JPH05328912A - 電子レンジ又はオーブン調理用油ちょう済フライ食品およびそれに用いる衣材 - Google Patents

電子レンジ又はオーブン調理用油ちょう済フライ食品およびそれに用いる衣材

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JPH05328912A
JPH05328912A JP4142903A JP14290392A JPH05328912A JP H05328912 A JPH05328912 A JP H05328912A JP 4142903 A JP4142903 A JP 4142903A JP 14290392 A JP14290392 A JP 14290392A JP H05328912 A JPH05328912 A JP H05328912A
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batter
oil
oven
clothing
fried
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JP4142903A
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English (en)
Inventor
Naotaka Higashijima
直貴 東島
Teruo Hanajiri
照雄 花尻
Satoshi Kondo
智 近藤
Sachiko Sakamoto
幸子 坂本
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子レンジ又はオーブン加熱によっても衣の
クリスピー感が損なわれない油ちょう済フライ食品を得
る。 【構成】 具材に、油脂(油溶性物質)5〜50重量
%、小麦粉類(水和性難溶高分子)40〜85重量%、
ガム類(増粘性可溶高分子)0.8〜10.0重量%を
原料として含むバッター組成物を被覆した後、170〜
220℃の油で1〜3分加熱した後、衣部に直径0.1
〜5mmの孔を開けた後冷凍する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子レンジ又はオーブ
ン調理後、喫食する油ちょう済フライ食品およびそれに
用いる衣材に関する。本技術は、喫食に当り、油揚げ調
理をすることなく電子レンジ又はオーブン調理するだけ
で、フライ食品を得る技術であり、特に、油ちょう済の
冷凍、冷蔵食品類に利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】食生活の多様化、簡便化に伴い、油揚げ
調理をすることなく、電子レンジやオーブン調理でフラ
イ様の食品を手軽に供卓できる調理済食品類に対する需
要が高まっている。例えば、具材に衣材としてバッター
とパン粉を付着させ油ちょう後、冷凍した電子レンジ調
理対応の油ちょう済食品が多種上市されている。これら
の食品は簡便性という点に関しては極めて優れた食品で
あるが、電子レンジ加熱により調理するため加熱中に具
材等より発生する水蒸気により衣が湿り、サクッとした
食感を保持することが困難で、さらに具材からの水蒸気
の圧力で衣が調理中にパンクし、食感のみならず、外観
においても商品性が著しく低下する。
【0003】フライ食品の特徴であるサックリとした食
感及び外観を損なった食品はもはやフライ食品ではな
く、単に電子レンジで加熱した衣付食品にすぎない。こ
のため、フライ食品の食感、外観をできるだけ保持しつ
つ電子レンジ調理を可能とする食品加工技術が従来から
研究されてきた。例えば、コーングリッツ等の難水和性
粒状物質をコーティング材に含有させプリフライ後凍結
し、唐揚げとしての食感の改良をねらったもの(特開昭
63−233751号公報)や、熱凝固性を有する起泡
剤で含気させた小麦粉等を含むバッター及びパン粉によ
り衣材を形成しプリフライ後凍結し、フライ食品として
の食感の改良をねらったもの(特開昭64−60334
号公報)等が知られている。
【0004】しかし、唐揚用のコーティング材をパン粉
等を用いた衣付フライ食品に適用することはできない。
又、含気バッターを用いた衣付フライ食品では電子レン
ジ加熱により衣が塊状、ゴム状になることを抑制するこ
とができても電子レンジ加熱により吸湿しやすくフライ
食品特有のサックリとした食感を実現することは困難で
あり、又、調理中衣がパンクしやすい。一方、パンクを
抑えようとすれば衣を強固にする必要があり、ゴム状と
なり、サックリさが失われる。
【0005】電子レンジ加熱により具材等から発生する
水蒸気により衣材が湿り、軟化するという問題は、電子
レンジ調理がマイクロ波による誘電加熱であり、マイク
ロ波が集中する食品の内部からの加熱であることに起因
する本質的問題である。油揚げ処理では高い熱伝達によ
る外部加熱であり、表面から水分が油と置換し脱水しつ
つ、内部へ熱が伝導していくので、衣はサックリとした
食感となる。電子レンジ加熱で具材から発生する水蒸気
により衣が湿るのは当然のことであり、回避し得ない現
象である。従来技術が電子レンジ加熱によってもフライ
食品らしい特徴を食品に付与するという課題の解決を試
みたものであっても本質的解決ではなく、あくまでも劣
化の程度を若干抑制するにとどまっているのは上記加熱
メカニズムの相違に理由がある。このため、従来上市さ
れている冷凍フライ食品類は電子レンジ対応とうたって
いるものの専らオーブン調理との併用品に限られてい
た。オーブン調理では、電子レンジ調理に比べ、衣材の
吸湿、軟化を抑制することが可能である。それは、オー
ブン加熱が輻射熱、熱伝導等による外部加熱であり、食
品の表面から加熱されるため食品の被覆材である衣が脱
水し易い状態にさらされていることによる。しかし、オ
ーブン加熱では油揚げ加熱に比べれば熱伝達が著しく低
く、かつ、水と置換し得る媒体である油が存在しないた
め、衣の乾燥(脱水)が促進されず、具材からの水蒸気
発生が多い場合は、衣は吸湿し、軟化する。更にオーブ
ン中で食品の裏(下面)には具材からのドリップがたま
り易い一方、食品の上面には具材からの水蒸気がこもり
易い。
【0006】これらの問題点は、加熱調理対象が冷凍品
の場合は更に深刻となる。冷凍処理、冷凍保存中により
生成した氷結晶が水蒸気の集中を生じ、かつクッキング
時間を長くするからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の実情に鑑み、電子レンジ又はオーブンで加熱調理
しても、衣が吸湿、軟化することがなく、かつ衣のパン
クも生じずフライ食品特有の食感及び外観を保持する油
ちょう済フライ食品を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成する本
発明は、具材をバッターで少なくとも被覆し、油ちょう
した食品の少なくとも衣部に径0.1〜5mmの開孔を
有する電子レンジ又はオーブン調理用油ちょう済フライ
食品である。又、本発明は、具材を、油溶性物質5〜5
0重量%と、水和性難溶高分子類40〜85重量%と、
増粘性可溶高分子0.8〜10重量%とを含有する衣材
よりなるバッターで少なくとも被覆し、油ちょうした食
品の少なくとも衣部に径0.1〜5mmの開孔を有する
冷凍又は冷蔵状態の電子レンジ又はオーブン調理用油ち
ょう済フライ食品であり、又、好ましい態様では上記バ
ッター被覆の上にパン粉類を被覆させ油ちょうした、電
子レンジ又はオーブン調理用油ちょう済フライ食品であ
る。又、本発明はかかる衣材自体であって、油溶性物質
5〜50重量%と、水和性難溶性高分子40〜85重量
%と、増粘性可溶高分子0.8〜10重量%とを含有す
る、電子レンジ又はオーブン調理用油ちょう済フライ食
品用の衣材である。
【0009】電子レンジ調理では前述したように誘電加
熱によるいわゆる内部加熱であるため、フライ食品の衣
のみを選択的に加熱することは不可能である。従って、
電子レンジ対応のフライ食品を実現するための課題は、
具材が加熱され発生する水蒸気からいかに衣を保護する
かである。即ち、この衣は電子レンジ加熱前に実施する
プリフライ処理によって、実際に油揚げされて形成され
たものであって、電子レンジ加熱により揚げ色等が付与
されるものではなく、電子レンジ加熱によっては衣はフ
ライ食品らしさを喪失する方向で劣化するのみである。
従って、この劣化程度を最小限に抑えるとともに、劣化
を考慮に入れて、予めプリフライ時に比較的硬く強固な
構造を構築しておくことが重要となる。
【0010】従来のフライ用バッターでは澱粉が主体で
あったためフライにより衣組織がポーラス状となり、又
水分と油脂との置換による脱水程度が充分でないため、
具材から発生する蒸気からの吸湿を阻止できなかった。
一方、衣の軟化を防ぐべく衣を厚くすればゴム状の食感
となり、又、電子レンジ調理中のパンクの問題も生ず
る。
【0011】本発明の好ましい態様による衣では、プリ
フライ処理中に、増粘性可溶高分子によりバッターの固
化促進、即ち脱水促進を図り、かつ油溶性物質を併存さ
せることで、ポーラス状でなく薄層状の構造を形成し、
衣の水分を油脂と置換して脱水を促進し衣組織を疎水性
化する。衣のボディは水和性難溶高分子により形成する
が、増粘性可溶高分子の作用により薄層状の構造となる
ため食感が比較的軽く、又疎水性化傾向を有するため吸
湿しにくい。
【0012】電子レンジ処理前の段階では、食感上若干
硬いが、電子レンジ処理を経ることでフライ食品のサク
ッと軽い食感に変わる。更に本発明に係る衣には開孔処
理が施されており、この孔を介して具材からの蒸気を効
果的に外部へ排出し、内部へたまるのを防止することが
できるので、電子レンジ処理中の衣のパンクも大幅に低
減し得る。又、この衣はオーブン調理にも対応できるも
のである。
【0013】前述、本発明に係る衣材の必須成分はいず
れも公知のものを用い得るので特に特殊な成分を必要と
するものでないが、各成分を特定配合比で混合すること
により、電子レンジ加熱によってもクリスピー感を保持
することがはじめて可能となる。
【0014】以下、本発明の好ましい態様について詳述
する。
【0015】まず、本発明の対象であるフライ食品とは
鳥獣肉類、魚介類、野菜類等の食品素材を具材とし、こ
れに衣材としてバッターをつけ油ちょうしたものであれ
ばよく、フライ食品の大きさ、形状等の形態は問わな
い。又、衣材はバッター一層でもよいし、バッターにパ
ン粉類を被覆したものであってもよく、更にプレバッタ
ー、打粉等による衣下地層等を設け多層構造としたもの
でもよい。
【0016】例えば、クリームコロッケ、ポテトコロッ
ケ等のコロッケ類、エビフライ、トンカツ、チキンカ
ツ、メンチカツ等のフライ・カツ類、エビ天ぷら、あじ
天ぷら、野菜天ぷら等の天ぷら類、チキンナゲット等
の、ナゲット類等が包含される。この他、はるさめやビ
ーフンを付着させた変り揚げ等も含まれる。
【0017】又、本発明のフライ食品は喫食に際し、フ
ライ処理ではなく電子レンジやオーブンで加熱調理され
ることから、簡便性、即席性が重視されるので、フライ
食品の形態としては一口大のものが好適である。又、一
口大であれば加熱調理に時間を要さないので、具材から
の水蒸気発生量が過剰となったり、又集中することもな
い。このため衣部を通過する蒸気量も少なく、衣のクリ
スピー感の保持に有効である。次に油ちょう済とは、フ
ライ食品がほぼ可食状態となるまで油揚げ処理により加
熱されていることをいうが、この油ちょうはいわゆるプ
リフライであり、少なくとも衣材が固化する程度から具
材に火が通る程度までの油揚げをいう。尚完全に具材に
火が通ったものに限られない。
【0018】電子レンジ又はオーブン調理用とは、喫食
に際して、油揚げすることなく、電子レンジ又はオーブ
ンで加熱調理することをいう。電子レンジは一般に家庭
で用いられる小型レンジや、業務用大型レンジを含み、
又オーブンはガスオーブン、電気オーブン、グリル、オ
ーブントースター等を含む。この他、電子レンジとオー
ブンの両機能を具備するオーブンも当然に含まれる。こ
のような手段により調理される前のフライ食品は冷凍又
は冷蔵状態である。冷凍は氷点下から冷凍食品の品温で
ある−18℃以下の温度、冷蔵は一般にチルドといわれ
る温度帯である。プリフライされたフライ食品の衣の良
好な食感、外観を保存中にも、有効に保持できるという
点では、−18℃以下の冷凍品が好ましい。チルドでの
長期間保存は困難であり、又保存中に具材からの水分移
行により衣が吸湿軟化し易いので、場合により採用され
ない。
【0019】次に本発明に係る衣材について説明する。
【0020】衣材とはバッターを調製する前の衣原料、
即ちバッターから水を除いた残りをいい、本発明におい
て特に好ましいものでは油溶性物質5〜50重量%、水
和性難溶高分子40〜85重量%、増粘性可溶性高分子
0.8〜10重量%を含有する。尚、衣材はミックスの
形態とするものに限らず、バッター調製前に別個に用意
したものであってもよい。この衣材の特徴は増粘性可溶
性高分子と油溶性物質の配合比が公知のフライ用のバッ
ター原料に比べ大きいことであり、その主たる目的は、
バッター粘度調整と加熱時のバッター脱水固化(構造
化)の機能を増粘性可溶性高分子に果たさせることによ
り薄層類似構造を構築するとともに、増粘性可溶高分子
により形成される本来含気が少なく密な構造の連続相が
塊化するのを防ぎ、薄層化を促進し、水と油の置換を更
に促進する機能を油溶性物質に果させることにある。
【0021】これにより電子レンジ又はオーブン加熱に
対する耐性を大幅に強化でき、衣の吸湿、軟化を著しく
抑制し、フライ食品としての官能特性の保持が可能とな
る。この衣材を用いて通常のフライ食品を作ると衣が硬
く、クリスピー感に乏しいフライ食品となるので、従
来、上記の知見に基づく衣が構成されたことはない。通
常、フライ用に用いられるバッター原料は澱粉が主体で
あり、これに増粘剤や蛋白質を添加しているものが多
い。澱粉主体のバッターでは加熱時固化は澱粉により達
成され、又、粘度調整にも澱粉は大きく関与する。
【0022】澱粉主体のバッターはフライ処理によりポ
ーラス状の構造となり易く、ソフトな食感を与えるのに
効果がある。その一方、ポーラス状の構造であるためフ
ライ後に吸湿し易く、特に電子レンジ調理により吸湿、
軟化が著しくなり、電子レンジ対応フライ食品への適用
には問題がある。
【0023】増粘性可溶高分子と油溶性物質を衣の構造
化に大きく関与させることで、はじめて電子レンジ対応
が可能となる。但し、増粘性可溶高分子と油溶性物質だ
けでは衣のボディーが形成できないため、水和性難溶高
分子を併用する。増粘性可溶高分子は水溶性であって、
バッター中で分散する水和性難溶高分子と均一に接触
し、系全体に連続相として存在しているが、バッターが
固化する際、即ちフライ中に水和性難溶高分子が糊化
し、脱水(油と置換)し、衣のボディーを形成していく
際に増粘性可溶高分子の存在により脱水が急激に進行
し、その過程で衣の構造を薄層化していく。脱水、水油
置換の急激さがフィルム状の構造を形成する。この作用
は構造性のない非増粘性可溶高分子や増粘性でも不溶性
高分子では達成されない。従って、増粘性可溶高分子に
よるバッターの固化を達成するには増粘性可溶高分子の
溶解した液相が連続的にバッター内に存在する量が必要
であるが、量的に衣材の主原料が増粘性可溶高分子にな
ることはなく、衣材中0.8〜10重量%の含有率が適
当であり、好ましくは2〜6重量%である。増粘性可溶
高分子が0.8重量%より少ないと増粘性可溶高分子に
よる構造化が達せられず、衣の吸湿を阻止できない。1
0重量%を越えれば増粘性可溶高分子による構造化が進
みすぎ衣が硬くなり、クリスピー感を損う。又、バッタ
ー調製時にバッターの粘度が高くなりすぎ、具材への付
着量が過剰となるか、あるいは、バッターを適正粘度と
すればバッター中の固形分量が減り具材への付着量が不
充分となる。従来から、増粘性可溶高分子としてのガム
質は場合によりフライ用食品のバッターに添加されてい
たが、その目的は専らバッターの粘度付けであり、従っ
てその量は極めて少なく、特殊な場合でも衣材中高々1
〜2%重量%程度に限定される。ガム質が過剰となれば
フライ食品の衣がかりかりした硬いものとなるからであ
る。本発明においても場合により、増粘性可溶高分子1
〜2重量%で足りることがあるが、その場合でも従来の
フライ用食品の衣材とは全体として全く相違している。
つまり、本発明における増粘性可溶高分子の機能はバッ
ターの粘度付けばかりでなく、バッターの脱水構造化に
おいても重要であり、この点において相違する。従来の
衣材では澱粉が主体であるため、ガム質が過剰であれば
ポーラス状の衣構造が潰れて、硬くゴム状になる可能性
があるためガム質によるバッターの固化作用を発揮させ
る程、ガム質を添加できないのに対し、本発明における
衣材では油溶性物質が衣の構造化を促進し過度に衣が硬
化するのを防止することができるため、増粘性可溶高分
子にバッター固化作用を発揮させる程添加しても弊害は
ないばかりか、更に添加量を増加することが好ましい。
【0024】この観点から本発明においては衣材中、油
溶性物質/増粘性可溶高分子(重量比)=5〜13、好
ましくは8〜10、油溶性物質+増粘性可溶高分子(重
量和)=25〜45重量%、好ましくは30〜40重量
%程度であると、増粘性可溶高分子機能を有効に発揮さ
せることができる。
【0025】本発明において用いることのできる増粘性
可溶高分子(以下、増粘材という)としては、グアーガ
ム、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸ソー
ダ、ローカストビーンガム、アラビアガム、トラガント
ガム、カラヤガム等のガム質等、水溶性高分子のうち、
増粘性を有するものであり、これらの1種又は2種以上
を用いることができる。増粘材自体がゲル化能を有する
かどうかは問わない。又増粘性としては1%溶液(20
℃)で100〜300cP程度のものがよい。増粘性の
他に乳化安定性を有する例えば、キサンタンガムやアラ
ビアガム等を用いると衣材中の乳化剤の添加を低減し得
るが、いずれにせよ乳化剤は通常添加されるので増粘材
自体の乳化安定を問題とする必要はない。
【0026】次に、衣材に含まれる油溶性物質は衣材
中、5〜50重量%、好ましくは15〜40重量%であ
る。油溶性物質は衣組織のゴム状化を防止し衣の吸湿性
を低減させる効果がある。バッターが固化する際には、
溶解した増粘材が水和した水和性難溶高分子にからみ合
った状態で脱水固化が進行し比較的硬い衣組織を形成す
るが、油溶性物質の存在により、衣組織の薄層状化が促
進され組織の圧縮化、ゴム化を防ぐことができる。又、
衣組織の脱水(水と油脂との置換)を促進するため、衣
の組織の疎水性化を図ることができ、衣の吸湿性を低減
させる。油溶性物質が少なければ上記の効果が少なく、
多過ぎれば衣が脆弱化し、又フライ中に形崩れを起こす
ことがある。
【0027】本発明で用いることのできる油溶性物質
(以下、油溶物という)としては、粉末油脂、液状半固
形油脂等の油脂が代表的であり、油脂の原料由来や加工
法、構成油脂等を問わない。又半固形〜固形油脂であっ
てもバッター調製中に均一に分散し得るものであれば制
限なく用い得る。衣材のミックスとして水和性難溶高分
子に練り込めるものであれば、均一に油脂が分散してバ
ッターを調製できるため問題はない。逆に衣材ミックス
の状態からこれに加水し、バッターを調製する場合は、
液状油脂であればミックスが塊となり易いので、半固形
油脂等の方が好ましい。又、フライ処理後の衣の安定性
は融点の高い油脂を用いる程高くなるため、半固形油脂
等が好適である。油脂含量が高くなれば練り込める油脂
には限界があるので、粉末油脂を一部又は全部用いると
よい。
【0028】粉末油脂は融点が室温以上であり、安定性
も高いので衣の安定性に寄与する。尚、粉末油脂には油
脂のみを粉末化したもので加熱により完全溶解するも、
賦形剤とともに粉末化され加熱しても完全溶解しないも
のがあるが、前述した油脂の効果を発揮させるためには
完全溶解形のものが好ましい。又油溶性物質にはHLB
の低い乳化剤も包含される。
【0029】次に、水和性難溶高分子であるが、衣材中
40〜85重量%、好ましくは50〜70重量%含有さ
せる。水和性難溶高分子は衣のボディーを構成するもの
であり、量的には主原料となるものである。
【0030】水和性難溶高分子(以下構造材という)と
しては、水和性の難溶及び不溶の高分子で糊化能のある
もので、用い得るものとしては穀粉類、澱粉類が代表的
であるが、蛋白質類も包含される。澱粉類としては、焙
焼小麦粉、薄力小麦粉、中力小麦粉、強力小麦粉、大麦
粉、ライ麦粉、米粉、とうもろこし、じゃがいも等の穀
類系の澱粉等の1種又は2種以上が挙げられる。蛋白質
類としては粉末植物性蛋白等である。本発明においては
バッターの粘度付けと固化作用を増粘材の機能として構
成しているので、増粘性をそれほど考慮する必要はな
い。又、穀粉類として、蛋白質含量の高いものを用いれ
ば衣のサクさが劣化し易いので、焙焼小麦粉等が好まし
い。一方、ポテトスターチ等の澱粉のみを用いれば衣の
まとまりが悪くなる。
【0031】構造材の含有量が少なければ衣のボディー
が形成されにくく、フライ中に形崩れを起こしたり、衣
が脆弱化する。一方含有量が多過ぎれば衣構造がポーラ
ス状となり、吸湿し易くなり電子レンジ対応が困難とな
る。
【0032】本発明に係る材料は、以上説明した油溶
物、構造材、増粘材の3成分を必須とするが、この他必
要によりグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エス
テル等の乳化剤や炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム
等の食感改良を目的とした製造用剤、調味料等を添加し
てもよい。
【0033】乳化剤は衣材当り1〜5重量%程度、食感
改良を目的とした製造用剤は衣材当り1〜5重量%程度
でよい。乳化剤は衣材中の油脂量が多い場合は特に有効
であり、又フライ中の油の衣組織への浸透等を促進す
る。
【0034】この衣材は電子レンジ又はオーブン調理用
油ちょう済フライ食品に好適である。フライ食品は冷
凍、冷蔵に限らず広く適用できる。
【0035】次に、この衣材を用いた油ちょう済フライ
食品の製造方法を説明する。
【0036】まず、衣材に水を加えバッターを調製す
る。水の他にも牛乳やスープ等も用い得る。バッターの
粘度はB型粘度計で3500〜6000cP好ましくは
4500〜5000cP(ローター3、12rpm、2
0℃)が標準であるが、目的とするフライ食品の種類等
により適宜調製する。加水量は衣材重量の4〜8倍程度
が普通であるが、衣材の配合等により適宜調製する具材
に付着するバッター量は製品重量(油ちょう済)の20
〜30重量%が目安となるが、具材の大きさ、形状等に
より適宜調製する。バッター粘度が低いと具材への付着
量が少なくなり、充分な衣を形成できず、又、粘度が高
すぎれば付着量が過剰となり、厚くなった衣はゴム状と
なり易い。
【0037】バッターの調製は、常法に基づき実施が可
能である。要は衣材中の油脂成分がバッター中で均一に
分散されればよい。
【0038】粉末油脂や、衣材ミックスを用いた場合は
油脂の分散が容易である。液状油脂を用いた場合は、ホ
モゲナイザーで油脂を乳化し、水中油滴型の乳化物を調
製する。ここで、バッター中の油脂粒子の大きさは小さ
い方が油脂の組織中への分散が促進されるので好まし
い。
【0039】具材はまず所望の形状に成型し、上記のバ
ッターを全面に付着させる。ここで、具材に直接バッタ
ーを付着させてもよいが、具材と衣の剥離防止、均一な
衣の形成、フライ時の揚げむら防止、又衣の吸湿による
軟化を抑制するために、バッターの付着前に具材全面に
打粉を施すとよい。特に、具材に含水率の高いものを用
いた場合は有効である。打粉としては小麦粉、澱粉等を
用い得るが、好ましくはパン粉類が良い。小麦粉等を用
いると粘着性を呈するので製品にした時の口当たりにサ
ックリさが失われることがある。パン粉類の粒度は20
〜40M程度がよい。ここで、打ち粉の付着量を確保す
るため打ち粉の前にプレバッターを全面に付着させると
よい。プレバッターには上記バッターと同じ衣材を用い
ることができる。但し、粘度はB型粘度計で250〜1
200cP、好ましくは800〜1000cP(ロータ
ー2、6rpm、20℃)程度がよく、加水は衣材の8
〜12倍量が適当である。又、プレバッターとして上記
衣材の他、従来のフライ用バッターを用いることもでき
るが、電子レンジ調理時のフライ食品としての食感、外
観の保持という観点からすれば、前述衣材を用いてプレ
バッターを調製することが好ましい。
【0040】プレバッターを用いた構成では、この上に
被覆したバッター(プレバッターに対しメインバッター
という)を含め2層構造の衣となる。2層構造とするこ
とで電子レンジ加熱時に具材より発生する水蒸気の影響
を受けにくくすることができ、衣のクリスピー感を効果
的に保持可能となる。同様にして場合により、3層構造
以上とすることも可能である。
【0041】いずれの場合も、衣の最外層はパン粉類で
構成するとよい。即ち、バッター(又はメインバッタ
ー)の上面には好ましくはパン粉類等を全面に付着する
とよい。本発明に係るバッターは油溶物と増粘材の比率
が相対的に高いため、該バッターを被覆しそのままフラ
イ処理すれば、付着しているバッターがフライ油中へ飛
散したり、衣の形崩れを起し、又フライ油を汚すことに
なるからである。従って、パン粉類でバッターを覆いバ
ッターを保護するとよく、又、パン粉類はバッターの外
層として形成されているので、フライ後はバッターによ
る衣によりパン粉類が具材からブロックされるためパン
粉類によるクリスピー感、サクッとした口当たりが保持
されやすく成る。最外層のパン粉類の付着量は2層構造
(プレバッター及びメインバッター使用)で製品重量
(油ちょう済)の10〜20重量%が好ましい。最外層
のパン粉類の粒度は3〜10M程度と、打粉として用い
る内層のパン粉類より大きい方が一般的フライ食品には
適するが、微粉パン粉を用いても技術的には問題ない。
【0042】パン粉類としては、針状、球状等形状を問
わず、乾燥パン粉、生パン粉を好適に用いることができ
るが、この他はるさめ、ビーフン、短冊状にした乾麺、
コーングリッツ等も用いることができる。
【0043】ナゲットタイプや天ぷらタイプのフライ食
品を調製するには、上記のパン粉類層の上に更に、適当
なバッター層を設ければよい。この場合はパン粉類層の
パン粉類の粒度は比較的小さい方がよい。
【0044】衣付けが終了したら油ちょうを行う。これ
は衣が固化し具材にも完全に又は一部火が通るまでの油
揚げ処理をいい、喫食直前の調理ではないのでプリフラ
イと称する。プリフライの温度は通常170〜220℃
でフライ時間は具材の種類、多きさ等により異なるが通
常1〜3分間程度が普通である。
【0045】この処理により衣は脱水、固化しフライ食
品特有の外観を呈することとなる。プリフライ直後の衣
は相当にガリガリする食感であり、そのままではフライ
食品として良好なものではない。喫食前の電子レンジ等
でする加熱を経ることで、良好なフライ食品の特性が発
現する。尚プリフライでなくこれを最終フライとしたも
のは、長時間衣が吸湿、軟化しないので、店頭での提供
に好適であり、そのままで商品となる。
【0046】次に、得られたプリフライ品の衣部に径
0.1〜5mm、好ましくは径0.5〜2.0mmの孔
を開ける。開孔は衣部を貫通するように行う必要があ
る。具材の表面部分にまで孔が達しても問題はなく、衣
の完全な貫通のため具材に食い込む程度の深さで孔を設
けるか、具材を貫通してもよい。この孔は、電子レンジ
又はオーブン調理時に具材から発生する水蒸気を外部へ
排出する作用効果がある。この結果、調理中に衣部がパ
ンクするのを有効に防止することができる。又、水蒸気
が効率的に排出されることから、衣の内部に蒸気がこも
ることがなく、従って衣の吸湿程度を大幅に低減するこ
とができる。開孔することなく電子レンジ等の調理をす
ると衣内側の内圧が上昇し、衣の弱いところでパンクす
るが、1ヶ所でも開孔部があれば、そこで圧力が解放さ
れるのでパンクしない。又、衣部と具材の境界面は通
常、密着しておらず、相当に空隙が生じているが、この
空隙を通じて具材から発生した水蒸気が流動し、開孔部
から抜けていく。このため、開孔部から極めて効果的に
蒸気を排除可能となる。
【0047】孔の数は具材から発生する水蒸気量に応じ
て適宜設定すればよく、通常一口大の製品では1〜20
個程度でよいが特に制限はない。孔の大きさが小さいと
上記効果が少なく、又大きすぎれば外観上識別されるこ
ととなり商品性が低下する。又大きな孔を1つ設けるよ
りは小さな孔を多く設ける方が、効果が大きいため、孔
を大きくしすぎるのは効果的でない。孔の数が多すぎた
場合は、孔の径にもよるが、衣自体が脆弱化する。
【0048】開孔手段は特に限定されることなく、単に
針を刺して開孔する程度で足りる。次に、開孔した油ち
ょう済フライ食品を凍結後、包装すれば電子レンジ又は
オーブン調理可能な冷凍食品が得られる。凍結温度は通
常の冷凍食品の温度である品温−18℃以下になるよう
な温度であるが、凍結が急速であればある程、衣内の水
分移行及び具材から衣への水分移行を抑制できるので、
フライ食品の食感を保持しやすい。又場合により冷蔵も
可能であるが冷蔵では保存中、具材から衣への水分移行
が著しく、衣の吸湿、軟化を招きやすい。
【0049】喫食に際しては、必要により電子レンジ又
はオーブンを用いて加熱する。一口大の冷凍品では電子
レンジ(500〜600W)で数個につき40秒〜数分
間程度である。オーブンでも喫食状態となるまで加熱す
ればよい。電子レンジを用いて加熱したものは、フライ
処理のみの食品と、外観、食感とも差異は認められない
程である。オーブン加熱のものでは電子レンジ加熱のも
のより若干、食感上硬くなる傾向はあるが、フライ食品
に比べ遜色ない。又、調理後も長時間、衣が吸湿、軟化
しないので、店頭における提供にも好適である。
【0050】尚、本発明に係る衣を用いずに従来のフラ
イ用バッターを用いたものに開孔した場合は上述の効果
は少なくなるが、開孔しないものに比べ開孔による効果
は有意である。従来バッターは澱粉主体であり、フライ
によりポーラス化するため、吸湿傾向が強く、又、組織
は依然、親水性傾向が強く、衣の吸湿、軟化を阻止でき
ない。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1 (具材調製)次に示す具材配合により2種類のフライ食
品用具材を調製し、各18gのたわら型に成型した。
【0052】
【表1】 ・カニクリーミーコロッケ ────────────────────────────── マーガリン・サラダ油 9.5% 小麦粉 9.5% 乳製品(濃縮乳、脱粉、チーズ) 12.0% カニ 13.0% 調味料(ブイヨン、食塩、カニエキスなど) 1.5% パン粉 5.0% 水 49.5% ────────────────────────────── 合 計 100.0%(重量)
【0053】
【表2】 ・ツナフライ ────────────────────────────── ツナフレーク 30.0% じゃがいも 35.0% 野菜(玉ねぎ、人参、コーン、グリンピース) 20.0% 調味料(マヨネーズ、食塩、カツオエキスなど) 7.0% マッシュポテト 5.0% サラダ油 3.0% ────────────────────────────── 合 計 100.0%(重量) (バッターの調製)次に示す衣材配合によりミックスを
調製し、該配合のミックスを水でのばし、プレバッター
は粘度1000cP(B型粘度計、ローター2、6rp
m、20℃)、メインバッターは粘度4500cP(B
型粘度計、ローター3、6rpm、20℃)に調製して
使用した。4500cPに調製するには、ミックスと水
をおよそ2:8の割合で混合する。1000cPに調製
するには、およそ1:9で混合する。
【0054】
【表3】 ・電子レンジ調理用衣材 ────────────────────────────── 焙焼小麦粉 60.5% 粉末油脂 30.0% グリセリン脂肪酸エステル 3.0% 炭酸カルシウム 3.0% グアーガム 1.8% キサンタンガム 1.7% ────────────────────────────── 合 計 100.0%
【0055】
【表4】 ・澱粉主体衣材(従来例) ────────────────────────────── 小麦粉 87.0% 植物油脂 11.0% 食塩 0.8% 卵 0.8% グアーガム 0.4% ────────────────────────────── 合 計 100.0% (油ちょう済フライ食品の調製)試験サンプルは次の5
つである。 実施例A1 ガム類を多く使用したバッターを用い、プリフライ後、
衣に開孔して凍結し、電子レンジ調理したもの。 実施例A2 澱粉主体のバッターを用い、プリフライ後、衣に開孔し
て凍結し、電子レンジ調理した物。 比較例B 澱粉主体のバッターを用い、製品を凍結し、ディープフ
ライ調理した物。(従来フライ品) 比較例C 澱粉主体のバッターを用い、プリフライ後、衣に開孔し
ないで凍結し、電子レンジ調理した物。 比較例D ガム類を多く使用したバッターを用い、製品を凍結し、
ディープフライ調理した物。 比較例E ガム類を多く使用したバッターを用い、プリフライ後、
衣に開孔しないで凍結し、電子レンジ調理した物。
【0056】尚、電子レンジ調理した物は、あらかじ
め、凍結前にプリフライしてある。
【0057】実施例Aの調製工程を次に示す。 具材調合→成型:18g/個(たわら型)→プレバッタ
ー:粘度1000cP(B型粘度計、ローター2、6r
pm、20℃)→微粉付け:微粉パン粉(40M)→メ
インバッター:粘度4500cP(B型粘度計、ロータ
ー3、6rpm、20℃)→パン粉付け:乾燥パン粉
(8M)→プリフライ:190℃、2分30秒(製品重
量30g/個:衣率40%)→開孔:直径1.5mm、
たわら型の上面、下面のそれぞれに6個の孔を開ける。
→凍結:−18℃(製品温度)→包装→電子レンジ調
理:600W、40秒 比較例B〜Eは具材調合からパン粉付けまでは実施例A
と同じ条件で実施し、それ以降の操作をそれぞれ次の通
りとした。比較例B、D 凍結:−18℃(製品温度)→包装→ディープフライ:
175℃、3分比較例C、E プリフライ:190℃、2分30秒→凍結:−18℃
(製品温度)→包装→電子レンジ調理:600W、40
秒 (官能評価)調理後2分維持した時点で衣について実施
した評価結果を次に示す(パネラー20人による5点評
価法)
【0058】
【表5】 上記表に示したように、ガム質、油脂の多いバッターを
用い開孔し、電子レンジ調理したものでは、具材から蒸
発した水分は、衣に開けた孔から外部に出てゆき、衣の
湿りも、パンクも発生せず、衣はサクッとしており、大
変良い食感であった。Bのディープフライの物と同じよ
うな食感であった。
【0059】開孔しないで冷凍した後、電子レンジで調
理したEでは、クリスピー性がでるが、衣がパンクして
外観が悪かった。又、同じ衣で、ディープフライしたD
では衣が硬く、クリスピー性がでないので食感が悪かっ
た。澱粉主体バッターを用いたものでは、衣が湿ってク
リスピー性がでない傾向があるが、開孔したことによる
改良効果は認められた。 実施例2 実施例1と同じ要領で、具材として豚肉(トンカツ用)
を用い、凍結した具材に下記の配合からなる2種類のバ
ッター(メインバッター)を用いて衣付けし、190℃
3分間プリフライ後、電子レンジ調理対応衣材を用いた
ものには直径1.0mmの孔を上下面のそれぞれに4個
開けて凍結した。
【0060】尚、バッターの加水は衣材100に対して
水700程度とし、バッター粘度は実施例1とほぼ同じ
に調整した。
【0061】
【表6】 ・電子レンジ調理対応衣材 ────────────────────────────── 小麦粉 32.0% タピオカ澱粉 26.0% 粉末植物性蛋白 9.0% 植物油脂 27.5% ローカストビーンガム 2.5% グァーガム 2.0% カラギナン 1.0% ────────────────────────────── 合 計 100.0%
【0062】
【表7】 ・従来トンカツ用衣材 ────────────────────────────── 小麦粉 85.0% ベーキングパウダー 3.5% 植物油脂 4.5% 卵 7.0% ────────────────────────────── 合 計 100.0% 得られた調製品を実施例1と同様の要領で評価したとこ
ろ、電子レンジ調理対応衣材を用いたものは、外観、衣
の食感、風味とも良好で、クリスピー性があり、大変良
い食感であった。一方トンカツ用衣材を用いたものでは
衣が湿ってクリスピー性がなく、食感が悪かった。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、食感の良い衣とし
て特に、増粘材、油溶物主体のバッター(主体とは作用
効果上の主体)を用い、かつ、衣に開孔することによ
り、電子レンジで加熱すると具材から蒸発した水分は、
衣に開けた孔から外部に出ていき衣の湿りも、パンクも
発生せず衣はサクッとした良い食感を維持することがで
きる。又、この衣はオーブン加熱にも対応するものであ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 具材をバッターで少なくとも被覆し、油
    ちょうした食品の少なくとも衣部に径0.1〜5mmの
    開孔を有する電子レンジ又はオーブン調理用油ちょう済
    フライ食品。
  2. 【請求項2】 具材を、油溶性物質5〜50重量%と、
    水和性難溶高分子40〜85重量%と、増粘性可溶高分
    子0.8〜10重量%とを含有する衣材よりなるバッタ
    ーで少なくとも被覆し、油ちょうした食品の少なくとも
    衣部に径0.1〜5mmの開孔を有する冷凍又は冷蔵状
    態の電子レンジ又はオーブン調理用油ちょう済フライ食
    品。
  3. 【請求項3】 油溶性物質5〜50重量%と、水和性難
    溶高分子40〜85重量%と、増粘性可溶高分子0.8
    〜10重量%とを含有する、電子レンジ又はオーブン調
    理用油ちょう済フライ食品用の衣材。
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