JPH05331354A - 熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた電子部品 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた電子部品

Info

Publication number
JPH05331354A
JPH05331354A JP5017692A JP1769293A JPH05331354A JP H05331354 A JPH05331354 A JP H05331354A JP 5017692 A JP5017692 A JP 5017692A JP 1769293 A JP1769293 A JP 1769293A JP H05331354 A JPH05331354 A JP H05331354A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
resin composition
resin
chelating agent
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5017692A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatsugu Akiba
真継 秋庭
Hiroshi Shiomi
浩 塩見
Kunimasa Kamio
邦政 神尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP5017692A priority Critical patent/JPH05331354A/ja
Publication of JPH05331354A publication Critical patent/JPH05331354A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Insulating Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】オルソクレゾールノボラック樹脂のフェノール
性水酸基の50%をアリルエーテル化した後、シリコー
ン樹脂による変性、ついでN,N’−ジフェニルメタン
ビスマレイミドによる反応を行いプレポリマーを得る。
該プレポリマーにキレート化剤、充填剤等を配合した熱
硬化性樹脂組成物、及び該組成物を用いて成形封止した
電子部品を提供する。 【効果】加工性及び耐熱性に優れ、かつリードフレーム
に対する接着性も優れるため耐湿信頼性が高い電子部品
を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子部品の封止用材料
として有用な熱硬化性樹脂組成物及びその組成物によっ
て成形封止されている電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体等の電気・電子部品は熱硬
化性エポキシ樹脂を用いて成形封止されているものが広
く用いられてきた。このエポキシ樹脂は、ガラス、金
属、セラミックを用いたハーメチックシール方式に比較
して経済的に有利なために広く実用化されている。中で
もオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂に代表さ
れる多官能エポキシ樹脂とノボラック型フェノール樹脂
及び無機充填剤を主成分とする樹脂組成物が作業性、成
形性、信頼性の面で優れるとされている。しかし近年で
は電子機器の小型化や、半導体の高集積化、高密度化に
伴い小さな空間にできるだけ多くの素子を搭載すること
のできる表面実装方式が主流になってきた。その結果、
半田付け工程の際、封止材料そのものが半田浴温度とい
う過酷な条件に曝される。このため封止材料の耐熱性は
重要な特性になってきた。最近、高耐熱性を得る目的で
熱硬化性のポリイミド樹脂封止が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱硬化
性のポリイミド樹脂はエポキシ樹脂に比べ接着性および
耐湿性の面で欠点を有している。とくに接着性が低いと
リードフレームとの密着性に劣り、耐湿信頼性の低下を
招くことから大きな問題とされている。
【0004】
【課題を解決するための手段】この様な背景から本発明
は、接着性、耐湿性および耐熱性に優れた樹脂組成物に
ついて鋭意検討した結果、耐熱性に優れるポリイミド系
化合物、これと反応し得る特定の樹脂及びリードフレー
ムの材質である銅及び42アロイ等とキレートを生成す
るキレート化剤を組み合わせた熱硬化性樹脂組成物が上
記目的に適うことを見出し本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は次のとおりである。 (1)(A)フェノール性水酸基がアリルエーテル化さ
れたフェノール類ノボラック樹脂、(B)分子中に2個
以上のマレイミド基を有するポリマレイミド化合物、及
び(C)金属とキレートを生成しうるキレート化剤を含
有してなることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 (2)上記の(A)、(B)及び(C)成分に加えて、
後述の一般式化10または11で表される化合物から選
ばれるシリコーン樹脂を含有してなる上記(1)記載の
熱硬化性樹脂組成物。 (3)上記(A)成分と上記(D)成分とを予め反応さ
せたもの、上記(B)成分及び上記(C)成分を含有し
てなることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 (4)上記(4)成分と上記(D)成分とを予め反応さ
せたものにさらに上記(B)成分を反応させて得られる
もの、及び上記(C)成分を含有してなることを特徴と
する熱硬化性樹脂組成物。 (5)上記(B)成分と上記(D)成分とを予め反応さ
せたもの、上記(A)成分及び上記(C)成分を含有し
てなることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 (6)さらに(E)充填剤を含有してなる上記(1)、
(2)、(3)、(4)または(5)記載の熱硬化性樹
脂組成物。 (7)上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)ま
たは(6)記載の熱硬化性樹脂組成物によって成形封止
されてなることを特徴とする電子部品。
【0006】以下に本発明について詳細に説明する。本
発明で使用される(A)成分は、フェノール性水酸基が
アリルエーテル化、好ましくは部分的にアリルエーテル
化されたフェノール類ノボラック樹脂である。原料とな
るフェノール類ノボラック樹脂としては、アルキル基、
アリール基、アラルキル基、アルケニル基またはハロゲ
ン原子で置換された、あるいは無置換のフェノール類、
具体的にはフェノール、クレゾール、エチルフェノー
ル、プロピルフェノール、ブチルフェノール、ブチルメ
チルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノー
ル、ビニルフェノール、イソプロペニルフェノール、フ
ェニルフェノール、ベンジルフェノール、クロルフェノ
ール、ブロムフェノール、キシレノール、メトキシフェ
ノール、エトキシフェノール、α−メチルベンジルフェ
ノール、β−フェニルエチルフェノール、ジヒドロキシ
ベンゼン(それぞれ異性体を含む)、ビスフェノールA
等のフェノール類の一種または二種以上とホルムアルデ
ヒド、アクロレイン、ナフトアルデヒド、グリオキザー
ル等のアルデヒド類を公知の方法で縮合反応させて得ら
れる通常2〜15の平均核体数を有するノボラック樹脂
が例示される。
【0007】アリルエーテル化は例えば当該ノボラック
樹脂と塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリル等のハロ
ゲン化アリルとを、好ましくはノボラック樹脂の水酸基
のモル数よりハロゲン化アリルのモル数が少なくなるよ
うな条件で、アルカリの存在下反応させることにより行
われる。ハロゲン化アリルとして臭化アリルを用いる
か、あるいはジメチルスルホキシドのような非プロトン
性溶媒中でアリルエーテル化を行うことで容易に目的物
を得ることができる。用いられるフェノール類ノボラッ
クとしては未置換フェノールノボラック樹脂か一置換フ
ェノールノボラック樹脂が好ましく、特にオルソクレゾ
ールノボラック樹脂が耐湿性が優れる点で好ましい。
【0008】ここで、未置換水酸基対アリルエーテル化
された水酸基の比の値は好ましくは1/0.05〜1/
9、より好ましくは1/0.2〜1/4である。アリル
エーテル基の比が上述の範囲から外れると硬化性が低下
する。
【0009】本発明で使用される(B)成分は下記に一
般式化4で表されるマレイミド基を分子中に2個以上含
有する化合物である。
【0010】
【化4】 (式中、R9 は水素原子または炭素数1〜4のアルキル
基を表す。)
【0011】本発明で用いられるポリマレイミド化合物
としては、N,N’−ジフェニルメタンビスマレイミ
ド、N,N’−フェニレンビスマレイミド、N,N’−
ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−ジフェ
ニルスルホンビスマレイミド、N,N’−ジシクロヘキ
シルメタンビスマレイミド、N,N’−キシレンビスマ
レイミド、N,N’−トリレンビスマレイミド、N,
N’−ジフェニルメタンビスメチルマレイミド、N,
N’−ジフェニルエーテルビスメチルマレイミド、N,
N’−ジフェニルスルホンビスメチルマレイミド(それ
ぞれ異性体を含む)、N,N’−エチレンビスマレイミ
ド、N,N’−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,
N’−ヘキサメチレンビスメチルマレイミド等のN,
N’−ビスマレイミド化合物、これらN,N’−ビスマ
レイミド化合物にジアミン類を付加させて得られる末端
がN,N’−ビスマレイミド骨格を持つプレポリマー、
及びアニリン・ホルマリン重縮合物のマレイミド化合物
またはメチルマレイミド化合物等が例示できる。なかで
もN,N’−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,
N’−ジフェニルエーテルビスマレイミドが好ましい。
【0012】本発明で使用される、金属とキレートを生
成しうるキレート化剤(C)としては、銅とキレート化
合物を生成しうる酸性リン酸エステル化合物、アントラ
ニル酸、フェナントロリン、あるいは鉄とキレート化合
物を生成しうるアセチルアセトン、ビピリジン、オクタ
エチルポルフィリンなどがあるが、なかでも下記の一般
式化5で表される酸性リン酸エステル化合物が有効であ
る。
【0013】
【化5】 〔式中、R4 は一般式化6
【0014】
【化6】 (ここで、R6 はメチル基または水素原子、R7 は炭素
数1〜5のアルキレンエーテル基、R8 は炭素数1〜5
のアルキレン基を表す。R7 、R8 は同一分子中で同じ
であっても異なっていてもよい。q及びrは1〜20の
数を表す。)で表される基から選ばれ、R5 は水素原子
またはその有機アミン塩を表す。R4及びR5 はそれぞ
れ独立に同一分子中で同じであっても異なっていてもよ
い。nは1または2の数を表す。〕
【0015】一般式化5で表される化合物の代表例とし
て、下記の式化7で表されるアシッドホスホオキシエチ
ルメタクリレート(日本化薬(株)製、商品名カヤマー
PM−1)、式化8で表されるアシッドホスホオキシポ
リオキシエチレングリコールモノメタクリレート(ユニ
ケミカル(株)製、商品名ホスマーPE)及び式化9で
表されるメタクロイルオキシエチルアシッドホスヘート
モノエタノールアミンハーフソルト(ユニケミカル
(株)製、商品名ホスマーMH)を例示することができ
るが必ずしもこれらに限定されない。
【0016】
【化7】 (アシッドホスホオキシエチルメタクリレート)
【0017】
【化8】 (アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコール
モノメタクリレート)
【0018】
【化9】 (メタクロイルオキシエチルアシッドホスヘートモノエ
タノールアミンハーフソルト)
【0019】本発明において、(A)成分/(B)成分
比は重量比で表して、好ましくは1/9〜9/1、さら
に好ましくは3/7〜7/3になるように選ばれる。
(B)成分がこの範囲より少ないとその組成物の硬化物
の耐熱性が低下する傾向を示し、(B)成分がこの範囲
より多いと耐湿性が大きくなる傾向を示す。
【0020】本発明において(C)成分キレート化剤の
配合量は(A)成分と(B)成分の合計量100重量部
に対して、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好まし
くは0.5〜2重量部である。キレート化剤の配合量が
この範囲より少ないとその組成物の硬化物の接着性が低
下する傾向を示し、またこれが多いと機械物性及び耐熱
性が低下する傾向を示す。
【0021】本発明で使用されるシリコーン樹脂
((D)成分)としては下記の一般式化10または化1
1で表されるものが挙げられる。
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】 (化10及び化11の式中、R1 及びR2 はそれぞれ独
立にメチル基またはフェニル基を表し、R3 は水素原
子、エポキシ基、アミノ基、炭素数1〜5のアルケニル
基または該アルケニル基を含有する官能基を表し、L及
びmはそれぞれ0〜500、好ましくは0〜400の数
を表す。化10において、Lとmの繰り返し単位は任意
の順序で結合している、すなわち、それらが合わせて3
個以上存在する場合、それらは交互、ブロックまたはラ
ンダムに結合している。)
【0024】一般式化10で表されるシリコーン樹脂を
用いるとゲル状成分が生成し易いので、一般式化11で
表されるものを用いる方が好ましい。これらのシリコー
ン樹脂は2種以上を併用することもできる。シリコーン
樹脂の配合量は必ずしも限定されないが、(A)成分と
(B)成分の合計量100重量部に対して好ましくは1
〜20重量部、より好ましくは3〜10重量部である。
シリコーン樹脂の配合量が、この範囲を逸脱すると成形
性、耐湿性が低下する傾向を示す。
【0025】前記化11において、R1 及びR2 がメチ
ル基であって、R3 が水素原子であるシリコーン樹脂と
しては信越化学工業(株)製X−22−2868(商品
名)等が例示され、R3 がエポキシ基を含有する官能基
であるもの(以下エポキシ基含有シリコーン樹脂とす
る。)としては信越化学工業(株)製X−21−169
1B(商品名)、東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)製BY16−855B(商品名)等が例示され
る。R3 がアミノ基を含有する官能基であるもの(以下
アミノ基含有シリコーン樹脂とする。)としては信越化
学工業(株)製X−22−161A(商品名)等が、ま
た、前記化10において、R1 及びR2 がメチル基であ
って、R3 がアミノ基を含有する官能基であるものとし
ては、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製SF
−8417(商品名)等が例示される。
【0026】炭素数1〜5のアルケニル基または該アル
ケニル基を含有する官能基を有するもの(以下アルケニ
ル基含有シリコーン樹脂とする。)とは、次の式化12
【0027】
【化12】 等の基を含むシリコーン樹脂であり、信越化学工業
(株)製X−22−164C(商品名)等が例示され
る。分子量については前記化10、化11の式における
L及びmが前記範囲内であれば、特に限定されないが、
分子量500〜30000程度のものが好ましく用いら
れる。
【0028】これらのシリコーン樹脂((D)成分)は
フェノール類ノボラック樹脂((A)成分)及びポリマ
レイミド化合物((B)成分)に単に混合するだけで使
用することもできるが、予めフェノール類ノボラック樹
脂またはポリマレイミド化合物に反応させておくこと
(シリコーン変性)が成形する上で好ましい。水素基含
有シリコーン樹脂と、(A)成分中のアリル基との反応
はヒドロシリル化反応であり、常法に従い白金系の触媒
等を用いることにより容易に行うことができる。またエ
ポキシ基含有シリコーン樹脂は(A)成分中のフェノー
ル性水酸基と塩基性触媒(例えば三級アミン類、有機ホ
スフィン類等)存在下に容易に反応させることができ
る。またアミノ基およびアルケニル基含有シリコーン樹
脂は(B)成分であるビスマレイミドのマレイミド基と
容易に反応させることができる。上記シリコーン樹脂と
の反応混合物の一種または二種以上を使用することによ
り、硬化物からシリコーンのブリードを防ぐことがで
き、かつモルホロジー的にも均一にシリコーンが硬化物
中に分散した低応力熱硬化性樹脂組成物を得ることがで
きる。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記
(A)成分(または(B)成分)と上記(D)成分とを
予め反応させたものにさらに上記(B)成分(または
(A)成分)を反応させて得られるもの(プレポリマー
化したもの)に、上記(C)成分を加えてつくることも
できる。こうすると硬化物の内部から表面に(D)成分
や(B)成分が経時とともに浮き出してくる現象(ブリ
ード)が生じるのを防止することができる。
【0029】本発明で用いられる充填剤((E)成分)
としては、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、タル
ク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、クレー、アスベ
スト、マイカ、ベンガラ、ガラス繊維等が挙げられる
が、なかでも特に溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナが
単独、もしくは二種以上組み合わせて好ましく用いられ
る。さらに、充填剤の配合割合は目的に応じて適宜決め
ることができるが、半導体の封止に用いる場合には樹脂
組成物全量中の30〜90重量%であることが好まし
く、より好ましくは60〜85重量%である。
【0030】本発明の樹脂組成物の熱硬化の方法につい
て述べると、樹脂組成物単独でも硬化可能であるが、硬
化促進剤を用いることにより、更に容易に硬化せしめる
ことが可能となる。特に封止材として用いる場合は硬化
促進剤を使用することが望ましい。このような硬化促進
剤について例示すると、トリフェニルホスフィン、トリ
−4−メチルフェニルホスフィン、トリ−4−メトキシ
フェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオク
チルホスフィン、トリ−2−シアノエチルホスフィンな
どの有機ホスフィン化合物、トリブチルアミン、トリエ
チルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン−7、トリアミルアミン等の3級アミン、塩化
ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリ
メチルアンモニウム、トリエチルアンモニウムテトラフ
ェニルボレート等の4級アンモニウム塩、イミダゾール
類、三弗化ホウ素錯体、遷移金属アセチルアセトナー
ト、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキ
シド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド、アセチルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオ
キシド、シクロヘキサノンパーオキシド、t−ブチルハ
イドロパーオキシド、アゾビスブチロニトリル等のラジ
カル開始剤が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。これらのなかでも、有機ホスフィン化合物、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレートが
特に好ましい。
【0031】また、硬化速度を調整するために、公知の
重合禁止剤を併用することも可能である。本発明に用い
ることができる重合禁止剤を例示すると、2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレ
ンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、
4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェ
ノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル等のフェノール類、ハイドロキノン、カテコール、p
−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルハイ
ドロキノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルハイド
ロキノン、ピロガロール等の多価フェノール、フェノチ
アジン、ベンゾフェノチアジン、アセトアミドフェノチ
アジン等のフェノチアジン系化合物、N−ニトロソジフ
ェニルアミン、N−ニトロソジメチルアミン等のN−ニ
トロソアミン系化合物がある。
【0032】本発明の熱硬化性樹脂組成物にはその他必
要に応じてシリコーンオイル、天然ワックス、合成ワッ
クス、高級脂肪酸およびその金属塩類、もしくはパラフ
ィン等の離型剤あるいはカーボンブラックのような着色
剤、さらにはカップリング剤等を添加してもよい。ま
た、難燃化のために三酸化アンチモン、リン化合物、ブ
ロム化エポキシ樹脂等の難燃剤を加えてもよい。
【0033】このようにして得られた樹脂組成物はロー
ルあるいはコニーダー等の一般の混練機により、溶融混
練することによりコンパウンド化が可能である。本発明
による樹脂組成物を用いて半導体等、電子部品を封止す
るには、トランスファーモールド、コンプレッションモ
ールド、インジェクションモールド等の従来から公知の
成形法により硬化成形すればよい。
【0034】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。硬化成形物の評価方法
は、以下のとおりである。 ・ガラス転移温度及び線膨張係数:熱機械的分析装置
(SHIMADZU DT−30)を用いて測定した。 ・曲げ強度、曲げ弾性率:JIS K6911に従い、
インストロン万能材料試験機(SHIMADZU IS
−10T)で測定した。測定温度は、20℃及び260
℃である。 ・吸水率:恒温恒湿糟(TABAI PR−2)を用
い、85℃/85%RHの条件で重量変化を測定した。 ・スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じて19
0℃/70kg/cm2の条件で行った。 ・硬度発現性:190℃/120秒の成形条件で行っ
た。 ・接着性試験:銅箔(18μm:古河サーキットホイー
ル社製)上にコンパウンドをモールドし、後硬化後の引
きはがし強さによって評価を行った。 ・リードフレームとの接着状況:超音波探査映像装置、
AT−5000(日立建機(株)製)により観察した。
(○:良好、×:剥離あり不良)
【0035】参考例1(部分アリルエーテル化) 還流冷却管、温度計、滴下ロートおよび撹拌機を取り付
けた四ッ口フラスコに、軟化点70℃のオルソクレゾー
ルノボラック樹脂 1180重量部(10当量)および
反応溶媒としてジメチルスルホキシドを2770重量部
を仕込み、窒素気流下で撹拌し樹脂を完全に溶解させ
た。ついで、99%粉末苛性ソーダ202重量部(5当
量)を加え、2時間撹拌した。反応系の温度を40℃に
保ちながら塩化アリル401.8重量部(5.25当
量)を2時間かけて滴下した後40℃で2時間保温し
た。引き続き50℃に昇温し、同温で5時間保温した。
次にジメチルスルホキシドを減圧下に留去してからメチ
ルイソブチルケトン1380重量部を仕込み樹脂を溶解
させ、ついで水洗、濾過により無機塩を除去し、濾液を
減圧下に留去することにより、核置換アリル基を有さな
いアリルエーテル化率50%、OH当量138g/eq
の橙色粘稠液状樹脂1350重量部を得た。(ALCN
−1とする。)
【0036】参考例−2(部分アリルエーテル化) 参考例−1と同様の操作により軟化点120℃のオルソ
クレゾールノボラック樹脂を処理することにより、核置
換アリル基を有さないアリルエーテル化率50%、OH
当量138g/eq、軟化点78℃の橙色樹脂1340
重量部を得た。(ALCN−2とする。)
【0037】参考例−3(シリコーン変性) 還流脱水管、温度計、滴下ロートおよび撹拌機を取り付
けた四ッ口フラスコに、参考例−2で得たALCN−2
を1000重量部仕込みトルエン1440重量部を加え
て溶解させた。1%白金黒−チャーコール(50%含水
品)11.2重量部を加えて114℃で共沸脱水を行い
系中の水分を除いた。両末端SiHジメチルシリコーン
オイル(信越化学工業(株)製、商品名:X−22−2
868)の50%トルエン溶液1226重量部を1時間
かけて滴下した。114℃にて1時間保温後、参考例1
で得たALCN−1の50%トルエン溶液2398重量
部を加えた。ついで濾過により触媒を除いてから濾液を
減圧下に処理して黄色のシリコーン変性樹脂2800重
量部を得た。(シリコーン変性物とする。)
【0038】参考例−4(プレポリマー化) 参考例−3で変性して得られたシリコーン変性物32重
量部、N,N’−ジフェニルメタンビスマレイミド(住
友化学工業(株)社製、商品名:ベストレックス BH
−180)65重量部、臭素化エポキシ樹脂(住友化学
工業(株)社製、商品名:スミエポキシ ESBP−2
80、エポキシ当量=280g/eq)3重量部を、1
リットル四ツ口フラスコ中に仕込み、130℃まで昇温
し、同温度で一部結晶が混合物中に分散した状態のまま
30分から1時間撹拌して反応を進め各々プレポリマー
化した。(プレポリマーとする。)
【0039】実施例1〜8および比較例1 参考例−4で得られたプレポリマーに、キレート化剤、
硬化促進剤、充填剤、離型剤、カップリング剤を表1お
よび表2に示した量(g)で配合し、ロールにより加熱
混練し、得られた熱硬化性樹脂組成物を用いてトランス
ファー成形を行った。さらに、200℃のオーブン中
で、5時間ポストキュアーを行い、硬化成形物を得た。
この硬化成形物の物性をガラス転移温度、吸水率、曲げ
強度、曲げ弾性率等について評価し、その結果を表3お
よび表4に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、加工性
及び硬化物の耐熱性に優れており、また従来知られてい
る耐熱性樹脂組成物に比べてリードフレームに対する接
着性に優れるため耐湿信頼性が高く、電子部品の封止用
材料として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 83/04 LRY 8319−4J H01B 3/30 P 9059−5G H01L 23/29 23/31

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)フェノール性水酸基がアリルエーテ
    ル化されたフェノール類ノボラック樹脂、(B)分子中
    に2個以上のマレイミド基を有するポリマレイミド化合
    物、及び(C)金属とキレートを生成しうるキレート化
    剤を含有してなることを特徴とする熱硬化性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】(A)、(B)及び(C)成分に加えて、
    (D)下記の一般式化1で表される化合物から選ばれる
    シリコーン樹脂を含有してなる請求項1記載の熱硬化性
    樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立にメチル基または
    フェニル基を表し、R3は水素原子、エポキシ基、アミ
    ノ基、炭素数1〜5のアルケニル基または該アルケニル
    基を含有する官能基を表し、L及びmはそれぞれ0〜5
    00の数を表す。(1)式において、Lとmの繰り返し
    単位は任意の順序で結合している。)
  3. 【請求項3】(A)フェノール性水酸基がアリルエーテ
    ル化されたフェノール類ノボラック樹脂と(D)請求項
    2に記載の一般式化1で表されるシリコーン樹脂とを予
    め反応させたもの、(B)分子中に2個以上のマレイミ
    ド基を有するポリマレイミド化合物、及び(C)金属と
    キレートを生成しうるキレート化剤を含有してなること
    を特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(A)フェノール性水酸基がアリルエーテ
    ル化されたフェノール類ノボラック樹脂と(D)請求項
    2に記載の一般式化1で表されるシリコーン樹脂とを予
    め反応させたものにさらに(B)分子中に2個以上のマ
    レイミド基を有するポリマレイミド化合物を反応させた
    もの、及び(C)金属とキレートを生成しうるキレート
    化剤を含有してなることを特徴とする熱硬化性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】(B)分子中に2個以上のマレイミド基を
    有するポリマレイミド化合物と(D)請求項2に記載の
    一般式化1で表されるシリコーン樹脂とを予め反応させ
    たもの、(A)フェノール性水酸基がアリルエーテル化
    されたフェノール類ノボラック樹脂及び(C)金属とキ
    レートを生成しうるキレート化剤を含有してなることを
    特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】さらに(E)充填剤を含有してなる請求項
    1、2、3、4または5記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】(A)成分としてフェノール性水酸基が部
    分的にアリルエーテル化されたフェノール類ノボラック
    樹脂を用いる請求項1、2、3、4、5または6記載の
    熱硬化性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】(C)成分が下記の一般式化2で表される
    酸性リン酸エステル基を有するキレート化剤である請求
    項1、2、3、4、5、6または7記載の熱硬化性樹脂
    組成物。 【化2】 〔式中、R4 は一般式化3 【化3】 (ここで、R6 はメチル基または水素原子、R7 は炭素
    数1〜5のアルキレンエーテル基、R8 は炭素数1〜5
    のアルキレン基を表す。R7 、R8 は同一分子中で同じ
    であっても異なっていてもよい。q及びrは1〜20の
    数を表す。)で表される基から選ばれ、R5 は水素原子
    またはその有機アミン塩を表す。R4 及びR5 はそれぞ
    れ独立に同一分子中で同じであっても異なっていてもよ
    い。nは1または2の数を表す。〕
  9. 【請求項9】請求項1、2、3、4、5、6、7または
    8記載の熱硬化性樹脂組成物によって成形封止されてい
    ることを特徴とする電子部品。
JP5017692A 1992-03-30 1993-02-04 熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた電子部品 Pending JPH05331354A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5017692A JPH05331354A (ja) 1992-03-30 1993-02-04 熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた電子部品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-73795 1992-03-30
JP7379592 1992-03-30
JP5017692A JPH05331354A (ja) 1992-03-30 1993-02-04 熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた電子部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05331354A true JPH05331354A (ja) 1993-12-14

Family

ID=13528478

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5017692A Pending JPH05331354A (ja) 1992-03-30 1993-02-04 熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05331354A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0625370A (ja) * 1992-05-14 1994-02-01 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーン変性アラルキル樹脂
JP2006310499A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Konica Minolta Holdings Inc 配線基板、圧電性セラミック素子及びそれらの製造方法
WO2019208614A1 (ja) * 2018-04-26 2019-10-31 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂組成物、積層体、樹脂組成物層付き半導体ウェハ、樹脂組成物層付き半導体搭載用基板、及び半導体装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0625370A (ja) * 1992-05-14 1994-02-01 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーン変性アラルキル樹脂
JP2006310499A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Konica Minolta Holdings Inc 配線基板、圧電性セラミック素子及びそれらの製造方法
WO2019208614A1 (ja) * 2018-04-26 2019-10-31 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂組成物、積層体、樹脂組成物層付き半導体ウェハ、樹脂組成物層付き半導体搭載用基板、及び半導体装置
CN112004845A (zh) * 2018-04-26 2020-11-27 三菱瓦斯化学株式会社 树脂组合物、层叠体、带树脂组合物层的半导体晶圆、带树脂组合物层的半导体搭载用基板和半导体装置
JPWO2019208614A1 (ja) * 2018-04-26 2021-05-20 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂組成物、積層体、樹脂組成物層付き半導体ウェハ、樹脂組成物層付き半導体搭載用基板、及び半導体装置
US11935803B2 (en) 2018-04-26 2024-03-19 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Resin composition, laminate, semiconductor wafer with resin composition layer, substrate for mounting semiconductor with resin composition layer and semiconductor device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004231728A (ja) エポキシ樹脂硬化剤および硬化性エポキシ樹脂組成物および硬化物
JPH05331354A (ja) 熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた電子部品
JPH0372521A (ja) 半導体封止用樹脂組成物
US4908417A (en) Thermosetting resin composition
JP2823704B2 (ja) 半導体封止用樹脂組成物
JP2870903B2 (ja) 半導体封止用樹脂組成物
JP2809885B2 (ja) 半導体封止用樹脂組成物
JPH044213A (ja) 半導体封止用樹脂の製造方法
JP2837503B2 (ja) 半導体封止用樹脂組成物
JP2003138104A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP3813105B2 (ja) 硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物、その硬化物およびその用途
JP2823653B2 (ja) 半導体封止用樹脂組成物
JP2825572B2 (ja) 半導体封止用樹脂組成物
JP2912470B2 (ja) 樹脂組成物
JPH075821B2 (ja) 電子部品
JP3201485B2 (ja) 半導体封止用樹脂組成物
JP3052146B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP3052147B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP2912468B2 (ja) 樹脂組成物
JPH0730236B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP3201487B2 (ja) 半導体封止用樹脂組成物
JP2823652B2 (ja) 半導体封止用樹脂組成物
JP2912467B2 (ja) 樹脂組成物
JPH02187416A (ja) ノボラック樹脂含有組成物
JP3214770B2 (ja) エポキシ樹脂組成物およびその用途