JPH07242853A - 水分散体組成物 - Google Patents

水分散体組成物

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JPH07242853A
JPH07242853A JP3387494A JP3387494A JPH07242853A JP H07242853 A JPH07242853 A JP H07242853A JP 3387494 A JP3387494 A JP 3387494A JP 3387494 A JP3387494 A JP 3387494A JP H07242853 A JPH07242853 A JP H07242853A
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JP
Japan
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weight
meth
acrylate
dispersion composition
aqueous dispersion
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Application number
JP3387494A
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English (en)
Inventor
Ichiro Kajiwara
一郎 梶原
Misayo Miura
操代 三浦
Minoru Kato
稔 加藤
Yasuaki Yokoyama
泰明 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP3387494A priority Critical patent/JPH07242853A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、耐熱水性、屈曲性、密着性に優れ
た塗膜を形成することができ、しかも貯蔵安定性、皮張
り防止性にも優れた水性コーティング剤を形成しうる水
分散体組成物を提供する。 【構成】 本発明に係る水分散体組成物は、 [A](a) ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
0.1〜30重量%と、(b) アルキル(メタ)アクリレ
ート;40〜99.9重量%と、(c) 上記の(a) 、(b)
と共重合可能な他のエチレン性不飽和化合物;0〜5
9.9重量%とのアクリル系共重合体を含むエマルジョ
ンと、 特定量の[B]水溶性高分子と、 [C]多価アルコールと、 [D]熱硬化性樹脂とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱水性、屈曲性、密
着性に優れた塗膜を形成することができるとともに、貯
蔵安定性および皮張り防止性にも優れ、金属、プラスチ
ック、木材、セラミックスなどへの焼付型水性コーティ
ング剤として利用することができるような水分散体組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、缶、アルミサッシなどの金属
へのコーティング剤としては、一般に有機溶剤型コーテ
ィング剤あるいは有機溶剤含有型の焼付型水性コーティ
ング剤が用いられてきた。しかしながらこのような有機
溶剤系のコーティング剤は、有機溶剤を用いることによ
る火災、爆発の危険性とともに安全衛生、公害、省資源
などの問題から、有機溶剤を含まないかあるいは有機溶
剤を極少量でしか含まない水性コーティング剤への移行
が望まれている。
【0003】このような水性コーティング剤としては、
通常水分散体組成物を用いて形成されるエマルジョンタ
イプまたは水溶性タイプのコーティング剤が種々提案さ
れている。しかしながら従来の水性コーティング剤たと
えば水性塗料では、使用時に塗料表面から水分が蒸発す
ることによって塗料表面に塗膜が形成され、いわゆる
「皮張り」が発生してしまうという問題点があった。こ
のように皮張りが発生すると、固化した塗膜が塗料中に
混入してしまうことがあり、このような塗料からはブツ
などの塗膜欠陥のある塗膜が形成されるという問題点が
あった。
【0004】このような水性コーティング剤の皮張りを
防止するには、従来水性コーティング剤中に湿潤剤など
を添加する方法が知られているが、湿潤剤などの添加に
よって水性コーティング剤が本来有する優れた特性、特
に耐水性が低下してしまうという新たな問題点を生じて
いた。
【0005】また従来の水性コーティング剤は、被塗装
材として特に缶、アルミサッシ、プレコートメタル、自
動車部品などの金属用途に利用する場合には、金属との
密着性が不充分であったり、また金属の加工・変形など
に追従しうる屈曲性の向上が望まれることがある。
【0006】さらに水分散体組成物を用いて形成される
水性コーティング剤は、貯蔵中に分散状態が変化して分
離してしまうことがあり、貯蔵安定性に優れた水性コー
ティング剤を形成しうる水分散体組成物の出現が望まれ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に鑑みてなされたものであり、耐熱水性、屈
曲性、密着性に優れた塗膜を形成することができ、しか
も貯蔵安定性、皮張り防止性にも優れた水性コーティン
グ剤を形成しうる水分散体組成物を提供することを目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな問題点を解決すべく鋭意研究を重ねたところ、特定
のアクリル化合物を特定量で共重合させて得られるアク
リル系共重合体エマルジョンと、このアクリル系共重合
体エマルジョンに対して特定量の水溶性高分子と、多価
アルコールと、熱硬化性樹脂とからなる水分散体組成物
は、耐熱水性、屈曲性、密着性に優れた塗膜を形成する
ことができ、しかも貯蔵安定性、皮張り防止性にも優れ
た水性コーティング剤を形成しうることを見出して本発
明を完成するに至った。
【0009】このような本発明に係る水分散体組成物
は、 [A](a) ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
0.1〜30重量%と、(b) アルキル(メタ)アクリレ
ート;40〜99.9重量%と、(c) 上記の(a) 、(b)
と共重合可能な他のエチレン性不飽和化合物;0〜5
9.9重量%[(a) +(b) +(c) の合計は100重量%
である]とを共重合させて得られるアクリル系共重合体
を含むアクリル系共重合体エマルジョンと、 [A]アクリル系共重合体エマルジョン中の固形分10
0重量部に対して、 [B]水溶性高分子;1〜200重量部と、 [C]多価アルコール;1〜200重量部と、 [D]熱硬化性樹脂;1〜200重量部とからなること
を特徴としている。
【0010】以下本発明の水分散体組成物について、具
体的に説明する。[A]アクリル系共重合体エマルジョン 本発明に係る水分散体組成物を形成する[A]アクリル
系共重合体エマルジョンは、(a) ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートと、(b) アルキル(メタ)アクリ
レートと、(c) 上記の(a) 、(b) と共重合可能な他のエ
チレン性不飽和化合物とを共重合させて得られるアクリ
ル系共重合体を含むエマルジョンである。
【0011】これら各化合物について具体的に説明す
る。(a) ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート 本発明で用いられる ヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートとしては、具体的に、ヒドロキシメチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシn-ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシi-ブ
チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシn-アミル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシi-アミル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシ2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシn-オクチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
【0012】これらのうち、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートなどが好ましい。これらは2種以上組み合
わせて用いることもできる。(b) アルキル(メタ)アクリレート 本発明で用いられるアルキル(メタ)アクリレートとし
ては、具体的に、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)
アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-アミ
ル(メタ)アクリレート、i-アミル(メタ)アクリレー
ト、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレー
トなどが挙げられる。
【0013】これらのうち、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n-,i-,t-ブチル
(メタ)アクリレートなどが好ましい。これらは2種以
上組み合わせて用いることもできる。
【0014】(c) 共重合可能な他のエチレン性不飽和化
合物 本発明で用いられる上記の(a) 、(b) と共重合可能な他
のエチレン性不飽和化合物としては、具体的に、スチレ
ン、α-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2-メチル
スチレン、3-メチルスチレン、4-メトキシスチレン、2-
ヒドロキシメチルスチレン、4-エチルスチレン、4-エト
キシスチレン、3,4-ジメチルスチレン、2-クロロスチレ
ン、3-クロロスチレン、4-クロロ-3-メチルスチレン、4
-t-ブチルスチレン、2,4-ジクロロスチレン、2,6-ジク
ロロスチレン、1-ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン
などの芳香族ビニル化合物、アリルグリシジルエーテ
ル、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジ
ル(メタ)アクリレートなどのエポキシ化合物、ジビニ
ルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
トなどの多官能性化合物、(メタ)アクリルアミド、N-
メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)ア
クリルアミド、N,N'-メチレンビスアクリルアミド、ダ
イアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイ
ミドなどの酸アミド化合物、(メタ)アクリル酸、フマ
ル酸、イタコン酸、モノアルキルイタコン酸、マレイン
酸、クロトン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル
ヘキサヒドロフタル酸などのエチレン性不飽和カルボン
酸、塩化ビニル、塩化ビニリデン、脂肪酸ビニルエステ
ルなどのビニル化合物、トリフルオロエチル(メタ)ア
クリレート、ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アク
リレートなどのフッ素原子含有化合物、γ-(メタ)ア
クリロイルプロパントリメトキシシラン、サイラプレー
ンFM0711(商品名;チッソ(株)製)などの反応
性シリコーンなどのシリコーン化合物などが挙げられ
る。
【0015】これらのうち、スチレン、(メタ)アクリ
ル酸、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、N-
メチロール(メタ)アクリルアミドなどが好ましい。こ
れらは2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0016】[A]アクリル系共重合体エマルジョンの
調製 本発明で用いられる[A]アクリル系共重合体エマルジ
ョンは、上記のような化合物(a) 、(b) 、(c) を乳化重
合あるいは懸濁重合させることによって直接エマルジョ
ンとして調製してもよく、あるいは一旦(a) 、(b) 、
(c) から得られたアクリル系共重合体を、水性媒体中に
乳化分散させることによりエマルジョンとして調製して
もよい。これらのうち、乳化重合よって直接[A]アク
リル系共重合体エマルジョンを調製することが好まし
い。
【0017】アクリル系共重合体エマルジョンを形成す
るに際して、(a) 、(b) 、(c) の合計を100重量%と
するとき、上記の(a) ヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートは、0.1〜30重量%好ましくは0.5〜2
0重量%さらに好ましくは1〜10重量%の量で、(b)
アルキル(メタ)アクリレートは、40〜99.9重量
%好ましくは50〜99.5重量%さらに好ましくは6
0〜99重量%の量で、(c) 他のエチレン性不飽和化合
物は、0〜59.9重量%好ましくは0〜49.5重量
%さらに好ましくは0〜39.0重量%の量で用いられ
る。
【0018】上記のような特定量の各成分から形成され
る本発明で用いられる[A]アクリル系共重合体エマル
ジョンからは、耐熱水性、屈曲性に優れた塗膜を形成す
る水分散体組成物を得ることができる。
【0019】なお上記のようなアクリル系共重合体にお
いて、(a) ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの
量が、0.1重量%未満であると耐熱水性に優れた塗膜
を形成しうる水分散体組成物が得られにくく、一方40
重量%を超えると屈曲性が低下することがある。また
(b) アルキル(メタ)アクリレートの量が、40重量%
未満であると屈曲性に優れた塗膜を形成しうる水分散体
組成物が得られにくい。さらに(c) 他のエチレン性不飽
和化合物の量が59.9重量%を超えると、重合時に多
量の凝集物が発生することがあり、またこのような量の
成分(c) を含むアクリル系共重合体エマルジョンから得
られる水分散体組成物からは屈曲性に劣る塗膜が得られ
ることがある。
【0020】本発明で用いられる[A]アクリル系共重
合体エマルジョンは、上記のようなアクリル系共重合体
(固形分)を、30〜60重量%好ましくは40〜55
重量%の量で含有していることが望ましい。
【0021】本発明で用いられる[A]アクリル系共重
合体エマルジョンでは、平均粒子径が、500nm以下
好ましくは400nm以下であることが望ましい。なお
この平均粒子径が500nmを超えるアクリル系共重合
体エマルジョンからは、耐水性に劣る塗膜が形成される
ことがある。
【0022】またアクリル系共重合体の重量平均分子量
は、200,000以上好ましくは300,000以上さ
らに好ましくは400,000以上であることが望まし
い。なおこの重量平均分子量が、200,000未満の
アクリル系共重合体エマルジョンからは、耐熱水性が不
十分な塗膜が形成されることがある。
【0023】さらに[A]アクリル系共重合体エマルジ
ョン中に含まれるアクリル系共重合体のガラス転移温度
(Tg)は、重合性化合物(a) 、(b) 、(c) の重合量に
応じて変化するが、−20℃以上であることが望まし
い。
【0024】このガラス転移温度Tgは、たとえばアク
リル系共重合体が(a) と(b) との共重合体である場合に
は、(a) 、(b) それぞれの単独重合体のガラス転移温度
から次式によって求めることができる。
【0025】
【数1】
【0026】 式中、Tg :アクリル系共重合体のガラス転移温度 W(a) :アクリル系共重合体中の(a) の重量分率 W(b) :アクリル系共重合体中の(b) の重量分率 Tg(a) :(a) の単独重合体のガラス転移温度 Tg(b) :(b) の単独重合体のガラス転移温度 アクリル系共重合体のガラス転移温度が、上記のように
−20℃以上好ましくは−10℃以上さらに好ましくは
0℃以上であると、アクリル系共重合体からは、金属な
どの被塗装材上に硬度および密着性に優れた塗膜を形成
することができる。なおこのガラス転移温度が−20℃
未満であると、硬度に劣る塗膜が形成されることがあ
り、またガラス転移温度が高すぎると室温乾燥では均一
な塗膜を形成しないことがあるため、ガラス転移温度の
上限は好ましくは120℃以下さらに好ましくは110
℃以下であることが望ましい。
【0027】以下に上記のような(a) 、(b) 、(c) を乳
化重合させて[A]アクリル系共重合体エマルジョンを
調製する方法について具体的に説明する。重合性化合物
(a) 、(b) 、(c) を乳化重合させて[A]アクリル系共
重合体エマルジョンを得るには、従来公知の乳化重合法
が広く利用されるが、たとえば水性媒体中、必要に応じ
て乳化剤、重合開始剤、連鎖移動剤、キレート化剤、p
H調整剤などの共存下に、(a) 、(b) 、(c) を通常30
〜100℃の温度で、1〜30時間程度重合反応させる
ことにより得られる。
【0028】以下に乳化重合の際に用いられる乳化剤、
重合開始剤、連鎖移動剤、キレート化剤、pH調整剤な
どの成分について具体的に説明する。乳化剤 乳化剤としては、陰イオン性乳化剤、非イオン性乳化
剤、両性界面活性剤(乳化剤)、陽イオン性界面活性剤
(乳化剤)を用いることができる。
【0029】本発明で用いられる陰イオン性乳化剤とし
ては、たとえば高級アルコール硫酸エステルナトリウム
塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、コハク
酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム塩、アルキ
ルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムなどが挙
げられる。
【0030】これらのうち、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ラウリルサルフェートナトリウム塩、ポ
リオキシエチレンアルキル(またはアルキルフェニル)
エーテルの硫酸塩などが好ましく用いられる。
【0031】非イオン性乳化剤としては、たとえばポリ
オキシエチレンアルキルアリルエーテルなどが挙げら
れ、具体的に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルな
どが挙げられる。
【0032】両性界面活性剤としては、ラウリルベタイ
ンが挙げられる。陽イオン界面活性剤としては、アルキ
ルピリジニルクロライド、アルキルアンモニウムクロラ
イドなどが挙げられる。
【0033】また乳化剤として上記のような重合性化合
物(a) 、(b) 、(c) と共重合可能な乳化剤いわゆる反応
性乳化剤を用いることもでき、たとえばスチレンスルホ
ン酸ナトリウム、アリルアルキルスルホン酸ナトリウ
ム、アルキルアリルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルアリルグリセリンエーテルサルフェート、
ポリオキシエチレンアルキルフェノールアリルグリセリ
ンエーテルサルフェートなどを用いることもできる。
【0034】さらに本発明では、後述するような水分散
体組成物を形成する際に用いられる[B]水溶性高分子
を乳化剤として用いることもできる。上記のような乳化
剤は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0035】これらのうちでは、水分散体組成物の耐熱
水性の点で、ソープフリー系、反応性乳化剤が好ましく
用いられる。本発明では、乳化重合に際して、乳化剤
は、(a) 、(b) 、(c) の合計100重量部に対して通常
0〜5重量部の量で用いられる。
【0036】重合開始剤 重合開始剤としては、一般的に乳化重合の際に用いられ
る過硫酸ナトリウムなどの水溶性の過硫酸塩、過酸化水
素などが挙げられる。
【0037】また油溶性の重合開始剤を用いることもで
き、たとえば2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-
アゾビス(4-メトキシ-2,4- ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2'-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、1,
1'-アゾビス-シクロヘキサン-1-カルボニトリル、過酸
化ベンゾイル、過酸化ジブチル、クメンヒドロ過酸化物
(パーオキサイド)、イソプロピルベンゼンヒドロパー
オキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、アゾ
ビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、
t-ブチルヒドロパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキ
サノールパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ(2-エチ
ルヘキサノエート) などが挙げられる。
【0038】油溶性重合開始剤のうちでは、クメンヒド
ロパーオキサイド、イソプロピルベンゼンヒドロパーオ
キサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、アゾビ
スイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、t-
ブチルヒドロパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサ
ノールパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ(2-エチル
ヘキサノエート) などが好ましく用いられる。
【0039】これらの油溶性重合開始剤は、重合性化合
物あるいは溶媒に溶解して用いることができる。本発明
では、重合開始剤としては、水溶性の過硫酸塩たとえば
過硫酸ナトリウムなどが好ましく用いられる。
【0040】上記のような重合開始剤は、(a) 、(b) 、
(c) の合計100重量部に対して、通常0.1〜3重量
部の量で用いられる。また乳化重合に際しては、重合開
始剤とともに還元剤を併用することもできる。
【0041】このような還元剤としては、たとえばピロ
重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸
ナトリウム、L−アスコルビン酸およびその塩、ナトリ
ウムホルムアルデヒドスルホキシレートなどが挙げられ
る。
【0042】連鎖移動剤 連鎖移動剤としては、下記のような化合物が用いられ
る。クロロホルム、ブロモホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプ
タン、n-オクチルメルカプタンなどのメルカプタン類 ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピル
キサントゲンジサルファイドなどのキサントゲン類、ジ
ペンテン、ターピノーレンなどのテルペン類、9,10-ジ
ヒドロアントラセン、1,4-ジヒドロナフタレン、インデ
ン、1,4-シクロヘキサジエンなどの不飽和環状炭化水素
化合物、キサンテン、2,5-ジヒドロフランなどの不飽和
ヘテロ環状化合物、また下記(a1)、(a2)および(a3)の少
なくとも1種からなり、好ましくは(a1)/{(a2)および
/または(a3)}(重量比)=40〜100/0〜60である化合
物;(a1)α-メチルスチレンダイマー[2,4-ジフェニル-
4-メチル-1-ペンテン、(a2)2,4-ジフェニル-4-メチル-
ペンテン、(a3)1,1,3-トリメチル-3-フェニルインダン
などが挙げられる。
【0043】連鎖移動剤は、(a) 、(b) 、(c) の合計1
00重量部に対して、通常0〜5重量部の量で用いられ
る。他の化合物 キレート化剤としては、たとえばグリシン、アラニン、
エチレンジアミン四酢酸などが挙げられる。
【0044】キレート化剤は、(a) 、(b) 、(c) の合計
100重量部に対して、通常0〜0.1重量部の量で用
いられる。pH調整剤としては、たとえば炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニアな
どが挙げられる。
【0045】pH調整剤は、(a) 、(b) 、(c) の合計1
00重量部に対して、通常0〜3重量部の量で用いられ
る。上記のような水性媒体で行われる乳化重合は、必要
に応じて少量の有機溶剤の共存下に行われてもよく、た
とえばメチルエチルケトン、アセトン、トリクロロトリ
フルオロエタン、メチルイソブチルケトン、ジメチルス
ルホキサイド、トルエン、ジブチルフタレート、メチル
ピロリドン、酢酸エチル、アルコール類、セロソルブ
類、カルビノール類などの有機溶剤を用いることができ
る。
【0046】この有機溶剤は、作業性、防災安全性、環
境安全性および製造安全性を損なわない範囲内で用いら
れ、具体的に、(a) 、(b) 、(c) の合計100重量部に
対して、通常5重量部以下の量で用いることができる。
【0047】上記のような各成分の共存下に行われる重
合性化合物(a) 、(b) 、(c) の乳化重合は、バッチ法、
半連続法、連続法などの公知の方法で実施することがで
き、具体的に、反応系に重合性化合物(a) 、(b) 、(c)
全部を一括して仕込む方法、重合性化合物(a) 、(b) 、
(c) の一部を仕込んで反応させた後に残部を連続または
分割して仕込む方法、重合性化合物(a) 、(b) 、(c) を
連続して反応系に仕込んでいく方法などによって行うこ
とができる。
【0048】[B]水溶性高分子 本発明で用いられる[B]水溶性高分子としては、具体
的に、ポリ(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アクリル酸
と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体塩、カルボ
キシル化芳香族ビニル共重合体塩たとえばスチレン−マ
レイン酸共重合体塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共
重合体塩、ポリ(メタ)アクリルアミド系共重合体塩た
とえば(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリルアミドと
の共重合体塩などが挙げられる。
【0049】これらのうち、(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体塩、スチレン−マレイン酸共重合体塩、スチ
レン−(メタ)アクリル酸共重合体塩などのカルボキシ
ル化芳香族ビニル共重合体塩が[A]アクリル系共重合
体エマルジョンとの相溶性・添加安定性の点で好ましく
用いられる。
【0050】これらは2種以上組み合わせて用いてもよ
い。なお本発明で用いられる[B]水溶性高分子は、酸
価が30〜500好ましくは50〜400さらに好まし
くは100〜300であることが望ましい。
【0051】なお水溶性高分子の酸価が30未満である
と、これを含む水分散体組成物は皮張りを生じやすく、
一方500を超えると塗膜の耐水性が低下してしまうこ
とがある。
【0052】また分子量は、1000〜100,000
好ましくは2000〜50,000さらに好ましくは2
500〜20,000であることが望ましい。なお水溶
性高分子の分子量が1000未満であると、これを含む
水分散体組成物から形成される塗膜は耐熱水性に劣るこ
とがあり、一方100,000を超えると皮張りを生じ
ることがある。
【0053】[C]多価アルコール 本発明で用いられる[C]多価アルコールは、1分子中
に水酸基を少なくとも2個有する化合物である。本発明
では、[C]多価アルコールとして、単量体、オリゴマ
ー、ポリマーなどが限定されることなく用いられ、具体
的に、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、ブチレングリコール、2,2-ジメチ
ルプロパンジオールなどの2価アルコール、グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
1,2,6-ヘキサントリオールなどの3価アルコール、ペン
タエリスリトール、ソルビトール、ジグリセロール、ジ
ペンタエリスリトール、ポリビニルアルコール(PV
A)などの4価以上のアルコールなどが用いられる。
【0054】これらのうち、エチレングリコール、グリ
セリン、ペンタエリスリトールなどが[A]アクリル系
共重合体エマルジョンとの相溶性・添加安定性の点で好
ましく用いられる。
【0055】これらは2種以上組み合わせて用いてもよ
い。[D]熱硬化性樹脂 本発明では、[D]熱硬化性樹脂としては、熱硬化性樹
脂として知られているものが広く用いられるが、このよ
うな熱硬化性樹脂としては、たとえばエポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、アミノ樹脂、ブロックイソシアネートな
どが挙げられる。
【0056】本発明では、このような[D]熱硬化性樹
脂として、レゾール型またはノボラック型フェノール・
ホルムアルデヒド樹脂(フェノール樹脂)、尿素・ホル
ムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂
(メラミン樹脂)、ベンドグアナミン・ホルムアルデヒ
ド樹脂(ベンドグアナミン樹脂)などが[A]アクリル
系共重合体エマルジョンとの相溶性・添加安定性の点で
好ましく用いられる。またこれらは2種以上組み合わせ
て用いてもよい。
【0057】水分散体組成物 本発明に係る水分散体組成物は、上記のような[A]、
[B]、[C]、[D]からなり、[A]アクリル系共
重合体エマルジョン中の固形分100重量部に対して、
[B]水溶性高分子を、1〜200重量部好ましくは3
〜150重量部さらに好ましくは5〜100重量部の量
で、[C]多価アルコールを、1〜200重量部好まし
くは3〜150重量部さらに好ましくは5〜100重量
部の量で、[D]熱硬化性樹脂を、1〜200重量部好
ましくは3〜150重量部さらに好ましくは5〜100
重量部の量で含有している。
【0058】このような特定の量の各成分から形成され
る本発明に係る水分散体組成物は、耐熱水性、屈曲性、
密着性に優れた塗膜を形成しうるとともに貯蔵安定性に
優れ、しかも皮張り防止性にも優れている。特に本発明
では、[B]水溶性高分子および[C]多価アルコール
を併用することによって、優れた諸特性を有する水分散
体組成物を得る。
【0059】なお水分散体組成物中に、上記のような各
成分のうちいずれかの成分が欠けていると、たとえば
[B]水溶性高分子または[C]多価アルコールが含ま
れていないと水分散体組成物は皮張り防止性に劣ったり
することがあり、各成分を特定の量で含むことによって
上記のような特性を有する水分散体組成物が得られる。
【0060】上記の[B]水溶性高分子および[C]多
価アルコールの量がそれぞれ1重量部未満であると、水
分散体組成物は皮張りを生じやすく、一方それぞれ20
0重量部を超えると耐熱水性が低下することがある。ま
た[D]熱硬化性樹脂の量が1重量部未満であると水分
散体組成物は耐熱水性に劣ることがあり、一方200重
量部を超えると貯蔵安定性が低下することがある。
【0061】本発明に係る水分散体組成物は、上記のよ
うな各成分[A]、[B]、[C]、[D]を配合する
ことにより得られ、各成分の添加順序は特に限定されな
い。たとえば全成分を一挙に配合するか、あるいは成分
[A]に他の成分を逐次添加するか、予め一部の成分同
士を配合した後、これに他の成分を単独であるいは予め
配合して添加するなど種々の順序で配合することができ
る。
【0062】これらのうち、予め混合された[B]水溶
性高分子および[D]熱硬化性樹脂を[A]アクリル系
共重合体エマルジョン中に分散させた後、これに[C]
多価アルコールを添加することが好ましい。
【0063】上記のように各成分を配合する際には、攪
拌下に各成分を添加することが好ましく、また加熱など
の熟成処理によって成分同士の相溶性を向上させること
が好ましく、この熟性処理によって水分散体組成物は、
耐熱水性が向上することがある。熟成処理は、上記の配
合段階のうちいずれで行ってもよく、また複数の配合段
階で行うことができる。
【0064】このような熟成(加熱)処理は、通常30
℃以上好ましくは50℃以上さらに好ましくは70℃
で、通常10分以上好ましくは30分以上することが望
ましい。
【0065】このようにして得られる本発明に係る水分
散体組成物は、上記の成分[A]〜[D]とともに、必
要に応じて添加剤を含有していてもよい。このような添
加剤としては、公知の水溶性あるいは水分散性樹脂、添
加剤が挙げられ、たとえば水溶性ポリエステル樹脂、水
溶性あるいは水分散性エポキシ樹脂、水溶性あるいは水
分散性ウレタン樹脂などの樹脂、金属酸化物、多価金属
塩、触媒潤滑剤、消泡剤、湿潤剤、レベリング剤、顔料
などが挙げられる。
【0066】さらに添加剤としては、造膜性、濡れ性を
向上させるために、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルア
ルコール、ヘキシルアルコールなどのアルコール類、メ
チルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、メチルカ
ルビトール、エチルカルビトール、メチルセロソルブア
セテート、エチルセロソルブアセテート、トリブトキシ
メチルフォスフェートなどの有機溶剤を用いることがで
きる。この有機溶剤は、水分散体組成物の固形分100
重量部に対し、通常20重量部以下好ましくは10重量
部以下の量で、必要に応じてかつ本発明の目的を損なわ
ない範囲で用いられる。
【0067】本発明に係る水分散体組成物は、上述した
ような優れた諸特性を有するため、この水分散体組成物
から形成される塗料などの水性コーティング剤は、特に
貯蔵安定性、皮張り防止性に優れており、耐熱水性、屈
曲性、密着性に優れたコーティング膜を形成する。
【0068】本発明に係る水分散体組成物から製造され
る塗料などの水性コーティング剤は、造膜助剤などの添
加、高温乾燥あるいはこれらの併用することによって被
塗装材との密着性に一層優れたコーティング膜を形成す
ることができる。
【0069】ここでコーティング膜の厚さは、通常、5
〜150μmであるが、重ねて塗装することにより、さ
らに厚膜にすることもできる。また、コーティング膜
は、通常100℃以上の温度で焼付け塗装することがで
きる。
【0070】このような本発明に係る水分散体組成物
は、家具、ビニル床材、航空機の内装材、オートバイ、
自動車の内装・外装材、事務用機器などのコーティング
剤用途に好適に用いられ、プラスチック、金属、ゴム
質、木質、セラミックなどの被塗装体に塗布されるが、
特に缶、アルミサッシ、プレコートメタル、自動車部品
などの金属へのコーティング剤として好適に利用され
る。
【0071】
【発明の効果】本発明に係る水分散体組成物は、耐熱水
性、屈曲性、密着性に優れるとともに貯蔵安定性に優
れ、特に皮張り防止性にも優れており、種々の用途特に
金属へのコーティング剤として好適に利用される。
【0072】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0073】以下の実施例で得られた水分散体組成物の
特性は、下記の方法により該水分散体組成物から調製さ
れた塗料または試験片について測定した。(i) 貯蔵安定性 水分散体組成物から調製された塗料を、50℃で一ヵ月
放置した後観察した。
【0074】○ … 変化のないもの、 △ … 一部変化が認められたもの、 × … 分離が見られるもの。
【0075】(ii)耐皮張り性(皮張り防止性) 水分散体組成物から調製された塗料をガラス板上に膜厚
200μmで塗布し、25℃、63%RHの雰囲気下に
7日間放置した後、水を含んだ布で拭き取り、塗料の乾
燥具合により、耐皮張り性を評価した。
【0076】○ … すぐに拭き取れるもの、 △ … 一部が拭き取れないもの、 × … 全く拭き取れないもの。
【0077】(iii) 密着性 JIS K5400に準拠して測定した。1mm角10
0個の碁盤目試験を行い、セロテープ(商品名:ニチバ
ン(株)製)で剥離されなかったものの数を、接着個数
/100個として表示した。
【0078】(iv)耐熱水性 沸騰脱イオン水に試験片を2時間浸漬した後、試験片上
の塗膜について白化の程度を目視により評価した。
【0079】○ … 変化のないもの、 × … 白化したもの。(v) 屈曲性 試験片を、直径3mmの芯棒を用いて180゜折り曲
げ、発生したひびを目視により評価した。
【0080】○ … ひび発生なし、 × … ひび発生あり。
【0081】
【実施例1】アクリル系共重合体エマルジョン[A-1] の調製 攪拌機、温度計、重合性化合物を導入するポンプ、加熱
器およびチッ素ガス導入装置を備えたステンレス製オー
トクレーブに、水 90重量部と、ポリオキシエチレン
アルキルフェノールアリルグリセリンエーテルサルフェ
ート0.5重量部と、過硫酸ナトリウム0.3重量部と
を仕込み、気相部を15分間窒素ガスで置換した後、7
5℃に昇温した。
【0082】次いで別容器から、下記の各成分からなる
乳化物を3時間かけて連続的に添加して乳化重合を行っ
た。 (a) としてヒドロキシエチルメタクリレート;5重量
部、(b) としてメチルメタクリレート;47重量部、エ
チルアクリレート;35重量部、n-ブチルアクリレー
ト;10重量部、(c) としてメタクリル酸;3重量部、
アルキルアリルスルホコハク酸塩;2重量部、水;40
重量部 乳化物の添加終了後、さらに85〜95℃で2時間熟成
した後、25℃まで冷却し、次いでアンモニア水でpH
8に調整した後、固形分濃度が40重量%になるように
水で調整した。
【0083】次いで200メッシュ金網でろ過して、ア
クリル系共重合体エマルジョン[A-1] を得た。水分散体組成物[I]の調製 上記で得られたアクリル系共重合体エマルジョン[A-1]
100重量部(固形部重量として)を攪拌しながら、こ
れに予め混合された[B]水溶性高分子としてのJ−6
2(スチレンアクリル系水溶性ポリマー;ジョンソンポ
リマー(株)製)50重量部と、[D]熱硬化性樹脂と
してのサイメル303(メラミン樹脂;三井サイナミッ
ド(株)製)30重量部と、水225重量部との混合物
を徐々に添加した後、次いで[C]多価アルコールとし
てのグリセリン50重量部を添加した。
【0084】次いで、上記の混合物を70℃で1時間以
上攪拌した後、冷却して水分散体組成物[I]を得た。塗料の調製 上記のようにして得られた水分散体組成物100重量部
(固形部重量として)を攪拌しながら、これに50重量
%エチルカルビトール/水溶液20重量部を添加して、
さらに可塑剤(テキサノールCS−12;チッソ(株)
製)を4重量部添加した後、1時間以上攪拌した。
【0085】さらにカーボンブラック(キッチンブラッ
クW−311N;ライオン(株)製)を10重量部添加
して、ボールミル中で2時間混合することにより黒色塗
料を得た。
【0086】試験片の作製 得られた黒色塗料を、亜鉛鉄板(厚さ0.8mm)表面
上に、約10μmの膜厚になるようにバーコーターで塗
布した後、200℃で20分間焼き付けることにより試
験片を得た。
【0087】得られた試験片について、前述したような
特性を評価した。結果を表1に示す。
【0088】
【比較例1】実施例1において、ヒドロキシエチルメタ
クリレートを用いず、他の重合性化合物を表1に示すよ
うな種類および量で用いた以外は、実施例1と同様にし
てアクリル系共重合体エマルジョンを得た。
【0089】また各成分を表1に示すような種類および
量で用いた以外は、実施例1と同様にして水分散体組成
物を得た。この水分散体組成物から、実施例1と同様に
して塗料および試験片を得た。結果を表1に示す。
【0090】この比較例1では、水分散体組成物は、
(a) ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート成分を含
まないアクリル系共重合体エマルジョンから得られてお
り、耐熱水性に劣っている。
【0091】
【比較例2】実施例1において、重合性化合物を表1に
示すような種類および量で用いた以外は、実施例1と同
様にしてアクリル系共重合体エマルジョンを得た。
【0092】また各成分を表1に示すような種類および
量で用いた以外は、実施例1と同様にして水分散体組成
物を得た。この水分散体組成物から、実施例1と同様に
して塗料および試験片を得た。結果を表1に示す。
【0093】この比較例2の水分散体組成物を形成する
際には、30重量%を超える量の(a) ヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレートから調製されたアクリル系共重
合体エマルジョンが用いられているが、得られた水分散
体組成物は屈曲性に劣っていた。
【0094】
【実施例2】[A-2] アクリル系共重合体エマルジョンの調製 実施例1において、重合性化合物を表1に示すような種
類および量で用いた以外は、実施例1と同様にしてアク
リル系共重合体エマルジョン[A-2] を得た。
【0095】水分散体組成物[II]の調製 実施例1において、アクリル系共重合体エマルジョン[A
-1] を[A-2] に、また[B]水溶性高分子をB−36
(スチレンアクリル系水溶性ポリマー;ジョンソンポリ
マー(株)製)に代え、成分[C]および[D]を表1
に示すような量で用いた以外は、実施例1と同様にして
水分散体組成物[II]を得た。
【0096】この水分散体組成物[II]から、実施例1
と同様にして塗料および試験片を得た。結果を表1に示
す。
【0097】
【比較例3】実施例2において、重合性化合物を表1に
示すような種類および量で用いた以外は、実施例2と同
様にしてアクリル系共重合体エマルジョンを得た。
【0098】また各成分を表1に示すような種類および
量で用いた以外は、実施例2と同様にして水分散体組成
物を得た。この水分散体組成物から、実施例2と同様に
して塗料および試験片を得た。結果を表1に示す。
【0099】
【実施例3】[A-3] アクリル系共重合体エマルジョンの調製 実施例1において、重合性化合物を表1に示すような種
類および量で用いた以外は、実施例1と同様にしてアク
リル系共重合体エマルジョン[A-3] を得た。
【0100】水分散体組成物[III]の調製 実施例1において、アクリル系共重合体エマルジョン[A
-1] を[A-3] に代え、[B]水溶性高分子として上記の
J−62とB−36とを併用し、さらに成分[C]をペ
ンタエリスリトールに代え、成分[D]をサイメル11
23(ベンゾグアナミン樹脂;三井サイナミッド(株)
製)に代え、これら各成分を表1に示すような量で用い
た以外は、実施例1と同様にして水分散体組成物[II
I]を得た。
【0101】この水分散体組成物[III]から、実施例
1と同様にして塗料および試験片を得た。結果を表1に
示す。
【0102】
【表1】
【0103】
【比較例4〜5】実施例1において、[B]水溶性高分
子を表2に示すような量で用いた以外は、実施例1と同
様にして水分散体組成物を得た。
【0104】この水分散体組成物から、実施例1と同様
にして塗料および試験片を得た。結果を表2に示す。こ
の比較例4および5で得られる水分散体組成物では、該
組成物中の[B]水溶性高分子の量(成分[A]100
重量部に対して)が、1重量部未満であると皮張り防止
性が劣り、一方200重量部を超えると耐熱水性が劣っ
ていた。
【0105】
【比較例6〜7】実施例1において、[C]多価アルコ
ールを表2に示すような量で用いた以外は、実施例1と
同様にして水分散体組成物を得た。
【0106】この水分散体組成物から、実施例1と同様
にして塗料および試験片を得た。結果を表2に示す。こ
の比較例6および7で得られる水分散体組成物では、該
組成物中の[C]多価アルコールの量(成分[A]10
0重量部に対して)が、1重量部未満であると皮張り防
止性が劣り、一方200重量部を超えると耐熱水性が劣
っていた。
【0107】
【比較例8〜9】実施例1において、[D]熱硬化性樹
脂を表2に示すような量で用いた以外は、実施例1と同
様にして水分散体組成物を得た。
【0108】この水分散体組成物から、実施例1と同様
にして塗料および試験片を得た。結果を表2に示す。こ
の比較例8および9で得られる水分散体組成物では、該
組成物中の[D]熱硬化性樹脂の量(成分[A]100
重量部に対して)が、1重量部未満であると耐熱水性が
劣り、一方200重量部を超えると、貯蔵安定性、皮張
り防止性が劣っていた。
【0109】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 175/04 PHR 201/00 PDD (72)発明者 横山 泰明 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A](a) ヒドロキシアルキル(メタ)ア
    クリレート;0.1〜30重量%と、(b) アルキル(メ
    タ)アクリレート;40〜99.9重量%と、(c) 上記
    の(a) 、(b) と共重合可能な他のエチレン性不飽和化合
    物;0〜59.9重量%[(a) +(b) +(c) の合計は1
    00重量%である]とを共重合させて得られるアクリル
    系共重合体を含むアクリル系共重合体エマルジョンと、 [A]アクリル系共重合体エマルジョン中の固形分10
    0重量部に対して、 [B]水溶性高分子;1〜200重量部と、 [C]多価アルコール;1〜200重量部と、 [D]熱硬化性樹脂;1〜200重量部とからなること
    を特徴とする水分散体組成物。
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