JPH05320565A - 水性被覆組成物 - Google Patents

水性被覆組成物

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JPH05320565A
JPH05320565A JP3094804A JP9480491A JPH05320565A JP H05320565 A JPH05320565 A JP H05320565A JP 3094804 A JP3094804 A JP 3094804A JP 9480491 A JP9480491 A JP 9480491A JP H05320565 A JPH05320565 A JP H05320565A
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修 菊池
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恭子 角谷
Akio Hiraharu
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Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 α,β−不飽和カルボン酸5〜60重量%、
(メタ)アクリル酸アルキルエステル30〜90重量
%、および他の単量体0〜65重量%からなる単量体を
乳化重合して得られる水性共重合体ラテックスに等電点
がpH4以上、かつ等電点以下で陽性の表面電荷を有す
る金属化合物を分散してなる水性被覆組成物。 【効果】 本発明の水性被覆組成物は、Znイオンなど
の重金属架橋剤を含有しないために、近年問題となって
いる環境汚染、安全・衛生上の危険性などが極めて少な
く、さらに従来のZnイオンなどの重金属架橋剤を用い
た水性被覆組成物以上の耐久性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木材、プラスチック、
セラミック、金属などのコーティング剤に利用でき、特
にビニル系、木材系などの床材、プラスチック用コーテ
ィング剤に好適に使用できる、耐久性、アルカリ除去性
に優れた水性被覆組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の床材、プラスチック用水性被覆組
成物は、共重合体エマルジョン、ワックスおよびアルカ
リ可溶性樹脂を主成分とするものであり、このほか湿潤
剤、乳化剤および分散剤、Znイオンなどの多価金属水
溶液を含有するものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、従来
の水性被覆組成物は、適用する場所によっては耐久性が
不十分であり、さらには重金属イオンによる水質汚染や
安全性にも問題があった。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明は、(a)α,
β−不飽和カルボン酸5〜60重量%、(b)(メタ)
アクリル酸アルキルエステル30〜90重量%、(c)
(a)および(b)と共重合可能な他の単量体0〜65
重量%からなる単量体を乳化重合して得られる共重合体
ラテックス100重量部(固形分換算)に等電点がpH
4以上であり、かつ等電点以下のpHで陽性の表面電荷
を有する金属化合物0.5〜50重量部を分散したこと
を特徴とする水性被覆組成物を提供するものである。
【0005】本発明に使用する共重合体ラテックスを製
造する際に用いる単量体のうち、(a)α,β−不飽和
カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、
イタコン酸、モノアルキルイタコネート、マレイン酸、
クロトン酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒ
ドロフタル酸などが挙げられ、好ましくは(メタ)アク
リル酸である。これらの(a)α,β−不飽和カルボン
酸単量体は1種単独で、あるいは2種以上を併用するこ
ともできる。この(a)α,β−不飽和カルボン酸単量
体は、共重合体ラテックスのアルカリ除去法、重合安定
性と耐久性のバランスを高水準に保つために必須の成分
である。その使用量は、全単量体の5〜60重量%、好
ましくは10〜50重量%であり、さらに好ましくは2
0〜40重量%である。5重量%未満では耐久性が低下
し、60重量%を超えるとレベリング性に劣るものとな
る。
【0006】(b)(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルとしては、アルキル基の炭素数が1〜10の(メタ)
アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリ
ル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸n
−アミル、(メタ)アクリル酸i−アミル、(メタ)ア
クリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキ
シル、(メタ)アクリル酸i−ノニル、(メタ)アクリ
ル酸デシル、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシアミル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなど、
好ましくは(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリ
ル酸メチルなどが挙げられる。この(b)(メタ)アク
リル酸アルキルエステルの使用量は、全単量体の30〜
90重量%、好ましくは40〜80重量%、さらに好ま
しくは50〜70重量%である。30重量%未満では耐
水性、耐候性に劣り好ましくない。
【0007】(c)(a)および(b)と共重合可能な
他の単量体としては、ベンジル(メタ)アクリレート、
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、アルキルフェ
ノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、アルキルフ
ェノールエチレンオキシド(メタ)アクリレート、アル
キルフェノールプロピレンオキシド(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)
アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレー
トモノフタレート、エチレングリコール(メタ)アクリ
レートヒドロキシエチルフタレートなどのポリエステル
(メタ)アクリレート類、アリルグリシジルエーテル、
グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル
(メタ)アクリレートなどのエポキシ化合物、ジビニル
ベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
トなどの多官能性単量体、(メタ)アクリルアミド、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N′−メチレンビスアクリル
アミド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミ
ド、マレイミドなどの酸アミド化合物、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、酢酸ビニル、脂肪酸ビニルエステルなど
のビニル化合物、トリフルオロエチル(メタ)アクリレ
ート、ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレー
トなどのフッ素原子含有単量体、γ−メタクリロイルプ
ロパントリメトキシシラン、チッソ(株)製のサイラプ
レーンFM0711などの反応性シリコーンなどのシリ
コーン化合物、スチレン、α−メチルスチレン、4−メ
チルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレ
ン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチ
レン、4−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、
3,4−ジメチルスチレン、2−クロロスチレン、3−
クロロスチレン、4−クロロ−3−メチルスチレン、4
−t−ブチルスチレン、2,4−ジクロロスチレン、
2,6−ジクロロスチレン、1−ビニルナフタレン、ジ
ビニルベンゼンなどの芳香族ビニル単量体、モノアミン
類、アミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチル
アクリレート、ブチルアミノエチルアクリレートなどの
エチレン系不飽和カルボン酸のアミノアルキルエステ
ル、アミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノメチ
ルメタクリルアミド、メチルアミノプロピルメタクリル
アミドなどのエチレン系不飽和カルボン酸のアミノアル
キルアミド、(メタ)アクリロニトリル、α−クロルア
クリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体などを挙
げることができる。(c)成分としては、芳香族ビニル
単量体が好ましい。
【0008】(c)成分の使用量は、全単量体の0〜6
5重量%、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましく
は10〜30重量%である。本発明において、共重合体
ラテックスは通常の乳化重合法により得ることができ
る。例えば、水性媒体中に上記単量体、乳化剤、重合開
始剤、連鎖移動剤、キレート化剤、pH調整剤などを添
加し、温度30〜100℃で1〜30時間程度重合反応
を行なう。ここで、使用される乳化剤としては、陰イオ
ン性、非イオン性、または陰イオン−非イオン性の組み
合わせが用いられ、場合によっては両性界面活性剤、陽
イオン性界面活性剤も用いることができる。陰イオン性
乳化剤としては、例えば高級アルコール硫酸エステルナ
トリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム
塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウ
ムなどが挙げられる。これらのうち、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、ラウリルサルフェートナトリウ
ム塩、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルフ
ェニル)エーテルの硫酸塩などが好ましく使用される。
【0009】非イオン性乳化剤としては、例えばポリオ
キシエチレンアルキルアリルエーテルなどを挙げること
ができる。一般的には、非イオン性乳化剤としては、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンオクチルフェニルエーテルなどが使用される。
両性乳化剤としては、ラウリルベタインが適当である。
陽イオン界面活性剤としては、アルキルピリジニルクロ
ライド、アルキルアンモニウムクロライドなどが使用で
きる。さらに、前記単量体(以下、モノマーということ
もある)成分を構成する単量体と共重合可能な、いわゆ
る反応性乳化剤、例えばスチレンスルホン酸ナトリウ
ム、アリルアルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルア
リルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルア
リルグリセリンエーテルサルフェート、ポリオキシエチ
レンアルキルフェノールアリルグリセリンエーテルサル
フェートなども、乳化剤として使用してよい。
【0010】乳化剤の使用量は、通常、モノマー成分1
00重量部あたり、0〜5重量部であるが、耐熱水性の
点でソープフリー系、反応性乳化剤の使用系が好まし
い。また、乳化剤として水溶性高分子を使用することも
できる。例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル
酸塩、水溶性(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ス
チレン−マレイン酸共重合体塩、スチレン−(メタ)ア
クリル酸共重合体塩、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポ
リ(メタ)アクリルアミドの共重合体などが挙げられ、
これらのうち好ましくは部分ケン化ポリビニルアルコー
ル、水溶性(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチ
レン−マレイン酸共重合体塩、スチレン−(メタ)アク
リル酸共重合体塩などのカルボキシル化芳香族ビニル共
重合体の塩が挙げられる。重合開始剤としては、例えば
水溶性の過硫酸塩、過酸化水素などが使用可能であり、
場合によっては還元剤と組み合わせて使用することがで
きる。
【0011】還元剤としては、例えばピロ重亜硫酸ナト
リウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、
L−アスコルビン酸およびその塩、ナトリウムホルムア
ルデヒドスルホキシレートなどを挙げることができる。
また、油溶性の重合開始剤、例えば2,2′アゾビスイ
ソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾ
ビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1′−ア
ゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリル、過酸化
ベンゾイル、過酸化ジブチル、クメンヒドロ過酸化物な
どを単量体あるいは溶媒に溶解して使用することができ
る。好ましい油溶性重合開始剤としては、キュメンハイ
ドロパーオキサイド、イソプロピルベンゼンハイドロパ
ーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、
アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイ
ド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、3,5,5−
トリメチルヘキサノールパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシ(2−エチルヘキサノエート)などを挙げるこ
とができる。これらの重合開始剤の使用量は、モノマー
成分100重量部あたり、0.1〜3重量部程度であ
る。
【0012】連鎖移動剤としては、ハロゲン化炭化水素
(例えば、四塩炭素、クロロホルム、ブロモホルム)、
メルカプタン類(例えば、n−ドデシルメルカプタン、
t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタ
ン)、キサントゲン類(例えば、ジメチルキサントゲン
ジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルフ
ァイド)、テルペン類(例えば、ジペンテン、ターピノ
ーレン)、α−メチルスチレンダイマー〔2,4−ジフ
ェニル−4−メチル−1−ペンテン(a1 )、2−4−
ジフェニル−4−メチル−ペンテン(a2 )、および1
−1−3−トリメチル−3−フェニルインダン(a3
の少なくとも1種からなり、好ましくは(a1 )/(a
2 )および/または(a3 )(重量比)=40〜100
/0〜60〕、不飽和環状炭化水素化合物(例えば、
9,10−ジヒドロアントラセン、1,4−ジヒドロナ
フタレン、インデン、1,4−シクロヘキサジエン)、
不飽和ヘテロ環状化合物(例えば、キサンテン、2,5
−ジヒドロフラン)などを挙げることができる。連鎖移
動剤の使用量は、モノマー成分100重量部あたり、0
〜5重量部程度である。
【0013】キレート化剤としては、例えばグリシン、
アラニン、エチレンジアミン四酢酸などを、またpH調
整剤としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素ナトリウム、アンモニアなどを挙げることがで
きる。キレート化剤およびpH調整剤の使用量は、それ
ぞれ、モノマー100重量部あたり、0〜0.1重量部
および0〜3重量部程度である。なお、乳化重合の際に
必要に応じて使用される溶剤としては、作業性、防災安
全性、環境安全性および製造安全性を損なわない範囲内
で、少量のメチルエチルケトン、アセトン、トリクロロ
トリフルオロエタン、メチルイソブチルケトン、ジメチ
ルスルホキサイド、トルエン、ジブチルフタレート、メ
チルピロリドン、酢酸エチル、アルコール類、セロソル
ブ類、カルビノール類などが用いられる。この溶剤の使
用量は、モノマー成分100重量部あたり、0〜10重
量部程度である。本発明における乳化重合は、公知の方
法、例えばモノマー成分全量を反応系に一括して仕込む
方法、モノマー成分の一部を仕込んで反応させた後、残
りのモノマー成分を連続または分割して仕込む方法、モ
ノマー成分を全量連続して仕込む方法などによって行な
うことができる。
【0014】なお、共重合体の最終的な重合添加率は、
90〜100重量%、特に95〜100重量%であるこ
とが好ましい。また、シード重合を採用する場合には、
あらかじめ単量体を乳化重合して得られるポリマーをシ
ード粒子とし、これに(a)〜(b)成分からなる単量
体混合物を加えて乳化重合すればよい。乳化重合して得
られる(A)成分の共重合体の重量平均分子量は、3,
000〜300,000、好ましくは5,000〜25
0,000、さらに好ましくは8,000〜200,0
00である。3,000未満では耐久性が劣り、30
0,000を超えると塗工性が劣る。(A)成分の共重
合体のガラス転移温度は、好ましくは10〜180℃、
さらに好ましくは20〜175℃、特に好ましくは30
〜170℃である。10℃以下では耐久性が劣り、18
0℃を超えると造膜性が劣る。(A)成分の共重合体ラ
テックスの平均粒子径は、好ましくは1μm以下、さら
に好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.2μ
m以下であり、1μmを超えると光沢が劣るので好まし
くない。
【0015】(B)成分の金属化合物としては、IIa
族金属化合物、例えばMgO、Mg(OH)2 など、I
IIa族金属化合物、例えばAl2 3 など、IIIb
族金属化合物、例えばY2 3 、CeO2 など、IVa
族金属化合物、例えばSnO2 など、IVb族金属化合
物、例えばTiO2 、ZrO2 など、VIb族金属化合
物、例えばCr2 3 など、VIII族金属化合物、例
えばFe2 3 などを挙げることができ、好ましくは、
IIIa族金属酸化物、IVb族金属酸化物などが挙げ
られる。これらの(B)成分の金属化合物は粒子状が好
ましく、その平均粒子径は、通常、2000オングスト
ローム(以下、Aという)以下、好ましくは1500A
以下、さらに好ましくは50〜1000Aで、2000
Aを超えると光沢が劣る。さらに、これらの(B)成分
の金属化合物は等電点がpH4以上であり、かつ等電点
以下のpHで表面電荷が陽性であることが必要である。
等電点のpHが4未満、かつpHが4以上で表面電荷が
陰性の金属酸化物粒子では耐久性が劣る。本発明は、前
記の(A)成分の共重合体ラテックスと(B)金属化合
物を固形分換算(重量部)で100/0.5〜50、好
ましくは100/1〜30、さらに好ましくは100/
3〜20であり、(B)が0.5重量部未満では耐久性
が劣り、50重量部を超えると光沢が劣る。
【0016】(B)金属化合物の分散方法としては、通
常、1種または2種以上からなる(A)共重合体分散液
と、水に1種または2種以上からなる(B)を分散した
分散液をホモジナイザーなどで混合する方法があるが、
(A)成分の共重合体成分(a)、(b)の重合過程
に、あらかじめ(B)成分を共存させてもよい。さら
に、(B)成分にあらかじめ1種以上のアニオン性乳化
剤、ノニオン性乳化剤、両性乳化剤、カチオン性乳化剤
を配合後、1種または2種以上からなる(A)成分に添
加してもよい。あるいはこれらを組み合わせてもよい。
本発明の水性被覆組成物は、(A)共重合体ラテックス
に(B)金属化合物を分散してなるが、さらに(C)ワ
ックスエマルジョン、(D)アルカリ可溶性樹脂、
(E)造膜助剤、(F)湿潤剤、分散剤、レベリング
剤、防腐剤、消泡剤などの添加剤などを含有することが
好ましい。通常の水性被覆組成物は、(A)共重合体ラ
テックス100重量部(固形分換算)、(B)金属化合
物0.5〜50重量部、(C)ワックスエマルジョン0
〜40重量部、(D)アルカリ可溶性樹脂0〜50重量
部、(E)造膜助剤0〜50重量部、(F)その他添加
剤0〜5重量部である。
【0017】ここで、(C)ワックスエマルジョンは、
(A)成分100重量部に対し0〜40重量部、好まし
くは5〜30重量部、さらに好ましくは10〜30重量
部であり、40重量部を超えると光沢が劣り、外観が損
なわれる。ここで、(D)アルカリ可溶性樹脂は、水性
被覆組成物のレベリングを向上させるとともに、剥離性
を向上させる作用をなし、かかる樹脂としては、例えば
スチレン−マレイン酸共重合体樹脂、シェラック、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂などを挙げることができる。使用
量は、(A)成分100重量部に対し0〜50重量部、
好ましくは5〜40重量部、さらに好ましくは10〜3
0重量部である。50重量部を超えると耐久性が劣る。
【0018】(E)造膜助剤としては、トリブトキシホ
スフェート、多価アルコール類、ジエチレングリコー
ル、イソホロン、ベンジルアルコールおよび3−メトキ
シブタノール−1のモノエチルあるいはモノメチルエー
テル、ベンジルブチルフタレート、ジブチルフタレー
ト、ジメチルフタレート、トリフェニルホスフェート、
カルビトール系などの成膜助剤、顔料などの通常の塗料
に用いられる添加剤を加えることができる。使用量は、
(A)成分100重量部に対し0〜50重量部、好まし
くは5〜40重量部、さらに好ましくは10〜30重量
部であり、50重量部を超えると耐久性が劣る。かくて
得られる水性被覆組成物は、分散性が良好であり、常温
において良好な貯蔵安定性を示し、かかる組成物は通常
の方法でスプレー、布拭き、ブラシがけ、ハケにより塗
布後、風乾もしくは加熱により迅速に乾燥して、透明
な、さらに顔料が含まれている場合には着色した強調な
塗膜を形成することが可能である。本発明の組成物は耐
久性に優れるものであるが、これは、従来金属化合物は
組成物中に溶解し、金属イオンとして作用していたが、
本発明の組成物では金属化合物が溶解せずに、好ましく
は粒子状で分散しているため、充填剤としての作用とイ
オン架橋剤としての作用の相乗効果を有するものであ
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べるが、本
発明がこれらに限定されるものではない。 実施例1〜3、比較例1〜9 (1)撹拌機付きガラス製反応容器(容量3リットル)
にコンデンサー、温度計、滴下ロートを取り付け、脱イ
オン水100重量部、ラウリル硫酸ソーダ1重量部、過
硫酸アンモニウム0.5重量部を仕込み、内部の空気を
窒素で置換した後、撹拌しつつ内部温度を65℃までに
上げ溶解させ、あらかじめ別容器で脱イオン水50重量
部、ラウリル硫酸ソーダ1重量部と表1、表2に示す単
量体を混合撹拌し乳化物をつくり、それを3時間を要し
て連続滴下した。滴下中は、窒素を導入しながら80℃
で反応を行なった。滴下終了後、さらに85℃で2時間
撹拌した後、25℃まで冷却し反応を終了した。得られ
た共重合体分散液イ〜チの重合添加率は、いずれも98
重量%以上であった。また、凝固物の発生もほとんど見
られなかった。 (2)25℃を保った撹拌状態で、下表のようにあらか
じめ乳化剤を加えたアルミナゾル(日産化学工学社製、
520 酸化アルミニウム)を共重合体ラテックス10
0重量部に対し、6重量部を添加し、ホモジナイザーに
て十分分散し、水性被覆組成物A〜Iを得た。
【0020】水性床光沢組成物の調整 下記の処方で水性床光沢組成物を調整した。水性床光沢組成物処方 水性被覆組成物*1 80重量部 ワックスエマルジョン*2 15重量部 アルカリ可溶性樹脂*3 5重量部 フッ素系界面活性剤*4 0.5重量部 *1 トリブトキシエチルフォスフェート/カルビトール
=1/4(重量比)の 割合で混合した造膜助剤を添加し
て、最低造膜温度を5℃に調整し、さらに脱イオン水を
加えて固形分を14重量%に調整した。 *2 ワックスエマルジョン;東邦化学 HYTEC E
−4B、固形分を15 重量%に調整した。 *3 アルカリ可溶性樹脂;ARCO Chemical
Company S MA−2625A(酸価220、
分子量1,900のスチレン、マレイン酸樹脂)、固形
分を15重量%に調整した。 *4 フッ素系界面活性剤;C6 17SO2 N(C
2 5 )CH2 COOK、固形分を1重量%に調整し
た。 水性被覆組成物としての評価を次の方法により行なっ
た。
【0021】耐ブラックヒールマーク性 ホモジニアスタイル上に水性床光沢組成物を、1m2
たり10gを塗布し、その後、乾燥させる。これを3回
繰り返しサンプルを作製する。サンプルを10日間、人
通りの多い(50〜100往復/日)場所に設置し、ブ
ラックヒールマークの付着程度を観察した。 ○:BHMの付着がほとんどないもの △:BHMが若干付着したもの ×:BHMの付着が多いもの耐スカッフ性 ブラックヒールマークの評価と同様にサンプルを作製、
設置し、スカッフの発生程度を観察した。 ○:スカッフの発生がほとんどないもの △:スカッフが若干発生したもの ×:スカッフの発生が多いもの光 沢 ブラックヒールマークの評価と同様にサンプルを作製
し、サンプルを村上式光沢計による60°反射の測定を
した。レベリング性 ホモジニアスタイル上に水性床光沢組成物を1m2 あた
り10gを塗布し、直ちにX状に対角線を引き、その
後、乾燥させる。これを3回繰り返しサンプルを作製す
る。その乾燥後、この線の消える度合により判定した。 ○:ほとんど消えたもの △:やや残っていたもの ×:ほとんど残っていたもの
【0022】以上の実施例および比較例において得られ
た各水性被覆組成物用エマルジョンを、水性被覆組成物
として評価した結果を表1、表2に示す。水性被覆組成
物用エマルジョンA〜L中、A〜Cは本発明に属し、D
〜Lは本発明に属さないものである。実施例1〜3は、
本発明の範囲の水性被覆組成物用エマルジョンを用いた
水性被覆組成物の例であり、本発明の目的とする水性被
覆組成物が得られている。比較例1は、α,β−不飽和
カルボン酸の使用量が本発明の範囲未満であり、耐ブラ
ックヒールマーク性、耐スカッフ性が劣っている。比較
例2は、α,β−不飽和カルボン酸の使用量が本発明の
範囲を超えた例であり、光沢が低下し、レベリング性が
劣っている。比較例3は、金属酸化物粒子の使用量が本
発明の範囲未満の例であり、耐ブラックヒールマーク
性、耐スカッフ性が劣る。比較例4は、金属酸化物粒子
の使用量が本発明の範囲を超えた例であり、レベリング
性、耐ブラックヒールマーク性、光沢が劣る。比較例5
は、本発明の金属酸化物粒子に変えて、等電点が本発明
の範囲外の金属酸化物粒子を用いた例であり、耐ブラッ
クヒールマーク性、耐スカッフ性、光沢、レベリング性
が劣る。比較例6は、従来用いられているZn系の架橋
剤を用いた例である。本発明に比べ、耐ブラックヒール
マーク性、耐スカッフ性が劣る。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明の水性被覆組成物は、Znイオン
などの重金属架橋剤を含有しないために、近年問題とな
っている環境汚染、安全・衛生上の危険性などが極めて
少なく、さらに従来のZnイオンなどの重金属架橋剤を
用いた水性被覆組成物と同等もしくはそれ以上の耐久性
を有するものであり、極めて工業的価値が大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平春 晃男 東京都中央区築地二丁目11番24号日本合成 ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)α,β−不飽和カルボン酸5〜6
    0重量%、(b)(メタ)アクリル酸アルキルエステル
    30〜90重量%、(c)(a)および(b)と共重合
    可能な他の単量体0〜65重量%からなる単量体を乳化
    重合して得られる共重合体ラテックス100重量部(固
    形分換算)に等電点がpH4以上であり、かつ等電点以
    下のpHで陽性の表面電荷を有する金属化合物0.5〜
    50重量部を分散したことを特徴とする水性被覆組成
    物。
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