また、
前記突起状のパターンの高さを一定にすることによっ
て、磁気ヘッドの浮上安定性を保証することができる。
【0024】そしてまた、この突起状のパターンの高さ
を5nm以上80nm以下としたのは、磁気ディスク表
面と磁気ヘッドとの吸着現象を回避するために、少なく
とも前記パターンの高さが5nm以上必要であり、ま
た、磁気ヘッドの浮上安定性を保つために80nm以下
必要であるからである。
【0025】以上のように、本発明の磁気ディクスにお
いて、その内周部に磁気ヘッドのCSS動作を行なう部
分を設けることによって、磁気ディスクの外周部に設け
られた磁気記録再生を行なう部分の構造を、記録再生の
最適な条件を満たしたものとすることができる。つま
り、この外周部においては、磁気ヘッドの媒体対向面と
磁気ディスク表面との吸着現象の問題を考慮に入れる必
要はなく、磁気記録再生のみに適した構造とすることが
できる。よって、本発明の磁気ディスクのように、その
表面外周部の粗さ中心線からの最大高さRpを40nm
以下とすれば、磁気ヘッドの浮上安定性が保たれ、ま
た、この磁気ディスクにおける磁気ディスク基板外周部
に設けられたテクスチャーの平均のピッチを2μm以下
とれば、必要な磁気異方性を得ることができることか
ら、このテクスチャーにより磁気ディスク表面外周部に
形成される微細な溝の各溝間の平均のピッチを2μm以
下としたものである。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。 (実施例1)図1〜図3は、本発明構造を採用した磁気
ディスクの一実施例を示すものである。この例の磁気デ
ィスク10は、金属、ガラスあるいは樹脂製などの円盤
状の基板の表面あるいは表裏両面に磁性膜、保護膜ある
いは必要に応じて複数の中間膜などを被覆した構成であ
って、コンピュータの磁気記録装置などの磁気記録媒体
として用いられるものである。
【0027】そして、この磁気ディスク10の表面と裏
面の少なくとも一方において、その内周部には突起状の
パターン11が複数設けられており、外周部には円周方
向に形成された微細な溝12が設けられている。そし
て、前記突起状のパターン11は、磁気ディスク10の
表面から突出したもので、その形状は図6に示すような
円筒状のものや、図7に示すような六角柱状のもの、あ
るいは図8に示すような円錐台状のもの、図9に示すよ
うなV字状のものなど種々のものを採用することが可能
である。しかし、前記突起状のパターン11はいずれ
も、その高さdが5nm以上で80nm以下であること
が必要であり、また、磁気ディスク基板外周部の円周方
向に設けられた前記微細な溝12は、その各溝12間の
平均のピッチが2μm以下であり、さらにこの微細な溝
12による前記磁気ディスク外周部表面の粗さの粗さ中
心線からの最大高さRpを40nm以下とするものであ
る。
【0028】そこで、上記のような構成からなる磁気デ
ィスク10の製造方法について、図4及び図5を参照し
て説明する。本実施例1の磁気ディスク10を製造する
には、Al、Al合金あるいはガラスなどからなる円盤
状の基板13を用意し、この基板13に面取加工や表面
加工を施した後に、表面にNi−Pなどの被覆膜14を
メッキなどの手段により図4(a)に示すように形成す
る。
【0029】次に、被覆膜14の表面を図4(b)に示
す段階でポリッシュ加工する。この工程において、被覆
膜14の表面の内周部側に、先に示した形状のパターン
11A、11A、11A・・・を形成する。このパター
ン11A、11A、11A・・・の形成方法は、図5に
示すような工程からなるフォトリソグラフィー技術を用
いた。
【0030】そこで、図5に示すフォトリソグラフィー
技術による前記パターン11Aの形成方法について、以
下に詳細に説明する。まず、図5(b)に示すように、
前記被覆膜14上面の内周部側にフォトレジスト16を
載せ、この上に先に説明したパターン11Aを多数切り
欠いた形状のフォトマスク17を図5(c)に示すよう
に被せる。そして、これを紫外線を含む光で露光した
後、現像することにより、図5(d)に示すような微細
パターン11aを形成させ、これを図5(e)に示すよ
うにエッチング処理した後、図5(f)に示すようにフ
ォトレジスト部分の剥離処理を施すことにより磁気ディ
スク基板15を形成する。なお、このパターン11Aの
形成方法を説明する際に図5(a)に示したフォトレジ
スト16はポジ型の例であるが、ネガ型で上記パターン
11Aを形成しても良い。その際、レジスト16上面に
載せるフォトマスク17は、ポジ型とは逆にパターン1
1Aの形状部分にのみ前記フォトマスク17を残すこと
となる。
【0031】そして、上記のように形成された磁気ディ
スク基板15の外周部には図4(c)に示すように、テ
クスチャー12Aを形成する加工を施す。このテクスチ
ャー12Aを形成する加工は、特別に砥粒を調整した研
磨テープを一定角速度で回転している前記磁気ディスク
基板15の外周部にのみに、適当圧力で押し付けること
によって行なうものである。なお、このテクスチャー加
工は、上述したフォトリソグラフィー技術によるパータ
ン11Aの形成前に行なっても良い。
【0032】ついで、スパッタなどの手法により図4
(d)に示すようなCrなどからなる下地膜18を被覆
する。そしてさらに、この下地膜18の上にCo−Ta
−Cr膜などからなる磁性膜19をスパッタなどの手段
で図4(e)に示すように被膜し、更にカーボンなどか
らなる保護膜20をスパッタなどの手段で、図4(f)
に示すように被膜し、更にフッ素系の潤滑膜21をディ
ップコート法などにより形成して磁気ディスク10を完
成する。
【0033】前記製造方法においては、図4(b)で示
すポリッシュ加工後にパターン11A、11A、11A
・・・及びテクスチャー12Aを形成するので、その上
に形成される各膜は、順次前記パターン11A、11
A、11A・・・及びテクスチャー12A上に被膜され
る結果、磁気ディスク10の表面の内周部側には突起状
のパターン11、11、11・・・が、外周部側には前
記テクスチャー12Aの各リングに沿った形状の円周方
向の微細な溝12、12、12・・・が形成されること
となる。
【0034】なお、前記実施例1では、多数の膜を積層
する途中でパターン11Aを形成したが、パターン11
Aを形成する工程を最終工程の保護膜20の形成後に行
ない、保護膜20の上面の内周部側にのみパターン11
Aを形成しても良い。この場合は、保護膜20の上にパ
ターン11Aの型を多数形成したスタンパを押し付けて
一度に多数のパターン11Aを転写するようにしても良
い。また、保護膜20が硬い膜である場合は、保護膜2
0を形成する工程の前に新たな中間膜を形成する工程を
組み込み、この中間膜にスタンパを用いてパターン11
Aを多数形成し、これに保護膜20を被せることによっ
ても前記パターン11Aを一度の多数形成することがで
きる。
【0035】また、磁気ディスク10上に形成される上
記パターン11の形状が、図9に示すようなV字型の形
状のものとすると、以下のような特別な効果を奏するこ
とができる。図9に示すV字状のパターン25は、直線
状の空気案内部25a、25aをV字状に接合して構成
されたもので、この空気案内部25a、25aに挟まれ
て構成される平面三角状の空間領域は空気圧縮部25b
と称されている。
【0036】そこで、上記のようなV字状のパターン2
5を備えた磁気ディスク10においては、この磁気ディ
スク10が回転し始めると、パターン25も空気中を移
動する。そして、前記パターン25の空気圧縮部25b
に入り込んだ空気は、空気案内部25a、25aで両側
から圧縮されるので、前記パターン25の上方には、気
圧の高い正圧の領域が発生する。
【0037】磁気ディスク10の表面又は裏面に無数に
形成されたパターン25は、それぞれその上方に正圧領
域を形成しつつ回転するので、大きな気流を生じさせ磁
気ディスク10に押し付けられている磁気ヘッドは、こ
の気流により生じる揚力によって容易に浮上して、磁気
ディスク10に対して浮上走行する。ここで、パターン
25のような空気圧縮部25bを持たない図6〜8に示
すような形状のパターンが形成された磁気ディスク10
において、さらにはこうしたパターンを形成しない従来
の磁気ディスクにおいても、回転によって気流を生じる
が、パターン25・・・を形成した磁気ディスク10に
あっては、その回転開始時にパターン25の空気圧縮効
果により生じる正圧により、直ちに強い気流を発生させ
得るので、従来のパターンが形成されていない磁気ディ
スクよりは勿論の事、図6〜図8に示す形状のパターン
22、23、24が設けられた磁気ディスクよりも、非
常に早く磁気ヘッドを浮上走行させることができる。従
って、前述したようなV字状のパターン25が形成され
た磁気ディスク10ににおいては、磁気ヘッドが磁気デ
ィスク10表面に接触して、これを摺り付ける時間が短
くなり、磁気ディスク10を損傷させる恐れも少なくな
る。
【0038】また、上述したような、図9のV字型のパ
ターン25が奏する効果と同様な効果が得られるパター
ンの変形例について、以下に示す。図10に示す形状の
パターン26は、この例のパターン26が形成された磁
気ディスク10において、前記パターン26の空気圧縮
部26bの下方であって、磁気ディスク10の表面部分
に、空気圧縮補助用の溝部10aを形成した例である。
この溝部10aの深さは、パターン26において、磁気
ディスク10の回転方向の前方側26Aの下方側で深
く、磁気ディスク10の回転方向の後方側26Bの下方
側で浅くなるように形成されている。
【0039】図10に示す構成を採用することで、空気
圧縮部26bの体積を大きくし、空気案内部26a、2
6aが圧縮する空気量を多くすることができるので、こ
れにより、図9に示す構成よりも高い正圧を発生させる
ことができ、磁気ヘッドをより早く浮上させることがで
きる。
【0040】また、図11に示す形状のパターン例は、
上記図9、図10に示すパターンの変形例で、このパタ
ーン27は、空気案内部27a、27aを壁部27Aで
連結して構成したコ字状に形成され、空気案内部27
a、27aと壁部27Aとで囲まれた領域が空気圧縮部
27bとされている。この構成のパターン27によって
も先に記載したパターン25と同様な効果を得ることが
できる。
【0041】図12に示す形状のパターン28は、空気
案内部28a、28aをX字状に結合して構成され、空
気案内部28aの端部と他の空気案内部28aの端部と
の間に空気圧縮部28bが形成されている。この構成の
バターン28によっても、先に記載したパターン25及
び27と同様な効果を得ることができる。
【0042】図13に示す形状のパターン29は、横長
の壁部29Aの両端部に、短い空気案内部29a、29
aを直角に延設したものである。この構成のパターン2
9によっても、先に記載したパターン25、27、28
と同様な効果を得ることができる。
【0043】以上説明したように、パターンの形状には
種々のものが考えられるが、前記パータンの形状は、C
SS動作時に鏡面仕上された磁気ヘッドの底面(媒体対
向面)と磁気ディスクの表面において吸着現象を起こさ
ないことを目的とするものであれば、先に図示したもの
に限らないのは勿論である。
【0044】次に、磁気ディスク上に形成されるパター
ンの配列状態と大きさの関係について説明する。上述し
たような形状からなるパターンを磁気ディスク10の内
周部側に同心円状に形成する配列構成の他に、図14に
示すような磁気ディスク10の回転方向に沿って、パタ
ーン30〜34の大きさを外周部側から内周部側に順次
小さくする構成のものがパターンの配列構成例として挙
げられる。
【0045】図15はパターン30〜34の配列状態の
他の例を示すものである。この例においては、磁気ディ
スク10の径方向にパターン30、31、32、33を
順次配列しているが、各パターン30〜34を磁気ディ
スク10の周方向に千鳥状に配列している。前記したよ
うにパターン30〜34の配列には種々の配列方法があ
るが、いずれの配列方法を適用しても良い。
【0046】そして、前述したパターンにおいて、これ
らを磁気ディスク10に設けた際に、パターン11の高
さdを5nm〜80nmとした。この理由は、以下のよ
うな試験データによるものである。 (試験例1)まず、前記磁気ディスク10に設けられた
パターン11の高さdの上限を規定するために、次のよ
うな試験を行なった。まず、磁気ディスク基板15の内
周部から半径25mm以下の領域に、フォトリソグラフ
ィー技術によって、各々固有の高さを有するパターン1
1を形成した磁気ディスクを準備した。そして、AEセ
ンサーを取り付けた磁気ヘッドを、これらの磁気ディス
ク上で浮上させ、徐々に浮上高さを減じていった時に、
前記磁気ヘッドと磁気ディスクが接触してAE信号が発
生する時の浮上高さを浮上限界とし、この浮上限界とパ
ターン11の高さを測定し、これらの関係を図16に示
した。
【0047】上述したような試験の結果、パターン11
の高さdが100nm以上では、磁気ヘッドの浮上姿勢
に揺らぎが認められ、安定した浮上は得られなかった。
そして、図16に示されているように、前記パターン1
1の高さdが80nm以下では、磁気ヘッドは安定して
浮上した。つまり、以上のような結果はパターン11の
高さdが低いほど、磁気ヘッドの低浮上に対応できるこ
とを示しているものである。
【0048】続いて、前記磁気ディスク10に設けれた
パターン11の高さdの下限を規定するために、試験サ
ンプルは上記試験と同様のものとして、磁気ヘッドの媒
体対向面と前記パターン11の表面に潤滑剤を塗布した
時のパターン11の高さdに対する吸着力を測定し、そ
の結果を図17に示した。この結果から判ることは、前
記パターン11の高さdが、5nm以下の場合は吸着力
が発生して前記パターン11は事実上、前記磁気ヘッド
の媒体対向面との吸着現象を防ぐことができない。
【0049】従って、上述した試験例1から判ること
は、磁気ディスク10に設けられるパターン11の高さ
dは5nm以上80nm以下が適当で、5nm以下では
磁気ヘッドと磁気ディスク10に設けられたパターン1
1の表面の吸着現象を防止できず、80nm以上では磁
気ヘッドの浮上安定性を保つことができず、磁気ヘッド
の低浮上化に対応することが難しいということである。
【0050】(試験例2)さらに、上記実施例1の磁気
ディスクにおける磁気ディスク基板の内周部から半径2
5mm以外の領域の外周部分に設けられたテクスチャー
12Aによって充分な磁気記録特性を引き出すための前
記各テクスチャー12Aの各リング間の最適なピッチを
測定するために、以下のような試験を行なった。まず、
上述した実施例1の構成からなる磁気ディスク10の内
周部から半径25mm以外の領域の外周部に各種のピッ
チで加工したテクスチャー12Aを有する磁気ディスク
10を準備し、前記テクスチャー12Aの各リング間の
ピッチに対する保磁力を測定した。そして、その結果を
図18に示した。なお、この時のピッチは10000倍
のSEM観察により、視野平均として求めたものであ
る。
【0051】図18から明かなことは、前記テクスチャ
ーの12Aの各リング間のピッチが2μm以上では、テ
クスチャー12Aを設けない場合とほとんど差が無く、
従って前記テクスチャー12Aを設けた意味を成さない
ということである。そして、2μm以下ではピッチに比
例して保磁力が高くなり、磁気ディスクに必要とされる
保磁力を得ることができるということである。なお、前
記テクスチャー12Aの各リングのピッチを2μm以下
とすることにより、このテクスチャー12Aによって磁
気ディスク表面外周部に形成される微細な溝による各リ
ング間のピッチも2μm以下となる。
【0052】(試験例3)さらに、磁気ディスク10に
設けられた微細な溝12において、磁気ヘッドの媒体対
向面と磁気ディスク10表面との吸着現象を回避すべ
く、前記磁気ディスク10表面外周部表面における最適
な粗さ中心線からの最大高さRpを測定するために、以
下のような試験を行なった。先ず、上述した実施例1の
構成からなる磁気ディスク10の内周部から半径25m
m以外の領域の外周部を各種の粗さで加工した磁気ディ
スクを準備し、AEセンサーをつけた磁気ヘッドを、前
記磁気ディスク上で浮上させ、徐々に前記磁気ヘッドの
浮上高さを減じていった時に、磁気ヘッドと磁気ディス
クが接触してAE信号が発生する時の磁気ヘッドの浮上
高さを浮上限界とし、前記浮上限界と前記磁気ディスク
外周部表面の粗さの粗さ中心線からの最大高さRpの関
係を測定したものである。その結果を図19に示す。
【0053】図19から明かなように、磁気ディスクの
外周部に設けられた微細な溝12による、前記磁気ディ
スク外周部表面の粗さの粗さ中心線からの最大高さRp
は、40nm以下であれば磁気ヘッドの浮上安定性を保
つことができ、磁気ヘッド低浮上化に対応することがで
きるということが判る。
【0054】以上、試験例1〜3より明らかなことは、
実施例1の磁気ディスク10において、磁気ディスク1
0に設けられるパターン11の高さdは5nm以上80
nm以下が適当で、磁気ディスク10の磁気ディスク基
板外周部に設けられれるテクスチャー12Aにおいて
は、その各リング間のピッチが2μm以下では、ピッチ
に比例して保磁力が高くなり磁気ディスク10に必要と
される保磁力を得ることができる。よって、前記テクス
チャー12Aの各リング間のピッチを2μm以下に形成
することは、このテクスチャー12Aによって磁気ディ
スク表面外周部に形成される微細な溝12の各溝間のピ
ッチも2μm以下に形成されることとなる。そしてさら
に、前記磁気ディスク外周部に設けられた微細な溝12
による磁気ディスク10表面外周部の粗さ中心線からの
最大高さRpは40nm以下でとすることによって、磁
気ヘッドの浮上安定性を保ことができ磁気ヘッド低浮上
化に対応することが可能である。
【0055】(実施例2)図20〜図22は、本発明構
造を採用した磁気ディスク40の実施例2の磁気ディス
クを示すものである。この例の磁気ディスク40は上記
実施例1と同様に、金属、ガラスあるいは樹脂製などの
円盤状の基板の表面あるいは表裏両面に磁性膜、保護膜
あるいは必要に応じて複数の中間膜などを被覆した構成
であって、コンピュータの磁気記録装置などの磁気記録
媒体として用いられるものである。
【0056】そして、この磁気ディスク40の表面と裏
面の少なくとも一方において、その内周部には磁気ディ
スク40表面に設けられた凹部空間によって形成された
パターン41が複数設けられており、外周部には円周方
向に形成された微細な溝42が設けられている。つま
り、前記パターン41は、磁気ディスク40の表面に設
けられた凹部空間によって設けられているものであっ
て、磁気ディスク40表面下に形成されているものであ
る。
【0057】また、前記パターン41の形状について
は、図6に示すような円筒状のものや、図7に示すよう
な六角柱状のもの、あるいは図8に示すような円錐台状
のもの、図9に示すようなV字状のものなど前記実施例
1と同様に種々のものを採用することが可能である。し
かし、前記パターン41はいずれも、その高さd’が5
nm以上で80nm以下であり、また、磁気ディスク基
板外周部の円周方向に設けられたテクスチャー42A
は、その各リング間のピッチを2μm以下に形成し、よ
って、このテクスチャー42Aにより磁気ディスク表面
外周部に形成される微細な溝42の各溝42間のピッチ
も2μm以下に形成されることが必要である。そしてさ
らに、前記微細な溝42による磁気ディスク表面外周部
の粗さ中心線からの最大高さRpは40nm以下である
ことが必要である。
【0058】そこで、上記のような構成からなる磁気デ
ィスク40の製造方法について、図23及び図24を参
照して説明する。本実施例2の磁気ディスク40を製造
するには、Al、Al合金あるいはガラスなどからなる
円盤状の基板43を用意し、この基板43に面取加工や
表面加工を施した後に、表面にNi−Pなどの被覆膜4
4をメッキなどの手段により図23(a)に示すように
形成する。
【0059】次に、被覆膜44の表面を図23(b)に
示す段階でポリッシュ加工する。この工程において、被
覆膜44の表面の内周部側に、先に示した形状のパター
ン41A、41A、41A・・・を形成する。このパタ
ーン41A、41A、41A・・・の形成方法は、図2
4に示すような工程からなるフォトリソグラフィー技術
を用いた。
【0060】そこで、図24に示すフォトリソグラフィ
ー技術による前記パターン41の形成方法について、以
下に詳細に説明する。まず、図24(b)に示すよう
に、前記被覆膜上面の内周部側にフォトレジスト45を
載せ、この上に先に説明したパターン41を多数切り欠
いた形状のフォトマスク46を図24(c)に示すよう
に被せる。そして、これを紫外線を含む光で露光した
後、現像することにより、図24(d)に示すような微
細パターン41aを形成させ、これを図24(e)に示
すようにエッチング処理し、図24(f)に示すように
フォトレジスト部分の剥離処理を施すことにより、磁気
ディスク基板47を形成する。なお、このパターンの形
成方法を説明する際に図24(a)に示したフォトレジ
スト45はポジ型の例であるが、ネガ型で上記パターン
41を形成しても良い。その際、レジスト上面に載せる
フォトマスク46は、ポジ型とは逆にパターン41の形
状部分にのみ前記フォトマスク46を残すこととなる。
【0061】そして、上記のように形成された磁気ディ
スク基板47の外周部には図23(c)に示すように、
テクスチャー42Aを形成する加工を施す。このテクス
チャー42Aを形成する加工は、特別に砥粒を調整した
研磨テープを一定角速度で回転している前記磁気ディス
ク基板47の外周部にのみに、適当圧力で押し付けるこ
とによって行なうものである。なお、このテクスチャー
加工は、上述したフォトリソグラフィー技術によるパー
タン41Aの形成前に行なっても良い。
【0062】ついで、スパッタなどの手法により図23
(d)に示すようなCrなどからなる下地膜48を被覆
する。そしてさらに、この下地膜48の上にCo−Ta
−Cr膜などからなる磁性膜49をスパッタなどの手段
で図23(e)に示すように被膜し、更にカーボンなど
からなる保護膜50をスパッタなどの手段で、図23
(f)に示すように被膜し、更にフッ素系の潤滑膜51
をディップコート法などにより形成して磁気ディスク4
0を完成する。
【0063】前記製造方法においては、図23(b)で
示すポリッシュ加工後にパターン41A、41A、41
A・・・及びテクスチャー42Aを形成するので、その
上に形成される各膜は、順次前記パターン41A、41
A、41A・・・及びテクスチャー42A上に被膜され
る結果、磁気ディスク40の表面の内周部側には、突起
状のパターン41、41、41・・・が、外周部側には
前記テクスチャー42Aの各リングに沿った形状の円周
方向の微細な溝42、42、42・・・が形成されるこ
ととなる。
【0064】なお、前記実施例2では、多数の膜を積層
する途中でパターン41Aを形成したが、パターン41
Aを形成する工程を最終工程の保護膜50の形成後に行
ない、保護膜50の上面の内周部側にのみパターン41
Aを形成しても良い。この場合は、保護膜50の上にパ
ターン41Aの型を多数形成したスタンパを押し付けて
一度に多数のパターン41Aを転写するようにしても良
い。また、保護膜50が硬い膜である場合は、保護膜5
0を形成する工程の前に新たな中間膜を形成する工程を
組み込み、この中間膜にスタンパを用いてパターン41
Aを多数形成し、これに保護膜50を被せることによっ
ても前記パターン41Aを一度の多数形成することがで
きる。
【0065】そして、以上のような構成からなる実施例
2の磁気ディスク40においても、実施例1の試験例1
〜3と同様な試験を行なった結果、同様な試験結果が得
られた。よって、上記実施例2の磁気ディスク40に設
けられるパターン41の高さd’は、5nm以上80n
m以下が適当で、磁気ディスク基板外周部に設けられる
テクスチャー42Aの各リング間のピッチが2μm以下
では、ピッチに比例して保磁力が高くなり、磁気ディス
ク40に必要とされる保磁力を得ることができる。従っ
て、このテクスチャー42Aによって磁気ディスク表面
に形成される微細な溝の各溝42間のピッチも2μm以
下となる。そしてさらに、前記磁気ディスク表面外周部
に形成された微細な溝42による磁気ディスク表面の粗
さ中心線からの最大高さRpは40nm以下であれば磁
気ヘッドの浮上安定性を保ことができ、磁気ヘッド低浮
上化に対応することができるという実施例1と同様な効
果を得ることができる。
【0066】
【発明の効果】よって、本発明の磁気ディスクは、CS
S動作を行なう部分と、記録再生を行なう部分との2つ
の部分に分け、前記CSS動作を行なう部分は、磁気デ
ィスクの周速が低く、出力信号の小さい磁気記録装置に
とって不利な磁気ディスク内周部に設け、記録再生を行
なう部分は磁気ディスク外周部に設けたものである。
【0067】そして、前記CSS動作を行なう部分に
は、突起状のパターンを複数形成することにより、CS
S動作を行なう際の磁気ディスク表面と磁気ヘッドの媒
体対向面との吸着現象の発生を防ぎ、また、前記突起状
のパターンの高さを一定にすることによって、磁気ヘッ
ドの浮上安定性を保証することができる。また、この突
起状のパターンの高さを、5nm以上80nm以下とし
たのは、磁気ディスク表面と磁気ヘッドとの吸着現象を
回避するために、少なくとも前記パターンの高さが5n
m以上必要であり、また、磁気ヘッドの浮上安定性を保
つために80nm以下必要であるからである。
【0068】以上のように、本発明の磁気ディクスにお
いて、その内周部に磁気ヘッドのCSS動作を行なう部
分を設けることによって、磁気ディスクの外周部に設け
られた磁気記録再生を行なう部分の構造を、記録再生の
最適な条件を満たしたものとすることができる。つま
り、この外周部においては、磁気ヘッドの媒体対向面と
磁気ディスク表面との吸着現象の問題を考慮に入れる必
要はなく、磁気記録再生のみに適した構造とすることが
できる。よって、本発明の磁気ディスクのように、その
外周部表面の粗さの粗さ中心線からの最大高さRpを4
0nm以下とし、テクスチャーによって前記磁気ディス
ク表面外周部に設けられた微細な溝の各溝間のピッチを
2μm以下とすることによって、磁気ヘッドの浮上安定
性を維持することができるととともに、必要な磁気異方
性を得ることができ、磁気記録特性の向上を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施例1の磁気ディスクを示す平面
図である。
【図2】図2は、図1に示す磁気ディスクの断面図であ
る。
【図3】図3は、図2に要部拡大図である。
【図4】図4は、実施例1の磁気ディスクの製造工程を
説明するための図である。
【図5】図5は、実施例1の磁気ディスクにおけるパタ
ーンの製造工程を説明するための図である。
【図6】図6は、実施例1及び実施例2の磁気ディスク
におけるパターンの一構成例である。
【図7】図7は、実施例1及び実施例2の磁気ディスク
におけるパターンの一構成例である。
【図8】図8は、実施例1及び実施例2の磁気ディスク
におけるパターンの一構成例である。
【図9】図9は、実施例1及び実施例2の磁気ディスク
におけるパターンの一構成例である。
【図10】図10は、実施例1及び実施例2の磁気ディ
スクにおけるパターンの一構成例である。
【図11】図11は、実施例1及び実施例2の磁気ディ
スクにおけるパターンの一構成例である。
【図12】図12は、実施例1及び実施例2の磁気ディ
スクにおけるパターンの一構成例である。
【図13】図13は、実施例1及び実施例2の磁気ディ
スクにおけるパターンの一構成例である。
【図14】図14は、実施例1及び実施例2の磁気ディ
スクにおけるパターンの配列例を示す図である。
【図15】図15は、実施例1及び実施例2の磁気ディ
スクにおけるパターンの配列例を示す図である。
【図16】図16は、本試験例1における磁気ディスク
に設けられたパターンの形成基板からの高さに対するA
E信号が検出されはじめる磁気ヘッドの浮上限界を示す
図である。
【図17】図17は、本試験例1における磁気ディスク
に設けられたパターンの形成基板からの高さに対する磁
気ディスクに設けられたパターン表面と磁気ヘッドの媒
体対向面との吸着力を示す図である。
【図18】図18は、本試験例2の結果を示す図であ
る。
【図19】図19は、本試験例3の結果を示す図であ
る。
【図20】図20は、本実施例2の磁気ディスクを示す
平面図である。
【図21】図21は、図20に示す磁気ディスクの断面
図である。
【図22】図22は、図21に要部拡大図である。
【図23】図23は、実施例2の磁気ディスクの製造工
程を説明するための図である。
【図24】図24は、実施例2の磁気ディスクにおける
パターンの製造工程を説明するための図である。
【図25】図25は、従来の磁気ディスクを説明するた
めの図である。
【符号の説明】
10 磁気ディスク 11 パターン 12 溝 12A テクスチャー 40 磁気ディスク 41 パターン 42 溝 42A テクスチャー d パターンの形成基板からの高さ d’パターンの形成基板からの高さ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッドによって情報の読み書きがな
    され、回転駆動される磁気ディスクにおいて、磁気ディ
    スクの表面と裏面の少なくとも一方の内周部に、突起状
    のパターンが複数形成されており、かつ外周部に、円周
    方向の微細な溝が設けられていることを特徴とする磁気
    ディスク。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気ディスク内周部に
    設けられた突起状のパターンが、5nm以上80nm以
    下の高さを有することを特徴とする磁気ディスク。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の外周部に円周方向に設
    けられた微細な溝における平均のピッチが2μm以下で
    あることを特徴とする磁気ディスク。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の円周方向に微細な溝が
    設けられた外周部表面の粗さ中心線からの最大高さRp
    が40nm以下であることを特徴とする磁気ディスク。
JP14300892A 1992-06-03 1992-06-03 磁気ディスク Pending JPH05334665A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5777832A (en) * 1996-01-11 1998-07-07 Samsung Electronics Co., Ltd. Disk having stress relieving zones for use with a disk clamping device in a hard disk drive
US5887336A (en) * 1995-03-08 1999-03-30 Nec Corporation Method of preliminarily smoothing a magnetic disk drive head during manufacturing

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5887336A (en) * 1995-03-08 1999-03-30 Nec Corporation Method of preliminarily smoothing a magnetic disk drive head during manufacturing
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Effective date: 19990615