JPH05331619A - 薄膜作製方法および薄膜作製装置 - Google Patents

薄膜作製方法および薄膜作製装置

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JPH05331619A
JPH05331619A JP13835092A JP13835092A JPH05331619A JP H05331619 A JPH05331619 A JP H05331619A JP 13835092 A JP13835092 A JP 13835092A JP 13835092 A JP13835092 A JP 13835092A JP H05331619 A JPH05331619 A JP H05331619A
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JP
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thin film
film
chamber
vacuum
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JP13835092A
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English (en)
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Mutsumi Yamamoto
睦 山本
Jun Kuwata
純 桑田
Tomizo Matsuoka
富造 松岡
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面が酸化物で構成された基板表面に吸着し
た水分、さらには酸化物中に含まれる水分を脱離させ、
その後続けて真空中で所望の薄膜を製膜することによっ
て、下地からの水分の脱離による上部薄膜の局部的な剥
離を防止する。 【構成】 表面が酸化物で構成された基板3に対して、
真空中において当該基板3に真空中で加熱処理を施して
表面から水分を脱離して酸化物表面に吸着した水分、さ
らには酸化物中に取り込まれている水分を脱離し、その
後連続的に当該基板3に真空中において所望の薄膜を製
膜する構成による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパッタリング法や真
空蒸着法などの真空中で薄膜を製造する方法のうち、例
えば薄膜トランジスタ(以下TFTと略す)のゲート絶
縁膜やエレクトロルミネッセンス(以下ELと略す)素
子の発光層を挟持する絶縁膜にも用いられているような
酸化物を主成分とする薄膜上に各種薄膜を良質に製造す
るための薄膜作製方法および薄膜作製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図2に一例として、一般的なTFT液晶
表示装置のTFT要部構成断面図を示す。このような構
造を持つTFTの製造工程は、まずガラス基板31上の
全面にスパッタリング法を用いてTaOxアンダーコー
ト絶縁膜32を製膜し、その上にCrゲート電極33を
選択的に形成する。ついで全面にスパッタリング法によ
り室温でTaOx第1ゲート絶縁膜34aを製膜し、そ
の後化学気相堆積法によりSiNx第2ゲート絶縁膜3
4b、アモルファストSi半導体層35、パッシベーシ
ョンSiNx膜36を順次製膜する。ゲート電極33上
以外のパッシベーションSiNx膜36を除去した後、
オーミックコンタクト層37、ソース、ドレイン電極用
金属膜38を順次製膜する。オーミックコンタクト層3
7、ソース、ドレイン電極用金属膜38を一括してエッ
チングしてソース電極38a、ドレイン電極38bを形
成して図2に示すTFTが完成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の構成
では、上述した製造工程の中で、特にアンダーコート絶
縁膜上に基板加熱をしないで製膜した膜が、後工程の加
熱処理される工程でアンダーコート絶縁膜との界面に剥
離を生じるという現象が生じた。具体的には、Crゲー
ト電極またはTaOx第1ゲート絶縁膜を基板加熱をし
ないで製膜すると、後工程の200℃以上の基板温度で
製膜するSiNx第2ゲート絶縁膜を製膜後に、前記各
膜とアンダーコート絶縁膜との界面において気泡状の剥
離が基板全面に生じてしまう。
【0004】上記のような剥離が生じる原因は、酸化物
薄膜の表面に吸着された水分または酸化物薄膜内に取り
込まれた水分が加熱によって脱離するためであると考え
られる。例えばTaOx膜は、文献(大塩ら、信学技報
EID91−86,p17−22(1992))にも示
されているように薄膜内に水分を取り込みやすく、また
加熱によって容易に脱離する。
【0005】本発明は以上のような課題を解決するもの
で、良好なデバイス特性が得られる基板温度で製膜し、
かつ下地の膜からの水分の脱離が生じないような薄膜作
製方法および薄膜作製装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、絶縁性基板または表面の少なくとも一部に
酸化物を主成分とする薄膜が形成された基板を真空中で
一定時間加熱し、一定の温度まで冷却後、そのまま大気
に触れずに続けて真空中で所望の薄膜を製膜する構成よ
りなる。
【0007】
【作用】上記構成により、酸化物表面に吸着した水分や
酸化物中に取り込まれた水分を脱離することができ、所
望の膜を薄膜物性に最適な条件で製膜できるため、高品
質の薄膜を下地酸化物界面との剥離を生じることなく作
製することができる。
【0008】
【実施例】
(実施例1)図1に本発明の薄膜作製装置の第1の実施
例であるインライン型スパッタリング装置を示す。図1
において、1はロードロック室、2は基板ホルダー、3
は基板、4はガス導入口、5はゲートバルブ、6は熱処
理室、7a,7bは基板加熱機構、8はガス導入口、9
は流量計、10はゲートバルブ、11は冷却室、12は
ガス導入口、13は流量計、14はゲートバルブ、15
は製膜室、16は基板加熱機構、17はガス導入口、1
8は流量計、19はゲートバルブ、20はアンロードロ
ック室、21a,21bはガス導入口、22は流量計、
23a〜23eは真空排気系、24はターゲット、25
はカソード電源である。本装置は、ロードロック室1、
熱処理室6、冷却室11、製膜室15およびアンロード
ロック室20の5つに分かれている。ロードロック室1
およびアンロードロック室20は、熱処理室6、冷却室
11、製膜室15を大気に戻さずに基板を出し入れする
ための予備排気室である。各室間は各々ゲートバルブ
5,10,14,19で仕切られており、ゲートバルブ
5,10,14,19の開閉により基板3を各室間移動
することができる。また各室は各々独立に排気すること
ができ、熱処理室6、冷却室11および製膜室15は常
に真空排気されているので、各室内で基板面に水分やガ
スが吸着して膜の品質を悪化させることはない。
【0009】熱処理室6内にはランプヒーターからなる
基板加熱機構7a,7bが備えられており、最高350
℃まで基板3を加熱することができる。熱処理室6内で
は、不活性ガス等の水分を含まず、基板面に吸着しにく
いガスをガス導入口8から流しながら熱処理を行なうこ
ともできる。冷却室11は、基板3を製膜室15に送る
前に一定時間真空中で放置して基板3を冷却するために
ある。冷却室11を配置することで、冷却中に次の基板
を熱処理室6に導入することができる。したがって、熱
処理、冷却、製膜と連続的に基板3を処理することがで
き、効率的な生産が可能となる。本実施例では、基板加
熱機構は熱処理室6内に配置しているが、必ずしも熱処
理室6内に配置する必要はない。例えば、加熱部のみ石
英ガラスで作製してそこに基板3を配置し、石英ガラス
の外部からシーズヒーター等を用いて基板加熱を行なう
ことも可能である。
【0010】一定時間冷却後、冷却室11より基板ホル
ダー2を製膜室15に導入する際には、製膜室15内の
圧力が変化しないように、予め冷却室11に製膜室15
内で用いるスパッタリングガスと同成分のガスを流量計
13を介してガス導入口12より導入する。導入するガ
スの流量は、ゲートバルブ14を開けた際に、製膜室1
5内の圧力が急激に変動しないような値に予め決める。
【0011】製膜室15は、スパッタリング法により薄
膜を作製できる構造となっている。スパッタリング法と
しては、DC法、RF法等どのような方法も用いること
ができる。製膜中は基板が一定速度でターゲット24上
を通過する構造となっており、複数の基板に連続的に薄
膜を作製することができる。また製膜室15内にもラン
プヒーターからなる基板加熱機構16が備えられてお
り、製膜中にも基板加熱を行なうことのできる構造とな
っている。製膜が終了した基板ホルダー2は、ゲートバ
ルブ19を開けてアンロードロック室20に導入する。
ゲートバルブ19を開ける前には、ゲートバルブ14を
開けるときと同様に製膜室15内の圧力が急激に変化し
ないように、予めスパッタリングガスと同成分のガスを
流量計22を介してガス導入口21bより所定量だけ導
入しておく。
【0012】本発明の薄膜作製装置の最も重要な点は、
表面が酸化物で形成された基板上に薄膜を製膜する前
に、基板3を真空中で熱処理する構造を備え、基板表面
に吸着している水分や基板表面に形成されている薄膜中
に含まれる水分を脱離し、その後基板3に対して大気に
触れることなく続けて所望の薄膜を製膜することのでき
る機構を備えている点である。したがって、装置構成は
本実施例に限定されるものではなく、例えばロードロッ
ク室1内で熱処理をすることのできる構成、すなわち熱
処理室6とロードロック室1が一体となった構成や、熱
処理室6と冷却室11が一体となった構成、さらにはロ
ードロック室1と熱処理室6および冷却室11が一体と
なった構成等が考えられるが、いずれの場合も本発明の
基本的要件から逸脱するものではない。
【0013】また基板3の真空熱処理後大気中を搬送し
ない理由は、大気中に含まれる水分が基板表面に吸着し
て上述したような酸化物上に製膜した薄膜の剥離現象が
生じるためである。これに対して湿度の非常に低い大気
中を搬送させる方法も考えられるが、湿度が30%以下
になると基板表面が非常に帯電しやすくなり、後工程で
膜の静電破壊が生じる原因となるため適当ではない。
【0014】(実施例2)次に第1の実施例に示した薄
膜作製装置を用い、本発明の薄膜作製方法によりTFT
液晶表示装置を作製する第2の実施例を示す。図2は、
本発明の薄膜作製方法を用いた一例であるTFT液晶表
示装置のTFT部概略断面図を示したものである。図2
を用いて上述の構造を持つTFTの製造工程について簡
単に説明する。まず、ガラス基板31上の全面にTaO
xアンダーコート絶縁膜32を反応性RFスパッタリン
グ法により50〜200nmの厚さで製膜し、その上に
全面にDCスパッタリング法により室温でCr膜を10
0〜200nmの厚さで製膜後、Crゲート電極33を
選択的に形成する。ついで全面に反応性RFスパッタリ
ング法によりTaOx第1ゲート絶縁膜34aを50〜
200nmの厚さで、その後化学気相堆積法により基板
温度350℃で、厚さ200〜300nmのSiNx
2ゲート絶縁膜34b、アモルファスSi半導体層3
5、パッシベーションSiNx膜36を順次製膜する。
ゲート電極33上以外のパッシベーションSiNx膜3
6を除去した後、オーミックコンタクト層37、ソー
ス、ドレイン電極用金属膜38を順次製膜する。オーミ
ックコンタクト層37、ソース、ドレイン電極用金属膜
38を一括してエッチングしてソース電極38a、ドレ
イン電極38bを形成して図2に示すTFTが完成す
る。なお本実施例の製造工程においては、基板上に付着
したダストによる欠陥の発生をなくすため、各製膜工程
の前には必ず基板を洗浄する工程を入れている。
【0015】上記TFT液晶表示装置の製造過程におい
て、本発明の1要件である薄膜作製方法を用いた結果良
好な結果が得られた点について、図1および図2を用い
てさらに詳しく説明する。
【0016】まず第1の点としてCrゲート電極33を
形成するためのCr膜の製膜過程について説明する。金
属Crターゲット24が取り付けられた、図1に示す構
造のスパッタリング装置のロードロック室1内の基板ホ
ルダー2に、アンダーコート膜32が製膜されたガラス
基板31をセットする。ロードロック室1内を真空排気
し、所定の圧力になったところでゲートバルブ5を開け
基板ホルダー2を熱処理室6に導入する。熱処理室6内
は、基板表面の温度が所定の温度になるように、予め基
板加熱機構7a,7bを決められた条件で作動させてお
く。熱処理室6、冷却室11および製膜室15はクライ
オポンプよりなる真空排気系23b,23c,23dに
よって常に真空排気されている。ゲートバルブ5を閉
じ、熱処理室6内で基板31を一定時間加熱する。所定
の加熱時間が経過したらゲートバルブ10を開け、基板
ホルダー2を冷却室11に導入する。
【0017】一定時間経過後、冷却室11内にガス導入
口12より所定量のArガスを導入し、所定の圧力にな
ったらゲートバルブ14を開けて基板ホルダー2を製膜
室15内に導入し、ゲートバルブ14を閉じる。この時
製膜室15内には予めガス導入口17よりArガスが導
入され、ターゲット24に対して0.5〜10W/cm 2
のDCスパッタ電力でスパッタリングが行われている。
基板ホルダー2は製膜室15内を予め設定した一定の速
度で移動し、ターゲット24上を通過後にはガラス基板
31上に所望の厚さのCr膜が製膜されている。製膜室
15内での基板加熱は行なわなかった。ターゲット24
上を通過後ゲートバルブ19を開け、アンロードロック
室20に基板ホルダー2を移動する。ゲートバルブ19
を閉じた後、アンロードロック室20内に大気圧になる
までガス導入口21aよりArガスを導入し、基板ホル
ダー2からガラス基板31を取り出してCr製膜の工程
を終了する。
【0018】次に第2の点としてTaOx第1ゲート絶
縁膜34aの製膜過程について説明する。TaOx膜の
製膜装置も上述のCr膜の製膜に用いた図1に示した装
置と同様の構成となっている。アンダーコート膜32上
に所定のパターンのゲート電極33が形成された基板3
1を基板ホルダー2にセットした後、熱処理室6で所定
の温度で基板加熱を行ない、冷却室11で一定時間冷却
後、製膜室15に導入して薄膜を製膜後アンロードロッ
ク室20からガラス基板31を取り出すまでの過程は、
製膜室15においてArガスの代わりに所定の割合で混
合されたArとO2の混合ガスを用いる点、およびター
ゲット24に印加する電力がRF電力である点を除いて
は、上述のCr製膜の場合と全く同様であるので説明は
省略する。製膜室15には金属TaもしくはTaOx
りなるターゲット24が備えられ、反応性RFスパッタ
リング法によりTaOx膜が製膜できるようになってい
る。製膜時のRF電力は5〜30W/cm2、スパッタリ
ング圧力は5×10-4〜1×10-2Torrの範囲内と
し、基板ホルダー2の移動速度は予め設定した一定の速
度で移動し、ターゲット24上を通過した基板3には所
望の厚さのTaOx膜が製膜されている。基板温度は、
TaOx膜のリーク電流が小さくなる条件である150
℃以下とした。
【0019】以上のCr膜およびTaOx膜の製膜につ
いての説明は、基板ホルダー2を1台だけ用いた場合に
ついて述べたが、実際には、ロードロック室1の基板ホ
ルダー2が熱処理室6に導入されたら、すぐにロードロ
ック室1を大気解放して次のガラス基板31をセット
し、順次熱処理室6、冷却室11、製膜室15、アンロ
ードロック室20へと搬送することにより、多くの基板
に連続的に製膜を行なうことができる。
【0020】TaOx第1ゲート絶縁膜34aまで製膜
した基板は、次にSiNx第2ゲート絶縁膜34bを製
膜する。SiNx第2ゲート絶縁膜34bは、基板温度
350℃で化学気相堆積法により製膜した。ここで、熱
処理室6においてガラス基板31の熱処理を行なわない
で製膜した従来の方法では、SiNx第2ゲート絶縁膜
34b製膜後Crゲート電極33とTaOxアンダーコ
ート膜32との界面およびTaOx第1ゲート絶縁膜3
4aとTaOxアンダーコート膜32との界面におい
て、基板全面にわたって気泡状の剥離が生じていたが、
本実施例の薄膜作製方法および薄膜作製装置を用いた結
果、このような不良は皆無となった。
【0021】図3に本実施例の方法と従来の方法を用い
て、SiNx第2ゲート絶縁膜34bまで作製したデバ
イスの断面構造を比較して示す。従来のマイクロ波加熱
を行なわなかった基板では、図3(b)に示したように
気泡状の剥離が生じているが、本実施例の方法では図3
(a)に示したように界面での剥離はまったく生じてい
ない。図3(b)に示したような剥離があった場合、図
2に示したゲート電極33の断線、またはゲート電極3
3とソース電極38a、ドレイン電極38bの短絡等が
発生し著しく歩留まりが低下するという問題が生じてい
た。しかしながら本実施例の方法を用いることにより、
生産性を全く低下させることなく飛躍的な歩留まりの向
上を果たすことができた。なお、図3(b)において4
1が剥離部である。
【0022】さらに本発明の方法の優れた点は、基板温
度に制約がなくなることである。これまでの剥離防止の
対策として、製膜中の基板温度を上げることにより下地
酸化物薄膜からの水分の脱離を促し、積層構造が形成さ
れてからの界面での水分脱離を防ぐ方法を用いた。しか
しながら製膜中の基板加熱は必ずしも全ての薄膜にとっ
て最適条件とはならない。例えば、本実施例中に述べた
Cr薄膜は、製膜中に基板加熱を行なうとCr膜が僅か
に酸化されて抵抗値が高くなってしまう。また同じく本
実施例中に述べたTaOx膜の場合、基板加熱を行なっ
た状態で製膜した膜は、150℃以下で製膜した膜に比
べて1〜2桁リーク電流が大きくなってしまい、TFT
特性を悪化させる要因となる。このように製膜時の基板
温度は、製膜後の薄膜の特性に非常に大きな影響を及ぼ
す。したがって、本実施例に示した方法を用いることに
より、後工程での水分脱離の問題を考えることなく、製
膜する物質の特性が最も良くなる条件で製膜することが
できるため、高品質の薄膜を再現性良く、高い生産性で
作製することが可能となった。
【0023】また上述の第2の実施例では、製膜前に基
板の熱処理を施した基板上に製膜された薄膜は金属Ta
の酸化物であるTaOx膜であったが、水分を吸着した
り、薄膜中に水分を取り込み易い薄膜はTaOx膜に限
るものではなく、Al,Si等の金属の酸化物が表面に
形成されている基板に対しても同様の効果がある。した
がって本発明の薄膜作製方法および薄膜作製装置は、基
本的には表面に水分を吸着しやすい状態の基板、さらに
は薄膜中に取り込む水分量の多い酸化物薄膜が製膜され
た基板上に所望の薄膜を製膜する場合全てに有効であ
る。
【0024】上述の第2の実施例において、熱処理室6
で基板加熱を施す際の加熱温度および加熱時間は、表面
に形成されている酸化物の種類によって異なるが、おお
むね図4に斜線で示した条件であれば同様の効果が望め
る。また上述の第2の実施例では、基板ホルダー2を1
台だけ用いた場合について述べたが、実際には、ロード
ロック室1の基板ホルダー2が熱処理室6に導入された
ら、すぐにロードロック室1を大気解放して次の基板を
セットし、順次熱処理室6、冷却室11、製膜室15、
アンロードロック室20へと搬送することにより、複数
の基板に連続的に製膜を行なうことができる。
【0025】さらに上述の2実施例では、どちらも製膜
室はスパッタリング法により薄膜を製膜する構成となっ
ていたが、製膜方法はスパッタリング法に限定されるも
のではなく、真空蒸着法、化学気相成長法、分子線エピ
タキシー法等の方法を用いた場合でも、本発明の基本的
要件から逸脱するものではない。
【0026】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように本発明
は、所望の薄膜を製膜する前に、基板に真空中で加熱処
理を施して表面から水分を脱離した後、続けて真空中に
おいて所望の膜を製膜することにより、界面での膜の局
部的な剥離の発生を防止し、信頼性が高く特性の優れた
薄膜を再現性良く形成できる薄膜作製方法および薄膜作
製装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における薄膜作製装置の
概略構成図
【図2】本発明の薄膜作製方法により作製したTFT液
晶表示装置の断面図
【図3】(a)は本発明の薄膜作製方法によるTFT液
晶表示装置の部分断面図 (b)は従来の薄膜作製方法によるTFT液晶表示装置
の部分断面図
【図4】図1の薄膜作製装置の熱処理室での基板表面温
度と加熱時間の関係を示す図
【符号の説明】
1 ロードロック室 2 基板ホルダー 3 基板(絶縁性基板、酸化物を主成分とする薄膜が形
成された基板) 4 ガス導入口 5 ゲートバルブ 6 熱処理室 7a,7b 基板加熱機構 8 ガス導入口 9 流量計 10 ゲートバルブ 11 冷却室 12 ガス導入口 13 流量計 14 ゲートバルブ 15 製膜室 16 基板加熱機構 17 ガス導入口 18 流量計 19 ゲートバルブ 20 アンロードロック室 21a,21b ガス導入口 22 流量計 23a〜23e 真空排気系 24 ターゲット 25 カソード電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // H01L 29/784

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性基板または表面の少なくとも一部に
    酸化物を主成分とする薄膜が形成された基板を真空中に
    て一定時間加熱した後所定の温度まで冷却し、そのまま
    大気に触れずに続けて真空中で所望の薄膜を製膜するこ
    とを特徴とする薄膜作製方法。
  2. 【請求項2】真空中での基板の一定時間の加熱が、真空
    中で基板の温度が250℃以上になるような加熱である
    ことを特徴とする請求項1記載の薄膜作製方法。
  3. 【請求項3】酸化物を主成分とする薄膜が金属の酸化物
    薄膜であることを特徴とする請求項1記載の薄膜作製方
    法。
  4. 【請求項4】金属の酸化物薄膜がタンタル(Ta)、ア
    ルミニウム(Al)またはシリコン(Si)の酸化物薄
    膜であることを特徴とする請求項3記載の薄膜作製方
    法。
  5. 【請求項5】基板を真空中で一定時間加熱する手段と、
    前記加熱された基板を大気に触れさせずに所定の温度ま
    で冷却する手段と、その冷却された基板上に真空を保っ
    たままでの所望の薄膜を形成する手段とを少なくとも有
    することを特徴とする薄膜作製装置。
  6. 【請求項6】基板を真空中で一定時間加熱する手段が、
    基板を真空中で250℃以上に加熱する手段であること
    を特徴とする請求項5記載の薄膜作製装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011037008A1 (en) * 2009-09-24 2011-03-31 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Method for manufacturing oxide semiconductor film and method for manufacturing semiconductor device
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