JP2765569B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の製造方法に
係り、特に窒化チタン膜とアルミニウム膜とを構成要素
として含む積層膜からなる配線を有する半導体装置を製
造するのに好適な方法に関する。 【0002】 【従来の技術】アルミニウムを含む化合物として、例え
ば有機アルミニウム化合物を原料とし、減圧化学気相成
長法(LPCVD法)によりアルミニウム薄膜を製造す
る方法によれば、高純度でカバレッジの優れたアルミニ
ウム薄膜の形成が原理的に可能である。 【0003】そのため、微細化された半導体装置の配線
アルミニウム薄膜の形成に応用するためのLPCVD法
ならびに装置などの研究開発が盛んに進められている。
従来の有機アルミニウム化合物の一種であるトリイソブ
チルアルミニウム(TIBA)を原料として、アルミニ
ウム薄膜を形成するLPCVD法ならびに装置について
は例えばソリッド ステート テクノロジー12月号
(1982年)第62頁から第65頁(Solid State Te
chnology, December(1982)pp62−65)にお
いて論じられている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来のLPCVD法お
よび装置によって形成されるアルミニウム薄膜はカバレ
ッジが優れていて純度も極めて高いとされているが、形
成されたアルミニウム薄膜の表面が粗く、微視的に見る
と薄膜表面にはかなりの凹凸が生じるという問題があっ
た。また、この表面の凹凸は同一装置を用いて同一条件
でアルミニウム膜形成を繰返しても必ずしも再現しない
という問題もあった。アルミニウム薄膜の平滑性が悪化
する原因については不明ではあるが、アルミニウム膜形
成前に試料に施される試料表面活性化処理により膜表面
の平滑性は大きく変化する。この試料表面活性化処理は
試料表面におけるアルミニウムの核生成を促進すること
を目的として行われるもので、上述した従来のLPCV
D法の代表的なソリッド ステート テクノロジー12
月号(1982年)に記載の方法においては、加熱した
試料を四塩化チタンに関することを以てこの活性化処理
としている。(以下四塩化チタン処理という。)発明者
らはこの四塩化チタン処理が活性化処理として必ずしも
最善ではなく、試料の材質やその表面状態のわずかな差
異の影響を受けやすく、上記アルミニウム膜表面の凹凸
の発生もしくは再現性不足の原因となっていることを見
出した。 【0005】またアルミニウムのLPCVD法を半導体
装置の配線アルミニウム薄膜の形成に応用する場合、微
細化されたコンタクトホール部におけるアルミニウム配
線とシリコン基板との接続部の熱的安定性を高める必要
からアルミニウム、シリコン間にバリア層を挿入するこ
とが不可欠となりつつある。バリア層として例えば反応
性スパッタ法によって形成された窒化チタン膜が提案さ
れているが、反応性スパッタ法ではカバレッジが不足す
るため垂直に加工された微小スルーホール底部にバリア
層として必要な厚さの窒化チタン膜を形成することは極
めて困難である。 【0006】また、反応性スパッタ法ではスルーホール
上部に、底部よりも厚く窒化チタン膜が形成されるた
め、その上にLPCVD法でアルミニウム膜を形成し、
スルーホールをアルミニウムで埋込もうとすると、スル
ーホール内部に空洞が発生するという問題もあった。 【0007】さらに、アルミニウムのLPCVD法は半
導体素子に対してプラズマ放電に起因する損傷を与えな
いという大きな特長を有するが、バリア層の形成に反応
性スパッタ法を用いることにより素子が損傷を受けると
アルミニウムのLPCVD法の利点が生かされないこと
も問題であった。 【0008】LPCVD法によるアルミニウム膜に匹敵
するガバレッジの得られるバリア層の形成方法を確立す
ることがアルミニウムのLPCVD法を実用化する上で
不可欠である。 【0009】従来のLPCVD法および装置はこの点に
ついて配慮されていなかったため半導体装置への応用は
大きく制約されていた。 【0010】本発明の目的は試料上にカバレッジが優れ
たバリア層を形成し、しかも特別な活性化処理を施すこ
となく、上記バリア層上にLPCVD法により良質のア
ルミニウム膜を再現性よく形成することのでき、損傷が
少なく、長寿命の半導体装置の製造方法を提供すること
にある。また、 【0011】 【課題を解決するための手段】上記目的はアルミニウム
膜形成にさきだち、下部電極上に形成された誘電体膜上
に、LPCVD法を用いて試料上に窒化チタン膜を形成
し、しかる後望ましくは試料を大気に晒すことなく該窒
化チタン膜上にLPCVD法によってアルミニウム膜を
形成することにより達成される。なお必要に応じてアル
ミニウム膜形成にさぎだって、例えば水素や窒素ガス雰
囲気中で熱処理を施してもよい。ただし大気、特に酸素
や水分に試料を晒さないことが望ましい。窒化チタン膜
の原料として四塩化チタン及びアンモニアを用い、アル
ミニウム膜の原料としてトリイソブチルアルミニウムを
用いる場合に最も好ましい結果が得られるが、他の原料
例えば窒化チタン膜の原料として四塩化チタン及び窒素
等、アルミニウム膜の原料としてトリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム等を用いてもよい。また窒
化チタン膜の形成方法としてはLPCVD法の代わりに
プラズマ化学気相成長法(PCVD法)を用いることも
できる。さらに真空紫外光を放射する光源を用いた光C
VD法を用いてもよい。光CVD法では光エネルギーに
より化学反応が促進されるため通常のLPCVD法より
も低温で高速の窒化チタン膜形成が可能となる。 【0012】 【作用】化学気相成長法(CVD法)による窒化チタン
膜はアルミニウム、シリコン間のバリア層として機能す
る。また、CVD法で形成された窒化チタン膜はカバレ
ッジが優れており、スルーホール底部に形成される膜の
厚さとスルーホール上部に形成される膜の厚さはほぼ等
しいことがわかった。このため、該窒化チタン膜上にL
PCVD法でアルミニウム膜を形成すると、内部に空洞
を生じさせることなくスルーホールを完全にアルミニウ
ムで埋込むことが可能であることを見出した。また発明
者らの検討によればその表面はアルミニウムの核生成を
促進する作用を有するので、該窒化チタン膜上に特別な
表面活性化処理を施すことなくLPCVD法によって良
質のアルミニウム膜を形成できることがわかった。まず
従来の四塩化チタン処理によると、アルミニウムの核生
成を促す働きを有すると考えられる試料表面に吸着され
たチタン原子の面密度は試料の材質やその表面状態に著
しく依存し、従って局所的な密度分布も大であった。よ
ってこの上にLPCVD法で形成されるアルミニウム膜
も密度分布に対応して、局所的に表面状態が大きく変化
した。さらにチタンが密に吸着されていると思われる部
分であってもその密度がなお不足であるために、その上
のアルミニウム膜表面の平滑性は従来のスパッタ法や真
空蒸着法による膜表面の平滑性に比して著しく劣るとい
う問題があった。 【0013】また発明者らはある種の材料、例えば電子
ビーム蒸着したパラジウムや反応性スパッタ法により形
成した窒化チタン等の表面に対しては上記の四塩化チタ
ン処理を行わなくてもLPCVD法によりアルミニウム
を堆積させられることを見出した。その場合試料上にお
けるアルミニウム膜表面の均一性は四塩化チタン処理を
行った場合よりも良好となったが、平滑性そのものはな
お不十分であった。 【0014】これに対し本発明のCVD法により窒化チ
タン膜表面には以上に述べた方法に比して著しく平滑性
の優れたアルミニウム膜を形成できることがわかった。
この原因は明らかではないが、以下の理由によるものと
推測される。CVD法によって形成された窒化チタン膜
表面にはチタン原子が均一に分布し、またチタン原子の
面密度はCVD中の原料ガスの流量比を調整することに
より最適な値とできる。該窒化チタン膜上にLPCVD
法でアルミニウム膜を形成すると、表面が平滑で良質な
膜が再現性よく得られる。CVD法によって形成した窒
化チタン膜上のアルミニウム膜表面の平滑性は反応性ス
パッタ法による窒化チタン膜上よりも優れているが、こ
の原因としては次のようなことが考えられる。従来の反
応性スパッタ法ではスパッタガスとしてアルゴン、窒素
を用いる。このため形成された窒化チタン膜表面にはア
ルゴン、窒素が吸着するが、かかるガス原子、もしくは
分子の吸着により、膜表面のチタン原子のアルミニウム
の核生成を促す働きが弱められると推測される。また、
反応性スパッタ法では表面のチタン原子の密度を最適な
値となるように制御することは極めて困難である。窒化
チタン膜の形成方法としてはLPCVD法が最適である
がPCVD法の場合にもこれに準じる効果が得られる。
LPCVD法の方が適している理由はPCVD法ではプ
ラズマ放電によるイオン衝撃によって反応容器内壁等か
ら水、酸素等が脱離するため、これらにより窒化チタン
膜表面が汚染されチタン原子の面密度が減少したり、局
所的な密度分布が生じるためであると考えられる。ま
た、プラズマ放電による素子損傷を皆無とするためには
窒化チタン膜の形成にPCVD法を用いないことが必要
となる。 【0015】本発明の製造方法を実施する際に用いる装
置は試料を大気に晒すことなく窒化チタン膜とアルミニ
ウム膜を連続的に形成できることが望ましい。試料を大
気に晒すことにより窒化チタン膜表面のチタン原子の面
密度が減少し、局所的な密度分布が生じるためと推測さ
れる。さらに窒化チタン膜を形成する反応容器とアルミ
ニウム膜を形成する反応容器とは別個である方がより好
ましい結果が得られる。これは反応容器内に四塩化チタ
ンが残留すると有機アルミニウム化合物と反応して生成
物がアルミニウム膜中に混入し、その結果アルミニウム
膜の膜質劣化がもたらされるためである。 【0016】 【実施例】以下本発明を実施例を参照して詳細に説明す
る。 【0017】(参考例1)図1乃至図2を用いて説明す
る。本実施例は本発明をシリコン集積回路の配線形成に
適用した例である。図1(a)はシリコン基板101上
にCVD法でリンシリケートガラス(PSG)膜102
を厚さ1μm形成した後開口部寸法0.7μm角のコン
タクトホール103を垂直に開孔した試料を示す。コン
タクトホール103底部のシリコン基板101表面には
高濃度のリンが拡散されている。表面キャリア濃度は2
×1010cm-3である。かかる試料を図2に示す本発明の
製造装置に設置する。図2の装置は窒化チタン反応容器
201とアルミニウム反応容器202とを別個に具えそ
の間は遮断バルブ203により遮断されている。各反応
容器201及び202はそれぞれ専用の排気系204及
び205を備える。排気系204及び205はそれぞれ
未反応の四塩化チタン、トリイソブチルアルミニウムを
吸着するためのトラップを排気ポンプと反応容器20
1、202との間に具備している。はじめに試料207
は窒化チタン反応容器201内の試料台206上に設置
される。反応容器201内を排気系204により5×1
-7Torrまで排気後ヒーター台209内のヒーターによ
り試料台206を介して試料207を加熱し、その表面
温度を350℃に保つ。しかる後四塩化チタン導入口2
11とアンモニア導入口212からそれぞれ四塩化チタ
ン、アンモニアを5ml/分、20ml/分の流量で導
入した。四塩化チタンを蓄えた容器は10℃に保たれて
いるので気化した四塩化チタンが導入口211に至るま
でに凝縮することはない。反応容器201内の圧力は排
気系204に具えられたコンダクタンスバルブの調整に
より0.5Torrに調整した。8分間この状態を保ったと
ころ試料207上には100nmの窒化チタン膜が形成
され試料は図1(b)の如くなった。窒化チタン膜10
4はコンタクトホール103の底部や側壁にも平坦部と
同等の厚さ形成される。窒化チタン膜104を分析した
ところチタンと窒素の組成比は1:1であり膜中に含ま
れる塩素、酸素はそれぞれ1原子%以下であった。また
膜の抵抗率は約100μΩ・cmであった。四塩化チタン
とアンモニアの導入を停止し、窒化チタン反応容器20
1内を再び5×10-7Torrまで排気した後、排気系20
5によって5×10-7Torrまで排気されたアルミニウム
反応容器202との間の遮断バルブ203を開く。しか
る後転送棒208を用いて試料207を試料台206と
共にアルミニウム反応容器202に転送し、ヒーター台
210上に設置する。転送棒208と試料台206との
間はねじにより固定されているので、これを切離し転送
棒208を再び窒化チタン反応容器201内に移動すれ
ば遮断バルブ203を閉じることができる。あらかじめ
加熱されたヒーター台210からの熱により試料207
の表面の濃度が250℃に保たれた後、TIBA導入口
からTIBAを70ml/分導入してアルミニウムの堆
積を行った。アルミニウム反応容器202内の圧力は排
気系205に備えられたコンダクタンスバルブの調整に
より0.5Torrとした。堆積速度は150nm/分であ
る。5分間の堆積により図1(c)に示すように厚さ7
50nmのアルミニウム膜105が窒化チタン膜104
上に形成された。アルミニウム膜105表面はほぼ平滑
であり凹凸は±50nmに抑えられた。従来公知の方
法、装置では同一の膜厚に対し±200nmであった。
またコンタクトホール103内にもアルミニウムが埋め
込まれた。なお、微小なコンタクトホールへの埋込性は
アルミニウム膜表面の平滑性に強く依存し、平滑性が不
足する膜の場合大きなコンタクトホールにはカバレッジ
よく膜が形成されるのに対し、微小なコンタクトホール
では空洞が生じたりする。本発明の方法では窒化チタン
膜のカバレッジが優れており、コンタクトホール上部に
も底部とほぼ同等の膜厚の窒化チタン膜が形成され、し
かもアルミニウム膜の平滑性が大幅に向上したため、従
来よりも微小なコンタクトホールに対しても埋込みが可
能となった。かかるアルミニウム膜105に通常のホト
リソグラフィー工程によってパターニングを施したとこ
ろ図1(d)のようになった。アルミニウム膜105に
抵抗率は2.8μΩcmであり窒化チタン膜104のバリ
ア効果によりコンタクトホール103内のコンタクト部
は550℃3時間の窒素中熱処理を施しても劣化せず、
0.7μm角のコンタクトホール103のコンタクト抵
抗は熱処理前の値1.3×10-7Ωcm2をほぼ維持した。
なお、高濃度のボロンを拡散し表面キャリア濃度が5×
1010cm-2である0.7μm角のコンタクトホールのコ
ンタクト抵抗は前記熱処理の前後で共に2.9×10-7
Ωcm2であった。 【0018】(実施例1) 本実施例は本発明をシリコン集積回路の配線形成に適用
した例である。MOSトランジスタ、キャパシタ、抵抗
等を作製したシリコン基板上に参考例1と同様の装置を
用いて、参考例1と同様の方法で窒化チタン膜とアルミ
ニウム膜との積層膜からなる配線を作製した。窒化チタ
ン膜の厚さは100nm、アルミニウム膜の厚さは75
0nmである(以下これを試料Aという)。一方同様の
シリコン基板上に従来の方法、すなわち反応性スパッタ
法で窒化チタン膜を形成した。窒化チタン膜の形成には
平行平板型スパッタ装置を用い、アルゴン、窒素をそれ
ぞれ20ml/分、10ml/分導入して圧力を1mT
orrとした後、チタンターゲット13.56kHz、
10W/cm2の高周波電力を5分間印加した。しかる
後基板を大気に晒すことなく該窒化チタン上にCVD法
でアルミニウム膜を形成し窒化チタン膜とアルミニウム
膜との積層膜からなる配線を作製した。アルミニウム膜
の形成に用いた装置、形成方法は参考例1と同様であ
る。窒化チタン膜の厚さは平坦な基板上において100
nmであり、アルミニウム膜の厚さは750nmであ
以下これを試料Bという)。まず、試料A,Bの耐エ
レクトロマイグレーション性を加速試験によって評価し
た。試験に用いたパターンは平坦な基板上の幅1μm、
長さ2mmの配線パターンと、開口部径1μmのコンタ
クトホールを1000個直列に接続したコンタクトホー
ルパターンである。コンタクトホール間は幅3μm長さ
3μmの配線で接続されている。またコンタクトホール
部の基板にはあらかじめ5×10−10cm−3のボロ
ンが拡散されている。試験条件は、周囲温度250℃で
1×102A/cm2の電流を各パターンに通電した。
各パターンそれぞれ100個について試験を行い50個
が断線した時間を寿命とした。試料Aの配線パターンの
寿命は37時間、コンタクトホールパターンの寿命は3
3時間であり、試料Bの配線パターンの寿命は32時
間、コンタクトホールパターンの寿命は11時間であっ
た。試料Aの配線パターンの寿命が試料Bよりも長いの
は、試料Aのアルミニウム膜の方が平滑で緻密であるた
めと考えられる。コンタクトホールパターンの寿命が試
料Aの方が長いのは上記理由に加え、試料Aにおいて
は、ほぼ完全にコンタクトホールがアルミニウムで埋め
込まれているのに対し、試料Bでは空洞が生じている場
合があるためと考えられる。特にコンタクトホールパタ
ーンにおいて本発明の装置、方法による試料Aは従来の
装置、方法による試料Bに対し飛躍的に寿命が向上し
た。 【0019】次に試料A,B上のキャパシタの容量−電
圧特性を測定した。測定に用いたキャパシタは、ボロン
を拡散した抵抗率10Ωcmのシリコン基板上に厚さ30
nmの熱酸化膜を形成し、この熱酸化膜上に厚さ300
nm,300μm角の多結晶シリコン電極が形成されて
たものである。かかる多結晶シリコン上に窒化チタンと
アルミニウムの積層膜を形成し、多結晶シリコン電極と
同じくパターニングを施して300μm角とした。多結
晶シリコン電極形成後のフラットバンド電圧を1MHz
の高周波電圧−容量特性から求めたところ試料A,Bと
も−0.92Vであったが、窒化チタンとアルミニウム
の積層膜を形成した後には試料Aのキャパシタのフラッ
トバンド電圧は−0.93Vであり、試料Bは−1.22
Vであった。試料Bのフラットバンド電圧は大きく変動
した原因は反応性スパッタ法による窒化チタン膜形成中
にキャパシタの受けた損傷によると考えられる。しかる
後、試料A,Bに450℃、30分の水素雰囲気中熱処
理を放して再びフラットバンド電圧を測定した。試料A
のキャパシタは−0.92V、試料Bのキャパシタは−
1.13V であった。水素雰囲気中熱処理によっても試
料Bのフラットバンド電圧は元のレベルまで回復しなか
った。通常、フラットバンド電圧を変動させる原因とな
る。プラズマ放電によってキャパシタの受けた損傷の大
部分は450℃30分の水素雰囲気中熱処理によって回
復可能とされているが、本実施例の試料Bではほとんど
変化しなかった。原因は不明であるが、窒化チタン膜が
水素を通し難い物質であるため、水素雰囲気中熱処理の
効果が窒化チタン膜よりも下層に及ばないためと考えら
れる。このように、従来の反応性スパッタ法を用いた場
合に基板上のトランジスタ、キャパシタ等の素子の受け
た損傷を通常の熱処理によって完全に回復させることは
困難であるが、本発明の装置、方法によれば素子にほと
んど損傷を与えることなく半導体装置の配線を形成する
ことが可能となる。 【0020】 【発明の効果】本発明によれば試料上にカバレッジが優
れたバリア層を形成し、しかる後特別な活性化処理を施
すことなく、上記バリア層上にLPCVD法により良質
のアルミニウム膜を再現性よく形成することができ、ま
た損傷の少ない長寿命の半導体装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の参考例を説明するための図。 【図2】本発明の参考例を説明するための図。 【符号の説明】 103…コンタクトホール、104…窒化チタン膜、1
05…アルミニウム膜、201…窒化チタン反応容器、
202…アルミニウム反応容器、203…遮断バルブ。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.反応室内に設けられた台に、キャパシタとしての誘
    電体膜が形成された基体を載せる工程と、 前記反応室内を減圧する工程と、前記反応室内に設けられた加熱手段により、 前記基体を
    加熱した状態で、 前記反応室内にチタン及び窒素を含む原料ガスを導入
    し、前記誘電体膜に、化学気相成長反応により窒化チタ
    ン膜を形成する工程とを有することを特徴とする半導体
    装置の製造方法。 2.前記基体は、前記加熱手段により前記台を加熱する
    ことにより、加熱されることを特徴とする請求項1記載
    の半導体装置の製造方法。 3.前記窒化チタン膜を形成する工程の後、前記窒化チ
    タン膜に第2の導電膜を形成する工程を有することを特
    徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。 4.前記第2の導電膜はアルミニウム膜であることを特
    徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
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