JPH05322480A - 耐食性熱交換器の製造方法 - Google Patents

耐食性熱交換器の製造方法

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JPH05322480A
JPH05322480A JP15887592A JP15887592A JPH05322480A JP H05322480 A JPH05322480 A JP H05322480A JP 15887592 A JP15887592 A JP 15887592A JP 15887592 A JP15887592 A JP 15887592A JP H05322480 A JPH05322480 A JP H05322480A
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敬三 風間
Iwao Sato
巌 佐藤
Taneharu Shinpo
胤治 新保
Katsuhiko Takada
勝彦 高田
Takaaki Sakane
高明 阪根
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Denso Corp
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィン付き銅及び銅合金製のチューブからな
る自動車用熱交換器の耐食性を向上させること、特にフ
ィンの耐食性を改善し、融雪剤或いは海塩粒子による腐
食を防止する。 【構成】 フィン等の表面に薄いアルキルイミダゾール
と当該フィン中の銅元素との錯体化合物被膜を設ける製
造方法として、フィンをチューブに装着後に組み立て物
に被膜を0.1〜10μmの厚さに形成させることを特
徴とし、さらに一定条件の加熱処理により効果を向上さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は銅及び銅合金製のチュー
ブとフィンよりなるコアを用いた自動車用熱交換器に関
し、特にフィンの耐食性を改善し、長期にわたって熱交
換機能を保持出来るようにした熱交換器の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車の熱交換器は熱放散性、強度、耐
食性及びハンダ付け性が優れる銅合金が広く用いられて
いる。チューブには少量のPを含有する耐脱亜鉛腐蝕性
が改善された65/35黄銅条が用いられている。この
黄銅条はロールフォーミング加工によってチューブ形状
に成形されハンダ付け、あるいは溶接され、これと同時
かまたは後に外面は溶融ハンダメッキされる。フィンに
は微量のZn、Ni等を含有する耐腐食性が改善された
稀薄銅合金条が使われている。この銅合金条はルーバを
付けられたり、曲げ加工を経た後、外面がハンダで覆わ
れたチューブに挾まれるようにしてコアが組み立てられ
る。組み立てられたコアにフラックスを塗布した後加熱
してチューブとフィンをハンダ接合してコアが製造され
ている。
【0003】このように耐食性を改良した銅合金が使わ
れているにも拘らず、近年融雪剤、あるいは海塩粒子に
よる腐食損傷が問題となって来ている。
【0004】一方、銅あるいは銅合金の表面に2−ウン
デシルイミダゾール及びその誘導体の塩を含む溶液で被
膜形成することは開示されている(特公昭46−170
46号公報参照)。また、アルキルイミダゾールと酸と
水と有機溶媒との混合溶液を塗布して加熱処理を行う熱
交換器フィン用部材の製造方法は開示されている(特開
平1−184289号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】腐食環境の悪化等から
腐食損傷の問題は深刻化してきているが、開示されてい
る製造法では、コア製造時に使用されるハロゲン化物含
有フラックスによる損傷はまぬがれない。このことか
ら、この改善をするとともに、一層の長期耐食性の確保
が要求されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、本発明の熱交換器の製造方法は、チューブにフィン
を装着してコアを形成した銅合金製組み立て物をアルキ
ルイミダゾールおよび酸を含む溶液に接触させて、0.
1〜10μmの厚さに銅とアルキルイミダゾールとの錯
体化合物被膜を形成することからなる。
【0007】銅合金製組み立て物をアルキルイミダゾー
ルを含む溶液に接触させた後で室温〜350℃で20秒
から60分加熱処理することにより効果があるが、80
〜250℃で20秒から60分加熱処理することがより
効果的である。
【0008】アルキルイミダゾールとしてはアルキル基
がデシル基、ウンデシル基、ドデシル基などの長鎖アル
キル基を用いるのが良い。酸は塩酸、硫酸、酢酸等が使
用出来る。溶媒は水でも水と有機溶剤の混合溶液でもよ
い。
【0009】
【作用】アルキルイミダゾールは常温では水には殆ど溶
けない。しかし酸溶液にはイオン化して溶解する。イオ
ン化したアルキルイミダゾールはCuと強い反応性を示
し、フィンやチューブの銅合金の構成金属元素であるC
uと錯体を形成し、フィンやチューブの表面に単分子膜
を作る。この単分子膜の上に、溶解しているアルキルイ
ミダゾールが長鎖のアルキル基による物理吸着により次
々と結合し、またイミダゾール同士の水素結合により膜
は成長する。さらに、被膜形成後に加工することがない
から、被膜が損なわれないので、被膜形成前のフィン材
に被膜を形成する場合に対し、同等以上のフィン強度が
得られる。
【0010】このように形成された錯体化合物被膜は腐
食にたいして電気化学的に抵抗膜として働き、フィンや
チューブを腐食から守る。膜の厚みを0.1〜10μm
に限定したのは、0.1μm未満では抵抗膜としての働
きが充分でなく、10μmを越えると錯体化合物被膜が
断熱被膜として働き、熱交換効率を損なう為である。
【0011】また、上記被膜に熱処理を加えると耐食性
は向上するが、この理由はあきらかでないものの、Cu
とイミダゾールの結合が強固になり抵抗膜としての働き
は増すことによると考えられる。この場合、熱処理条件
は、室温より高く350℃以下、望ましくは80〜25
0℃で20秒から60分がよい。350℃以下に限定す
るのは、350℃を越えるとアルキルイミダゾールが分
解してしまうからである。また20秒未満の加熱では反
応は不充分であり60分を越えて加熱すると錯体化合物
が酸化し耐食性が劣化するからである。さらに、80〜
250℃が望ましいのは、耐食性効果がより優れるのみ
ならず、振動、冷熱などの衝撃に対しより耐久性を有す
るからである。
【0012】
【実施例】
【0013】[比較例1]1%のZnと0.02%のN
iを含有する板厚0.04mmの銅条を2−ウンデシル
イミダゾールが重量にて1%と、酢酸が重量にて1.5
%含む40℃の水溶液に30秒間浸漬し、引き上げたの
ち水洗いし乾燥して、常法に従ってフィン形状に成形し
た。一方、0.02%のPと35%のZnを含有する板
厚0.11mmの黄銅条を用いてチューブを成形し、3
20℃で5分間加熱してフィンをハンダ接合し、自動車
用ラジエータコアを形成した。さらに、コアのチューブ
両端に座板を設けた。
【0014】このようにして製造された自動車用ラジエ
ータコアのフィン表面の被膜厚みは0.15μmであっ
た。
【0015】腐食試験は、このコアを50℃の槽内に置
き、5%食塩水を1時間噴霧し、つぎに温度は変えずに
相対湿度を85%として23時間放置するサイクル試験
を60サイクル実施した。
【0016】腐食の度合いはフィンの強度の劣化から求
めた。つまり対向する2本のチューブの間に3ピッチ以
上のフィンが残るようにサンプルを採取し、引張り試験
機にて3ピッチの引張り強度を測定した。腐食試験前の
それは37kgfであり、腐食試験後は23kgfであ
った。
【0017】[実施例1]0.02%のPと35%のZ
nを含有する板厚0.11mmの黄銅条を用いてチュー
ブを、1%のZnと0.02%のNiを含有する板厚
0.04mmの銅条を用いてフィンを作成し、常法に従
って自動車用ラジエータコアを製造した。これを2−ウ
ンデシルイミダゾールが重量にて2%と、酢酸が重量に
て2%含む50℃の水溶液に30秒間浸漬し、引き上げ
たのち水洗し乾燥して腐食試験に供した。この時の膜の
厚みは重量法によって求めると0.7μmであった。腐
食試験前、後の強度はそれぞれ38kgf、26kgf
であった。
【0018】[実施例2]実施例1で得た乾燥後のコア
に60℃で15分間の熱処理を加えて比較例1と同様な
腐食試験に供した。腐食試験後の強度は27kgfであ
った。
【0019】[実施例3]実施例1で得た乾燥後のコア
を200℃に保たれたオーブンに入れて15分間の熱処
理を加えて腐食試験を比較例1と同様にして行った。腐
食試験後の強度は34kgfであった。
【0020】[実施例4]実施例1で得た乾燥後のコア
を300℃に保たれたオーブンに入れて15分間の熱処
理を加えて腐食試験を比較例1と同様にして行った。腐
食試験後の強度は27kgfであった。
【0021】[実施例5]実施例1と同様にして組み立
てられたコアを2−ウンデシルイミダゾールが重量にて
3%と、塩酸が重量にて1%含まれる25℃の水溶液に
45秒間浸漬し、引き上げたのち水洗し乾燥して比較例
1と同様な腐食試験に供した。この時の膜厚は0.3μ
mであった。腐食試験後の強度は24kgfであった。
【0022】[実施例6]実施例1で得た乾燥後のコア
を180℃に保たれたオーブンに入れて1分間の熱処理
を加えて腐食試験を比較例1と同様にして行った。腐食
試験後の強度は32kgfであった。
【0023】[比較例2]実施例1と同様にして組み立
てられたコアをそのまま比較例1と同様な腐食試験に供
した。腐食試験後の強度は16kgfであった。
【0024】[比較例3]実施例1と同様にして組み立
てられたコアを2−ウンデシルイミダゾールが重量にて
3%と、塩酸が重量にて1%含まれる25℃の水溶液に
10秒間浸漬し、引き上げたのち水洗し乾燥して比較例
1と同様な腐食試験に供した。この時の膜厚0.05μ
mであった。腐食試験後の強度は19kgfであった。
【0025】[比較例4]実施例1で得た乾燥後のコア
に360℃で5分間の熱処理を加えて比較例1と同様な
腐食試験に供した。腐食試験後の強度は21kgfであ
った。
【0026】以上の結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、組立後のコアに被膜形成が0.1〜10μ
mの厚さに形成され、従来の熱交換器の耐食性を著しく
向上し、さらに組立前のフィン材に被膜形成する場合と
同等以上のフィン強度が得られ、融雪剤、あるいは海塩
粒子による悪化した腐食環境においても耐食性に優れた
熱交換器が得られる。特に板厚の薄いフィンに当該金属
元素とアルキルイミダゾールとの錯体化合物被膜を設け
ることにより、熱放散性を損なわずに、経済的に耐食性
を著しく向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新保 胤治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 高田 勝彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 阪根 高明 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チューブにフィンを装着してコアを形成
    した銅合金製組み立て物をアルキルイミダゾールおよび
    酸を含む溶液に接触させて、0.1〜10μmの厚さに
    銅とアルキルイミダゾールとの錯体化合物被膜を形成す
    ることを特徴とする熱交換器の製造方法。
  2. 【請求項2】 銅合金製組み立て物をアルキルイミダゾ
    ールを含む溶液に接触させた後で室温〜350℃で20
    秒から60分加熱処理することを特徴とする請求項1に
    記載の熱交換器の製造方法。
  3. 【請求項3】 銅合金製組み立て物をアルキルイミダゾ
    ールを含む溶液に接触させた後で80〜250℃で20
    秒から60分加熱処理することを特徴とする請求項1に
    記載の熱交換器の製造方法。
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