JP2005268576A - 容量絶縁膜の成膜方法 - Google Patents

容量絶縁膜の成膜方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005268576A
JP2005268576A JP2004079807A JP2004079807A JP2005268576A JP 2005268576 A JP2005268576 A JP 2005268576A JP 2004079807 A JP2004079807 A JP 2004079807A JP 2004079807 A JP2004079807 A JP 2004079807A JP 2005268576 A JP2005268576 A JP 2005268576A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
insulating film
boat
reaction furnace
oxide film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004079807A
Other languages
English (en)
Inventor
Ichiro Tamaki
一郎 田牧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Microelectronics Inc
Original Assignee
Kawasaki Microelectronics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Microelectronics Inc filed Critical Kawasaki Microelectronics Inc
Priority to JP2004079807A priority Critical patent/JP2005268576A/ja
Publication of JP2005268576A publication Critical patent/JP2005268576A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】バッチ式縦型CVD装置において、生産効率の低下、及び、コストアップを引き起こすことなく、良好な特性を有する容量素子を形成する容量絶縁膜の成膜方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の容量絶縁膜の成膜方法は、金属シリサイド膜を下部電極とする容量素子の容量絶縁膜形成に際して、ボートの搬送速度を、半導体基板を反応炉内へ搬入、搬出した際の金属シリサイド膜表面上の酸化膜厚を分光エリプソメトリ法で測定した値から、反応炉内への搬入、搬出を行う前の金属シリサイド表面上の酸化膜厚を分光エリプソメトリ法で測定した値を差し引いた増加量が1.0nm以下となる値にすることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体基板上に、金属シリサイド膜を下部電極とする容量素子の容量絶縁膜を、バッチ式縦型CVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いて成膜する成膜方法に関するものである。
従来より、同一半導体基板上に、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタと、容量素子や抵抗素子とを混載する半導体装置は、その製造工程において、MOSトランジスタの形成工程前後に容量素子や抵抗素子の形成工程を付加することで実現されている。
この時、例えば容量素子は、単位面積あたりの容量値が大きく、信頼性が高いものを形成することが、半導体装置の小型化及び高信頼性化においては重要である。
以下、半導体装置に搭載される容量素子の形成工程について一例を挙げて説明する。
図5(a)〜(e)は、WSi(タングステンシリサイド)からなるシリサイド構造のゲート電極を持つMOSトランジスタと容量素子とを混載する半導体装置の各製造工程を表す断面図である。
まず、MOSトランジスタを形成するために、半導体基板110の表面に素子分離膜112を形成し、素子分離膜112によって分離された半導体基板110のアクティブ領域の表面にゲート酸化膜114を形成する(図5(a))。続いて、表面全面にポリシリコン膜116およびWSi膜118をこの順に成膜した後(図5(b))、ポリシリコン膜116およびWSi膜118を所定形状にパターニングして、ゲート酸化膜114上にMOSトランジスタのゲート電極を形成するのと同時に、素子分離膜112上に容量素子の下部電極を形成する(図5(c))。
続いて、表面全面に、容量素子形成に用いる容量絶縁膜120を成膜し、その上全面に、容量素子の上部電極となるポリシリコン膜122を成膜する(図5(d))。そして、容量絶縁膜120およびポリシリコン膜122を所定形状にパターニングして、下部電極の上に、容量絶縁膜120および上部電極を形成する(図5(e))。このようにして、アクティブ領域内にMOSトランジスタを形成しつつ、素子分離膜112上に、下部電極、容量絶縁膜120、および上部電極からなる容量素子を形成する。
上述する半導体装置の製造工程において、容量絶縁膜120は、例えばバッチ式縦型CVD装置(HTO成膜装置)を用いて成膜される。バッチ式縦型CVD装置は、その下部に、半導体ウェーハの搬入搬出口を持つ縦置き型の反応炉を備えるもので、ボートと呼ばれる石英治具に半導体ウェーハを移載し、エレベータ機構を用いてボートを上下に移動させることにより、成膜時には、ボートを反応炉内に搬入し、成膜後には、ボートを反応炉外に搬出する構成のものである。
しかし、従来の成膜技術で成膜された容量絶縁膜120の膜質が非常に悪化することが分かった。膜質の良否は、例えば図6のグラフに示すように、シリサイド上に成膜された容量絶縁膜120の絶縁耐圧特性によって評価することができる。このグラフから、従来の成膜方法では、印加電圧が1Vに満たない初期絶縁不良の領域が、製造した容量素子のおよそ10%が認められることが分かる。このことは、この容量素子を使用した製品を製造した場合に、重大な歩留まりの低下をもたらすことを示している。
シリサイド上に高温CVD酸化膜を形成する際の様々な問題を解決するための技術としては、特許文献1〜3などが提案されている。
特許文献1は、WSi膜上への高温CVD酸化膜成長に関するもので、WSi膜の表面には高温CVD酸化膜が均一に成長しないという問題を解決するために 、酸化膜成長の前に、成長時よりも高い圧力において、異常酸化温度以上の温度で加熱処理を行うことが開示されている。
特許文献2は、シリサイド層の形成された半導体ウェハ上への高温CVD−SiO膜形成に関するもので、シリサイド表面の化学的安定性が不均一であるため、高温CVD−SiOの成長速度が不均一になり、堆積される絶縁膜である高温CVD−SiOの表面に凸凹が発生することを解決するために、CVD成膜処理に先立って、半導体ウエハに対して、遅い酸化速度での酸化処理を施すことが開示されている。
特許文献3は、シリサイド電極上への高温CVDによる絶縁容量膜形成に関するもので、CVD法での加熱のためにシリサイド層から周囲にシリコン成分が流出し、シリサイド層のシリコン濃度が低下することにより、シリサイド層に多大なダメージが蓄積され、これが原因で絶縁容量膜との境界にボイドや剥離が多発することを解決するために、シリサイド電極上にスパッタリング法によりシリコン層を形成することが開示されている。
CVD装置の反応炉内の温度は、通常、容量絶縁膜120の成膜時の温度と同じ700〜800℃に常時保持されている。ボートを反応炉内に搬入する場合には、通常、所定量のN2等の不活性ガスを反応炉内にパージしながら搬入するが、この際、反応炉内の温度が700〜800℃に保持されているため、シリサイド表面が大気雰囲気中のO2と反応し、図5(d)に示すように、O2との反応生成物(SiOn)124がシリサイド表面に付着することが知られている。
このようなSiO膜付着については、特許文献4,5などが提案されている。特許文献4は、ポリサイド電極の側壁保護形成のための熱CVDによる保護膜堆積に関するもので、ベルジャへの搬入時の空気巻き込みにより、酸化されやすいシリサイド層表面に厚い自然酸化膜が形成されることを解決するために、搬入時には熱CVD装置内の温度を600℃以下に制御することが開示されている。
特許文献5は、酸化膜/窒化膜/酸化膜構造を有する容量形成のための、下部電極(ポリシリコン)上の窒化膜のCVD堆積に関するもので、窒化膜と下部電極との間に酸化膜を形成するために、ロードロックチャンバに酸素を供給することが開示されている。
特開平6−069191号公報 特開平6−302587号公報 特開2001−284534号公報 特開平9−199586号公報 特開平10−294428号公報
特許文献1〜3のように、シリサイド上に高温CVD酸化膜を形成する際にはさまざまな問題があることが知られている。実際、本発明者による実験によっても、上記の通り、シリサイド電極上に従来のHTO法で絶縁膜を形成することによって形成した容量素子では、初期不良の割合が高いことが確認されている。しかしながら、特許文献1、2及び3に開示されている手法は、いずれも、新たな工程(追加処理、酸化処理、及び、シリコン層形成)の追加を必要とし、生産効率の低下を招くことは明らかである。さらに、ボート搬入時のSiO膜形成の影響について言及しているものではない。
一方、特許文献4に開示されているように、絶縁膜をCVD法で堆積する場合に、シリサイド層表面に自然酸化膜が形成されることが指摘されている。しかし、特許文献4の手法では、CVD装置内の温度を下げるために長時間を要し、生産効率の低下を招く。また、自然酸化膜防止のためには、特許文献5記載のロードロックチャンバを設けることも有効と考えられるが、装置が複雑化し、実現するためにはコストアップが必須となる。
また、特許文献4及び5は、容量素子の形成に関するものではなく、容量絶縁膜の形成において、自然酸化膜の形成を防止すれば良好な特性が得られることは示されていない。むしろ、自然酸化膜(もしくは、SiOn膜)形成を防止しても、それだけでは、特許文献1、2及び3で指摘された課題は解決されず、良好な特性は得られないと予想される。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、バッチ式縦型CVD装置において、生産効率の低下、及び、コストアップを引き起こすことなく、高い絶縁耐性及び高信頼性を有する容量素子の容量絶縁膜の成膜方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、半導体基板上に、金属シリサイド膜を下部電極とする容量素子の容量絶縁膜を、バッチ式縦型CVD装置を用いて成膜する方法であって、前記金属シリサイド膜が表面に形成された複数の半導体基板上に前記容量絶縁膜を所定温度で成膜するために、該複数の半導体基板をボートに載置し、該ボートを所定の速度で上昇させて、大気中から、非酸化性ガスに満たされて前記所定温度に加熱された縦型CVD装置の反応炉内に搬入するにあたって、前記ボートの上昇速度を、前記反応炉内への搬入を行い、その後、同一の速度で前記ボートを降下させて前記複数の半導体基板を大気中に搬出した際の、前記金属シリサイド膜表面の、SiOの組成を仮定して分光エリプソメトリ法で測定した酸化膜厚の、前記反応炉内への挿入、搬出を行う前からの増加量が1.0nm以下となる値にすることを特徴とする容量絶縁膜の成膜方法を提供するものである。
本発明においては、前記上昇速度が100mm/min以上であることが好ましい。
また、本発明においては、前記金属シリサイド膜がタングステンシリサイド膜であることが好ましい。
さらに、本発明においては、前記所定温度が700℃以上であることが好ましい。
本発明によれば、バッチ式縦型CVD装置のボートの上昇速度を、反応炉内へのボートの搬入前、搬出後における金属シリサイド表面の酸化膜厚の増加量が1.0nm以下となる値にすることにより、通常のCVD装置を用いて、生産効率の低下、及び、コストアップを引き起こすことなく、金属シリサイド上に高い絶縁膜性及び高信頼性を有する容量絶縁膜を成膜することができ、この容量絶縁膜を用いる容量素子の製造歩留まりを大幅に向上させることができる。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の容量絶縁膜の成膜方法を詳細に説明する。
本発明は、容量素子を搭載する半導体装置を製造するに際し、バッチ式縦型CVD装置を用いて、半導体基板上に、金属シリサイド膜を下部電極とする容量素子の容量絶縁膜を成膜する方法である。本実施形態では、金属シリサイド膜からなるゲート電極を有するMOSトランジスタと、このMOSトランジスタのゲート電極と同じ金属シリサイド膜からなる下部電極を有する、本発明に係る容量素子とが混在する半導体装置の製造工程を例に挙げて説明する。
図1(a)〜(f)は、MOSトランジスタと容量素子とを混載する半導体装置の各製造工程を表す断面図である。同図に示すように、まず、MOSトランジスタを形成するためにシリコンウェーハ等の半導体基板10の表面に素子分離膜12を形成し、素子分離膜12によって分離された半導体基板10のアクティブ領域の表面にゲート酸化膜14を形成する(図1(a))。
続いて、CVD法により、ゲート電極となるポリシリコン16を所定の膜厚、例えば100nm〜300nm成膜し、POCl拡散法によってポリシリコン16中に不純物を導入する(図示せず)。そして、その上に、例えばWSi等の高融点金属とシリコンとの化合物をスパッタリング法によって所定の膜厚、例えば100nm〜200nm成膜した後、アニール法によって、金属シリサイド18を形成する(図1(b))。
続いて、フォトリソグラフィ技術により、ポリシリコン16及び金属シリサイド18をパターニング(図示せず)して、ゲート酸化膜上にMOSトランジスタのゲート電極を形成するのと同時に、素子分離膜12上に容量素子の下部電極を形成する(図1(c))。
続いて、表面全体に、HTO(High Temperture Oxide)法により、容量素子形成に用いる容量絶縁膜20を所定の膜厚、例えば10〜40nm成膜する。なお、容量絶縁膜20の成膜方法については、後に詳述する。そして、上部電極となるポリシリコン22を、CVD法により形成した後、POCl拡散法によりP(リン)をポリシリコン22中に拡散する(図1(d))。
続いて、フォトリソグラフィ技術により、容量絶縁膜20及びポリシリコン22をパターニング(図示せず)して、下部電極上に、容量絶縁膜20及び上部電極を形成する(図1(e))。
その後、表面全体に第1層間絶縁膜24を形成し、第1層間絶縁膜24の所定箇所にコンタクト孔26を介して接続される配線を形成するのと同時に、容量素子の上部電極および下部電極のそれぞれにコンタクト孔26を介して接続される配線を形成して、図1(f)に示す半導体装置を得る。
これら一連の工程を実施することにより、MOSトランジスタと容量素子とが混載する半導体装置を製造することができる。
次に、容量絶縁膜20の成膜方法を説明する。
図2(a)および(b)は、それぞれ本発明に係るバッチ式縦型CVD装置28の成膜前もしくは成膜後の状態、および成膜時の状態を表す一実施形態の概略図である。同図に示すバッチ式縦型CVD装置28は、本発明に係る容量絶縁膜の成膜を行うためのもので、反応炉30となるアウターチューブ(外側石英反応管)32およびインナーチューブ(内側石英反応管)34と、ヒータ36と、ボート(半導体基板保持具)42と、ボート42搬送用のエレベータ機構40とを備えている。
アウターチューブ32は、中空円筒形状のもので、その管の中心軸を装置の設置面に対して垂直方向に向けて設置されている。アウターチューブ32の上部は閉塞され、下部は開放されている。また、アウターチューブ32の下部には、インナーチューブ34を設置するためのフランジ38が設けられており、このフランジ38の図中右側には、成膜材料ガス(反応ガス)などを導入するガス導入管46が設けられている。さらに、アウターチューブ32の管壁面の図中左側には、反応炉30内に導入されたガスを排気する排気管44が設けられている。
インナーチューブ34は、アウターチューブ32よりも直径の小さい中空円筒形状のもので、その管の中心軸を装置の設置面に対して垂直方向に向けて、アウターチューブ32の内部に同心円状に挿入されている。インナーチューブ34の上部および下部はともに開放されており、その下端部は、アウターチューブ32の下部に設けられたフランジの上に固定されている。また、インナーチューブ34の上部開放口とアウターチューブ32の上部閉塞面との間には隙間が設けられており、インナーチューブ34の管壁外面とアウターチューブ32の管壁内面との間には、排気管44に通じる排気通路48が形成されている。
ヒータ36は、アウターチューブ32の外周面を加熱し、反応炉30内を所定温度に保持するもので、アウターチューブ32の管壁外面の周囲を覆うように配置されている。
ボート42は、インナーチューブ34の内部(反応炉内)に納まる寸法のもので、処理対象の複数枚の半導体ウェーハWを保持する石英製の治具である。また、エレベータ機構40は、ボート42を上昇または下降させるもので、反応炉30の下部に配置されている。ボート42は、エレベータ機構40の移動台の上に支持されており、エレベータ機構40により図中上下に移動されて、図2(a)(b)に示すように反応炉30内へ搬入、もしくは搬出される。
上記の構成を有するバッチ式縦型CVD装置28を用いて、ウェーハW上に容量絶縁膜を成膜するに際して、反応炉30内にウェーハWの載置されたボート42を搬入する以前に、反応炉30内は、ヒータ36により常時容量絶縁膜の成膜時の温度と同じ、所定温度、例えば700〜800℃に保持されている。
その表面に、WSi膜などの金属シリサイド膜が形成された処理対象の複数のウェーハWが搭載されたボート42は、成膜前には、図2(a)に示すように、反応炉30の下部の大気中に配置される。
成膜時には、上記の通り、反応炉30内が所定温度に加熱された状態で、ガス導入管46から所定量のN2等の不活性ガス(非酸化性ガス)を反応炉30内にパージしながら(反応炉30内を非酸化性ガスで満たしながら)、エレベータ機構40によりボート42が所定速度で上昇され、同図(b)に示すように、インナーチューブ34の内部すなわち反応炉30内に搬入される。この時、反応炉30は、エレベータ機構40の移動台の上面とアウターチューブ32の下端面とがアウターチューブ32の下端部に設けられたとOリング50を介して接触することにより、密封される。この状態で、ボート42のウェーハW搭載部はインナーチューブ34の内部中央の均熱部に配置される。
ここで、ボート42の上昇速度は、ボート42を所定速度で上昇させて反応炉30内へ搬入し、その後、上昇時と同一の速度でボート42を降下させて複数のウエハWを大気中に搬出した際の、金属シリサイド膜表面のSiOの組成を仮定して分光エリプソメトリ法で測定した酸化膜厚の値から、ボート42を反応炉30内へ搬入、反応炉内から搬出を行う前からの金属シリサイド膜表面の酸化膜厚の値(初期値)を差し引いた増加量が1.0nm以下となる値とする。より具体的には、上昇速度は、例えば100mm/min以上とすることが好ましい。
以下の実施例に示すように、ボート42の上昇速度を、反応炉30内へのボート42の搬入前、搬出後における金属シリサイド表面の酸化膜厚の増加量が1.0nm以下となる値にすることにより、通常のCVD装置を用いて、生産効率の低下、及び、コストアップを引き起こすことなく、金属シリサイド上に高い絶縁膜性及び高信頼性を有する容量絶縁膜を成膜することができ、この容量絶縁膜を用いる容量素子の製造歩留まりを大幅に向上させることができる。
ボート42を反応炉30内に搬入した後、排気装置(図示せず)を用いて排気管44から所定速度で排気を行って、反応炉30内を所定の真空状態に設定しつつ、ガス導入管38から所定流量で成膜材料ガスを反応炉30内に導入する。このように、反応炉30内を所定温度に保持し、所定の真空状態に設定しつつ、成膜材料ガスを供給した状態で、ウェーハWを所定時間反応炉内に保持することによってウェーハW上に所定膜厚の容量絶縁膜が成膜される。
成膜後は、エレベータ機構40により、ボート42が所定速度、例えば搬入時と同一速度で下降され、図2(a)に示すように、反応炉30の下部の大気中に搬出される。また、必要に応じてボート42内のウェーハWが入れ替えられ、同様にして、入れ替えられたウェーハWに対して容量絶縁膜の成膜が行われる。
なお、本発明は、上記実施形態における容量素子の形成工程に限定されず、金属シリサイド膜を下部電極とする容量素子の形成であれば、どのような形態の容量素子形成に用いることもできる。また、金属シリサイド膜はWSi膜に限定されず、従来公知の各種金属シリサイド膜を利用することが可能である。
図2に示すバッチ式縦型CVD装置28を使用して、本発明の容量絶縁膜の成膜を実施し、この容量絶縁膜を用いて形成した容量素子の特性を評価した。
まず、容量絶縁膜成膜前に、シリコン基板上にSiO膜、多結晶シリコン膜、及びWSi膜をこの順番に堆積させたウェーハWを用意し、予め、WSi膜表面の酸化膜の膜厚を測定した。次に、この試料をボート42に載置し、室温の大気中から、765℃に保持した反応炉30内へ搬入し、反応炉30で1分間保持し、再び、同じ速度で大気中へ搬出してから、WSi膜表面の酸化膜の膜厚を測定した。
このとき、パージN流量は使用した装置の標準的な値である3L/minで一定とし、ボート42の反応炉30内への搬入及び反応炉30外への搬出の搬送速度を70mm/minから120mm/minまで変化させた。
また、WSi膜表面の酸化膜厚の測定においては、分光エリプソメータを使用し、測定波長範囲を250nmから750nmとし、WSi膜上の表面酸化膜がSiOの組成を有すると仮定し、Si基板/SiO膜/多結晶シリコン膜/WSi膜/SiO膜の積層構造を仮定して、ハーモニック・オシレータ(Harmonic Ocillator)法によるフィッティング計算により膜厚を求めた。
その結果、試料を反応炉30内に搬入及び反応炉30外に搬出する以前においても、WSi膜上に2.7nmの表面酸化膜が観察された。これは、必ずしもこの膜厚の酸化膜がWSi膜表面に形成されていることを意味するのではなく、WSi膜表面の凹凸等に起因して、見かけ上、この膜厚の表面酸化膜が存在するように測定された可能性もある。いずれにしても、反応炉30内へ試料を搬入するに際しての、WSi膜表面の酸化の程度を評価するためには、測定された表面酸化膜厚その物ではなく、試料を反応炉30へ搬入、搬出を行う前の表面酸化膜の膜厚(初期値)からの変化量を指標とすることが適当であると考えた。
そこで、ボート42の搬送速度とWSi膜上の表面酸化膜の初期値からの増加量との関係を調べた。その結果のグラフを、図3に示す。
このグラフから、搬送速度が速くなるにつれてWSi膜表面の酸化膜の膜厚増加量が急激に減少することが分かる。例えば、搬送速度90mm/minにおいては、WSi表面上に1.8nmの酸化膜の増加が見られるのに対して、100mm/min以上の搬送速度では、WSi表面上の酸化膜の増加量が1.0nm以下、より正確には、0.7nm以下に低減されることが明らかになった。
なお、この酸化膜厚増加量は、ボート42上の位置によらずほぼ一定であることが確認された。
この結果から、WSi膜上の酸化膜厚の増大は、反応炉30内への搬入及び反応炉30外への搬出の過程で、CVD装置の搬入口付近の特定の領域を通過する間に起きているものと考えられる。従って、本実施例においては試料搬入後の炉内での保持時間を1分間としたが、この時間が変化しても、酸化膜厚増加量には大きな変化は無いものと考えられる。
次に、反応炉30内への搬入、搬出によるWSi膜上の酸化膜厚増加量を1.0nm以下に制御することができた、100mm/minの搬送速度でボート42を搬送し、容量絶縁膜(HTO膜)を成膜し、形成された容量素子の特性を評価した。
容量素子の製造工程は、まず、図1(c)に示すように、シリコン基板10上に素子分離膜12として使用する絶縁膜が形成されており、その上にポリシリコン16および高融点金属シリサイド層18からなる高融点金属ポリサイド(下部電極)が形成されているウェーハを用意した。次に、高融点金属ポリサイド上に容量絶縁膜20を形成するため、図1(c)に示した構造を有するウェーハをバッチ式縦型CVD装置28のボート上に移載し、不活性ガスをパージしつつボート42を反応炉30内に搬入した。このときの反応炉30内の温度は765℃に保持され、搬入速度は100mm/minとした。
ボート42搬入後、不活性ガスのパージを止め、真空ポンプにより反応炉30内の排気を行いつつ、16sccmのSiH及び720sccmのNOを供給して、反応炉30内の圧力を100Paに制御し、765℃に保持されたウェーハWに容量絶縁膜としてHTO膜(SiO膜)を25nm程度成膜した。なお、容量絶縁膜20は、被処理基板上全面に成膜される。
その後、容量絶縁膜(HTO膜)20が形成されたウェーハ上にポリシリコン膜22を成膜し、ポリシリコン膜22を電気的に活性化させるために不純物の拡散を行う。そして、リソグラフィ技術でレジストをパターニングし、ドライエッチングによって、図1(e)に示すような容量素子を形成した。
上記の条件で形成した容量素子に電圧を印加し、容量素子の初期絶縁破壊耐圧を測定した。図4に、その結果のグラフを示す。このグラフから、上記条件で形成した容量素子では、低電界側の不良率が0%となり、極めて良好な特性が得られた。この結果により、従来技術における容量特性の悪化が、前述した特許文献1、2、3に示されているような成膜の不均一性や、シリコン成分の流出によって起きていたのではなく、反応炉への搬入時の金属シリサイド膜表面の過剰な酸化によって起きていたことがわかる。
そして、金属シリサイド膜表面の酸化膜の、反応炉内への搬入、搬出による増加量が1.0nm以下、さらに好ましくは0.7nm以下となるように搬送速度を設定することにより、良好な特性の容量絶縁膜の成膜が可能になり、この容量絶縁膜を用いた容量素子の製造歩留まりを向上させることができる。しかも、ボートの上昇速度を適切に設定することによって上記のように酸化膜厚増大量を抑制することにより、前述の特許文献4、5に示されたような生産性の低下やコストアップをもたらす手段によることなく、良好な容量特性を実現することができる。
なお、本発明の上記実施例においては、様々な条件において容量素子を形成してその特性を評価するのではなく、反応炉への搬入、搬出のみを行い、その前後で表面酸化膜厚の変化を調べることによって、良好な容量特性を得ることができる搬送条件を設定した。これにより、良好な特性を得ることができる搬送条件の設定を短時間で行うことが可能である。
しかし、このような条件設定手順を経ることは本発明にとって必須ではない。どのような手段を経たとしても、結果として、反応室への搬入、搬出によるシリサイド膜表面の酸化膜厚の増加が1.0nm以下、さらに好ましくは0.7nm以下となる搬送条件を設定すれば、良好な特性の容量素子を得ることができる。
また、上記実施例においては、搬送時の不活性ガス(N)流量を3L/minに保ったままで搬送速度を100mm/min以上に増大させることによって、搬入、搬出による酸化膜厚増加を1.0nm以下に抑制した。しかし、不活性ガス流量を増大させることによってより小さな搬送速度においても酸化膜厚の増加を抑制することが可能である。例えば不活性ガス流量を20L/minに増大させることによって、搬送速度70mm/minにおいても、酸化膜の増大を1.0nm以下に抑制することができることが確認された。
しかし、このパージ流量は標準の流量に比較してはるかに大きく、パージガス消費量、およびそれに伴うコストが上昇する。また、大流量のガスによってパーティクルが舞い上げられ、基板に付着する危惧もある。量産工程としては、パージガス流量は標準的な範囲に抑えたままで、搬送速度を早くすることによって酸化膜厚の増大を抑制することが好ましい。
具体的には、実験に利用した6インチ基板対応の装置(内部石英反応管口径200mm)ではパージガス流量は約9L/min以下、さらに約6L/min以下にすることが好ましい。これは、反応管の単位断面積あたりの流量に直すと、それぞれ、約0.03L/min・cm(約5×10−3/s・m)及び約0.02L/min・cm(約3×10−3/s・m)に相当する。より大きな寸法の基板に対応する装置では、基板寸法の増大に従って反応管の口径が大きくなるので、単位断面積あたりの流量が同様に保たれるような範囲内にパージ流量を設定することが好ましい。
本発明は、基本的に以上のようなものである。
以上、本発明の容量絶縁膜の成膜方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
(a)〜(f)は、本発明を用いてMOSトランジスタと容量素子とを混載する半導体装置を製造する過程を示した断面図である。 (a)及び(b)は、本発明に係るバッチ式縦型CVD装置の構成概略図である。 搬送速度とWSi膜上の表面酸化膜の増加量との関係を表わすグラフである。 本発明を用いて形成した容量素子の初期絶縁耐圧測定の結果を示すグラフである。 (a)〜(e)は、従来の容量絶縁膜の成膜方法を用いてMOSトランジスタと容量素子とが混載する半導体装置を製造する過程を示した断面図である。 従来の容量絶縁膜の成膜方法を用いて形成した容量素子の初期絶縁耐圧測定の結果を示すグラフである。
符号の説明
10 シリコン基板
12 素子分離膜
14 ゲート酸化膜
16 ポリシリコン
18 金属シリサイド
20 容量絶縁膜
22 ポリシリコン
24 第1層間絶縁膜
26 コンタクト孔
28 バッチ式縦型CVD装置
30 反応炉
32 アウターチューブ
34 インナーチューブ
36 ヒータ
40 エレベータ
42 ボート
44 排気管
46 ガス導入管
50 Oリング
110 シリコン基板
112 素子分離膜
114 ゲート酸化膜
116 ポリシリコン
118 金属シリサイド
120 容量絶縁膜
122 ポリシリコン
124 SiO
W ウェーハ

Claims (3)

  1. 半導体基板上に、金属シリサイド膜を下部電極とする容量素子の容量絶縁膜を、バッチ式縦型CVD装置を用いて成膜する方法であって、
    前記金属シリサイド膜が表面に形成された複数の半導体基板上に前記容量絶縁膜を所定温度で成膜するために、該複数の半導体基板をボートに載置し、該ボートを所定の速度で上昇させて、大気中から、非酸化性ガスに満たされて前記所定温度に加熱された縦型CVD装置の反応炉内に搬入するにあたって、
    前記ボートの上昇速度を、前記反応炉内への搬入を行い、その後、同一の速度で前記ボートを降下させて前記複数の半導体基板を大気中に搬出した際の、前記金属シリサイド膜表面の、SiOの組成を仮定して分光エリプソメトリ法で測定した酸化膜厚の、前記反応炉内への挿入、搬出を行う前からの増加量が1.0nm以下となる値にすることを特徴とする容量絶縁膜の成膜方法。
  2. 前記上昇速度が100mm/min以上であることを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
  3. 前記金属シリサイド膜がタングステンシリサイド膜であることを特徴とする請求項1または2記載の成膜方法。
JP2004079807A 2004-03-19 2004-03-19 容量絶縁膜の成膜方法 Withdrawn JP2005268576A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004079807A JP2005268576A (ja) 2004-03-19 2004-03-19 容量絶縁膜の成膜方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004079807A JP2005268576A (ja) 2004-03-19 2004-03-19 容量絶縁膜の成膜方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005268576A true JP2005268576A (ja) 2005-09-29

Family

ID=35092796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004079807A Withdrawn JP2005268576A (ja) 2004-03-19 2004-03-19 容量絶縁膜の成膜方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005268576A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8187964B2 (en) 2007-11-01 2012-05-29 Infineon Technologies Ag Integrated circuit device and method
CN107785236A (zh) * 2016-08-31 2018-03-09 无锡华润华晶微电子有限公司 一种多晶硅发射极晶体管的制作方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8187964B2 (en) 2007-11-01 2012-05-29 Infineon Technologies Ag Integrated circuit device and method
CN107785236A (zh) * 2016-08-31 2018-03-09 无锡华润华晶微电子有限公司 一种多晶硅发射极晶体管的制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9117661B2 (en) Method of improving oxide growth rate of selective oxidation processes
JP3437832B2 (ja) 成膜方法及び成膜装置
KR101177366B1 (ko) 반도체 장치의 제조 방법 및 기판 처리 장치
WO2013065771A1 (ja) 半導体装置の製造方法、半導体装置の製造装置及び記録媒体
US7972979B2 (en) Substrate processing method and substrate processing apparatus
US7514120B2 (en) Precoat film forming method
TWI443747B (zh) 半導體裝置製造方法以及基板處理方法及設備
US8123858B2 (en) Manufacturing method of semiconductor device and substrate processing apparatus
KR20000006011A (ko) 실리콘산화막형성장치및실리콘산화막형성방법
JP4126165B2 (ja) マルチデポジションsacvdリアクタ
JP3437830B2 (ja) 成膜方法
WO2007018139A1 (ja) 半導体装置の製造方法および基板処理装置
JP2008131050A (ja) 半導体素子への金属含有膜の集積方法
TW201942981A (zh) 半導體裝置的製造方法、基板處理裝置及記錄媒體
WO2004021425A1 (ja) エッチング方法及びエッチング装置
JP3578155B2 (ja) 被処理体の酸化方法
JP3667038B2 (ja) Cvd成膜方法
US20240055259A1 (en) Method of manufacturing semiconductor device, non-transitory computer-readable recording medium and substrate processing apparatus
JP4563113B2 (ja) シリコン酸化膜の形成方法、半導体デバイスの製造方法および基板処理装置
JP6559902B2 (ja) 半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラム
JP2005268576A (ja) 容量絶縁膜の成膜方法
JPH11186255A (ja) シリコン酸化膜の形成方法
JPH07153695A (ja) 成膜方法
US20050233559A1 (en) Method of forming a layer on a wafer
JP3154730B2 (ja) 薄膜処理方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070605