JP3226307B2 - 浮上式磁気ヘッド - Google Patents
浮上式磁気ヘッドInfo
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- JP3226307B2 JP3226307B2 JP29300291A JP29300291A JP3226307B2 JP 3226307 B2 JP3226307 B2 JP 3226307B2 JP 29300291 A JP29300291 A JP 29300291A JP 29300291 A JP29300291 A JP 29300291A JP 3226307 B2 JP3226307 B2 JP 3226307B2
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- magnetic head
- magnetic
- magnetic disk
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- Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
- Supporting Of Heads In Record-Carrier Devices (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ハードディスク装
置用の浮上式磁気ヘッドに関するものである。
置用の浮上式磁気ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】データ等の保存を目的に磁気ディスク装
置が広い分野で利用されているが、近年は小型化,大容
量化に伴い高密度磁気記録の進歩が著しく、磁気ディス
クへの高密度磁気記録を達成するために、浮上式磁気ヘ
ッドでは、記録再生ギャップおよびトラック幅を狭くす
る必要がある。また、磁気ディスクでは、高保磁力化,
薄膜化が進められている。以下、従来の浮上式磁気ヘッ
ドの構成について、図3を参照しながら説明する。図3
は従来の浮上式磁気ヘッドの斜視図で、非磁性材料で形
成されたスライダ9の浮上面11の後部に磁気ヘッドコア
12がガラスなどの接着剤14で固定されている。浮上面1
0,11の加工方法は、微細なダイヤモンド砥粒を用いた
湿式ラップ法で中心線平均粗さが20Å以下になるように
鏡面仕上げがなされている。以上のように構成された従
来の浮上式磁気ヘッドの動作について以下に説明する。
現行の磁気ディスク装置は、起動時に磁気ディスクが回
転を始め、ある速度に達すると磁気ヘッドは浮力を受け
て一定の浮上量で浮き、記録再生を行う。停止時には、
磁気ディスクの回転速度が減少し、磁気ヘッドの浮上量
は徐々に低下し、磁気ディスクと接触して停止する。こ
の方式はコンタクト・スタート・ストップ(CSS)とい
うと呼ばれている。現在、このCSS方式で、約0.2μm
の低浮上量が達成されている。
置が広い分野で利用されているが、近年は小型化,大容
量化に伴い高密度磁気記録の進歩が著しく、磁気ディス
クへの高密度磁気記録を達成するために、浮上式磁気ヘ
ッドでは、記録再生ギャップおよびトラック幅を狭くす
る必要がある。また、磁気ディスクでは、高保磁力化,
薄膜化が進められている。以下、従来の浮上式磁気ヘッ
ドの構成について、図3を参照しながら説明する。図3
は従来の浮上式磁気ヘッドの斜視図で、非磁性材料で形
成されたスライダ9の浮上面11の後部に磁気ヘッドコア
12がガラスなどの接着剤14で固定されている。浮上面1
0,11の加工方法は、微細なダイヤモンド砥粒を用いた
湿式ラップ法で中心線平均粗さが20Å以下になるように
鏡面仕上げがなされている。以上のように構成された従
来の浮上式磁気ヘッドの動作について以下に説明する。
現行の磁気ディスク装置は、起動時に磁気ディスクが回
転を始め、ある速度に達すると磁気ヘッドは浮力を受け
て一定の浮上量で浮き、記録再生を行う。停止時には、
磁気ディスクの回転速度が減少し、磁気ヘッドの浮上量
は徐々に低下し、磁気ディスクと接触して停止する。こ
の方式はコンタクト・スタート・ストップ(CSS)とい
うと呼ばれている。現在、このCSS方式で、約0.2μm
の低浮上量が達成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記C
SS方式ではトライボロジーの問題がある。一つはCS
Sを繰り返すと磁気ヘッドと磁気ディスクの接触・摺動
によって、磁気ディスクあるいは磁気ヘッドが損傷し、
磁気ヘッドが正常に浮上できなくなること(以下、ヘッ
ドクラッシュという)がある。他に磁気ディスクの停止
中に磁気ヘッドが磁気ディスクに吸着し、磁気ディスク
ドライブ装置の起動時に磁気ディスクが回転しづらくな
ること(以下、スティッキングという)があり、このステ
ィッキングが強くなると、磁気ディスクあるいは磁気ヘ
ッドが損傷したり、磁気ディスクが回転しなくなる。ヘ
ッドクラッシュを防止するための方法として、磁気ディ
スクに従来潤滑剤を塗布しているが、逆にスティッキン
グが生じ易くなる。そこで、このスティッキングを防止
するため、磁気ディスクの表面に数十から数百Åの粗面
化処理(テクスチャ加工)を施して、磁気ヘッドの磁気デ
ィスクの真実接触面積を小さくしている。しかし、高密
度磁気記録に伴うスペーシングの微小化に際し、磁気ヘ
ッドの浮上量が小さくなるとCSS時に磁気ヘッドが磁
気ディスクから浮上するまでに要する時間が長くなるに
従い、摺動距離が長くなり、その分磁気ディスクの耐久
性が劣化するという問題点がある。そこで、摺動距離を
短くするために磁気ディスクの表面粗さを小さくする必
要があるが、磁気ディスクの表面粗さを小さくすると、
磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接触面積が増えるた
め、磁気ディスクの停止中に磁気ヘッドが磁気ディスク
に吸着するという問題点が生じる。本発明は上記従来の
問題を解決するものであり、磁気ディスクの耐久性の劣
化や停止中に磁気ヘッドが磁気ディスクに吸着すること
がない磁気ハードディスク用の浮上式磁気ヘッドを提供
することを目的とするものである。
SS方式ではトライボロジーの問題がある。一つはCS
Sを繰り返すと磁気ヘッドと磁気ディスクの接触・摺動
によって、磁気ディスクあるいは磁気ヘッドが損傷し、
磁気ヘッドが正常に浮上できなくなること(以下、ヘッ
ドクラッシュという)がある。他に磁気ディスクの停止
中に磁気ヘッドが磁気ディスクに吸着し、磁気ディスク
ドライブ装置の起動時に磁気ディスクが回転しづらくな
ること(以下、スティッキングという)があり、このステ
ィッキングが強くなると、磁気ディスクあるいは磁気ヘ
ッドが損傷したり、磁気ディスクが回転しなくなる。ヘ
ッドクラッシュを防止するための方法として、磁気ディ
スクに従来潤滑剤を塗布しているが、逆にスティッキン
グが生じ易くなる。そこで、このスティッキングを防止
するため、磁気ディスクの表面に数十から数百Åの粗面
化処理(テクスチャ加工)を施して、磁気ヘッドの磁気デ
ィスクの真実接触面積を小さくしている。しかし、高密
度磁気記録に伴うスペーシングの微小化に際し、磁気ヘ
ッドの浮上量が小さくなるとCSS時に磁気ヘッドが磁
気ディスクから浮上するまでに要する時間が長くなるに
従い、摺動距離が長くなり、その分磁気ディスクの耐久
性が劣化するという問題点がある。そこで、摺動距離を
短くするために磁気ディスクの表面粗さを小さくする必
要があるが、磁気ディスクの表面粗さを小さくすると、
磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接触面積が増えるた
め、磁気ディスクの停止中に磁気ヘッドが磁気ディスク
に吸着するという問題点が生じる。本発明は上記従来の
問題を解決するものであり、磁気ディスクの耐久性の劣
化や停止中に磁気ヘッドが磁気ディスクに吸着すること
がない磁気ハードディスク用の浮上式磁気ヘッドを提供
することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、磁気ハードディスク用の浮上式磁気ヘッド
の浮上面に複数の溝を形成し、溝はほぼ浮上面の進行方
向の溝とその溝に対して2〜15度で交差している溝(以
下、交差している溝の角度を交差角という)で構成し、
浮上面の中心線平均粗さを20〜100Åにしたものであ
る。
するために、磁気ハードディスク用の浮上式磁気ヘッド
の浮上面に複数の溝を形成し、溝はほぼ浮上面の進行方
向の溝とその溝に対して2〜15度で交差している溝(以
下、交差している溝の角度を交差角という)で構成し、
浮上面の中心線平均粗さを20〜100Åにしたものであ
る。
【0005】
【作用】本発明は上記の構成にすることによって、磁気
ヘッドと磁気ディスクの真実接触面積を小さくし、磁気
ヘッドが磁気ディスクに吸着することを防止するととも
に、さらにCSS時の磁気ヘッドと磁気ディスク間の摩
擦力を小さくすることによって、磁気ヘッドの磁気ディ
スクに対する損傷を少なくし、磁気ヘッドおよび磁気デ
ィスクの耐久性を向上させることができる。
ヘッドと磁気ディスクの真実接触面積を小さくし、磁気
ヘッドが磁気ディスクに吸着することを防止するととも
に、さらにCSS時の磁気ヘッドと磁気ディスク間の摩
擦力を小さくすることによって、磁気ヘッドの磁気ディ
スクに対する損傷を少なくし、磁気ヘッドおよび磁気デ
ィスクの耐久性を向上させることができる。
【0006】
【実施例】図1は本発明の一実施例における浮上式磁気
ヘッドの斜視図であり、図2はこの実施例の浮上式磁気
ヘッドの浮上面の拡大平面図である。この浮上式磁気ヘ
ッドは、図1のように非磁性材料で形成されたスライダ
1の浮上面3に後部に磁気ヘッドコア4がガラスなどの
接着剤6で固定されている。浮上面を1/8μmのダイ
ヤモンド砥粒で湿式ラップを行い中心線平均粗さを10Å
にした後に、研磨シートを貼った円盤を任意の回転数で
回転させながら、一定荷重で磁気ヘッドを摺動させて、
図2のように浮上面に複数の溝7を形成した。前記溝
は、ほぼスライダの進行方向の溝とその溝に対して6度
で交差させ、浮上面の中心線平均粗さを30Åとした。ス
ライダの進行方向に対して交差する溝は磁気ヘッドを円
盤の半径方向に揺動をさせながら加工したものである。
従来の浮上式磁気ヘッドは、本実施例と同様な構成であ
るが、浮上面を1/8μmのダイヤモンド砥粒で湿式ラ
ップを行い中心線平均粗さを10Åの粗さにしたものであ
った。本実施例では、浮上面の幅が550μm(実施例1)の
ものと350μm(実施例2)の浮上磁気ヘッドを用いた。
ヘッドの斜視図であり、図2はこの実施例の浮上式磁気
ヘッドの浮上面の拡大平面図である。この浮上式磁気ヘ
ッドは、図1のように非磁性材料で形成されたスライダ
1の浮上面3に後部に磁気ヘッドコア4がガラスなどの
接着剤6で固定されている。浮上面を1/8μmのダイ
ヤモンド砥粒で湿式ラップを行い中心線平均粗さを10Å
にした後に、研磨シートを貼った円盤を任意の回転数で
回転させながら、一定荷重で磁気ヘッドを摺動させて、
図2のように浮上面に複数の溝7を形成した。前記溝
は、ほぼスライダの進行方向の溝とその溝に対して6度
で交差させ、浮上面の中心線平均粗さを30Åとした。ス
ライダの進行方向に対して交差する溝は磁気ヘッドを円
盤の半径方向に揺動をさせながら加工したものである。
従来の浮上式磁気ヘッドは、本実施例と同様な構成であ
るが、浮上面を1/8μmのダイヤモンド砥粒で湿式ラ
ップを行い中心線平均粗さを10Åの粗さにしたものであ
った。本実施例では、浮上面の幅が550μm(実施例1)の
ものと350μm(実施例2)の浮上磁気ヘッドを用いた。
【0007】次に、上記のように形成した浮上式磁気ヘ
ッドの浮上面の幅が550μmと350μmについて、静止摩擦
係数の変化量(Δμs)と動摩擦係数の値(μk)を測定し
た。浮上式磁気ヘッドの浮上面の幅が550μmの場合の結
果,浮上面の幅が350μmの場合の結果をそれぞれ表1,
表2に示す。
ッドの浮上面の幅が550μmと350μmについて、静止摩擦
係数の変化量(Δμs)と動摩擦係数の値(μk)を測定し
た。浮上式磁気ヘッドの浮上面の幅が550μmの場合の結
果,浮上面の幅が350μmの場合の結果をそれぞれ表1,
表2に示す。
【0008】
【表1】
【0009】
【表2】
【0010】静止摩擦係数の変化量(Δμs)としては、
環境履歴前後の磁気ヘッドの磁気ディスクとの静止摩擦
係数の変化量を用いた。環境履歴条件としては、初めが
20℃,湿度50%で、2時間で65℃,湿度80%にして、24
時間放置し、その後2時間で20℃,湿度50%に戻す条件
で行った。動摩擦係数の値(μk)は、CSSを20000回
行った後、磁気ディスクを1rpmで回転させた時の磁気
ヘッドと磁気ディスク間との動摩擦係数を測定したもの
である。ここで、浮上面の幅が550μmの浮上式磁気ヘッ
ドの浮上量は約0.2μm、浮上面の幅が350μmの浮上式磁
気ヘッドの浮上量は約0.1μmである。
環境履歴前後の磁気ヘッドの磁気ディスクとの静止摩擦
係数の変化量を用いた。環境履歴条件としては、初めが
20℃,湿度50%で、2時間で65℃,湿度80%にして、24
時間放置し、その後2時間で20℃,湿度50%に戻す条件
で行った。動摩擦係数の値(μk)は、CSSを20000回
行った後、磁気ディスクを1rpmで回転させた時の磁気
ヘッドと磁気ディスク間との動摩擦係数を測定したもの
である。ここで、浮上面の幅が550μmの浮上式磁気ヘッ
ドの浮上量は約0.2μm、浮上面の幅が350μmの浮上式磁
気ヘッドの浮上量は約0.1μmである。
【0011】磁気ディスクとしては、アルミニウム基盤
にNi−Pをメッキし、さらにテクスチャ加工を施して
いる。その上にCrの下地層、Co合金の磁性層、および
カーボンの保護層を順にスパッタして、さらに潤滑剤を
約20Å塗布している。浮上面幅550μmの磁気ヘッドに対
してはテクスチャの中心線平均粗さ(Ra)が約100Åの磁
気ディスクを用いているが、浮上面幅350μmの磁気ヘッ
ドに対しては充分な浮上保証をするためにテクスチャの
中心線平均粗さ(Ra)が約70Åの磁気ディスクを用いて
いる。表1に示すように、浮上量が0.2μmである浮上面
幅550μmの磁気ヘッドにおいては、動摩擦係数μkは実
施例1,従来例1ともに小さく、また静止摩擦係数の変
化量Δμsは従来例1の方が若干吸着傾向を示すが問題
とはならない程度である。ところが、表2に示すように
浮上面積350μmの磁気ヘッドにおいては、実施例2は従
来例2に比べてΔμsが非常に小さい。従来例2は磁気
ディスクのテクスチャの中心線平均粗さ(Ra)が小さく
なったことによって磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接
触面積が大きくなったが、実施例2は浮上面に深い溝が
付いたことによって磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接
触面積が余り大きくならなかったためと考えられる。ま
た、実施例2は従来例2に比べて動摩擦係数が非常に小
さい。従来例2は磁気ディスクのテクスチャの中心線平
均粗さ(Ra)が小さくなったことによって磁気ヘッドと
磁気ディスクの真実接触面積が大きくなったが、実施例
2は浮上面に深い溝が付いたことによって磁気ヘッドと
磁気ディスクの真実接触面積が余り大きくならなかった
ためCSS時の磁気ヘッドと磁気ディスク間の摩擦力が
小さくなることで、磁気ヘッドの磁気ディスクに対する
損傷が小さくなり、磁気ヘッド及び磁気ディスクの耐久
性が向上したと考えられる。
にNi−Pをメッキし、さらにテクスチャ加工を施して
いる。その上にCrの下地層、Co合金の磁性層、および
カーボンの保護層を順にスパッタして、さらに潤滑剤を
約20Å塗布している。浮上面幅550μmの磁気ヘッドに対
してはテクスチャの中心線平均粗さ(Ra)が約100Åの磁
気ディスクを用いているが、浮上面幅350μmの磁気ヘッ
ドに対しては充分な浮上保証をするためにテクスチャの
中心線平均粗さ(Ra)が約70Åの磁気ディスクを用いて
いる。表1に示すように、浮上量が0.2μmである浮上面
幅550μmの磁気ヘッドにおいては、動摩擦係数μkは実
施例1,従来例1ともに小さく、また静止摩擦係数の変
化量Δμsは従来例1の方が若干吸着傾向を示すが問題
とはならない程度である。ところが、表2に示すように
浮上面積350μmの磁気ヘッドにおいては、実施例2は従
来例2に比べてΔμsが非常に小さい。従来例2は磁気
ディスクのテクスチャの中心線平均粗さ(Ra)が小さく
なったことによって磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接
触面積が大きくなったが、実施例2は浮上面に深い溝が
付いたことによって磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接
触面積が余り大きくならなかったためと考えられる。ま
た、実施例2は従来例2に比べて動摩擦係数が非常に小
さい。従来例2は磁気ディスクのテクスチャの中心線平
均粗さ(Ra)が小さくなったことによって磁気ヘッドと
磁気ディスクの真実接触面積が大きくなったが、実施例
2は浮上面に深い溝が付いたことによって磁気ヘッドと
磁気ディスクの真実接触面積が余り大きくならなかった
ためCSS時の磁気ヘッドと磁気ディスク間の摩擦力が
小さくなることで、磁気ヘッドの磁気ディスクに対する
損傷が小さくなり、磁気ヘッド及び磁気ディスクの耐久
性が向上したと考えられる。
【0012】上記実施例2(350μm)の浮上式磁気ヘッド
において、浮上面の中心線平均粗さ(Ra)が10Å,20
Å,100Åおよび200Åの磁気ヘッドを作成した。次に上
記の各浮上磁気ヘッドを用いて、表1,表2と同様の条
件,方法で静止摩擦係数の変化量(Δμs)と動摩擦係数
(μk)を測定した。その結果を表3に示す。
において、浮上面の中心線平均粗さ(Ra)が10Å,20
Å,100Åおよび200Åの磁気ヘッドを作成した。次に上
記の各浮上磁気ヘッドを用いて、表1,表2と同様の条
件,方法で静止摩擦係数の変化量(Δμs)と動摩擦係数
(μk)を測定した。その結果を表3に示す。
【0013】
【表3】
【0014】浮上面の溝の中心線平均粗さが20〜100Å
(〜)では、磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接触面
積が小さいので、CSSを繰り返しても動摩擦係数μk
がほとんど上昇しない。これは磁気ヘッドと磁気ディス
クの真実接触面積が小さくなったため、CSS時の磁気
ヘッドと磁気ディスク間の摩擦力が小さくなることで、
磁気ヘッドの磁気ディスクに対する損傷が小さくなり、
磁気ヘッド及び磁気ディスクの耐久性が向上したと考え
られる。また、高温高湿下に放置しても磁気ヘッドと磁
気ディスクがほとんど吸着しない。これも浮上面に深い
溝が付いたことによって磁気ヘッドと磁気ディスクの真
実接触面積が小さくなったためと考えられる。10Å()
では、CSSを繰り返すと動摩擦係数μkが上昇する。
これは磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接触面積が大き
くなったため、CSS時の磁気ヘッドと磁気ディスク間
の摩擦力が大きくなることで、磁気ヘッドと磁気ディス
クに対する損傷が大きくなり、磁気ヘッド及び磁気ディ
スクの耐久性が劣化したと考えられる。また、高温高湿
下で磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着する。これも、溝
が浅過ぎるために磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接触
面積が大きくなったためと考えられる。さらに、200Å
()では磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接触面積が小
さいため高温高湿下での磁気ヘッドと磁気ディスクの吸
着はないが、CSSの繰り返しによってクラッシュして
いる。これは溝が深過ぎるため、磁気ヘッドの浮上状態
が不安定になり、磁気ヘッドが磁気ディスクに損傷を与
えたと考えられる。
(〜)では、磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接触面
積が小さいので、CSSを繰り返しても動摩擦係数μk
がほとんど上昇しない。これは磁気ヘッドと磁気ディス
クの真実接触面積が小さくなったため、CSS時の磁気
ヘッドと磁気ディスク間の摩擦力が小さくなることで、
磁気ヘッドの磁気ディスクに対する損傷が小さくなり、
磁気ヘッド及び磁気ディスクの耐久性が向上したと考え
られる。また、高温高湿下に放置しても磁気ヘッドと磁
気ディスクがほとんど吸着しない。これも浮上面に深い
溝が付いたことによって磁気ヘッドと磁気ディスクの真
実接触面積が小さくなったためと考えられる。10Å()
では、CSSを繰り返すと動摩擦係数μkが上昇する。
これは磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接触面積が大き
くなったため、CSS時の磁気ヘッドと磁気ディスク間
の摩擦力が大きくなることで、磁気ヘッドと磁気ディス
クに対する損傷が大きくなり、磁気ヘッド及び磁気ディ
スクの耐久性が劣化したと考えられる。また、高温高湿
下で磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着する。これも、溝
が浅過ぎるために磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接触
面積が大きくなったためと考えられる。さらに、200Å
()では磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接触面積が小
さいため高温高湿下での磁気ヘッドと磁気ディスクの吸
着はないが、CSSの繰り返しによってクラッシュして
いる。これは溝が深過ぎるため、磁気ヘッドの浮上状態
が不安定になり、磁気ヘッドが磁気ディスクに損傷を与
えたと考えられる。
【0015】次に、実施例2(350μm)の浮上式磁気ヘッ
ドにおいて、浮上面の溝の線の交差角が0度(a),2度
(b),15度(c),30度(d)の磁気ヘッドを作成した。上記
の各浮上式磁気ヘッドを用いて、表1,表2と同様の条
件,方法で静止摩擦係数の変化量(Δμs)と動摩擦係数
(μk)を測定した。結果を表4に示す。
ドにおいて、浮上面の溝の線の交差角が0度(a),2度
(b),15度(c),30度(d)の磁気ヘッドを作成した。上記
の各浮上式磁気ヘッドを用いて、表1,表2と同様の条
件,方法で静止摩擦係数の変化量(Δμs)と動摩擦係数
(μk)を測定した。結果を表4に示す。
【0016】
【表4】
【0017】溝の線の交差角が2〜15度(b)〜(c)で
は、磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接触面積が小さい
ので、CSSを繰り返しても動摩擦係数μkがほとんど
上昇しない。これは磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接
触面積が小さくなったため、CSS時の磁気ヘッドと磁
気ディスク間の摩擦力が小さくなることで、磁気ヘッド
の磁気ディスクに対する損傷が小さくなり、磁気ヘッド
及び磁気ディスクの耐久性が向上したと考えられる。交
差角が0度(a)および30度(d)では、表面加工で浮上面
に異常な突起が発生するため、この異常突起部が磁気デ
ィスクのカーボン保護膜を摩耗させて、磁気ヘッド及び
磁気ディスクの耐久性が劣化したと考えられる。また、
磁気ヘッドとしては、モノリシック型、コンポジット
型、薄膜型等でもよい。さらに、本実施例は浮上式磁気
ヘッドの浮上面全面に溝を形成したが、ギャップ近傍以
外のみに溝を形成してもよい。
は、磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接触面積が小さい
ので、CSSを繰り返しても動摩擦係数μkがほとんど
上昇しない。これは磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接
触面積が小さくなったため、CSS時の磁気ヘッドと磁
気ディスク間の摩擦力が小さくなることで、磁気ヘッド
の磁気ディスクに対する損傷が小さくなり、磁気ヘッド
及び磁気ディスクの耐久性が向上したと考えられる。交
差角が0度(a)および30度(d)では、表面加工で浮上面
に異常な突起が発生するため、この異常突起部が磁気デ
ィスクのカーボン保護膜を摩耗させて、磁気ヘッド及び
磁気ディスクの耐久性が劣化したと考えられる。また、
磁気ヘッドとしては、モノリシック型、コンポジット
型、薄膜型等でもよい。さらに、本実施例は浮上式磁気
ヘッドの浮上面全面に溝を形成したが、ギャップ近傍以
外のみに溝を形成してもよい。
【0018】
【発明の効果】本発明は上記実施例から明らかなよう
に、磁気ハードディスク用の浮上式磁気ヘッドの浮上面
に複数の溝を所定の交差角および中心線平均粗さに形成
するので、磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接触面積が
小さくなり、その結果磁気ヘッドが磁気ディスクに吸着
することが防止されるとともに、さらにCSS時の摩擦
力が小さくなる。したがって、磁気ヘッドの磁気ディス
クに対する損傷が小さくなり、磁気ヘッド及び磁気ディ
スクの耐久性が著しく向上する。さらに、磁気ヘッドと
磁気ディスク間の摩擦力の低減は、スペーシングの微小
化を可能とし高記録密度化が実現できる。また、磁気ヘ
ッドと磁気ディスク間の吸着の低減は、低トルクの小型
モータが利用できるため、磁気ディスク装置の小型,軽
量化が可能となるという効果を有する。
に、磁気ハードディスク用の浮上式磁気ヘッドの浮上面
に複数の溝を所定の交差角および中心線平均粗さに形成
するので、磁気ヘッドと磁気ディスクの真実接触面積が
小さくなり、その結果磁気ヘッドが磁気ディスクに吸着
することが防止されるとともに、さらにCSS時の摩擦
力が小さくなる。したがって、磁気ヘッドの磁気ディス
クに対する損傷が小さくなり、磁気ヘッド及び磁気ディ
スクの耐久性が著しく向上する。さらに、磁気ヘッドと
磁気ディスク間の摩擦力の低減は、スペーシングの微小
化を可能とし高記録密度化が実現できる。また、磁気ヘ
ッドと磁気ディスク間の吸着の低減は、低トルクの小型
モータが利用できるため、磁気ディスク装置の小型,軽
量化が可能となるという効果を有する。
【図1】本発明の一実施例における浮上式磁気ヘッドの
斜視図である。
斜視図である。
【図2】本発明の一実施例における浮上式磁気ヘッドの
浮上面の拡大平面図である。
浮上面の拡大平面図である。
【図3】従来の浮上式磁気ヘッドの斜視図である。
1,9…スライダ、 2,3,7,10,11…浮上面、
4,12…磁気ヘッドコア、 5,13…ギャップ、 6,
14…接着剤、 8…溝。
4,12…磁気ヘッドコア、 5,13…ギャップ、 6,
14…接着剤、 8…溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−227215(JP,A) 特開 平1−311482(JP,A) 特開 平1−303601(JP,A) 特開 昭63−209082(JP,A) 実開 昭62−98016(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/60 G11B 21/21
Claims (2)
- 【請求項1】 浮上面に複数の溝がある磁気ハードディ
スク用の浮上式磁気ヘッドであって、前記溝はほぼ前記
浮上面の進行方向の溝とその溝に対して2ないし15度で
交差している溝で構成されていることを特徴とする浮上
式磁気ヘッド。 - 【請求項2】 浮上面の中心線平均粗さが20ないし100
Åであることを特徴とする請求項1記載の浮上式磁気ヘ
ッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29300291A JP3226307B2 (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 浮上式磁気ヘッド |
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