JPH05182188A - 磁気ディスク及びその製造方法 - Google Patents

磁気ディスク及びその製造方法

Info

Publication number
JPH05182188A
JPH05182188A JP33093691A JP33093691A JPH05182188A JP H05182188 A JPH05182188 A JP H05182188A JP 33093691 A JP33093691 A JP 33093691A JP 33093691 A JP33093691 A JP 33093691A JP H05182188 A JPH05182188 A JP H05182188A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic disk
magnetic
peripheral side
flying
disk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP33093691A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayoshi Nakagawa
正義 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP33093691A priority Critical patent/JPH05182188A/ja
Publication of JPH05182188A publication Critical patent/JPH05182188A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ディスク上の内周部および外周部での磁
気ヘッドの浮上量を一定にし、磁気ヘッドの浮上安定性
を高める。 【構成】 磁気ディスクの表面と裏面の少なくとも一方
に、磁気ヘッドの浮上量を制御する浮上制御溝が複数形
成されている。 【効果】 気流圧が浮上制御溝によって制御され、磁気
ディスクの全面に渡って均一な気流圧が生じる。従っ
て、磁気ヘッドの浮上量は磁気ディスク上のどの位置で
あっても変ることがなく、一定で安定した磁気ヘッドの
浮上走行を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気ヘッドの浮上と走行
を安定化させることができる磁気ディスクに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等の磁気記録装置等に用い
られている円盤状の磁気ディスクにあっては、磁気ディ
スク上を浮上走行(浮動)する磁気ヘッドによって信号
の書き込みと読み取りがなされている。この種の磁気ヘ
ッドでは、磁気ディスクが停止している時は磁気ディス
ク表面に接触し、磁気ディスクが回転すると磁気ディス
ク表面に発生する気流の圧力(気流圧)によって浮上
し、この状態で信号の書き込みと読み取りを行なうよう
になっている。
【0003】磁気ヘッドの停止状態と浮上走行状態につ
いてさらに詳細に説明する。磁気ディスクの起動時にお
いて、磁気ヘッドはそれ自身を支持するばね板部材のば
ね圧により磁気ディスク表面に押し付けられた状態にな
っている。この状態から磁気ディスクが回転を開始する
と、磁気ヘッドは回転する磁気ディスクに接触したまま
摺動する。さらに、磁気ディスクの回転速度の向上に伴
い、磁気ディスクの表面に生じた気流による揚力が上昇
し、この揚力が磁気ヘッドに対する前記ばね圧に打ち勝
つと、磁気ヘッドは緩やかに磁気ディスク表面から浮上
し、磁気ヘッドの形状とばね圧と磁気ディスクの周速度
とにより決定される浮上高さを保ちつつ磁気ディスクに
対して浮上走行する。
【0004】ところで、磁気ディスクの表面ならびに磁
気ヘッドの媒体対向面は鏡面仕上が施されている。鏡面
仕上どうしの面が接触すると、互いの面間で吸着現象が
発生する。この吸着現象が生じると、磁気ヘッドが磁気
ディスクに吸着して動かなくなり、磁気ディスクまたは
磁気ヘッドの損傷等、磁気記録装置の故障につながる問
題があった。さらに、磁気ディスクの磁性膜において、
磁化容易軸が等方的であったり、あるいは製造時のスパ
ッタ装置のマグネットの影響を受けて磁化容易軸が磁気
ディスクの半径方向に向いていたりすると、その再生出
力や分解能等の低下をきたしてしまうものであった。
【0005】そこで、これらの問題を解決する手段とし
て、磁気ディスクの表面にテクスチュアリングを形成す
る方法が採られている。図10に示すように、テクスチ
ュアリング14は磁気ディスク30に形成された同心円
状の溝である。このテクスチュアリング14,14,・・
・は、研磨粒子を磁気ディスク30の表面に押し当てた
状態で磁気ディスク30を回転させることで形成される
ものである。またテクスチュアリング14は、磁気異方
性の配向効果および磁気ヘッドの浮上安定性の確保等の
制約により、磁気ディスクの半径方向の表面粗さは0.
002〜0.1μmRa、ピッチは0.1〜10μmになる
ように形成されている。このテクスチュアリング14を
磁気ディスク30に形成することで、磁気ディスク30
と磁気ヘッド間の吸着現象の発生を抑え、もって磁気記
録装置の故障を防ぎ、さらに磁気ディスクの周方向に沿
った磁化容易軸をもつ磁気異方性の磁気ディスクを実現
することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気ディス
クは一定の角速度で回転するため、その表面内周部分と
表面外周部分とでは磁気ディスクの周速度に差異が生
じ、磁気ディスクの表面に生じる気流の大きさ及び圧力
が磁気ディスクの場所によって異なるようになる。従っ
て、磁気ヘッドは磁気ディスクの表面上に生じる気流に
よって浮上するものであるから、磁気ヘッドの浮上状態
が磁気ディスク上の位置によって異なってしまう。即
ち、磁気ヘッドの浮上量は、周速度の小さい磁気ディス
ク表面内周部分では低く、周速度の大きい表面外周部分
では高くなる傾向がある。磁気ヘッドの記録磁界や磁気
ディスクのもれ磁界は磁気ヘッドと磁気ディスクの距離
に応じて小さくなる。従って、磁気ヘッドの浮上量が磁
気ディスクの表面内周側と表面外周側で変化するという
ことは、磁気記録再生特性が磁気ヘッドの磁気ディスク
上の位置によって変化してしまうということであり、不
具合なことであった。しかも、記録密度の向上の妨げに
もなるものであった。そこで従来、この不具合を解消す
る目的で、負圧発生を利用した特殊な磁気ヘッドを用い
ることがある。磁気ヘッドの揚力発生面にフォトリソグ
ラフィ等で段差を形成すると、磁気ディスクの角速度、
磁気ヘッドの磁気ディスク上の位置等に応じた負圧を発
生する。これを周速増加による揚力上昇とバランスさせ
ることにより浮上量の変化を小さくするものである。
【0007】しかしながら、通常の浮動式磁気ヘッドの
浮上量は0.1〜0.3μm程度であって、極めて小さい
浮上量である。従って、負圧による磁気ヘッドの浮上量
を調整するには、非常に高い加工精度が要求される上、
十分な信頼性を確保することはいたって困難であった。
【0008】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、磁気ディスク上の内周部および外周部での磁
気ヘッドの浮上量を一定にし、磁気ヘッドの浮上安定性
を高めるものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の磁気ディ
スクは、回転駆動時に磁気ヘッドが浮上走行され、該磁
気ヘッドによって情報の記録再生が行なわれる磁気ディ
スクにおいて、磁気ディスクの表面と裏面の少なくとも
一方に、磁気ヘッドの浮上量を制御する浮上制御溝が複
数形成されていることを特徴とするものである。
【0010】請求項2記載の磁気ディスクは、請求項1
記載の磁気ディスクにおいて、磁気ディスクの内周側に
形成された浮上制御溝よりも外周側に形成された浮上制
御溝の方が深いことを特徴とするものである。
【0011】請求項3記載の磁気ディスクは、請求項1
または2記載の磁気ディスクにおいて、磁気ディスクの
内周側よりも外周側に浮上制御溝が密に形成されている
ことを特徴とするものである。
【0012】請求項4記載の磁気ディスクは、請求項
1,2または3記載の磁気ディスクにおいて、磁気ディ
スクの内周側に形成された浮上制御溝の溝幅よりも外周
側に形成された浮上制御溝の溝幅の方が広いことを特徴
とするものである。
【0013】請求項5記載の磁気ディスクの製造方法
は、基体上にNi−P合金層を成膜し、該Ni−P合金
層に浮上制御溝を形成した後に少なくとも磁性層を積層
することを特徴とするものである。
【0014】請求項6記載の磁気ディスクの製造方法
は、請求項5記載の磁気ディスクの製造方法において、
浮上制御溝の形成にフォトリソグラフィー法を使用する
ことを特徴とするものである。
【0015】
【作用】本発明の磁気ディスクでは、磁気ディスクの内
周側よりも周速度が大きく、気流圧が大きく発生する外
周側での気流圧を抑制するために、浮上制御溝を形成
し、該浮上制御溝を 内周側よりも外周側に形成されたものの方を深くす
る。 内周側よりも外周側に密に形成する。即ち形成ピッチ
を狭める。 内周側よりも外周側に形成されたものの方の溝幅を広
くする。 上記浮上制御溝を形成することで、磁気ディスク上に発
生する気流圧を制御することができ、磁気ディスクの全
面上に渡って気流圧を一定化することができる。そし
て、一定の気流圧を発生させることで磁気ディスク上を
浮上走行する磁気ヘッドの浮上量を一定に保つことがで
きる。
【0016】
【実施例】
〔実施例1〕実施例1の磁気ディスクを図1〜4を参照
して説明する。この例の磁気ディスク10は、図4に示
すように、アルミニウム,アルミニウム合金等の金属、
ガラスあるいは樹脂製の円盤状の基体16の表面あるい
は表裏両面に、Ni−P合金層18、磁性層22、保護
膜24あるいは必要に応じて複数の中間層20が積層さ
れたものである。この磁気ディスク10はコンピュータ
の磁気記録装置等の磁気記録媒体として使用されるもの
である。
【0017】本実施例の磁気ディスク10では、中間層
20はCr層であり、磁性層22はCo−Ni層、保護
膜24には炭素被膜が適用される。尚、中間層20とし
ては、Cr単体の他にも、Cr−Co合金,Cr−Fe
合金,Cr−Mo合金,Cr−Nb合金,Cr−Zr合
金,Cr−Ta合金,Cr−W合金,Cr−O合金等の
Crを主成分とする金属が適用され得る。
【0018】磁性層22には前記Co−Ni合金の他に
も、Co−Ni−Cr合金、Co単体,Co−Cr合
金,Co−Fe合金,Co−P合金,Co−Ni−P合
金等の強磁性体材料が適用され得る。尚、Co−Ni合
金ならびにCo−Ni−P合金の場合にはNiの含有率
は約40重量%以下が好ましい。また、Co−Cr合
金,Co−Fe合金ならびにCo−P合金などの場合に
はCr,Fe,Pの含有率は約30重量%以下が好まし
い。保護膜24にはさらに、Cr−C膜、さらにまたフ
ッ素系有機化合物、シリコン系有機化合物が適用でき
る。また、こうした炭素を主成分とする化合物の他にも
ケイ素やホウ素を主成分とする化合物も適用され得る。
【0019】この磁気ディスク10の表面側あるいは表
裏両面側には磁気ヘッド(図示略)が接触されて配置さ
れ、磁気ディスク10が回転駆動すると磁気ディスクの
表面あるいは表裏両面上に気流が生じ、該気流によって
磁気ヘッドが磁気ディスクと離間し、磁気ヘッドが磁気
ディスク上を浮動することとなる。この浮動状態におい
て、磁気ヘッドは磁気ディスクに情報の記録再生を行な
うことができるようになる。
【0020】尚、以下の実施例の記載においては、磁気
ディスクの表面側について説明するが、本実施例では表
面側と裏面側では同様の構成をとることができ、表面側
について説明したことは表裏両面側についても云えるも
のである。従って、以下の記載においては表面側につい
てだけの説明を行ない、両面についての説明は省略す
る。
【0021】図2に示すように、本実施例の磁気ディス
ク10では、その表面上に従来例の磁気ディスク同様に
テクスチュアリング14が形成されている(図1ではテ
クスチュアリング14は省略されている)。さらに本実
施例の磁気ディスク10においては、同心円状の浮上制
御溝12が複数形成されている。この浮上制御溝12,
12,・・・は図2に示すように、テクスチュアリング1
4よりも深く形成されている。しかもこの実施例1の磁
気ディスク10では、浮上制御溝12の深さが磁気ディ
スク10の内周側に形成されているものより外周側に形
成されているものの方がより深くなるように形成されて
いる。
【0022】一般的な3.5インチディスクの場合、実
際上、磁気記録再生に使用される領域は、その中心から
20〜45mmのところである。また、作動時における
その磁気ディスクの回転数は3600rpm位であるの
で、内周部(中心から20mmの位置)での周速度は
7.5m/s位になる。また、外周部(中心から45m
mの位置)での周速度は17.0m/s位になる。従っ
て、この磁気ディスクにおいては、浮上制御溝12の深
さは30nm(内周部)程度〜50nm(外周部)程度
であることが望ましい。
【0023】各浮上制御溝12,12,・・・の溝幅は数
100nm〜数1000nmが適している。また、浮上
制御溝12のピッチは数μm〜数十μmが適している。こ
のとき、磁気ディスク10の各トラックに形成される浮
上制御溝12の本数とその浮上制御溝12の溝幅の積、
即ち、各トラックに占める浮上制御溝12の占有面積は
そのトラック面積の10%以下でなければならない。浮
上制御溝のトラックに対する占有率が10%を超える
と、磁気特性が劣化するためである。一般的な磁気ディ
スクのトラック幅は数〜10μmであるので、各トラッ
クにおける浮上制御溝の溝幅と本数の積の総和は該トラ
ックに応じて100nm〜1000nmが適しているこ
とになる。例えば、トラック幅が10μmのときに浮上
制御溝12のピッチが10μmであったならば、浮上制
御溝の溝幅は1μm以下となる。
【0024】尚、磁気ディスク上で、実際上磁気ヘッド
が浮動しない領域では磁気ディスクに浮上制御溝12が
形成されなくとも、またはその深さがより内側の浮上制
御溝の深さよりも浅くなっていてもかまわない。即ち、
例えば一般の磁気ディスクにおいては前記したように実
際に使用される領域は磁気ディスクの中心から20〜4
5mmのところであるので、中心から45mm以上遠ざ
かっている領域での浮上制御溝の深さは中心から45m
mの位置に形成されている浮上制御溝の深さよりも浅く
形成されていてもかまわない。
【0025】本実施例の磁気ディスク10を製造するに
は、まずディスク状の基体16の上に無電解メッキを施
してNi−P合金層18を成膜する。このNi−P合金
層18の膜厚は13μm程度が適している。
【0026】次に、この成膜されたNi−P合金層18
に浮上制御溝12,12,・・・を形成する。浮上制御溝
12の形成にはフォトリソグラフィー法が最も適してい
る。まずNi−P合金層18上にフォトレジストを塗布
する。そして、浮上制御溝12,12,・・・を形成する
箇所にフォトマスクを形成し、紫外線光を照射して露光
する。その後、これを現像して浮上制御溝を形成する箇
所以外のところにマスクパターンを形成する。さらに、
エッチングを施し、レジストを除去することで所望の位
置にのみに浮上制御溝12が形成される。エッチングに
はウエットエッチング、ドライエッチングの双方とも使
用できる。浮上制御溝12の溝幅やピッチはマスクパタ
ーンによって調整され、また各浮上制御溝12の深さは
エッチング時間等を調整することで、所望の深さに形成
される。Ni−P合金層18への浮上制御溝12の形成
は、研磨加工等によっても行なうことができる。
【0027】Ni−P合金層18にはさらにテクスチュ
アリング14も形成される。テクスチュアリング14は
研磨テープをNi−P合金層18上に押し当てながらデ
ィスクを回転させることで研磨粒子により同心円状に形
成される。
【0028】浮上制御溝12が形成された後に、Ni−
P合金層18上にはさらに各種層が積層される。本実施
例ではまず、スパッタによって中間層20としてCr層
が成膜される。スパッタは、このワークをスパッタ室に
収納して直径100mmのCr板をターゲット電極とし
たDCスパッタリングとして行なわれ、もって所望の厚
さに形成される。このCr層20は約30〜300nm
が適当であり、中でも150nm程度が最適である。
【0029】さらに、中間層20上にスパッタによって
磁性層22としてCo−Ni層が成膜される。この磁性
層22の厚さは約20〜200nm、好ましく35nm
程度が適している。磁性層22上に、炭素をスパッタし
て保護膜24が被膜される。この保護膜24の厚さは約
5〜50nmが適している。
【0030】これら中間層20,磁性層22,保護膜2
4の形成にはスパッタ法の他にも例えば、真空蒸着法、
イオンビームデポジション法、イオンプレーティング法
などの各種薄膜形成法が適用できる。さらに、保護膜2
4上には必要に応じてフッ素系潤滑剤などからなる潤滑
膜(図示略)をディップコート法などにより被覆する。
【0031】浮上制御溝12,12,・・・の形成された
Ni−P層18上にこれら複数の各種層20,22,2
4を積層しても、これら積層した層によって浮上制御溝
12,12,・・・が埋没することはない。Ni−P層1
8上に積層する各層は最大膜厚がおよそ300nm以下
であり、浮上制御溝12の溝幅はおよそ0.5μm前後と
十分に広いからである。即ち、Ni−P層18上に積層
される各層は形成されている浮上制御溝12の形状に追
従するようなる。尚、浮上制御溝12の溝幅や深さを所
望の大きさにするためには、これらNi−P層18上に
積層する膜厚分を考慮した上でNi−P層18上に浮上
制御溝を形成しなければならない。
【0032】本実施例の磁気ディスク10ではその表面
上に形成されている浮上制御溝12,12,・・・によっ
て、磁気ディスク10上を浮動する磁気ヘッドの浮上量
を制御することができる。磁気ヘッドは回転する磁気デ
ィスク10の表面上に生じる気流によって浮上するが、
磁気ディスク表面に溝が形成されているとその分だけ生
じる気流圧が減少する。そしてその気流圧は溝が大きい
ほど即ち深いほど減少する。そこで本実施例の磁気ディ
スク10では磁気ディスク10の内周側から外周側にな
るにつれて溝の深さを深くしたものである。
【0033】浮上制御溝12の形成されていない磁気デ
ィスクでは、磁気ディスクの内周側よりも外周側の方が
当然に周速度が大きくなる。従って、磁気ヘッドの浮上
量は、磁気ヘッドが磁気ディスクの内周側よりも外周側
に位置したときの方が大きくなってしまう。
【0034】本実施例の浮上制御溝12,12,・・・の
形成された磁気ディスク10では浮上制御溝12,1
2,・・・の深さが内周側に形成されているものよりも外
周側に形成されているものの方が深いので、外周側での
磁気ヘッドの浮上量が抑制されるようになっている。即
ち、磁気ディスクの周速度の違いにより生じる磁気ヘッ
ドの浮上量増加量と浮上制御溝が形成されることで抑制
される磁気ヘッドの浮上量減少量とが相殺され、内周側
ないし外周側にかかわらず、磁気ヘッドの浮上量は一定
となる。従って、磁気ヘッドの磁気記録再生特性が向上
し、さらに記録密度を向上させることができる。
【0035】〔実施例2〕実施例2の磁気ディスクを図
5を参照して説明する。実施例2の磁気ディスク10で
は浮上制御溝12,12,・・・の深さは磁気ディスク1
0の内周側ないし外周側において同等であるが、その形
成密度が異なるものである。即ち、磁気ディスク10に
形成される複数の浮上制御溝12,12,・・・は、磁気
ディスク10の内周側では粗に、そして外周側になるに
つれて密に形成されている。
【0036】浮上制御溝12,・・・の形成ピッチが内周
側と外周側とで異なることで、それぞれの浮上制御溝1
2の深さが同一であっても、磁気ディスク10のより外
周側での気流圧が減少し、もって磁気ヘッドの浮上量が
抑えられるものである。
【0037】浮上制御溝12の形成ピッチが周速度の大
きい外周部で狭まる実施例2の磁気ディスクでは、周速
度の上昇に伴う気流圧の増加と浮上制御溝による気流圧
の抑制とが相殺し、その表面上を浮動する磁気ヘッドの
浮上量は内周側ないし外周側において一定となる。従っ
て、磁気ヘッドの磁気記録再生特性が向上し、記録密度
が向上する。
【0038】尚、磁気ディスク10の浮上制御溝12以
外の構成、製造方法は実施例1の磁気ディスク10と同
様である。さらに、各浮上制御溝12,12,・・・の深
さは均一であるので、より浮上制御溝の形成が容易であ
る。
【0039】また、浮上制御溝の形成ピッチを変えるこ
とと共に浮上制御溝の深さを変えることも有効である。
即ち、磁気ディスクの内周側から外周側にかけて浮上制
御溝12の形成ピッチを狭めると共にその深さを深くす
ることができる。この浮上制御溝の形成ピッチ調整と深
さ調整を同時に行なうことでそれぞれの変化率を小さく
することができる。即ち、内周側の浮上制御溝よりも外
周側の浮上制御溝を僅かに深くしておけば、形成ピッチ
も僅かに狭めることで本実施例の効果を得ることができ
る。
【0040】〔実施例3〕実施例3の磁気ディスクを図
6を参照して説明する。実施例3の磁気ディスク10
は、磁気ディスクに形成される複数の浮上制御溝の深さ
およびピッチは同一であるものの、各浮上制御溝12,
12,・・・の溝幅が異なるものである。即ち、実施例3
の磁気ディスク10では、内周側に形成される浮上制御
溝12の溝幅よりも外周側に形成される浮上制御溝12
の溝幅の方が広く形成されている。
【0041】外周側になるにつれて浮上制御溝12の溝
幅が広くなるので磁気ディスク上に生じる気流はその影
響を受け、気流圧が減少する。即ち、広い溝幅を有する
浮上制御溝12の形成されている位置での磁気ヘッドの
浮上量は低く抑制される。従って、周速度の大きい磁気
ディスクの外周側での浮上量と溝幅の広い浮上制御溝に
よる抑制作用が相殺され、磁気ディスクの内周側ないし
外周側にかけて、磁気ヘッドの浮上量を一定に保つこと
ができる。従って、磁気ヘッドの浮上安定性が高まり、
磁気記録再生特性が安定し、信頼性が向上する。さらに
は記録密度が向上する。尚、磁気ディスク10の浮上制
御溝12以外の構成、製造方法は実施例1の磁気ディス
ク10と同様である。
【0042】また、この浮上制御溝の溝幅の調整と共
に、浮上制御溝の深さ及びまたは形成ピッチを調整して
磁気ヘッドの浮上量を調整することもできる。即ち、磁
気ディスクの内周側よりも外周側の浮上制御溝の深さを
深くする、形成ピッチを狭める、溝幅を広めるという3
種の方法のうち、どれかを単独に適用するか、3方法の
全てを適用するか、もしくは2方法を選択して適用する
かのいずれであってもかまわない。どの方法であっても
浮上制御溝の形成による磁気ヘッドの浮上量減少量と、
磁気ディスクの周速差による磁気ヘッドの浮上量増加量
が等しく、もって磁気ヘッドの浮上量が常に一定に保た
れるようになっていればよい。尚、前記したように、磁
気ディスクの各トラックに対する浮上制御溝の占有率は
10%以下でないと磁気特性の劣化を招いてしまい、好
ましくない。
【0043】〔実施例4〕実施例4の磁気ディスクを図
7を参照して説明する。実施例4の磁気ディスク10は
実施例1の磁気ディスクと同様に内周側から外周側にな
るにつれて浮上制御溝12,12,・・・の深さが深くな
るものであるが、図1に示すものと異なり、浮上制御溝
12,12,・・・が環状に形成されていないものであ
る。浮上制御溝12は図7に示すように断続的に形成さ
れていてもかまわないもので、図7に示すようなものの
他にも図8に示すようなもの等、破線状に形成されてい
てもかまわない。さらには、図9に示すように、1つ1
つの浮上制御溝12,12,・・・が線状のものではな
く、円形の穴であってもかまわない。即ち、本発明の浮
上制御溝の形状は溝だけでなく、穴などの凹みであれば
よく、磁気ディスクの表面上の気流圧が減少すれば良
い。
【0044】尚、浮上制御溝の形は上記のように限定さ
れるものではないが、その深さは内周側よりも外周側の
方がより深く形成されていなければならない。もしく
は、実施例2の磁気ディスクのように内周側よりも外周
側の方により密に浮上制御溝を形成しなければならな
い。さらにもしくは、実施例3の磁気ディスクのよう
に、内周側に形成される浮上制御溝の溝幅よりも外周側
に形成される浮上制御溝の溝幅を広くしなけらばならな
い。但し、浮上制御溝の形成によって磁気ヘッドの浮上
量が抑制されればいいので、例えば、磁気ディスクの内
周側から外周側にかけて浮上制御溝の溝幅を狭く形成し
たとしても、深さをより深く形成することで結果として
磁気ヘッドの浮上量が抑制されるならば差し支えない。
【0045】
【発明の効果】本発明の磁気ディスクは、その表面もし
くは裏面の少なくとも一方に磁気ヘッドの浮上量を制御
する浮上制御溝が形成されているものであって、請求項
2記載の磁気ディスクでは、磁気ディスクの内周側に形
成されている浮上制御溝よりも外周側に形成されている
浮上制御溝の方が深く形成され、請求項3記載の磁気デ
ィスクでは、磁気ディスクの内周側よりも外周側に浮上
制御溝が密に形成され、請求項4記載の磁気ディスクで
は、磁気ディスクの内周側よりも外周側に形成されてい
る浮上制御溝の溝幅が広く形成されているものである。
【0046】こうした浮上制御溝を有する磁気ディスク
においては、回転時における磁気ディスクの外周側での
気流圧が抑制される。回転時の磁気ディスクでは、その
内周側と外周側とでは周速差が生じ、外周側での周速度
が大きく、気流圧が内周側よりも大きく発生する。本発
明の磁気ディスクでは、この周速差による気流圧の変量
分が浮上制御溝によって抑制され、磁気ディスクの全面
に渡って均一な気流圧が生じる。従って、磁気ヘッドの
浮上量は磁気ディスク上のどの位置であっても変ること
がなく、一定で安定した磁気ヘッドの浮上走行を実現す
ることができる。一定で安定した磁気ヘッドの浮上走行
を保つことができるので、磁気記録再生特性の信頼性を
高め、磁気記録密度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の磁気ディスクの平面図である。
【図2】実施例1の磁気ディスクの部分断面図である。
【図3】実施例1の磁気ディスクの部分断面図である。
【図4】実施例1の磁気ディスクの部分拡大断面図であ
る。
【図5】実施例2の磁気ディスクの平面図である。
【図6】実施例3の磁気ディスクの部分拡大平面図であ
る。
【図7】実施例4の磁気ディスクの平面図である。
【図8】実施例4の別の磁気ディスクの平面図である。
【図9】実施例4のさらに別の磁気ディスクの平面図で
ある。
【図10】従来例の磁気ディスクであって、図8(a)
は平面図、図8(b)は要部断面図である。
【符号の説明】
10 磁気ディスク 12 浮上制御溝 14 テクスチュアリング 16 基体 18 Ni−P合金層 22 磁性層 24 保護膜 30 磁気ディスク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動時に磁気ヘッドが浮上走行さ
    れ、該磁気ヘッドによって情報の記録再生が行なわれる
    磁気ディスクにおいて、磁気ディスクの表面と裏面の少
    なくとも一方に、磁気ヘッドの浮上量を制御する浮上制
    御溝が複数形成されていることを特徴とする磁気ディス
    ク。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気ディスクにおいて、
    磁気ディスクの内周側に形成された浮上制御溝よりも外
    周側に形成された浮上制御溝の方が深いことを特徴とす
    る磁気ディスク。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の磁気ディスクに
    おいて、磁気ディスクの内周側よりも外周側に浮上制御
    溝が密に形成されていることを特徴とする磁気ディス
    ク。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3記載の磁気ディス
    クにおいて、磁気ディスクの内周側に形成された浮上制
    御溝の溝幅よりも外周側に形成された浮上制御溝の溝幅
    の方が広いことを特徴とする磁気ディスク。
  5. 【請求項5】 基体上にNi−P合金層を成膜し、該N
    i−P合金層に浮上制御溝を形成した後に磁性層を積層
    することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の磁気ディスクの製造方法
    において、浮上制御溝の形成にフォトリソグラフィー法
    を使用することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
JP33093691A 1991-12-13 1991-12-13 磁気ディスク及びその製造方法 Withdrawn JPH05182188A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33093691A JPH05182188A (ja) 1991-12-13 1991-12-13 磁気ディスク及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33093691A JPH05182188A (ja) 1991-12-13 1991-12-13 磁気ディスク及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05182188A true JPH05182188A (ja) 1993-07-23

Family

ID=18238088

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33093691A Withdrawn JPH05182188A (ja) 1991-12-13 1991-12-13 磁気ディスク及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05182188A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001065547A1 (fr) * 2000-03-01 2001-09-07 Hitachi, Ltd. Procede et dispositif d'enregistrement/lecture d'informations et support d'enregistrement d'informations
US7170699B2 (en) 2003-03-19 2007-01-30 Fuji Electric Holdings Co., Ltd. Master disk having grooves of different depths for magnetic printing and manufacturing method therefor

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001065547A1 (fr) * 2000-03-01 2001-09-07 Hitachi, Ltd. Procede et dispositif d'enregistrement/lecture d'informations et support d'enregistrement d'informations
US7688685B1 (en) 2000-03-01 2010-03-30 Hitachi, Ltd. Magneto-optical recording device capable of changing the shapes of heating areas
US8059497B2 (en) 2000-03-01 2011-11-15 Hitachi, Ltd. Megneto-optical recording device capable of changing the shapes of heating areas
US7170699B2 (en) 2003-03-19 2007-01-30 Fuji Electric Holdings Co., Ltd. Master disk having grooves of different depths for magnetic printing and manufacturing method therefor
SG135940A1 (en) * 2003-03-19 2007-10-29 Fuji Electric Holdings Master disk for magnetic printing and manufacturing method thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4625322B2 (ja) Dtrパターン化cssゾーンを有する磁気記録ディスク
JP4593128B2 (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
JP4111276B2 (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
JP2004178793A (ja) 磁気離散トラック記録ディスク
JP2004178794A (ja) 垂直磁気離散トラック記録ディスク
JP2000195042A (ja) 磁気記録媒体とその製造方法
JP3286291B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2006048812A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
JP4180823B2 (ja) 高耐摩耗滑りパッドを使った摩耗耐久性
JP4258150B2 (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法ならびに磁気ディスク装置
EP1081687A2 (en) Magnetic recording medium and its manufacturing method
JPH05182188A (ja) 磁気ディスク及びその製造方法
JP3050998B2 (ja) 磁気ディスク
JPH11328662A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録装置
US6335080B1 (en) Magnetic disk media and disk drives utilizing polymeric disk substrates
JPH03127327A (ja) 磁気デイスクとその製造法及び磁気デイスク装置
JP2005135565A (ja) 磁気ディスクおよびこれを備えた磁気ディスク装置
JP2777499B2 (ja) 磁気ディスク
JPH0489616A (ja) 磁気ディスク装置及び磁気ディスク
JP2901437B2 (ja) 磁気ディスク及び磁気ヘッド
JP2947863B2 (ja) 磁気デイスク装置及び磁気記録媒体
JP3699707B2 (ja) マスター情報磁気記録装置およびこれを用いて情報が記録された磁気記録媒体の製造方法
JP2915722B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH1116314A (ja) 磁気ヘッド及びそれを用いた磁気記録装置
JPH06274867A (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990311