JP2737540B2 - 薄膜トランジスタ構成膜の成膜方法及び成膜装置 - Google Patents
薄膜トランジスタ構成膜の成膜方法及び成膜装置Info
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Description
膜の成膜方法及び成膜装置に関するものである。
される薄膜トランジスタは、i型半導体膜と、このi型
半導体膜にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極
と、前記i型半導体膜にn型半導体膜を介して電気的に
接続されたソース電極およびドレイン電極とで構成され
ており、前記n型半導体膜は、ソース電極とドレイン電
極との間の部分(チャンネル領域)において分離されて
いる。
逆スタガー型、コプラナー型、逆コプラナー型のもの等
があり、例えば逆スタガー型の薄膜トランジスタは次の
ような構成となっている。
つの構成例を示す断面図であり、この薄膜トランジスタ
は、ガラス等からなる絶縁性基板1の上にゲート電極2
を形成し、その上にゲート絶縁膜3を形成するととも
に、このゲート絶縁膜3の上にi型半導体膜4を形成
し、このi型半導体膜4の上に、チャンネル領域におい
て分離されたn型半導体膜5を介して、ソース電極6と
ドレイン電極7とを形成した構成となっている。なお、
前記ゲート絶縁膜3はSi N(窒化シリコン)で形成さ
れており、その膜厚は約400nmとされている。ま
た、i型半導体膜4はi型a−Si (アモルファスシリ
コン)で形成され、n型半導体膜5はn型不純物をドー
プしたn型a−Si で形成されており、i型半導体膜4
の膜厚は約200nmとされ、n型半導体膜5の膜厚は
約50nmとされている。
製造されている。まず、基板1上にCr (クロム)、T
a (タンタル)、Ta −Mo (モリブデン)合金等から
なるゲート用金属膜をスパッタ法により成膜し、この金
属膜をパターニングしてゲート電極2を形成する。次
に、基板1上に、ゲート絶縁膜(Si N膜)3とi型半
導体膜(i型a−Si 膜)4とn型半導体膜(n型a−
Si 膜)7とをプラズマCVD法により連続して成膜
し、前記n型半導体膜5とi型半導体膜4とをトランジ
スタの素子形状にパターニングする。次に、Cr 、Ta
、Ta −Mo 合金等からなるソース,ドレイン用金属
膜をスパッタ法により成膜し、この金属膜をパターニン
グしてソース電極6とドレイン電極7とを形成するとと
もに、前記n型半導体膜5のソース,ドレイン電極6,
7間の部分を除去してこのn型半導体膜5をチャンネル
領域において分離し、薄膜トランジスタを完成する。
スタの他の構成例を示す断面図である。この薄膜トラン
ジスタは、i型半導体膜4の上にそのチャンネル領域を
保護するブロッキング絶縁膜8を設け、このブロッキン
グ絶縁膜8の上においてn型半導体膜5を分離したもの
で、前記ブロッキング絶縁膜8はSi Nで形成されてお
り、その膜厚は約200nmとされている。なお、この
薄膜トランジスタは、i型半導体膜4の上にブロッキン
グ絶縁膜8を設けている点を除けば、その他の構成は図
9に示した薄膜トランジスタとほぼ同じであるから、重
複する説明は図に同符号を付して省略する。なお、この
ブロッキング絶縁膜8を有する薄膜トランジスタでは、
n型半導体膜5をチャンネル領域において分離するエッ
チング時にi型半導体膜4がダメージを受けることがな
いため、i型半導体膜4の膜厚を50nm程度に薄くす
ることができる。
製造されている。まず、基板1上に上述した方法でゲー
ト電極2を形成した後、この基板1上に、ゲート絶縁膜
(Si N膜)3とi型半導体膜(i型a−Si 膜)4と
ブロッキング絶縁膜(Si N膜)8とをプラズマCVD
法により連続して成膜し、前記ブロッキング絶縁膜8を
i型半導体膜4のチャンネル領域を覆う形状にパターニ
ングするとともに、i型半導体膜4をトランジスタの素
子形状にパターニングする。次に、n型半導体膜(n型
a−Si 膜)7をプラズマCVD法により成膜するとと
もに、その上にソース,ドレイン用金属膜をスパッタ法
により成膜して、この金属膜とn型半導体膜5とを順次
ソース,ドレイン電極6,7の形状にパターニングし、
薄膜トランジスタを完成する。
る各膜のうち、プラズマCVD法によって成膜される膜
(ゲート絶縁膜3とi型半導体膜4とn型半導体膜5お
よび図10に示した薄膜トランジスタにおけるブロッキ
ング絶縁膜8)は、従来、次のような基板温度で成膜さ
れている。
絶縁膜3とi型半導体膜4とn型半導体膜5との3つの
膜、または図10に示した薄膜トランジスタにおけるゲ
ート絶縁膜3とi型半導体膜4とブロッキング絶縁膜8
との3つの膜は、上述したように連続して成膜されてい
る。
は、上記3つの膜のうちの第1層の膜であるゲート絶縁
膜を300〜350℃の基板温度で成膜し、第2層の膜
であるi型半導体膜と、第3層の膜であるn型半導体膜
またはブロッキング絶縁膜とをそれぞれ250℃の基板
温度で成膜しているため、第1層〜第3層の3つの膜を
連続して成膜するには、室数の多い成膜装置を用いる必
要がある。
ズマCVD法によって連続成膜するのに用いられている
従来の成膜装置の概略図であり、この成膜装置は、基板
が搬入される仕込室11と、前記基板を上記3つの膜の
うちの第1層膜の成膜温度に加熱するための第1加熱室
12aおよび第2加熱室12bと、加熱された基板の上
に前記第1層膜を堆積させるための第1成膜室13と、
前記第1層膜を成膜した基板を冷却する冷却室14と、
冷却した基板を第2層膜の成膜温度に再加熱するための
再加熱室15と、再加熱された基板上に前記第2層膜を
堆積させるための第2成膜室16と、前記第2層膜の上
に第3層膜を堆積させるための第3成膜室17と、前記
第1〜第3層の膜が成膜された基板を取出すための取出
室18とを順次連続させて配置した構成となっている。
なお、各室11〜18はいずれも耐圧容器からなる気密
室であり、各室間の隔壁は開閉可能なドアバルブで構成
されている。
基板を基板搬送機構により順次次室に送りながら基板温
度の調整および成膜を行なうもので、仕込室11に搬入
された基板は、仕込室11と第1加熱室12aと第2加
熱室12bとを通る過程で第1層膜であるゲート絶縁膜
の成膜温度(300〜350℃の範囲の所定の温度)に
加熱され、第1成膜室13において前記ゲート絶縁膜を
成膜される。そして、第1層膜を成膜された基板は、冷
却室14において第2層膜であるi型半導体膜の成膜温
度より若干低い温度まで徐冷され、次いで再加熱室15
において前記i型半導体膜の成膜温度(250℃)に再
加熱された後、第2成膜室16においてi型半導体膜を
成膜され、さらに第3成膜室17において第3層膜であ
るn型半導体膜またはブロッキング絶縁膜を成膜され
る。この後、基板は取出室18に送られ、基板温度が室
温近くになるまで徐冷された後に取出される。図12は
上記成膜装置の各室11〜18における基板温度を示し
ている。
膜室13と第2層膜の成膜室16との間に基板温度を第
1層膜の成膜温度から第2層膜の成膜温度に変えるため
の冷却室14と再加熱室15とを配置したものであり、
この成膜装置の室数は9室である。
3層の3つの膜を成膜する従来の成膜方法では、基板が
仕込室11から取出室18までの9つの室に一定時間
(3つの膜のうち最も膜厚の厚いゲート絶縁膜を成膜す
る第1成膜室13での基板搬入から成膜終了基板の搬出
までの所要時間に基づいて設定される)ずつ滞留するた
め、基板1枚当りの成膜処理時間(成膜装置における基
板搬入から取出しまで所要時間)が長く、したがって成
膜能率が悪い。
膜を成膜した基板が、第2層膜の成膜温度より若干低い
温度まで冷却され、次いで前記i型半導体膜の成膜温度
に再加熱されるが、第1層膜であるゲート絶縁膜の成膜
温度(300〜350℃)と、第1層膜であるi型半導
体膜の成膜温度(250℃)には50〜100℃もの差
があるため、基板の冷却および再加熱時に、基板上に成
膜されている第1層膜にクラック等の欠陥が発生するこ
とがある。これは、第1層膜と基板との熱膨張率の差に
よるもので、このように第1層膜に欠陥が発生すると、
この第1層膜の上に成膜される第2層および第3層の膜
にも同様な欠陥が発生してしまう。
する各膜のうち、プラズマCVD法により連続して成膜
される3つの膜を、能率よくしかもクラック等の欠陥を
発生させることなく成膜することができる薄膜トランジ
スタ構成膜の成膜方法を提供するとともに、あわせてそ
の成膜装置を提供することにある。
縁性基板の上に形成される薄膜トランジスタを構成する
各膜のうち、プラズマCVD法により成膜される3つの
膜を形成する方法において、前記基板を取付けた基板ホ
ルダを基板ホルダ搬送機構に装着する仕込室に搬入して
不活性ガス雰囲気中でヒータにより基板加熱温度の中間
の温度まで余熱し、さらに、加熱室に搬送して不活性ガ
ス雰囲気中でヒータにより基板加熱温度まで加熱した
上、第1〜第3の層を成膜するための第1〜第3の成膜
室に順次搬入し、各成膜室に配置されたヒータにより基
板加熱温度とほぼ同じ温度に制御しながら連続的に成膜
することを特徴とするものである。
膜される3つの膜は、薄膜トランジスタの製法によって
異なるが、例えば図9に示した薄膜トランジスタにおい
てはゲート絶縁膜とi型半導体膜とn型半導体膜であ
り、図10に示した薄膜トランジスタにおいてはゲート
絶縁膜とi型半導体膜とこのi型半導体膜のチャンネル
領域を保護するブロッキング絶縁膜である。
上に形成される薄膜トランジスタを構成する各膜のう
ち、プラズマCVD法により連続して成膜されるゲート
絶縁膜とi型半導体膜とn型半導体膜の3つの膜、もし
くはゲート絶縁膜とi型半導体膜とこのi型半導体膜の
チャネル領域を保護するブロッキング絶縁膜との3つの
膜を成膜する装置において、前記基板が取付けられた基
板ホルダを装着する基板ホルダ搬送機構および前記基板
を不活性ガス雰囲気中で基板加熱温度の中間の温度まで
余熱するためのヒータを備えた仕込室と、前記仕込室で
余熱された前記基板を不活性ガス雰囲気中で基板加熱温
度まで加熱するためのヒータを備えた加熱室と、加熱さ
れた前記基板の上に前記3つの膜のうちの第1層を成膜
させるための第1の成膜室と、前記第1層の膜の上に第
2層の膜を成膜させるための第2の成膜室と、前記第2
層の膜の上に第3層の膜を成膜させるための第3の成膜
室と、前記第1〜第3層の膜が成膜された前記基板を取
出すための取出室とを順次連続させて配置するととも
に、前記加熱室における前記基板の温度を250〜30
0℃の範囲の所定の温度に制御し、前記第1、第2、第
3の成膜室における前記基板の温度をそれぞれ前記所定
の温度とほぼ同じ温度に制御する基板温度制御手段を設
けたことを特徴とするものである。
CVD法により連続して成膜する3つの膜を成膜する方
法において、基板を取付けた基板ホルダを基板ホルダ搬
送機構に装着する仕込室に搬入して不活性ガス雰囲気中
でヒータにより基板加熱温度の中間の温度まで余熱し、
さらに、加熱室に搬送して不活性ガス雰囲気中でヒータ
により基板加熱温度まで加熱した上、第1〜第3の層を
成膜するための第1〜第3の成膜室に順次搬入し、各成
膜室に配置されたヒータにより基板加熱温度とほぼ同じ
温度に制御しながら連続的に成膜するので、能率よくし
かも良好な膜質に成膜することができる。
D法により連続して成膜される3つの膜の全てをほぼ同
一の温度で成膜しているため、この3つの膜を成膜する
ための成膜装置は、これらの膜を成膜するための3つの
成膜室を順次連続させて配置した室数の少ないものでよ
く、したがって、基板1枚当りの成膜処理時間(成膜装
置における基板搬入から取出しまで所要時間)を短縮し
て成膜能率を向上させることができるし、また前記3つ
の膜の成膜中は基板温度がほとんど変化しないため、こ
れらの膜にクラック等の欠陥を発生させてしまうことも
ない。
られた基板ホルダを装着する基板ホルダ搬送機構および
前記基板を不活性ガス雰囲気中で基板加熱温度の中間の
温度まで余熱するためのヒータを備えた仕込室と、前記
仕込室で余熱された前記基板を不活性ガス雰囲気中で基
板加熱温度まで加熱するためのヒータを備えた加熱室
と、加熱された前記基板の上に前記3つの膜のうちの第
1層を成膜させるための第1の成膜室と、前記第1層の
膜の上に第2層の膜を成膜させるための第2の成膜室
と、前記第2層の膜の上に第3層の膜を成膜させるため
の第3の成膜室と、前記第1〜第3層の膜が成膜された
前記基板を取出すための取出室とを順次連続させて配置
したものであるため、第1の成膜室と第2の成膜室との
間に冷却室と再加熱室とを配置している従来の成膜装置
に比べて室数が少なく、したがってその設備費を軽減す
ることができる。
して説明する。
うちプラズマCVD法により連続して成膜される3つの
膜を成膜するための成膜装置について説明する。図1は
前記の成膜装置の構成図である。
3つの膜を成膜する基板(ガラス等からなる絶縁性基
板)1が搬入される仕込室21と、前記基板1を加熱す
るための加熱室22と、加熱された基板1の上に上記3
つの膜のうちの第1層の膜を堆積させるための第1成膜
室23と、前記第1層の膜の上に第2層の膜を堆積させ
るための第2成膜室24と、前記第2層の膜の上に第3
層の膜を堆積させるための第3成膜室25と、前記第1
〜第3層の膜が成膜された基板1を取出すための取出室
26とを順次連続させて配置したものである。
からなる気密室であり、仕込室21の基板搬入口と取出
室26の基板取出口および各室間の隔壁は、開閉可能な
ドアバルブ27で構成されている。
ぞれ、基板ホルダ搬送機構28が設けられている。この
基板ホルダ搬送機構28は、上記基板1を保持する基板
ホルダ50を支持してこの基板ホルダ50を搬送するも
ので、基板ホルダ50は、仕込室21の搬送機構28に
装着され、順次次室の搬送機構28に受け渡されなが
ら、仕込室21から取出室26へと一定時間ごとに間欠
搬送される。
の室内をほぼ真空状態にするための排気ポンプ29がバ
ルブ30を介して接続されており、また仕込室21と取
出室26および加熱室22のそれぞれには、窒素ガス等
の不活性ガスを供給するガス供給装置31がバルブ32
を介して接続され、第1〜第3の成膜室23,24,2
5のそれぞれには、上記第1〜第3層の膜を成膜するた
めのプロセスガスを供給するガス供給装置33がバルブ
34を介して接続されている。
4,25のそれぞれの内部には、プラズマCVD法によ
る成膜を行なうためのRF放電電極(以下RF電極とい
う)35が設けられており、これらRF電極35は、各
成膜室23,24,25ごとに設けた高周波電源36に
それぞれ接続されている。
的構成を示す断面図である。なお、この実施例では、各
成膜室23,24,25を、縦型両面放電方式の成膜を
行なうものとしている。
部の幅方向中央部に基板ホルダ搬送機構28を設け、基
板ホルダ50の搬送位置をはさんでその両側にRF電極
35を配置したもので、基板ホルダ搬送機構28は、成
膜室の天井部のその長さ方向に沿わせて設けたレール2
8aと、このレール28aに沿って走行する移動体28
bとからなっており、この移動体28bの下端には、基
板ホルダ50の上端部を着脱可能に保持して基板ホルダ
50を垂直に吊下げ支持するホルダ保持部28cが設け
られている。
レート51を有し、その間に前記プレート51の外面に
取付けられた基板1の温度を調整するヒータ52を設け
たもので、この基板ホルダ50は、これに取付けた基板
1の成膜面が基板ホルダ搬送方向と平行になるようにし
て基板ホルダ搬送機構28に支持され、この搬送機構2
8によって搬送されてくる。
十分大きな面積の金属板からなっており、このRF電極
35にはそのほぼ全面にわたって多数の通気孔35aが
穿設されている。このRF電極35は、基板ホルダ50
に取付けられた基板1の成膜面に対して正対するように
垂直に設けられ、その外周部において、成膜室の側壁に
固定した電極支持部材36に絶縁枠36aを介して支持
されている。
間の上記絶縁枠36aで囲まれた空間には、図1に示し
たガス供給装置33から供給されるプロセスガスPG が
ガス導入管38を介して導入されるようになっており、
この空間に全体に導入されたプロセスガスPG は、RF
電極35に設けた通気孔35aを通って成膜室内に供給
される。なお、図2において、38は図1に示した排気
ポンプ29に接続される排気口、39は基板1上に堆積
させる物質が成膜室の内壁に付着するのを防止する防着
板である。
御する制御装置であり、この制御装置40は、高周波電
力供給制御部41と、排気制御部42と、ガス供給制御
部43と、基板搬送制御部44と、ドアバルブ制御部4
5と、ヒータ制御部46とからなっている。
3,24,25ごとに設けた高周波電源36に接続され
ており、各成膜室のRF電極35に対する高周波電力の
供給をそれぞれ制御する。
26までの全ての室21〜26にそれぞれ設けた排気ポ
ンプ29およびバルブ30に接続されており、各室21
〜26の排気を制御する。また、ガス供給制御部43
は、仕込室21と取出室26および加熱室22にそれぞ
れ設けた不活性ガス供給装置31およびバルブ32と、
各成膜室23,24,25にそれぞれ設けたプロセスガ
ス供給装置33およびバルブ34とに接続されており、
これら各室21〜26への不活性ガスまたはプロセスガ
スの供給を制御する。
それぞれ設けた基板ホルダ搬送機構28に接続されてお
り、これら搬送機構28による基板ホルダ50の搬送を
制御する。また、ドアバルブ制御部45は、仕込室21
の基板搬入口と取出室26の基板取出口および各室間の
各ドアバルブ27にそれぞれ接続されており、これらド
アバルブ27の開閉を制御する。
ダ50に設けたヒータ52に接続されてこのヒータ52
を制御し、基板ホルダ50に取付けられて搬送される基
板1の温度を、加熱室22における基板温度が250〜
300℃の範囲の所定の温度になり、第1〜第3の成膜
室23,24,25における基板温度がをそれぞれ前記
所定の温度とほぼ同じ温度になるように制御する。
1〜第3成膜室25の各室において行なわれ、ヒータ制
御部46とヒータ52とは、これらの室21〜25にそ
れぞれ設けたコネクタ(図示せず)を介して接続され
る。すなわち、ヒータ制御部46は、前記各室21〜2
5のコネクタに接続されており、ヒータ52は、基板ホ
ルダ50の搬送中はヒータ制御部46から切離され、基
板ホルダ50が仕込室21〜第3成膜室25の各室の所
定位置にきたときに、前記ターミナルを介してヒータ制
御部46に接続される。
を、図10に示した薄膜トランジスタの製造におけるゲ
ート絶縁膜(Si N膜)3とi型半導体膜(i型a−S
i 膜)4とブロッキング絶縁膜(Si N膜)8の成膜を
例にとって説明する。この成膜装置による成膜は、全て
の室21〜26内を排気し、各室内をほぼ真空状態に減
圧した状態で開始する。
スを導入して仕込室21内のガス圧を大気圧程度にし、
この後、仕込室21の基板搬入口のドアバルブ27を開
いて上記3つの膜を成膜する基板1を取付けた基板ホル
ダ50を仕込室21に搬入し、この基板ホルダ50を仕
込室21の基板ホルダ搬送機構28に装着した後、前記
ドアバルブ27を閉じる。
タのゲート電極2を形成した基板であり、この基板1
は、例えば両面粘着テープ等によって基板ホルダ50に
取付けられている。
8を駆動して基板ホルダ50を仕込室21内の所定の位
置まで搬送し、基板ホルダ50に設けたヒータ52によ
り、基板1を、加熱室22における基板加熱温度の中間
値付近の温度まで加熱する。この仕込室21における基
板1の加熱は、次の加熱室22での基板加熱に先立って
行なう予熱であり、基板1の加熱は、ガラス等からなる
基板1に熱歪みによる割れを発生させないようにゆっく
りと時間をかけて行なう。
と加熱室22との間のドアバルブ27を開いて仕込室2
1内の基板ホルダ50を加熱室22に搬送した後、前記
ドアバルブ27を閉じる。
と加熱室22の基板ホルダ搬送機構28を駆動して行な
われ、基板ホルダ50は、仕込室21の搬送機構28か
ら加熱室22の搬送機構28に受け渡されて、加熱室2
2内の所定の位置まで搬送される。これは、加熱室22
から第1成膜室23、第1成膜室23から第2成膜室2
4、第2成膜室24から第3成膜室25、第3成膜室2
5から取出室26への基板ホルダ50の搬送においても
同様である。
し、上記ヒータ52により、基板1を、250〜300
℃の範囲の所定の温度になるまで加熱する。この加熱室
22での基板1の加熱も、基板1に熱歪みによる割れを
発生させないようにゆっくりと行なう。
と第1成膜室23との間のドアバルブ27を開いて加熱
室22内の基板ホルダ50を第1成膜室23内の所定の
位置に搬送した後、前記ドアバルブ27を閉じる。
程度まで減圧した後、この成膜室23内に、連続して成
膜する3つの膜のうちの第1層の膜であるゲート絶縁膜
(Si N膜)を成膜するためのプロセスガス(主反応ガ
スとキャリヤガスとの混合ガス)を導入し、成膜室23
内の圧力を約0.5Torr程度にする。
(約0.5Torr程度)で安定させた状態で、基板1の温
度を上記加熱室22において加熱した温度(250〜3
00℃の範囲の所定の温度)とほぼ同じ温度に制御しな
がら、第1成膜室23のRF電極35に高周波電源36
から高周波電力を供給してRF放電を開始させる。な
お、成膜室23内の圧力の調整は、プロセスガスの導入
量と成膜室23からの排気量とを制御して行ない、基板
温度の制御は、放熱による基板1の温度低下を補なうよ
うにヒータ52を制御して行なう。
と基板ホルダ50との間に発生するプラズマによってプ
ロセスガスが分解し、化学反応により生成したSi Nが
基板1上に堆積して、上記ゲート絶縁膜となるSi N膜
が成膜される。
件について説明すると、このSi N膜は、基板温度が2
50〜300℃の範囲で、RF放電のパワー密度を60
〜100mW/cm2 の範囲にして成膜する。また、プ
ロセスガスの主反応ガスとしては、モノシランガスまた
はジシランガスとアンモニアガスを用い、キャリヤガス
としては、窒素、水素、ヘリウム、あるいはこれらの混
合ガスを用いる。例えば、主反応ガスとしてSi H4 と
NH4 を用い、キャリヤガスとしてN2 を用いる場合
は、これらを、Si H4 :NH4 :N2 =1:1:14
〜1:2.7:12.3の割合で混合して用いるのが望
ましい。
リコン原子Si と窒素原子Nの数の比で表される組成比
[Si /N]の値が0.75〜0.85であり、従来の
SiN膜の成膜温度(基板温度300〜350℃)より
低い基板温度で成膜したものであるが、その膜質は良好
である。
ば、 基板温度 ; 250℃ 主反応ガス ; Si H4 30 cc/M NH4 60 cc/M キャリヤガス ; N2 390 cc/M 圧力 ; 0.5 Torr RF放電周波数 ; 13.56 Torr 放電パワー密度 ; 84mW/cm2 (ここで、放電パワー密度は、供給した高周波電力をR
F電極の面積で割算した値、cc/Mは1分間に0℃1気圧
のガスが流れる量[cc]を表す)の成膜条件で成膜した
Si N膜は、その成膜温度(基板温度)が250℃と低
いが、RF放電のパワー密度を84mW/cm2 と低く
しているため、ピンホール等の欠陥が極めて少なく、絶
縁耐圧が十分高い。このSi N膜の組成比[Si /N]
の値は約0.85である。
の絶縁耐圧試験を行なった結果のヒストグラムを示し、
図5は、上記成膜条件のうちRF放電のパワー密度だけ
を、従来のSi N膜成膜におけるパワー密度(120〜
130mW/cm2 )の範囲内の値(ここでは127m
W/cm2 )にして成膜したSi N膜の絶縁耐圧試験を
行なった結果のヒストグラムを示している。
ガラス基板上に直線状の下部電極を多数本互いに平行に
形成し、その上にSi N膜を成膜するとともに、このS
i N膜の上に前記下部電極と直交する直線状の上部電極
を多数本互いに平行に形成した被検体を製作して、その
Si N膜の絶縁耐圧を測定して求めたものでもので、S
i N膜の絶縁耐圧は、各下部電極に順次電圧を印加し、
1本の下部電極に電圧を印加するごとに各上部電極に流
れる電流の有無を順次チェックする方法により、下部電
極と上部電極とが交差している電極対向部の全てについ
て測定した。なお、上記被検体のSi N膜の膜厚は10
0nmとした。
ー密度を127mW/cm2 に制御してSi N膜を成膜
した被検体について、その電極間に印加する電界強度を
連続的に変化させながら、Si N膜の絶縁耐圧を測定し
たところ、このSi N膜の各印加電界強度での絶縁破壊
発生率(電極対向部の総数に対する絶縁破壊が発生した
電極対向部の数の比率)は図5の通りであった。なお、
ここでは、1×10-6A以上の電流が流れた電極対向部
を絶縁破壊を生じた不良部と判定した。
に、成膜温度を250℃とした場合、放電パワー密度を
127mW/cm2 に制御して成膜されたSiN膜
は、3MV/cm以下の弱い印加電界強度で発生するA
モード不良(ピンホールによる初期不良)が、1MV/
cmで約5%、2MV/cmで約2.5%と大きな比率
で発生し、また3MV/cmより大きな印加電界強度で
発生するBモード不良(ウィークスポットによる不良)
が、5MV/cmで約5.2%、6MV/cmで約1
4.3%とかなり大きな比率で発生した。なお、図5に
は放電パワー密度を127mW/cm2 に制御して成
膜したSiN膜の絶縁耐圧ヒストグラムを示したが、成
膜温度を250℃とした場合は、放電パワー密度を12
0〜130mW/cm2 の範囲で変えても、成膜され
たSiN膜は、図5とほぼ同様な絶縁耐圧を示した。
のは、127mW/cm2 の高い放電パワー密度でSi
N膜を成膜すると、特に成膜初期に、シリコン窒化物が
散在状態で不均一に基板面に堆積し、そのためにSi N
膜の成長の度合が不均一になって、ピンホールやウィー
クスポット等の欠陥が多くなるものと推測される。つま
り、127mW/cm2 の高い放電パワー密度でSi N
膜を成膜する場合、その成膜温度を従来のように約35
0℃と高くすれば、ピンホールやウィークスポット等の
欠陥のない緻密な膜質の絶縁耐圧の高いSi N膜が得ら
れるが、成膜温度が250℃程度では、Si N膜の膜質
を緻密にすることはできないため、上記欠陥が発生して
絶縁耐圧が低下してしまう。
密度を84mW/cm2 に制御してSi N膜を成膜した
被検体について、上記と同様にしてSi N膜の絶縁耐圧
を測定したところ、このSi N膜の各印加電界強度での
絶縁破壊発生率は図4の通りであった。なお、ここで
も、1×10-6A以上の電流が流れた電極対向部を絶縁
破壊を生じた不良部と判定した。
に、成膜温度を250℃とした場合でも、放電パワー密
度を84mW/cm2 に制御して成膜されたSiN膜
は、3MV/cm以下の弱い印加電界強度で発生するA
モード不良はほぼ完全に無くなっており、また3MV/
cmより大きな印加電界強度で発生するBモード不良
も、5MV/cmで約0.4%、6MV/cmで約0.
6%と極めて小さい比率でしか発生しなかった。
/cm2 程度に低くすると、シリコン窒化物の基板面へ
の堆積状態が平均化されて、Si N膜が均一に成長する
ためであると推測される。そして、このようにSi N膜
が均一に成長すれば、ピンホールやウィークスポット等
の欠陥はほとんど発生しなくなるから、その成膜温度が
250℃と低く、したがってSi N膜の膜質を緻密にす
ることができなくても、このSi N膜の絶縁耐圧を十分
高くすることができる。
84mW/cm2 としたが、この放電パワー密度は、6
0〜100mW/cm2 の範囲であればよく、この範囲
の放電パワー密度で成膜されたSi N膜は、その成膜温
度を約250℃と低くしても、図4の絶縁耐圧ヒストグ
ラムとほぼ同様な絶縁耐圧を示す。
度、圧力、RF放電周波数および放電パワー密度を上記
成膜条件と同じにし、プロセスガスの流量比だけを変化
させて種々の組成比のSiN膜を成膜したものを製作
し、これら被検体についてその電極間に高電界を印加し
たときにSiN膜に発生する欠陥の密度(1cm2 当
りの発生欠陥数)を調べた結果を示しており、ここで
は、SiN膜の膜厚を75nm、印加電界を3MV/c
mとした場合の欠陥発生率を示している。
加したときに発生する欠陥の密度は、Si N膜の組成比
[Si /N]によって異なるが、プロセスガスの流量比
をSi H4 :NH4 :N2 =1:1:14(ガス流量;
Si H4 30 cc/M 、NH430 cc/M 、N2 420 cc
/M )に制御して成膜した組成比がSi /N=0.85
のSi N膜も、ガス流量比をSi H4 :NH4 :N2 =
1:2.7:12.3(ガス流量;Si H4 30 cc/M
、NH4 80 cc/M 、N2 370 cc/M )に制御して
成膜した組成比がSi /N>0.75のSi N膜も、そ
の欠陥密度は50個/1cm2 とかなり小さい。また、
組成比が0.75より大きく0.85以下の範囲のSi
N膜は、例えばガス流量比をSi H4 :NH4 :N2 =
1:2:13(ガス流量;Si H4 30 cc/M 、NH4
60 cc/M 、N2 390 cc/M )に制御して成膜した組
成比がSi /N=0.83のSi N膜の場合で欠陥密度
が30個/1cm2 以下というように、さらに欠陥密度
が小さくなっている。
るには、その組成比[Si /N]が窒化シリコンの化学
式Si 3 N4 から化学量論的に算出されるシリコン原子
Siと窒素原子Nとの数の比(3:4)より大きいこ
と、すなわち、シリコン原子Si の数と窒素原子Nの数
との比が化学的に最も安定な状態の比率である0.75
より大きい値であることが望ましい。好ましくはその組
成比が0.75より大きく0.85以下である。
F放電時間)は、この第1成膜室23で成膜するゲート
絶縁膜(Si N膜)の成膜厚さに応じて設定しておき、
基板1上に所定の膜厚(例えば400nm)のゲート絶
縁膜が成膜されたときに、RF電極35への電力供給を
断ってゲート絶縁膜の成膜を終了する。
は、第1成膜室23内を減圧し、第1成膜室23と第2
成膜室24との間のドアバルブ27を開いて第1成膜室
23内の基板ホルダ50を第2成膜室24内の所定の位
置に搬送した後、前記ドアバルブ27を閉じる。
後、この成膜室24内に、上記ゲート絶縁膜の上に成膜
する第2層の膜であるi型半導体膜(i型a−Si 膜)
を成膜するためのプロセスガスを導入する。
(例えば約0.5Torr程度)で安定させた状態で、基板
1の温度を、第1成膜室23におけるゲート絶縁膜の成
膜温度とほぼ同じ温度(加熱室22において加熱した温
度とほぼ同じ温度)に制御しながら、第2成膜室24の
RF電極35に高周波電源36から高周波電力を供給し
てRF電極35と基板ホルダ50との間にプラズマを発
生させ、上記ゲート絶縁膜の上に、i型半導体膜となる
i型a−Si 膜を堆積させる。このi型a−Si 膜は、
基板温度が250〜300℃の範囲で、RF放電のパワ
ー密度を40〜50mW/cm2 の範囲にして成膜す
る。また、プロセスガスは、主反応ガスとしてモノシラ
ンガスを用い、キャリヤガスとして水素ガスを用いる。
i型半導体膜(i型a−Si 膜)の成膜厚さに応じて設
定しておき、所定の膜厚(例えば50nm)のi型半導
体膜が成膜されたときに、RF電極35への高周波電力
の供給を断ってi型半導体膜の成膜を終了する。
は、第2成膜室24内を減圧し、第2成膜室24と第3
成膜室25との間のドアバルブ27を開いて第2成膜室
24内の基板ホルダ50を第3成膜室25内の所定の位
置に搬送した後、前記ドアバルブ27を閉じる。
後、この成膜室25内に、上記i型半導体膜の上に成膜
する第3層の膜であるブロッキング絶縁膜(Si N膜)
を成膜するためのプロセスガスを導入する。
(例えば約0.5Torr程度)で安定させた状態で、基板
1の温度を、第1成膜室23および第2成膜室24にお
けるゲート絶縁膜およびi型半導体膜の成膜温度とほぼ
同じ温度(加熱室22において加熱した温度とほぼ同じ
温度)に制御しながら、第3成膜室25のRF電極35
に高周波電源36から高周波電力を供給してRF電極3
5と基板ホルダ50との間にプラズマを発生させ、上記
i型半導体膜の上に、ブロッキング絶縁膜となるSi N
膜を堆積させる。
でのゲート絶縁膜(Si N膜)の成膜に用いたプロセス
ガスと同じ成分のプロセスガスを用い、前記ゲート絶縁
膜の成膜と同様に、基板温度が250〜300℃の範囲
で、RF放電のパワー密度を60〜100mW/cm2
の範囲にして成膜する。
ブロッキング絶縁膜(Si N膜)の成膜厚さに応じて設
定しておき、所定の膜厚(例えば200nm)のi型半
導体膜が成膜されたときに、RF電極35への高周波電
力の供給を断ってi型半導体膜の成膜を終了する。
た後は、第3成膜室25内を減圧し、第3成膜室25と
取出室26との間のドアバルブ27を開いて第3成膜室
25内の基板ホルダ50を取出室26内に搬送し、前記
ドアバルブ27を閉じる。
不活性ガスを導入しながら基板1を室温近くまで徐冷
し、取出室26の基板取出口のドアバルブ27を開いて
基板ホルダ50ごと基板1を取出す。この取出室26に
おける基板1の冷却は、上述した仕込室21および加熱
室22での基板1の加熱と同様に、基板1に熱歪みによ
る割れを発生させないようにゆっくりと時間をかけて行
なう。
ルダ60を各室21〜26に一定時間ごとに間欠搬送し
ながら、仕込室21から加熱室22に基板ホルダ60を
搬送する度に次の基板ホルダ60を仕込室21に搬入し
て、これら基板ホルダ60に取付けた基板1に順次成膜
して行く方法で行なう。また、基板ホルダ60の各室2
1〜26における滞留時間は、3つの膜のうち最も膜厚
の厚いゲート絶縁膜を成膜する第1成膜室23での基板
搬入から成膜終了基板の搬出までの所要時間に基づいて
設定する。
型半導体膜とブロッキング絶縁膜とを成膜した基板1
は、取出室26から基板ホルダ50を取出した後にこの
基板ホルダ50から取外される。そして図10に示した
薄膜トランジスタは、上記ブロッキング絶縁膜8とi型
半導体膜4とを順次パターニングした後、n型半導体膜
5をプラズマCVD法により成膜するとともに、その上
にソース,ドレイン電極用金属膜をスパッタ法により成
膜し、この金属膜とn型半導体膜とをソース6とドレイ
ン電極7の形状にパターニングして製造する。
ラズマCVD法により連続して成膜する3つの膜を、い
ずれも250〜300℃の範囲のほぼ同一の温度で成膜
するものであり、前記3つの膜、つまりゲート絶縁膜
(Si N膜)と、i型半導体膜(i型a−Si 膜)と、
ブロッキング絶縁膜(Si N膜)は、250〜300℃
の基板温度でも良好な膜質に成膜することができる。
250℃の基板温度で成膜する場合は、ゲート絶縁膜と
なるSi N膜と、ブロッキング絶縁膜となるSi N膜と
を、上述したようにRF放電のパワー密度を60〜10
0mW/cm2 にして成膜すればよく、このような成膜
条件でSi N膜を成膜すれば、その成膜温度(基板温
度)が250℃と低くても、絶縁耐圧が高くかつ高電界
を印加したときに発生する欠陥の密度も小さい良好な膜
質のSi N膜が得られる。i型半導体膜となるi型a−
Si 膜は、上述したようにRF放電のパワー密度を40
〜50mW/cm2 にして成膜すればよく、このような
成膜条件でi型a−Si 膜を成膜すれば、良好な半導体
特性をもつi型a−Si 膜が得られる。
囲のいずれの温度にした場合も同様であり、したがっ
て、上記成膜方法でゲート絶縁膜とi型半導体膜とブロ
ッキング絶縁膜とを成膜して薄膜トランジスタを製造す
れば、絶縁不良の発生率が極めて小さく、かつV−I
(電圧−電流)特性も良好な薄膜トランジスタを得るこ
とができるし、またゲート絶縁膜の絶縁耐圧が高いため
にこのゲート絶縁膜の膜厚を薄くできるから、薄膜トラ
ンジスタのオン電流(ION)も大きくとることができ
る。
半導体膜とブロッキング絶縁膜とを成膜して製造した薄
膜トランジスタのV−I特性図であり、ここでは、前記
3つの膜を250℃の基板温度で成膜した場合のV−I
特性と、前記3つの膜を300℃の基板温度で成膜した
場合のV−I特性とを示している。この図7のように、
上記成膜方法でゲート絶縁膜とi型半導体膜とブロッキ
ング絶縁膜とを成膜して製造した薄膜トランジスタのV
−I特性は、前記3つの膜の成膜温度を250℃とした
場合も、また300℃とした場合も、ほとんど変わらな
い特性を示す。
板温度)に対する薄膜トランジスタのオン電流(ION)
の依存性を示しており、この図8のように、i型半導体
膜を250〜300℃の範囲の成膜温度で成膜した薄膜
トランジスタは、十分大きなオン電流(ION)をもつ。
D法により連続して成膜される3つの膜の全てをほぼ同
一の温度で成膜しているため、この3つの膜を成膜する
ための成膜装置は、図1に示したように、これら3つの
膜を成膜するための3つの成膜室23,24,25を順
次連続させて配置した室数の少ないものでよく、したが
って、基板1枚当りの成膜処理時間(成膜装置における
基板搬入から取出しまで所要時間)を短縮して成膜能率
を向上させることができる。
なるSi N膜と、ブロッキング絶縁膜となるSi N膜と
を、RF放電のパワー密度を60〜100mW/cm2
と低くして成膜しているため、RF放電のパワー密度を
120〜130mW/cm2にしている従来のSi N膜
成膜に比べてある程度Si N膜の成膜に時間がかかる
が、この成膜時間の増加分は、例えば400nmの膜厚
のSi N膜を成膜する場合で数分程度である。そして、
Si N膜の成膜室23,26おける基板1の滞留時間、
つまり基板搬入から成膜終了基板の搬出までに要する時
間の大部分は、成膜室内の減圧およびガス導入に費やさ
れる時間であり、これに比べれば前記成膜時間の増加分
はほとんど問題とならない時間である。
膜の成膜中は基板温度がほとんど変化しないため、これ
らの膜にクラック等の欠陥を発生させてしまうこともな
いから、前記3つの膜を全て良好な膜質に成膜すること
ができる。
〜26における基板温度を示しており、上記成膜方法で
は、第1成膜室23〜第3成膜室25の3つの成膜室を
通る間は基板温度がほとんど変化しないため、基板とそ
の上に成膜した各膜との熱膨張率に差があっても、これ
らの膜にクラック等の欠陥が発生してしまうことはな
い。
により連続して成膜される3つの膜のうちの第1層の膜
を堆積させるための第1成膜室23と、前記第1層の膜
の上に第2層の膜を堆積させるための第2成膜室24
と、前記第2層の膜の上に第3層の膜を堆積させるため
の第3成膜室25とを順次連続させて配置したものであ
るため、第1の成膜室と第2の成膜室との間に冷却室と
再加熱室とを配置している従来の成膜装置に比べて室数
が少なく、したがってその設備費を軽減することができ
る。
21と第1成膜室23との間に配置する加熱室22の数
を1つとしているが、仕込室21と第1成膜室23との
間に複数の加熱室22を設けて、仕込室21と複数の加
熱室とにおいて基板1を順次加熱するようにしてもよ
い。
膜トランジスタの製造におけるゲート絶縁膜3とi型半
導体膜4とブロッキング絶縁膜8の成膜について説明し
たが、上記成膜方法及び成膜装置は、図9に示した薄膜
トランジスタの製造におけるゲート絶縁膜3とi型半導
体膜4とn型半導体膜5の成膜にも適用できるもので、
その場合は、第3成膜室25においてn型半導体膜5と
なるn型a−Si 膜を成膜するとともに、ゲート絶縁膜
3とi型半導体膜4とn型半導体膜5とを250〜30
0℃の範囲のほぼ同一の温度で成膜すればよい。
VD法により連続して成膜する3つの膜を成膜する方法
において、基板を取付けた基板ホルダを基板ホルダ搬送
機構に装着する仕込室に搬入して不活性ガス雰囲気中で
ヒータにより基板加熱温度の中間の温度まで余熱し、さ
らに、加熱室に搬送して不活性ガス雰囲気中でヒータに
より基板加熱温度まで加熱した上、第1〜第3の層を成
膜するための第1〜第3の成膜室に順次搬入し、各成膜
室に配置されたヒータにより基板加熱温度とほぼ同じ温
度に制御しながら連続的に成膜するので、能率よくしか
もクラック等の欠陥を発生させることなく良好な膜質に
成膜することができる。
られた基板ホルダを装着する基板ホルダ搬送機構および
前記基板を不活性ガス雰囲気中で基板加熱温度の中間の
温度まで余熱するためのヒータを備えた仕込室と、前記
仕込室で余熱された前記基板を不活性ガス雰囲気中で基
板加熱温度まで加熱するためのヒータを備えた加熱室
と、加熱された前記基板の上に前記3つの膜のうちの第
1層を成膜させるための第1の成膜室と、前記第1層の
膜の上に第2層の膜を成膜させるための第2の成膜室
と、前記第2層の膜の上に第3層の膜を成膜させるため
の第3の成膜室と、前記第1〜第3層の膜が成膜された
前記基板を取出すための取出室とを順次連続させて配置
したものであるため、第1の成膜室と第2の成膜室との
間に冷却室と再加熱室とを配置している従来の成膜装置
に比べて室数が少なく、したがってその設備費を軽減す
ることができる。
す断面図。
図。
膜の絶縁耐圧ヒストグラムを示す図。
えて成膜したSi N膜の絶縁耐圧ヒストグラムを示す
図。
陥の密度との関係を示す図。
膜とブロッキング絶縁膜とを成膜して製造した薄膜トラ
ンジスタのV−I特性図。
スタのオン電流(ION)の依存性を示す図。
図。
図。
す図。
膜室、24…第2成膜室、25…第3成膜室、26…取
出室、50…基板ホルダ、52…ヒータ、46…ヒータ
制御部。
Claims (4)
- 【請求項1】絶縁性基板の上に形成される薄膜トランジ
スタを構成する各膜のうち、プラズマCVD法により成
膜される3つの膜を形成する方法において、前記基板を取付けた基板ホルダを基板ホルダ搬送機構に
装着する仕込室に搬入して不活性ガス雰囲気中でヒータ
により基板加熱温度の中間の温度まで余熱し、さらに、
加熱室に搬送して不活性ガス雰囲気中でヒータにより基
板加熱温度まで加熱した上、第1〜第3の層を成膜する
ための第1〜第3の成膜室に順次搬入し、各成膜室に配
置されたヒータにより基板加熱温度とほぼ同じ温度に制
御しながら連続的に成膜する ことを特徴とする薄膜トラ
ンジスタ構成膜の成膜方法。 - 【請求項2】前記基板加熱温度は250〜300℃の範
囲であり、前記3つの膜はゲート絶縁膜とi型半導体膜
とn型半導体膜であることを特徴とする請求項1に記載
の薄膜トランジスタ構成膜の成膜方法。 - 【請求項3】前記基板加熱温度は250〜300℃の範
囲であり、前記3つの膜はゲート絶縁膜とi型半導体膜
とこのi型半導体膜のチャンネル領域を保護するブロッ
キング絶縁膜であることを特徴とする請求項1に記載の
薄膜トランジスタ構成膜の成膜方法。 - 【請求項4】絶縁性基板の上に形成される薄膜トランジ
スタを構成する各膜のうち、プラズマCVD法により連
続して成膜されるゲート絶縁膜とi型半導体膜とn型半
導体膜の3つの膜、もしくはゲート絶縁膜とi型半導体
膜とこのi型半導体膜のチャネル領域を保護するブロッ
キング絶縁膜との3つの膜を成膜する装置において、前記基板が取付けられた基板ホルダを装着する基板ホル
ダ搬送機構および前記基板を不活性ガス雰囲気中で基板
加熱温度の中間の温度まで余熱するためのヒータを備え
た 仕込室と、前記仕込室で余熱された前記基板を不活性
ガス雰囲気中で基板加熱温度まで加熱するためのヒータ
を備えた加熱室と、加熱された前記基板の上に前記3つ
の膜のうちの第1層を成膜させるための第1の成膜室
と、前記第1層の膜の上に第2層の膜を成膜させるため
の第2の成膜室と、前記第2層の膜の上に第3層の膜を
成膜させるための第3の成膜室と、前記第1〜第3層の
膜が成膜された前記基板を取出すための取出室とを順次
連続させて配置するとともに、前記加熱室における前記
基板の温度を250〜300℃の範囲の所定の温度に制
御し、前記第1、第2、第3の成膜室における前記基板
の温度をそれぞれ前記所定の温度とほぼ同じ温度に制御
する基板温度制御手段を設けたことを特徴とする薄膜ト
ランジスタ構成膜の成膜装置。
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JP4139621A JP2737540B2 (ja) | 1992-05-06 | 1992-05-06 | 薄膜トランジスタ構成膜の成膜方法及び成膜装置 |
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JPH05315359A JPH05315359A (ja) | 1993-11-26 |
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JP2712796B2 (ja) * | 1990-09-12 | 1998-02-16 | カシオ計算機株式会社 | 薄膜トランジスタの製造方法 |
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1992
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